読書メーター KADOKAWA Group

感想・レビュー
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gero
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下衆しか出ない巻。村は最悪というよりもむしろ①無教養②貧乏③濃密な交流の三要素により必然的に生まれた環境とも思えます。黒島伝治『電報、豚群』(1925,1926)直球のプロレタリア文学。自分達には何の得もないのに、他人が幸せになるための努力を始めた途端、皆で寄ってたかって嘲り威圧し、心を折って現状を維持しようとする村人たち。葛西善蔵『馬糞石』(1919)常に不当に損していると考えている男が起こすドタバタ劇。精神の貧困がすごい。杉浦明平『泥芝居』(1982)あくどい方法で成り上がっていく町会議員さまの半生。
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みゃ~
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黒島伝治『電報』貧乏な百姓源作の息子が中学を受験したという噂が村中に拡がり…。少しでも息子が生きやすいようにとの親の思いを潰す村中の悪意が酷い。『豚群』地主に差し押さえられる豚を全員で野に放つはずが…。ずる賢く立ち回ろうとする人間が醜悪。葛西善蔵『馬糞石』死んでしまった馬の身体から出た石が価値があると思い込み取り戻そうとする男のみっともなさ。杉浦明平『泥芝居』詐欺まがいのアコギな商売で成り上がっていく次郎。そこまでやるのかと驚くばかり。狭い村社会の息苦しさと図々しい者勝ちの話が続き、しんどい本だった。
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ピンガペンギン
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プロレタリア文学の黒島伝治(1898-1943)この巻は本編より解説を読みなるほどと思った。小豆島の半農半漁の家に生まれる。醤油醸造工になったが病気で退職。19歳で上京。友人のすすめで早稲田の高等予科選科に入学するが、シベリア出兵(1918-1922)ですぐ徴兵された。(選科生には徴兵猶予が無かった。)軍隊生活の中でも書き続けた。最近読んだ本の小説家や俳人の経歴(同年代で大学出)を見ると皆やはり良家(地主とか士族)の出身。「電報」は子供に教育を受けさせたいという親の思いが阻まれる悲しい話だった。
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モモ
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黒島伝治『電報』息子を自分のような貧乏にさせたくないと、中学校へ進学させようとする源作。それを阻止させようとする村の衆。あまりの醜さに言葉を失う。そして最後は酷い、酷すぎる。なんでそうなるんだ!『豚群』これまた醜い話。葛西善蔵『馬糞石』馬の結石?が高く売れるものだというところからの醜い話。杉浦明平『泥芝居』強欲の次郎が町会議員となり、その立場を悪用して私腹を肥やしていく。醜い奴の醜い話。関わる人たちが気の毒。選挙は大事。「村」というよりも「醜」がぴったりな一冊でした。再読はしたくない。
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スローリーダー
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強欲むき出しの脂ぎった男たちの醜い生態。彼等の発する方言が土俗的な効果を伴ってズカズカと読者の胸に踏み込んでくる。えげつない、あくどい、胡散臭い等のネガティブ·ワードばかり思い浮かぶ。「電報」貧困と格差の連鎖はやるせない。「豚群」は痛快。「馬糞石」って馬の胆石?欲ボケは憐れ。黒島伝治と杉浦明平は初読み。
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鯖
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浦明平「泥芝居」黒島伝治「電報」「豚群」、葛西善蔵「馬糞石」なんかもうタイトルがえげつない、封建的閉鎖的な村社会を描いた短編4つ。「豚群」が地主が小作料の代わりに豚を差押えようとしてて、小作人たちが豚を野に放ち、持ち主が誰かわからなくしちゃって抵抗しようという…、でも村人の中には畑荒らされるかもしんないから、やるやるいうだけいっといて、放さなかったり…、差押の札を小屋の入り口に貼られたらどうせ取られるからって豚に餌やんなくなっちゃったり…、ハンニバルだったり…、えげつねえ。
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勇魚
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ネタバレ★★★☆☆黒島伝治「電報」村のドン百姓(原文ママ)の源作が教育の大切さ、収入と立場に直結すること身にしみて感じ息子を中学受験させる。が、分不相応との謗りを受け・・これさー、めっちゃ父頑張ってるし息子も出来が良かったのに、結局ラストはこれかい!読んでいてやるせない。「豚群」これまた気が滅入る貧乏村の話、地主に取られるからって豚に餌をやらんとは何事か!動物福祉とは!(無理)。葛西善蔵「馬糞石」気になって調べましたよ、確かに貴重なものだったみたいだけど、この騒動(汗)。馬はかわいそう。杉浦明平「泥仕合」これ(続
勇魚

続き)登場人物のクセが強いんじゃー(ノブ)。いや~田舎の利権争いでのし上がる次郎さや正さ、その他のクセの強さよ。農地潰してバイパス通したり土地区画を整理する時っていろいろやろうと思えばできたのね・・正直読みながらおなかいっぱいで最後は流し読みでした。黒島伝治の2編がマジでやるせなくて辛くて読後感最悪でしかしこれぞプロレタリア文学で凄味があった。

