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ハウスキーピング

感想・レビュー
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tekka
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次作の『ギレアド』でピューリッツァー賞取ってるけれど、何故この時点で受賞させなかった?書くのやめてたらどうするつもりだったんだろう。
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葉々
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「空と海の間を進みゆく」ような、ある意味宙吊状態で読み進め(237頁)結末を迎える迄に十日程要した。「考えることと夢見ることを、たやすく区別できたためしはない」の他、境界についての記述が形を変えて波のように現れ「方向感覚を失い」そうにもなったがラストの一文「放浪にここまでという境界はない」に触れ漸く一部、腑に落ちた。個人的には「孤独というのは究極の発見なのだ」に最も刺さる。19世紀っぽい香りがするなとか「ブリムストーン・ティー」って何だろう?等、色々気になっていたことの殆どが訳者あとがきに触れ解消できた。
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Mark.jr
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発表されたのは1980年ですけど、後のHal HartleyやGus Van Santのような90年代のアメリカのインディーズ映画に近い内容だったように思います(勝手な感想ですが)。
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Rika Yo
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今まで読んだ本の中で1番美しかったかも ストーリー自体はなんか進むの遅っ!って思いながら読んでたし途中宗教的な描写も結構多かったけど 情景描写が過去一で綺麗
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yoshiko
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段落も会話もなくえいえんと続く語りに、おおアタシ小説読んでるわ、っていう実感に浸る。それに酔いしれる。わかりにくい表現がとても多くて、わかんないやーの連続なんだけど、でもいいの。家族の三代記とかとても好きなネタだった。読み終わって解説読んだら、また頭をちょっと読みたくなる。他の著書も読んでみたい。
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たま
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読友さんのご感想に教えられて。原作1980年、翻訳2018年刊。とても印象的で心に残る本。ただ(原文も難しそうだが)翻訳文が難しく、充分に理解できたか心許ない気もする。とくに妹が去り、廃墟の谷で子供たちの気配に耳を澄ます辺りから現実と幻想の境界がぼやけ、最終章は死と生の境界が滲み相互に浸透する印象を受けたが、こういう読みで良いのだろうか。洪水の中現れる叔母、湖に沈んだ祖父や母が漁られ復活するイメージ、マルタとマリアを思わせる姉妹、一言も聖書の引用はないが、聖書的な暗喩に満ちた語り尽くせない本である。
南雲吾朗

お読みになったのですね。さすがたまさん、すごく深いところまで読み込んでありレヴューが凄く素敵です。私も、この本は大好きです。

11/22 13:34
たま

南雲吾朗さん、コメントありがとうございます。南雲さんのご感想に惹かれて読み、心に残る読書となりました。

11/22 18:02
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南雲吾朗
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淡々と語られが豊穣でじんわりと染渡る文章。言葉の流れが素晴らしいが、清らかな水の流れるような読み心地ではない。家族は大切だ、どんなに外から変に見えようとも家族自身が幸せなら、それは外部から評価すべきことではない。親切心が、人によっては迷惑になることもあるのだが、親切心でやっているから、良いことをしているという気持ちがあるため、始末が悪い。幸せは、他人が決める事ではない。最後の章は圧倒的だ。何とも言えない心に跡を残す読後感。とにかく本当に素晴らしい物語であった。
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nobi
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湖の近くに住み、世間との接点はわずか、学校に行かない、誰かの死から始まるという設定は「ザリガニの鳴くところ(D.オーエンス)」と似ている。なのに湖にボートで漕ぎ出すその開放感は、この物語では死後の世界への旅立ちの如き閉塞感に変わる。寄り添ってくる猫もカモメもここにはいない。身近な人が忽然と姿を消す、と、ありふれた日常と非日常の境は不確かになり、喜びを封印させられたような日々が続く。哲学的言辞は屈折している。重苦しさから読み続けるのを断念しようかと思った程。でもメモした気になる頁番号が増えていったのが意外。
たま

nobiさん、こんにちは。確かに『ザリガニの鳴くところ』の湿地が生を教えてくれる場所であるのに対し、この冷たい湖は死者の眠る場所、見事に対照的ですね。

11/22 10:31
nobi

たまさん、ほんとに、同じ湖でも同じ作家でも、こんなにも対照的な物語ができるのですね。でも、たまさんも書いておられたし、書き写した文を読み直してみたのですが、重苦しさの中の緊迫感とか、湖の密かな生命力なども感じられて、一筋縄ではいかない感じでもありますね。

