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ビザンツ帝国の最期[新装版]

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しじまいずみ
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難しかったけれども最後まで読めた。訳者の言う通り、「歴史というものはロマンではない」ということに同感した。事実の羅列にロマンを求めるのはそこに味付けをして勝手に感動してる他人事だからであって、リアルタイムに当時を生きた人たちにとってはロマンもへったくれもないだろう。 それでも当時を生きたい人たちのことを少し理解できた…と思う。
0255文字
原付野郎
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ネタバレビザンツ帝国の最期を、後世の創作を省いて、なるべく当時の人々の事情に寄り添う形で語ろうという意図の1冊。長年平和的に共存してきた隣人を攻撃することに躊躇するトルコ兵や、滅亡の恐怖に怯えながらも「今日滅亡する」とは思わずに内輪もめを繰り広げる人々、…などなど人間臭いエピソードがてんこ盛り。とくに帝国滅亡後のくだりが印象的。滅亡したらそれで終わり!ではなく、それでも人生は続き、食べていかなきゃならない。異国や異教徒のもとへ身を投じたり、奴隷になったり乞食になったり…必死に生きようとした難民たちの姿が胸を打つ。
原付野郎

訳者あとがきの「なぜ沖縄戦はロマンにならず、関ヶ原や新選組はロマンになるのか?」という問いも印象深い。なぜなら生々しい体験が失われたところにロマンの花が咲くからだ…という訳者の持論は一理ある。私自身はロマンたっぷりの史劇が大好きなので、胸が痛い指摘ではあるんだけど…。史実を読み解くときは、ロマンに捕らわれずに当時の人々の営みをみていく必要があることは胸に銘じておきたい。

02/06 22:07
0255文字
Masayuki Shimura
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【この惨事から得られた教訓は他にもあった。問題は、その教訓が何かについて、ビザンツ人たちのあいだで合意が成立しなかったことである】(文中より引用)・・・・・振り返ってみれば単直線的に帝国の崩壊に突き進んでいるように見えたとしても、その時代を生きている人たちからすれば、帝国の終わりはまったく予想もつかなかった未来であったんだなということを痛感しました。冷静である一方、冷淡まではいかない筆者の目線に共感を覚える一冊です。
0255文字
翠
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訳者も言っているように、ロマン小説のような書かれ方が多い中、一般市民の日常や政治の延長として帝国の滅亡と略奪と生き残った営み文化があったと、あえて淡々と書いてあり、参考になった
0255文字
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