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朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか (「戦後再発見」双書7)

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レイノー
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2017年刊行。著者は東京新聞論説委員。◇図。◆戦後の米ソ対立は、アジアにおいては冷戦ではなく、「熱戦」であると看做した人も少なくない。1950年に始まった朝鮮戦争はその皮切りというべき戦争である。その戦争は未だ終結していない。◇この観点で見れば、朝鮮戦争は米ソ(あるいは米中)の代理戦争の趣きである。当然、この観点、つまり大国間の外交的思惑と、その中で半島全体の統一的独立を果たさんとする野望とが相克し合う観点の書は少なくない。ハルバースタムの「ザ・コールデスト・ウインター」が典型と言えるだろう。
レイノー

具体的には、横田・座間・横須賀・佐世保・普天間・嘉手納・ホワイトビーチの各基地であること。⑤軍事指揮権回復に熱心な韓国(地道な努力を継続している)。消極的(というより後退している)日本。どちらが主権国家として正当なものなのか?。⑥朝鮮戦争参戦が、日本は米軍からフリゲート艦(軽装型巡洋艦?、大型駆逐艦?)等の艦艇供与を受けたという対価関係が存在する。ということを意識化できる意義が本書にはある。◆また、外交とは別視点の著作に目を向けさせる点でも本書読破の意味がある。◇例えば、李東俊著「未完の平和」。

07/25 12:17
レイノー

大沼久夫編「朝鮮戦争と日本」。山崎静雄著「史実で語る朝鮮戦争協力の全容」。安広欣記著「至誠は息むことなし評伝田中龍夫」。ドン・オーバードーファー他著「二つのコリア 第三版」。等々。

07/25 12:17
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0255文字
katono
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著者は本書の最終章で、朝鮮戦争を終わらせるために、朝鮮国連軍の解体や朝鮮半島の非核化を提言している。しかし、国連軍の解体はともかく、北朝鮮が核を手放すのだろうか?武力に依存した独裁国家である限り難しのではないだろうか?仮に、北朝鮮の独裁者が(何らかの理由で)非核化を約束したとして、我々はそれを信じることができるのか? 残念ながら、自分にはちょっと想像ができない。PS.となると帰結は、独裁国家の崩壊、または独裁国家側の勝利による戦争終結....で、話が振り出しに戻ってしまう。
0255文字
高高一
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この本を読み、米軍と韓国の関係と米軍と日本の関係が大変良く似ていることが分かった。 米軍人や軍族による自然破壊、公害、殺人、暴行等、現在の日本の米軍基地の周辺で生じていることと同じである。ただ少し違うのは、韓国は首都から米軍基地を移転、しかし日本の首都には横田基地が陸と空とを未だに占領している状態。 著者は言う、日本は今でも、休戦中の朝鮮戦争での後方支援基地の役割を果たしている。そして、朝鮮戦争が終わらないのは、要はアメリカにとって日本の軍事施設が使えなくなるから。
0255文字
Hiroki  Nishizumi
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興味深く読めた。龍山基地、軍指揮権、臨時亡命政府の計画、戦後日本の掃海活動など、朝鮮半島について実に自分はモノを知らないことを実感した。それにもかかわらず本書の結論というか提案にはリアリティを感じなかった。平和ボケに近い感覚が馴染めなかった。類書にもあたりたい。
0255文字
Porco
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朝鮮戦争が今の日本に、制度的にどう関係しているのかが知れます。対岸の火事ではないことがよくわかりました。
0255文字
那由田 忠
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国連で北の侵略が平和の破壊とされて国連軍が派遣されるも、これは今で言う多国籍軍。休戦となっているだけで、侵略国が制裁を受けてはいない。著者は侵略と認めているものの、「国連司令部があることでアメリカはいつでも戦争を始められる」と書く。プエブロ号事件とポプラ伐採事件を並べるものの、青瓦台襲撃未遂事件などの北の侵略行為やソウルに向けられた軍事施設などについて全く述べない。朝鮮戦争を終わらせるには、アメリカの国連軍解体こそが必要で、北の軍事力はまるで問題ないみたい。国連軍は戦争を起すためにいるみたいだ(笑)
0255文字
coolflat
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朝鮮戦争では米国を中心に国連軍(朝鮮国連軍)が結成され、北朝鮮軍及び中国人民義勇軍と戦ったが、この国連軍の中枢である「国連軍司令部」は、今も韓国にあって現実に機能している。そして、東京にある米軍横田基地には、国連軍後方司令部と呼ばれる部署があり、日本国内にある七つの米軍基地が国連軍基地に指定されている。なお、現在国連軍基地に指定されているのは、横田基地(東京)、キャンプ座間(神奈川)、横須賀基地(神奈川)、佐世保基地(長崎)、嘉手納基地(沖縄)、普天間基地(沖縄)、ホワイトビーチ(沖縄)である。
coolflat

