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夜のみだらな鳥 (フィクションのエル・ドラード)

感想・レビュー
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10/10 ラテンアメリカ文学の裏ボス。題材も含め日の高い所では口に出せない陰の小説だ。主観(であるはず)の語り手ムディートの、小説技法を全く無視した無尽蔵さがカオスを生み出す。ある時はその視点がお面に映り、ある時は一人称が過去未来すら飛び越えまだ生まれていない赤子になり、ある時は語るうちに別人物へ移り…。“信用できない語り手”の要素・願望による夢物語・誇大妄想と被害妄想・錯乱による無意識の騙り・保身による故意の騙りの全てが入っている。一番の重要点は次々と人物が《同一化》されていくところであろう。↓続
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ヘロニモ=ムディート/=奇形児ボーイ=怪物イプンチェ、イネス=ペーター(老婆)。自己は喪失するのではなく、ヒガンデのお面を被るように代わり、変わり、ドッキングする。もはや機能していない老婆ばかりの朽ちるのを待つばかりの修道院が現実に佇んでいたとしても。

01/11 13:50
0255文字
澤水月
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2018水声社版解説では「書けない作家の憂愁」などドノソの個人事情も反映との示唆。「ボーイ」取り巻く異形の人工町(落語「一眼国」の如き逆転世界)、「袋」の肌触りや去勢などフェティッシュ的妄執、男女とも不能や名前固執…初期シュルレアリスムのモチーフに溢れ文章は超カッケェ!ブルトンが激賞納得。カオスからの静謐な読後感に痺れる、日本のアニメなどにも影響ありそう。叙述トリック的な部分も多い。情熱とオブセッション爆発が百年の孤独より好み、最高!!水声社は50字詰め1段組576p! 読了1020
澤水月

1976年版は集英社の「世界の文学31」2段組434p

10/24 00:11
澤水月

小6、1982年ダリ展覧でシュルレアリスム人物評伝、歴史解説のたっぷり入った図録が売られた。夢の論理や「肌感覚(汚穢や液体に濡れることなど)に根差したフェティッシュ」を愛しフロイト心理学をモロ絵などに応用(硬い突起は男性、窪みや水は女性とかまんまな)、ロートレアモン「マルドロールの歌」の“解剖台でのミシンと雨傘の出会い”を聖典とする主義を繰り返し読み偏愛した、24年組など漫画でも多用多用されてた。ドノソはそういった一般的美醜超えた偏執的妄執あり「浴び」耽溺。異形、醜いものイミフに描いてもカッコいい文体最高

11/06 17:32
0255文字
たいら
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文字多すぎる・・・・・・
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rinakko
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再読。素晴らしい読み応え。悪夢の中で味わう眩暈とその眺めを更に騙し絵にしたような世界、偏愛せずにはいられない。名門夫妻に生まれた畸形の嗣子ボーイが幽閉されている屋敷と、ムディート(小さな唖の意)が身を隠す古びた修道院。双方を繋ぐ存在であるウンベルトの人格は徐々に崩壊し自我は境界を漏れ出し、彼の語る事実と妄想は障壁を失う。浸食し合う2つの時間軸を行き交う、不気味な移植や生殖のイメージ、妖怪インブンチェと魔女と黄色い牝犬の影が渦巻く。時間を混乱させる力を具えた老婆たちが有機体めいてわらわらしてるのも好きだった
0255文字
豚肉
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最初の50ページくらいは、どうしようかと思うくらい飲み込めなかったが、そこからはスルスルと。で、最後の100ページくらいでまた悶絶。 個人的には、「100年の孤独」より入りやすい世界観。アナーキーで、ドロっとしてて、猥雑で混乱。 私は、何冊か並行して本を読むことが多いのですが、今回は、それを禁止され、本作に入り込むことを強制された感じでした。怪書。
0255文字
ナカユ〜、
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これを読んでる時はマルケスの『百年の孤独』が新潮文庫で出たばっかりで、ならラテンアメリカ文学のもうひとつの雄ドノソの『夜のみだらな鳥』しかない!と、もうね、百年の孤独を読んだ以来の想像力の爆発が見て取れる、これを読まずに死ねるか!!、な僕が大好きなエピソードの上にエピソードの上塗りの上にまたエピソードが重なりこれでもかってぐらいの悪夢が読めます、
0255文字
isbm
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★★★
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melonsoda
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皆川博子さんが辺境図書館の1冊目で紹介されていた本。「百年の孤独」の流れで読む。読書の常識が通用しないカオスさとページ数に心折れそうになるが、次第に脳が順応していき中盤以降は心地良さすら感じるほどに。
0255文字
∃.狂茶党
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増殖する妄想。 迷宮の如き世界での処女懐胎。 映画『ベイビー・オブ・マコン』を思い出させる、グロテスクさ。 もうひとつ、この本は『オオカミの家』も連想させる。 視野の狭い、しかし果てしない世界、暗がり。 信頼できない語り手による作品かと思いきや、それだけでもなく、かえって混乱してしまう。 読むのに体力が必要。 奇跡の子をくるむように作られる楽園。 それはグロテスクなものなんだろうが、そこに至るまでがかなりグロテスクなので、それほど強烈にも感じない。自然と受け入れる。
∃.狂茶党

