読書メーター KADOKAWA Group

感想・レビュー
8

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
mimosa
新着
いつかあらすじに触れたことのある物語。中島京子の「夢見る帝国図書館」に「雁」の中の件が出てきたので読んでみた。高利貸しの妾と近所に下宿する大学生の刹那の出会い、2人のみならず高利貸し、高利貸しの妻、妾の父親など心の機微が上野池之端界隈の情景、風俗と共に描かれていて、余韻を残す良い小品だと思った。
0255文字
ちくわん
新着
ネタバレ初出はスバル1911年9月(明治44年)~1915年5月(大正4年)。お玉、岡田、高利貸の末造とその妻。明治13年の人間模様。銭形平次の縄張りのためよく目にする地名が登場する。鴎外もまた好し。
0255文字
yuna☆
新着
ネタバレお玉の境遇や、終盤でのお玉と岡田のすれ違いに、人生の儘ならぬさや歯痒さを思った。また、雁がお玉と重なったり…。けれどもその一方で、最初は人に対して恨みを抱かずその運命に対してのみ悔しさを持っていたお玉が、決心をし、髪結いに行く場面では、お!いいぞ!その意気!と湧き立ち(私が)、お玉の心情の変化が頼もしく感じられもした(だから、お玉はこれからも大丈夫なんじゃないかな)。
0255文字
setera
新着
舞姫、高瀬舟と読み進めて雁。そのせいか内面の説明が多いなと感じた。
0255文字
方々亭
新着
高利貸しの末造の妾となったお玉の身の上話と、彼女と東大生の岡田との淡い関係が岡田の友人によって語られる。進展したかもしれない二人の関係が、ほんの少しの偶然によって断たれてしまう。 明治13年と言ったらまだ江戸の風俗が色濃く残っていたはず。無縁坂を中心として上野秋葉原神田あたりの地名がたくさん出てくるが、今の街並みと語られる風景を重ね合わせながら読むのが楽しい。また、言葉の使い方も違うのが興味深い。女性の話し言葉がとても丁寧で細やかに聞こえる。
0255文字
Satoru Kobayashi
新着
10年ぶりに再読。 流石です。 『今はそれが只妾と云うだけでなくて、人の嫌う高利貸の妾でさえあったと知って、きのうきょう「時間」の歯で咬まれて角が刓れ、「あきらめ」の水で洗われて色の褪めた「悔やしさ」が、再びはっきりした輪廓、強い色彩をして、お玉の心の目に現われた。お玉が胸に鬱結している物の本体は、強いて条理を立てて見れば先ずこんな物ででもあろうか』 『親が子を見ても、老人が若いものを見ても、美しいものは美しい。そして美しいものが人の心を和げる威力の下には、親だって、老人だって屈せずにはいられない。』
0255文字
うーひー
新着
お玉の恋心も、お玉の爺さんの娘への思いも、お常の絶望も、全てが切ない。彼ら一般市民の切ない感情生活の中に一筋の希望として見える、お玉の岡田への恋心も、岡田の洋行という、別世界の事情によって虚しくも散る。この物語のはかなさと虚しさは、分断した世界の間で起きていることによっても助長されているのだろう。お玉を巡る人間関係と岡田のそれとの分断が、牧歌的な雁の生命とそれを虚しくも殺してしまう人間との間の分断と重なる、、、漱石の三四郎と並んで、本郷で学ぶ間に読めて嬉しい一冊だった。
0255文字
しえるん
新着
初読時、苦手な「古臭い」文が続いたために途中で断念してしまった、文アル読書会の過去課題図書。坪内逍遥に苦しんだ後なら比較的読めるのでは!?と考え再チャレンジ。読める、読めるぞ!(某大佐) 結末に、「無用の憶測をせぬが好い。」とあったけれど、もうこれを書いてしまった以上「そういうことだよね~」となってしまう。むしろ逆にそれを狙ったのか?そして初出を見てびっくり、祖父の生まれる前の作品だった。そりゃ読みづらかったわけだ。
0255文字
全8件中 1-8 件を表示

この本を登録した読書家

今読んでいる読書家全2件中 新着2件

積読中の読書家全1件中 新着1件

読みたい本に登録した読書家全1件中 新着1件

評価67感想・レビュー8