マッカーサーが朝鮮戦争で要求した原爆の数はなんと26発。さらに「侵略軍」に投下するためなどとして、もう8発の使用も求めていた。結局、マッカーサーはトルーマン大統領と対立し、解任されてしまうが、そのトルーマン大統領ですら、「米国は〔朝鮮戦争で〕保有するすべての武器を使用する用意がある」と発言し、原爆使用をちらつかせており、マッカーサー解任以降も、極秘に原爆使用の可能性を検討していた。米国は自国が追い詰められたら、簡単に核攻撃を考える国だという認識が世界に広がった。毛沢東も金日成も核武装を決意した理由である。

06/07 23:46
coolflat

17頁。朝鮮半島で米国が開戦を踏み切る場合は、安保理決議などを気にかける必要は全くない。なぜなら朝鮮戦争開戦直後の1950年6月27日に、「北朝鮮による韓国への武力攻撃を撃退し、この地域における国際の平和と安全を回復する」という内容の強力な安保理決議が、既に採択されているからだ。そして朝鮮戦争は休戦しただけでまだ終わっていないから、この安保理決議は生きている。だから、休戦協定に違反していると考えられる北朝鮮からの侵略行為があれば、米国は北朝鮮に対して、「国連軍」として応戦できる国際法上の権利を持っている。

06/08 00:03
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0255文字
乱読家 護る会支持!
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「朝鮮半島が分断した原因は日本、今も日本が悪いから朝鮮半島は統一できない」「諸悪の根源はアメリカにある。日本も韓国もアメリカから独立を」という価値観で書かれている戦後再発見シリーズ。。。 国家観を教えない日本の学校教育。大戦は日本が悪かったと教えられ、9条は平和憲法と教えられた戦後日本人。 このシリーズを読んだら、ころっと左巻きにされます。。。 この本、「拉致事件」「韓国で行われている反日教育」「世界中に建っていっているウソの慰安婦像」などなど、左巻きには都合の悪いことには一切触れていないのはずるい。
0255文字
かおりん
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朝鮮戦争は休戦となっただけで法的にはまだ戦争が継続されている状態。国連軍司令部は韓国にあって現実に機能している。日本国内の7つの米軍基地が国連軍基地に指定されている。核ミサイル危機や朝鮮戦争の歴史は知らないことが多かった。普天間基地の辺野古移転や自衛隊のあり方も今後注視していきたい。難しくてテキストを読んでるようだった。何度も眠くなった(笑)
0255文字
BLACK無糖好き
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朝鮮戦争が休戦状態にある現在、アメリカを中心とした「国連軍司令部」は韓国にあって現実に機能している。北朝鮮が休戦協定に違反していると考えられる場合、「国連軍」は新たな安保理決議の手続きをとらなくても朝鮮半島で戦争を引き起こす事ができる。その際、日本にある米軍基地は「国連軍地位協定」によって後方支援基地として使用される事になっている、という事実を明確にした点が本書の特長。一方で、金正男の運命を身近で見てきた著者にしては、本書の最終章で北に対する楽観的な見方が散見される所は些か気になる。
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おさむ
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ハルバースタムの「ザ・コールデスト・ウィンター」は朝鮮戦争を米中ソ三ヶ国の代理戦争ととらえ、人物ドラマとして巧みに描いていました。本著はそうではなく、韓国、北朝鮮の立場をより重視してあの戦争を分析した上で、これから起こり得るべきシナリオを想定しています。国連軍としていつでも戦争できる選択肢を持つ米国。さらには韓国軍の指揮権も持っていること。第2次朝鮮戦争が起きれば、日本の米軍もとい国連軍基地は重要な活動拠点となること。われわれ日本人が知っておかなくてはいけないことが満載の良書です。筆者は東京新聞論説委員。
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健康平和研究所
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龍山基地は日本の植民地時代を今に伝える最大規模の建造物。韓国軍の指揮権は米軍が持っていることを国民はよく知っているが、日本は密約として処理。日本特別掃海隊。朝鮮国連軍。解任されたバノンは北朝鮮危機の本質を指摘。
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