しかし、この本粗筋書くのが難しい。 粗筋にあまり意味がない。 解説に見取り図的なものを期待したのだが、成り立ちについて記載されているだけだった。

04/09 15:24
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たま
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「すべてがウンベルトの妄想の可能性もある」のを頭に入れておいたから読み進められたとも言える。ま〜じで何が起きてるかわからんのにグイグイ読めるからすごい。『百年の孤独』といい、鼓直訳好きだな…。
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ω
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ほへへ〜〜ω 3ヶ月掛かったけど年内に何とか読了✨! 百年の孤独以上の読みにくさ!(褒) 600ページくらいあって分厚いんですが寝落ちし、何度顔面に落としたことか……。ラテンアメリカらしい中毒性ありますよ( ^ω^ ) 皆さん、よいお年を😸❤️
Nyaga

読了おめでとうございますω

01/02 13:42
ω

あざます!今年もよろしくお願いしますω

01/03 20:39
0255文字
odrb
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1年半かけて読了。最後の3分の1は、レサマ=リマ『パラディーソ』を2ヶ月間かけて読んだあとに向き合ったためか、読みやすくてびっくりした……。いうほど悪夢的でも狂気的でもグロテスクでもなく、個人のアイデンティティが融解していく姿勢に心地よさ、安心感すら覚えた。あと大量のお婆ちゃんたちが元気にわちゃわちゃやっててくれてるのが読んでて楽しい。いちばん刺さった箇所は賭けドッグレースでイネス夫人の黄色いコマがひた走る描写。自分が本作に『夜のみだらな鳥』以外の題をつけるなら『黄色い牝犬』にするかな。
0255文字
マリリン
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元いた女中ブリヒダの死から始まるストーリーの語り手は作家ウンベルト≪ムディート≫か。つかみどころのない登場人物の変身。割れたステンドグラスの断片を見るような、いくつかの狂気的な舞踏の輪のような迷宮を彷徨うような不思議な作品。男と女・倒錯・正常と異常・老若・合体と融合...想像を絶する臓器移植の中の生、登場人物の実態すら曖昧な境界に存在するかのように感じた内容から、すべてが混濁した世界に美などある筈がないのに、読了後は情景が美しい残像を残した不思議な魔力と魅力と狂気を孕んだ作品。訳者の感性と技量が光る。
マリリン

Odd-iさん、好物かも🎶 登場人物はあまり多くない感ですが、人物像や名称が入り乱れていて迷宮を彷徨っているような感じでした😅 同訳者だったので2冊で読みましたが2冊目は二段組で450㌻超えでした。『別荘』読まれましたか、私も読みたくなりました📚

07/28 10:21
マリリン

takuさん、ようやくです😁 鋭いとこ突いていますね💘 読了後も目眩が止まらない(笑) 情景は決して美しくないはずなのに抒情詩のような感覚をもちました。 見かけ以上に共読本が多い感があるtakuさんのレビュー楽しみにしています🎶 集英社の二段組は本書より軽く字体が読みやすいかも。 ...獏さんの『白鯨』も二段組なんですね。筋トレ頑張ります😅