11/22 17:17
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nami
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小野正嗣さんの書評本を読み、気になって購入。良き本に良き書評、ありがとうございますって感じです。死後の世界と通ずる湖、水底へ沈んだ列車。山々に囲まれた静かな土地、フィンガーボーンを舞台とした、歪な家族の物語。孤独な姉妹の元へ母代わりとしてやって来たのは、渡り労働者の叔母、シルヴィ。彼女を見てどう思うか、この先どういう生き方をするのか。同じ環境で育ったのに、姉と妹が正反対の道を進むところが面白い。文章は少し長くて難しいと感じたが、湖の冷たさや空気の匂いが本から染み出してくるような情景描写の巧さには感動。
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s
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自分の家族と世間との溝を、私も同じように明かしてはいけない私たちだけの事だと幼い頃から感じてきた。燃えてしまう家を心で描くだけで、だれかの不在が心を占めると一人想像するだけで、このまま生き続ける事は、家族として一つの寂しい完成なのだと思う。
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ガーネット
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どうにか読了。この翻訳家さんの文章は、わたしと合わないのかも。イーユン・リー『独りでいるより優しくて』も、泥の中を泳ぐような読書だった。本作も、見通しの良くない冷たい霧の中を彷徨ううちに、方向感覚が失われていった。著者は違うのに、読書体験が似通っているのは、物語のテーマだけでなく、翻訳家さんの要素もあるのか。とはいえ、この本を読むには寒い季節を選びたい。着込んでも染み通ってくる冷気や、かじかむ指先、身体を縮こめて、そのまま消えてしまいたいような夜。それでも本を閉じれば、暖かいお茶を淹れられる悦び。
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ソングライン
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大きな湖のある街フィンガーボーンで、ルースの祖父は湖に架かる鉄道橋での列車事故で亡くなります。ルースの母は街を出て暮らし、ルースと妹のルシールと共に帰郷したその場で唐突に自殺してしまいます。祖母と暮らし始めた姉妹、祖母の死後は母の妹、放浪の人シルヴィが二人の面倒を見にフィンガーボーンに戻ってきます。過去の亡霊、湖の精霊と過ごすシルヴィに惹かれるルースとそれを嫌うルシールとの別れ、ルースとシルヴィは家を焼きこの町をでていきます。家族、時間、そして死、二人は生きているのか、不思議な物語に魅せられます。
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キムチ
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初読み作家。ピュリツァー賞を始め高い評価を得ている。かといって日本人に合うといえないと感じた。静謐、豊かな自然描写を背景に「ハウスキーピング」-家を守る概念をそれぞれの人物が語り、動く。祖父、祖母、母の余りに哀しい死に方。双子が辿る人生に大きく関わってくる叔母の影はある意味疎ましく、煩わしい。聖書の言葉を随所に置きつつ、ルーシーとルシールが手繰り寄せる「生きる道」を読み手がどう受け止めるか。私にはシルヴィのはき違えて「謳歌する自由」にざらつきばかり感じさせられ最後まで流れるような文章を咀嚼できなかった。
キムチ

スペイン、アイルランド、英仏、北欧・・自然を背景に流離い、心の拠り所を求め旅立とうとする作品を続けて読んでくると日本の作品が持つ良きにつれ悪しきにつれての温もりとの異なりを感じる。突き放しても、救いがほっとさせる。それを是とするか否とするか。。湖、橋、鉄道が言わんとする暗喩、足元でピタピタ濡れている質感・・ベックリンの絵画に有る雰囲気を思い出した。