02/04 16:48
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訪問者
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杉浦明平「泥芝居」はなかなか凄まじいキャラクターが登場する作品。他の黒島伝治「電報」、「豚群」、葛西善蔵「馬糞石」も田舎者のえげつなさを描いている。
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ポンプケ
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あとで
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風眠
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ネタバレ小さな集落。そこに暮らす人間関係も独特ならば、そこでだけ成立するルールもあったり。濃密だけれど、閉塞感もたっぷり、大らかなようで、ものすごく狭い、『村』をテーマにした一冊。(『電報』黒島伝治)人のすることに口出しをされ、結局その通りにしてしまう肩身の狭さ。選民意識に翻弄されるのが切ない。(『馬糞石』葛西善蔵)無知ゆえに噂に振り回されてしまう人々の滑稽さ。(『泥芝居』杉浦明平)田舎ルールの中で、やりたい放題悪事を働く小悪党。三篇それぞれ、ほのぼのとした雰囲気は1ミリも無く、田舎特有のどろどろが渦巻いていた。
風眠

百年文庫全冊読破にチャレンジ中! 51巻目からは、こちらの本棚に整理しています→https://bookmeter.com/users/158309/bookcases/11402267

03/03 13:57
0255文字
Bookcover
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黒島伝治『電報』、村ならではの因習に束縛され、開けた道を断念するやるせなさ。狭い世界での濃すぎる関わりが人を追いつめること、現代でも、ないように見えて実はありあり。
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がおちゃん
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ネタバレ❤︎黒島 伝治/「電報」せっかく頑張らせたのに頑張ったのに「豚群」これぞプロレタリア文学❤︎葛西 善蔵/『馬糞石』ありそう。あんな執念深さには誰でもおじ気ちゃいそう❤︎杉浦 明平/「泥芝居」おぉー!昔からよく聞くその手の話か。しかしひどい
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algon
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83 黒島伝治「電報」小作農の息子が中学を受験したというだけで妬みから進路を塞いでしまう村の衆の姿を。「豚群」豚を差し押さえから逃れる為に放す放さないの駆け引き。葛西善蔵「馬糞石」死馬の腹から出た石が貴重品だという噂で人手に渡った石を取り戻す悪知恵と強欲さ。杉浦明平「泥芝居」土地をせしめたり転がしたり儲かる手段なら何でもやる強欲な男の鼻を明かすのは…。いやはやこう1冊にまとめてむき出しの損得をこれでもかと晒されると、社会の不条理を炙り出すプロレタリア文学とはいえ辟易してしまう。現代がマシなのかは疑問だが。
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マッキー
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田舎ならではの閉鎖性とか、陰湿なものが感じられる短編集だった。噂、悪口、貧困、騙しあい、詐欺・・・。濃い内容です。
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浦井
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黒島伝治『電報』『豚群』、葛西善蔵『馬糞石』、杉浦民平『泥芝居』。葛西目当てで読んだがどれも良かった。小さな共同体のなかだからこそ他人の上に立とうと足を引っ張ったりずる賢く金に執着したりする。『泥芝居』で、自ら担当者になって自分の土地に道路を通して儲けようとする生々しいやり口が強烈。あくどく儲けても地獄に堕ちるとか、正直者こそが本当の幸せを手に入れるとか、昔話はそういうものが多いけれど、そうでも思わないと救いがないからではと思ってしまった。
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TSUBASA
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百姓のせがれが受験をするという噂が広まる。子供には偉くなって貧乏から逃れて欲しいと思う親だったが、村人の嫌味はお構いなしなのであった。黒島伝治『電報』他一編。三造が飼っていた馬が死に、腹の中から石が出て来た。一度は石を獣医に渡すが、値打ちものだと聴き、取り戻そうと奔走する。葛西善蔵『馬糞石』。汚職、詐欺などで村の金を巻き上げる次郎の悪党ぶりを描く、杉浦明平『泥芝居』収録。村という狭い社会の中ではわずかな情報を、道徳観なぞ脇において上手く利用出来るものが成り上がるわけですな。そりゃどの世界でも変わらないか。
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ふろんた2.0
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黒島伝治「電報」「豚群」、葛西善蔵「馬糞石」、杉浦明平「泥芝居」
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海
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黒島伝治「電報」 たかだか村の中での、小さな小さな社会での身分差。そこから生まれる連鎖。ただただ悲しくなる。どうかそこで折れないでと、祈りたくなる。 「豚群」豚。 葛西善蔵「馬糞石」 お金がからむとだいたいこうなる。 杉浦明平「泥芝居」 最終的に和尚が(宗教法人的なものが)すごいみたいな感じだったんだろうけどオチがしっくりこなかった。そのオチまでの次郎たちのがめつい金への執着、悪知恵などは面白かった。
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臨床心理士 いるかくん
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3人の作家の作品から成るアンソロジー。村に生きているからといってすべての人が善人のはずは無い。都会に住む人々と同じように。
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にらばやし(呼)ねぎ
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杉浦明平『泥芝居』が面白かった。こち亀の両津を思わせる、金に振り回される滑稽ぶりが楽しい。
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空飛び猫
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閉じられた世界の中。 交錯する感情、人間模様。
0255文字
もだんたいむす
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人間、恐い(クワッ)☆☆☆☆☆
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uchi93
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田舎だからこその深い(濃い)人間関係という感じ。そのちょっと悪い面が描かれているように思った。
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華輝
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83「村」黒島伝治「電報」「豚群」 葛西善蔵「馬糞石」 杉浦明平「泥芝居」 三つの話とも時代背景がよく表れている。村という限られた場所での人間関係、立場、世間体、今でも田舎ではそういうのがあると思った。
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村 (百年文庫 83)評価100感想・レビュー25