07/28 10:40
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0255文字
フランコ
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好み:9/10 ずっと悪夢を見続けているようなムディートの独白が読んでてドノソ大丈夫か?と不安になる。解説を読んだけどやはり色々大変で、実体験を素材にしている部分もあると知り驚愕。絶望的な雰囲気になかなか疲弊する部分もあるが、奔放な禍々しさに怖いもの見たさで惹かれる部分も多々あり。体の部位や身体機能を失っていったら、どこまでアイデンティティが保てるのか?など自分の身体性などについて考えさせられた。
0255文字
huritenkun1
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壮大な妄言
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Gael
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ネタバレどこかで村上春樹が「小説で書くのは結局性と死になる」というようなことを言っていたが、本作はまさにそれが当てはまる。勿論ラテンアメリカ文学らしく、マジックレアリズムの要素も至るところに見受けられる。解説でも『百年の孤独』への言及はあったが、一族が世代を越えて同じパターンを繰返し再現し、また、近親相姦が一族終焉の遠因となるあたりは『百年の孤独』との共通点と言える。誰が始めたのかは知らないが、一文の中で話し手が無秩序に入れ替わる文体は、『ラ・カテドラルの対話』を思い出させる。分量、文体的に読むのには体力が必要。
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ぎじぇるも
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夜のみだらな鳥を倒した。大学生の頃からの宿題を終わらせたぞ。まさに悪夢的な本だ。読むのに体力が必要だ。気が違った作品をどんな人間が書けるかと思ったら解説によると大変な苦労が背景にあったらしい。正邪の対構造と逆転が多く書かれていて二転三転する象徴性も相まって本当の意味で理解できる人はいない本だと思う。如何様にも読み解ける。ヘロニモとウンベルトの同性愛的な面もあるし、ブルジョワ層の固定化も労働者の対比、逆転化による社会主義世界を象徴してると思ういえるし、全部ただの悪夢だとも言えるし神話ともいえる。
0255文字
太虚幻境(たいきょげんきょう)
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再読。時系列上の出発点と現在地が不明な中、語り手の変化を追う。語り手は、学生から政治家の秘書となり、老婆となり、遂には建物の壁と化す。一人称の独白が三人称の客観描写となり、自我は変化しながら世界そのものと化す。自我と世界の境界は曖昧で不明確。異性への思いが事件となって関係性が揺らいでゆくが、どこまでが事実なのか分からないまま物語は進行する。妄想と悪夢に身を任せてこの異様な世界に身を任せる他ないが、それが心地良い。自意識と世界の関係性を物語のなかで問い、想像力の極限まで自意識を展開した作品。傑作。
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深瀬
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まあ今回はこのくらいにしておいてやるけど次会うときはExcel片手に完全理解してやるからな
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ヴィオラ
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正直、全体としていったい何が書かれていたのか、ほとんど分かってないw それでも読んでいる間はとても楽しくて、このまま延々と読んでいられそうな感覚は、なかなか心地よかった。海外文学について「外国の人の名前が覚えられなくて…」という人はたまにいるけど、そういう人はなかなか辛いかもw むしろ作者が積極的に、誰が誰だか分からなくしてる節があるw 赤ちゃんとかおじいちゃんおばあちゃんとか、みんな同じに見えちゃう感じに加えて、人と人でないものの境界もしだいに曖昧になっていく感じ?いや、楽しかった!
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らんまる先生
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意識の流れ、マジックリアリズムといった文学的技法がこれまでもかと詰められている。語り手が気づいたら変わっていたり、時系列が混沌としており、語り手の存在すら定められていない。映像、音声で表現されていない文学だからこその魅力が詰まっている。
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刳森伸一
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このブヨブヨとした巨大な肉塊のような小説をどのように読み解いたらいいのか茫洋としてしまう。畸形の子供<ボーイ>が負い目を感じないようにと父ドン・ヘロニモによって集められた畸形の人たちが暮らす屋敷「リンナコーダ」と、屋敷の使用人だった老婆たちが「奇跡の子」を身ごもった孤児イリスを見守りながら暮らす「エンカルナシオン修道院」とが主な舞台であり、そこでの出来事を語るのが聾唖者の振りをした<ムディート>という男であるが、これが曲者。時にはヘロニモ、時にはイリスの愛しき<ヒガンテ>へと同化するなど(続く)
刳森伸一

