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ヤマネコ・ドーム (講談社文芸文庫 つA 9)

感想・レビュー
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真琴
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敗戦から3.11まで。米兵との間に生まれた混血孤児等の苦悩の人生が、幼少時の忌まわしい出来事を核に描かれる。読了後、放心状態に陥った。争いも災害も後を絶たず疫病の流行もあった。平和も安全も脆く崩れる。都合の悪いものから目を背け蓋をすることへの警笛にも感じた。いとうせいこう『想像ラジオ』が読みたくなった。
0255文字
優希
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重く、暗く、苦しかったです。時系列も前後するのでしんどさすら感じました。それでも美文に惹かれるように読んでしまいます。共感できないのに美しく見える、不思議ですね。
0255文字
kentaro mori
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遠く離れていても、死んでもう会えなくても、声は響きつづける。●そう、真夏の光は、ときに凶器になる。真夏の朝はきれいだけど、ひとを殺すこともある。広島の原爆だって、真夏の朝に落とされたんだ。ヨン子、わかるか、真夏の朝じゃなかったら、こんなことにはならなかった。●けれどまだ、あなたも、おれたちも消えてない。まだ、こうして生きている。[•••]だけど時間が止まっていたら、死ぬこともできない。死ぬためにも、まだ時間が動いているところに移らないと。それはおれたちも同じで、もうすぐ死ぬにしても、ちゃんと死にたい。
0255文字
燃えつきた棒
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ネタバレ『夜の光に追われて』を読んで以来、久しぶりの津島さんの作品だ。 「読むのが遅い」僕は、もちろん津島さんとは一面識もない。 『狩りの時代』を読んではじめて、彼女の存在の大きさを知り、2016年12月に開催された追悼イベント「津島佑子の世界~国際追悼シンポジウム~」に参加しただけだ。 それでも、僕の中での特別な位置から、どうしても津島さんと呼ぶしかないのだ。/
燃えつきた棒

《なんの意味もない。でも、意味があるんだ。カズはつぶやく。ぼくたちがこうして生きていることも意味がない。でも、意味があるように。ミキちゃんが生きていたことも意味がない。でも、意味がある。地球上で、ここにしか生きていない植物たちもそうだ。意味がないけど、意味がある。》/

03/14 17:29
燃えつきた棒

《だけどヒデ、日本だって、よそ者がきらいな、うぬぼれの強いヘンな国だから、気をつけて。あなたはその外見からどこに行ってもいじめられるだろうし、ひどくこわいこともあなたを待ちかまえている。それを乗り越えて、ヒデには生きてほしい。なぜって、それがわたしのタマシイの傷みたいなものだから。》

03/14 17:29
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0255文字
ウッチー・ハルノア
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傑作。ひたすら暗く、重く、苦しい。時系列が入り乱れているので、特にはじめのところは読みづらい。読み終えてみたところで救いらしい救いもない。登場人物に共感もできない。理解も出来ない。設定も全然好きじゃない。それでも、いちいち言葉のひとつひとつが胸の奥底に響いてくる。文体のせいなのかな。ああ、こういう物語を待っていたのだ、自分は、と思わされてしまう。ずっとこの言葉を探していたのだと。不条理に、気づかぬうちに引き受けていたバトンを抱えてじたばたともがく。ミキちゃんを突き落としたのは「日本」なのかもしれない。
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でろり~ん
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初読の作者。意識的に避けてきた感じもする。自分なりの太宰を大事にしたかったのかも。でもムスメも文章が巧かったのでありました。内容には賛同できませんでしたし、構成としてどうなのかなと思わされましたが、とにかく読み進めさせる、次へ次へ、不思議な巧さ。年譜をざっと見て思うのは、三十代までの人生がかなり独特だということ。三人の肉親の死に方が通常ではないこと。近い範囲ながら何回も引越しをしていること。でも、まあ、命を繋ぐのは女なんだという現実を、きちんと受け止めた人ではあったのでしょう。一作だけでは分からんのかも。
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saiikitogohu
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負の記憶、を、共生のための記憶に。 主語の移ろう文体=語られる主体と語る主体の共生。
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ヤマネコ・ドーム (講談社文芸文庫 つA 9)評価52感想・レビュー7