形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:岩波書店
「不朽の恋を得ることならば,私は一生の大事業の一つに数えてもいいと思います.」筆一本を武器に,結婚制度や社会道徳と対決した伊藤野枝.野枝が生涯をかけて燃やそうとしたものは何なのか.気鋭の政治学者が,ほとばしる情熱,躍動する文体で迫る,人間・野枝.その思想を生きることは,私たちにもできること.やっちまいな.
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社会の圧に負けずに個であれって言われてる気がした。「社会のためだったら、人は虫ケラのようにあつかわれてもいいのだろうか。許せないことがある。そして、許しちゃいけないことがある。チキショウ、チキショウ!いつか見ていろ。社会の番犬はいつか撃たれる」
アナーキズム研究者の栗原康は面白いですね、
最初は驚いたり呆れたりでしたが、すぐに馴染みました。めちゃくちゃ面白いです。他の著作も読んでみようと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%98%E7%B2%95%E4%BA%8B%E4%BB%B6
p44には、「他人に讃められるということは何にもならないのです。自分の血を絞り肉をそいでさえいれば人は皆よろこびます。ほめます。ほめられることが生きがいのあることでないということを忘れないでください」なんて伊藤は書いている。まさにそうだな、と思う。今にも通じる考え方だし、それだけ普遍性を持っている。
一方で彼女のアナキストとしての面に注目すると、人間に対する観方が、根本的には楽観的すぎるというか、非常に人間を信頼しすぎている性善説寄りなところがあるような気がして、それ自体はとても好ましい人間観であると同時に弱点にもなっていたのではないかなとも感じられる。その最期を思うに、とても残念である。
◉「ジェンダーが無くなれば、残るのはセックス」という一文にいまさらハッとした。ここからどのように「あたらしいフェミニズムを紡ぐ」のか。
ちゃとらさん、甘粕正彦(映画ラストエンペラー:坂本龍一が演じた役)を調べた際登場したのが、伊藤野枝。『風よあらしよ』で深く入り瀬戸内寂聴の作品で何となく、、。身近にいたら本当に迷惑な人。でも、真っすぐさが魅力でもあるようてすね。
TANIZAKIさん、『風よあらしよ』は面白く読みました。思想より、奔放に生きた強さがクローズアップされていた感があります。人の「お金」も自分のもの、お付き合いはできないですね😅💦
追記:結局伊藤野枝は、人間ではなくて『女』なんだよなあ。女という性やその扱われ方を嫌っているのにどこまでも『女』…。しかしこの作者のポップな文体はなかなか面白い。品はないけど。
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