徐々に錯乱をきたし、小説自体が「リンナコーダ」や「エンカルナシオン修道院」のような迷宮と化す。「リンナコーダ」なども、目、口、陰部、肛門、鼻、耳、手、足の全てを縫い付けたインブンチェという妖怪(それは胎児のメタファでもあるだろう)の死と再生の循環構造で語られる地獄のような世界の一部でしかなく、最後に川に流されるムディートはその川(=産道)を介して生れ落ち、また新たな迷宮を作るに違いない。

09/29 12:28
0255文字
三柴ゆよし
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11年ぶりの再読。あらためて読み返すとこれはやはりすごい小説で、豊潤なラテンアメリカ文学のなかでも、まちがいなく最高峰の傑作である。以前読んだときは、パッと見、なんだかよくわからない、痰みたいなどろどろの液体をひたすら流しこむような読み方をしていて、それはそれでおもしろかったのだけれど、今回はScrapboxでwikiを作成し、時系列、人名、頻出するモチーフ等を整理しながら読んでいった。すると小説の解像度がグンと上がり、無秩序と混沌の権化のような本作にも、ある秩序のようなものが存在していることがわかった。
maimai

こんにちは。三柴ゆよしさんのレヴュー、とても参考になりました。校正漏れですが、僕が気づいた範囲では、水声社版でも人名の間違いが二つありましたね。一つは表記揺れですが、一つは人物の取り違えで、結構大きなミスだと思われます。

08/10 17:23
三柴ゆよし

こんばんは。コメントありがとうございます。人名の取り違え、僕の気づいた範囲でもひとつあったので、おそらくそれのことだと思います。復刊の際にはまだ鼓先生もご存命だったはずなので、できれば訂正してほしかったかな、という感じですね。

08/10 19:15
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0255文字
寝たいや
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ネタバレ湿度が異常に高い作品。だいぶ消耗した。リンコナーダの畸形達、エンカルナシオン修道院の老婆達。「目、口、尻、陰部、鼻、耳、手、足、すべてが縫い塞がれ、縫いくくられた生き物」インブンチェ。そこかしこから立ち籠める、埃っぽい臭い。閉鎖空間。性。生。ところどころで描写される老婆や≪ムディート≫の退嬰的行為、いや、登場人物の一挙一動に、胸がざわついて仕方ないのだが読み進めるうちにそれすら癖になる。酩酊、或いは悪夢か。訳が素晴らしい。傑作。
0255文字
maimai
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めっぽう面白い。が、いったい僕は何を読まされたのか。入り組んだ迷宮の中を振り回され、とんでもないところに連れていかれそうで恐ろしく、しかし本を閉じることができない。悪夢のような読書体験だった。この本全体が、たぶん、ドノソ自身の物語だ。そしてこの作品全体が、この作品執筆という行為そのものへの言及である、ということもわかる。しかし、その論理は異様で、混乱しており、執拗に繰り返されるたくさんのエピソードは互いに食い違う。そして繰り返されるたびに矛盾は広がっていき、因果関係は何度も歪み、逆転する。
たんこうしょく

maimaiさんのレビューを拝見して、この魔書を手に入れたくなりました。彼岸に連れていかれる感覚を味わいたいです。

08/05 17:41
maimai

たんこうしょくさん。 ぜひぜひ。たくさんの登場人物が説明なしに出てきたりするので、メモを取りながらお読みになることをお薦めします。

08/05 23:13
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Mark.jr
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著者の代表作であると共に、マジックリアリズム・ブーム最盛期のラテンアメリカ文学を代表する作品の1つです。同じくマジックリアリズムを代表する作品である「百年の孤独」が、南米現地のフォークロワや伝承に影響を受けていたのに対して、こちらは物語の時系列をシャッフルするなど実験的かつ、ヨーロッパのシュルレアリスム影響下のデカダンスな雰囲気が濃厚です。しかし、耽美というよりグロテスクな感じが、南米らしい。バロック的世界観とボディホラーが合わさった、怪作です。
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藤宮はな
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ポリフォニーだとか奇想だと言うだけでは伝わらない怪作。マジック・リアリズムでもあるし、ウンベルト・ペニャローサ(またはムディートでもあるのかしら)の一人称なのに語りは豊穣で多声的だし、本当にどうなっちゃっているのか分からなくなるくらいへんてこりんな展開になっていく(いや主人公は一体ホントにどう言う存在なのか)。修道院の話でもあり、奇形に怯える男の子の生まれない家系の話でもあるが、百年の孤独などとは感触も大分違う。ボーイがどう言った意味を持つ子供なのか、果たしてこの終着点にどんな解決があるのか。茫然となる。
藤宮はな

