良かった。デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフ。シリーズを読んでいないと分からない部分もあるが、シリーズで人気の何森刑事を主役に、ワンテーマに絞った３作それぞれに味があり、特に最後の「ロスト」の構成は長編ミステリっぽくてよかった。そしてなにより特筆すべきはみゆきの存在。デフシリーズでは主人公荒井の陰に隠れていまいち魅力を感じにくかった「みゆき」という人物が、刑事という仕事を通して、実に生き生きと描かれており、彼女の良さが際立っていた。シリーズを見ている方こそ見てほしい作品だ。

素晴らしかった。見事に騙されました。最初から時代的な背景があるとはいえメインヒロインともいえるリンが自己中にしか見えないし、デイビッドはどうにも好きになれないしイライラしてたらまさかまさかの大逆転劇で目からうろこでした。いや、やっぱりクリスティは流石ですね。騙しのテクニックが群を抜いている！面白かったです。そしてポアロは本当に、恩情派だなーと思いました。殺人ものなのに読み終わりが爽やかなこの感じ、クリスティの醍醐味だなと改めて感じます。