形式:単行本
出版社:白水社
それにしたって内容は「生存戦略」とはちょっと違うのではなかろうか。確かに終盤は帝国の維持の為に何をやったのかと言う話にはなるが。
アレクシアスの前の時代に、皇帝バシレイオス二世の姪ゾエが女帝として彼女の夫が三人にわたって皇帝になったりしたのを知って、緋色の皇女アンナが跡取りになろうとしたのもこういう時代背景があったからこそで、そんなに突拍子もないことでもなかったのかと思った。でも当時の情勢やその後の時代の流れを見ると、求められていたのは軍人皇帝だからやはり弟のヨハネスが後を継いだのは正解だったんだと思う。ビザンツ帝国はだんだん周辺国に軍事力で勝てなくなって、それでも経済力という武器があるうちは色々できていたけど、領土が減るに従って
経済力もなくなり、手のうちようがなくなるのを見ていくと、最後は流れようのない歴史の流れだったのかと思う。
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