全ての気管を生まれた時に塞がれ、老婆達の若返りの糧になっていると言うのも物凄いが、その「おれ」ムディートは一体どの地点から独白しているのか。袋にされて落とされて燃やされて、後には何も残らない。父親は顔のない存在として生きて来たと言うのも、単なる比喩を超えてるんだろうし、セックスシーンなどもまぁおかしすぎる描写で、ぶっ飛びまくる。

01/11 06:54
0255文字
naka ☆ naka
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少し読んでは、筋を失って、また戻り読みする。それを繰り返す。繰り返す。遂に読む気が失せた。そのくせ、ほんの少ししか読んでないのに感想が書きたくなった。感想は読後感ではなく「そもそも何なんだ、この本?」という、本としてありなのか否かを問いたい欲求。そもそも、シュールで狂ってて筒井が絶賛している。そんなミーハー根性で手にした人間が、今や高飛車に、この本の存在意義を論じようとしている。いらついて真面目に説教をたれようとしている。あ、待てよ。これか。火事場なんだよ。好奇心の根性だめし。野次馬根性の本棚に入れとこ。
naka ☆ naka

《N本》パスカルの力を借りて、この本の存在価値を考える。まず横軸に[Ⅰこの本は存在する、Ⅱしない]、次に縦軸にも[a この本を信じる、b 信じない]の2つの選択肢を設け、この4つのマトリックスで検証する。するとⅠa枠が「無限の利得」、つまり最大利益が生じる。この本は存在し、その内容も信じられる。逆にⅠa枠が「無限の損失」、最大損失となる。この本は存在するけれど、内容は信じられない。と書きながら、くだらないと思う。自分がめんどくさい。本だろうが何だろうが、気まぐれこそ、人間の創造物なんだ。作者も鑑賞者もね。

01/06 10:52
0255文字
長岡紅蓮
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ありとあらゆる混沌が詰め込まれた読む悪夢。登場人物の視点の切り替わりが多く読みにくいのだが、「一体、私は誰なのだろう?」と考えながら読み進めていくと、この物語の気持ち悪さが体験できる。私はあなたであり、あなたは私である。
0255文字
ぽち
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いくつかのブックガイドや作家の言及から伝説的な奇想小説、狂気のシュルレアリスム文学最高峰というようなイメージを膨らませていた本書、それに違わないグロテスクで眩暈がするようなシークエンス、描写、語り手の錯綜。さらにこの作品を一段上の名作たらしめているのはそのリアリティで、それがどこからきていたのかは巻末に付されている寺尾隆吉氏の簡潔な解説で明示されます。ヤン・シュバイクマイエルやアレハンドロ・ホドロフスキーの映画がお好きな方は是非。
Vakira

ぽちさん レビュー アザ~スm(__)m ホドロフスキー 大ファンなので読んでみたいッス(^^ゞ

09/14 07:23
ぽち

Vakiraさん 直接的ですが自分はすぐ「エル・トポ」を思い出しました。そういえばホドロフスキーもチリ出身なんですね。

09/14 08:04
0255文字
ヤーマダ
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ゴシックホラー的な雰囲気で始まり、実験小説?と思ったら一族の年代記っぽくなったり、フリークスを集めた広大な屋敷や人体改造など盛りだくさんの内容。ある意味サービス精神旺盛過ぎ。夢の中で辻褄が合ったと思い込むようなめくるめくシュールな展開が老婆達の加齢臭に包まれながら堪能できる。ラテンアメリカの江戸川乱歩、なんて喩えてみたらと何となく雰囲気が伝わるのでは。解説によるとブニュエルが映画化を目論んだとの事だがそんな映画があったら観てみたかった。「マジックリアリズム」という言葉が持つイメージの遥か斜め上を行く感じ。
0255文字
zirou1984
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伝説の奇書が復刊ということで再読。話が進むほどに語り手も時系列も歪んでいく、悪夢のような世界と混沌とした語り口。前回も同じことを書いたが、畸形の赤子のために国中の畸形を集め迷宮屋敷と化したリンナコーダ、かつては屋敷の使用人だった老婆の群れが暮らすエンカルナシオン修道院、この二つの舞台はどちらも冥府そのものの禍々しさに満ちている。そして再読しても相変わらず出口の見えない、わたしがわたしであることの不確かさ。今も目を閉じれば穴という穴を塞がれた胎児、インブンチェの悲鳴が脳の奥でこだまする。
0255文字
Kensuke
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一か月半かかってようやく読み終わった・・・。ホセ・ドノソの脳内に入り込んで悪夢を見たような感覚と言いましょうか。夢を見ている間は凄くリアルなんだけど目から覚めると「あれ、どんな話だったっけ?凄い夢だったんだけど」そんな感じで話の内容は昨日一晩寝たらだいぶ既に忘れている気がする。「辛い辛い、進まない進まない」と思いながらも読了したのは何故なのか自分でもよくわからない。唯一無二の読書体験でした。
Kensuke

kahoさん、ようやく読み終わりましたぁ~。本当にどう感想を書いていいのか分からないというのが正直な気持ちですね。なんだか凄いものを読んでしまった、としか。今はただ読了した自分を褒めたい(笑)。映画好きの自分としては、読書中に何度もトラウマ映画で有名な「ジョニーは戦場へ行った」を連想して、これは自分にとってのトラウマ小説だなぁと思ったりしてました。 https://youtu.be/9Rn6VdF55Pk

03/30 18:54
kaho

あぁぁぁ!!わかります、わかります!!トランボの原作のこれ、映画もまたかなりのあのリアリティー、言葉のレベルを絶した切なさ… トラウマになる、というのわかります! うんうん、確かに 似た強烈さ ありますね~。。。

03/30 18:57
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0255文字
Kambe CanBee Tsutomu
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ネタバレいやあ、読みにくかった。前編モノローグ、修道院、礼拝堂、奇形の老婆たち、主人公、神父、土地の有力議員ヘロニモ、延々と続く語り、描写とイメージが錯綜し、今誰の視点で語られている場面なのかわからなくなる。これが1章から30章まで、ズーーーッと続く。ブニュエルも筒井康隆も絶賛した大傑作なのだそうだ。でも私には理解不能でした。
0255文字
かわうそ
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執拗な反復を繰り返しながらその度に提示されてきた真実(らしきもの)が覆され次第に時系列すら定かではなくなってくる悪夢のような語りにどっぷり嵌まり込むと混乱がいつの間にか苦痛から快楽に変わってくる。麻薬のような中毒性のある傑作でした。
0255文字
くじらい
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混乱する語りと代替されていく人物、そして描き出される悪夢的光景。読んでいる内に頭がぐるぐるし出すこと幾度にも及び、読み終えた今でも胸の中にタールのような黒い重さが残る。『ムントゥリャサ通りで』を思わせる語り継ぐ内に混乱していく事実、『キャッチ=22』『虚航船団』的な価値観の転回、エリスンを彷彿とさせる暴力的な語り口。傑作。
0255文字
まっきaka谷林
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過去と現在で構図が何度も反復し、名前と役割が次第に簒奪・代替されていき、それらが酩酊とした語りの中ですべて渾然一体となり混ざり合う。
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更紗蝦
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ネタバレ7年前に、集英社刊の《ラテンアメリカの文学》第11集(1984年出版)バージョンを読みましたが、新装版が出ていたので再読しました。初読時よりは理解が深まるか…と思いましたが、結局混乱したまま読み終わりました。再読して気付いたのは、90ページという序盤で(500ページ以上ある小説なので、90ページならまだ序盤です)この小説の構造がすでに明かされていたことでした。「自己」と「他者」と「創作上の人物」の境界線がなくなってしまった文章家が、わずかな覗き穴を通して視た「外側」は、自らの内面世界だった…のでしょうか?
更紗蝦

【ドン・ヘロニモの秘書だった《ムディート》。イリスの犬。(略)繊細な文章家、ウンベルト・ペニャローサ。七人目の老婆。それらのすべてが仮面のなかの闇に消えるのだ。(略)おれはやはり、そこから外を覗きつづけなければならないのだろう。】(90ページより)

08/10 06:41
0255文字
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