10/07 21:42
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futomi
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湖の近くの町、祖母の家で育った姉妹の物語だ。姉のルースが書き手。祖母がなくなった後、祖母の妹たち続いて母の妹シルヴィが彼女たちの面倒を見る。放浪者だったシルヴィは彼女なりの方法でハウスキーピングするのだが、養育方法について司法の手が迫ってくる。この辺りから一気読み。文章の美しさ、死について語るところが特に心に迫る。 冬には凍った湖で人々が楽しみ、春は溶けた水が家々に押し寄せる。全編寒そうなのだが、208ページ「寒さに抵抗せずにリラックスして」と寒さも受け入れる様子はシルヴィの思いに同調した証なのだろう。
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hagen
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次々に非業の死を遂げる親族を持つ一人の少女が見捨てられた様な街で一見自由奔放な放浪癖のある女性の庇護の元、妹との確執に悩みながら現実と想像力の狭間に漂う様に生きる。「水」の印象が全編に生きている。雪解け水が過酷なまでに洪水となって押し寄せる様は旧約聖書のノアの洪水を思い起こさせ、冒頭で列車が湖に沈む事で大黒柱である父を失い、母親も湖に入水自殺、最後に、湖に浮かぶボートの上で主人公は叔母と静謐な体験をする。その「水」の印象が人と人との絆を自然の浄化作用の様に、時には厳しい大地の自然が家族を優しく包み込む。
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mizuki
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ネタバレ淡々と語られる物語は、この装丁にあるような美しさを感じることはできず、ただ、ただ、湿った空気がわたしに重くのしかかるのみでした。姉妹の生き方が別れた瞬間、シルヴィをかまったルースが正しいと思っていたのに、橋を渡るシーンでは、行ってはいけないとルースを止めたい気持ちでいっぱいでした。孤児になった姉妹が生きるのに必要だったものは、決して、肌身離さずそばに居てくれる大人ではなかった。前半を退屈と思ってしまったけれど、最後まで読んで良かった!作者の思いは最後まで読まないと分からなかったのだから。
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まみまる
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時折、まったく肌が合わない翻訳家さんがいるのだが、残念ながら今回がそれ。自分には、表現が冗長で駄文に感じられる。中原中也が書いた出来の悪い小説のよう。この方とは別の作家さんでもそうだったので諦めて、時間をおくことにした。原文が読めないのがこんな時悔しい。
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ケイトKATE
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母と祖母を失ったルースとルシール姉妹の前に現れたシルヴィは、渡り労働者で身だしなみに無頓着で、毎日のようにフィンガーボーンの森や湖へ散歩していた。ルースとルシールは最初、シルヴィと一緒に散歩を楽しんでいたが、やがてルシールはシルヴィが人間社会の常識から外れていることに気付きシルヴィと決別した。一方、ルースはシルヴィと過ごすうちに自由に生きるシルヴィに魅せられ、シルヴィと森や湖を散歩することで家族を失った悲しみを埋めていった。シルヴィは人間社会において非常識な人かもしれない。
ケイトKATE

しかし、お金や物に執着せず自然と共に生きる姿は心の豊かさを感じた。そして、著者が描くフィンガーボーンの描写は、透明かつ静寂で心が包まれる気持ちにさせてくれる。マリリン・ロビンソンの『ハウスキーピング』は、小野正嗣のラジオ番組『歓待する文学』で紹介されたのをきかっけで読んだが、多くの人に読んでほしい作品である。また、マリリン・ロビンソンの作品が翻訳されることを願っている。

04/19 22:28
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rinakko
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素晴らしかった。ひたひたと広がる大きな湖の存在と、そこに纏わる情景(水の匂い、森、橋、列車、警笛…)の美しさが離れない。祖父から母へと繋がる湖底の暗黒に引き寄せられてしまう傾向を、そのまま受け継いだような少女ルースと叔母シルヴィ、全くそうではない妹ルシール。家族の喪失という痛みを抱えつつ、3人の間には諦観と希求が静かにせめぎ合うようだった。失われる予感に満ち、浮世離れした束の間の生活は、寄る辺なく儚く、故に美しい。“何を失おうと、ただひたすら望めば取り返せる”という、決別を前にしたルースの言葉が忘れがたい
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あたぱ
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母を亡くしたルースは、妹と一緒に祖母、次に叔母に育てられる。ルースの目を通して語られる、親子三代の生き様。子供から大人になっていく自分。アメリカの田舎。湖のほとりの小さな町の生活とはどんなものか。いつも何かあると逃げ込む、豊かな自然の描写。起こっていることはかなり悲惨な事ばかりなのだが、ルースが使う言葉が透明で繊細、清々しささえ感じるから不思議。読み手としては、世界において自分が透明な存在であると言うルースが少しでも未来に幸せを感じて生きて欲しいと願わずにおれない。
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heather
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「シルヴィーの帰郷」の原作。ようやく翻訳が出て本当に嬉しい。原書と照らしながら何度も読みたい、滋味の塊。
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ころりん
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『ギレアド』が素晴らしかったので二冊目。 これは絶賛のデビュー作らしい。 アメリカの文化・風景が、肌感覚で分かってないからか、詩的に描き出される叙景文に、溺れそうだった。 後半から、ようやく筋が見えてきて、キュンとした。 「ハウスキーピング」って「家事」だけど、家事なんかほったらかしの二人を、周囲が「常識」や「法律」で追い詰めて、結局、ハウスキリングをしちゃう。 なんとも悲しい矛盾に満ちながら、そこに生きる二人を、温かく、美しい目で追い続ける。 詩的だけど、やらかしがちな「脚色・美化」は一切ないのが脱帽。
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ぱせり
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窓の内側にみんなと一緒に安心の内にいる、と思っていたのに、突然気がついた。私、いつのまにか外にいる。ここにきてみえてきたのは、中にいた三つの行き場のない不安だった。寂しくて仕方がない…
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su-zu
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ネタバレ電車脱線事故で亡くなった祖父の死をきっかけに、平凡だった家族はじわじわと壊れてしまう。その歪みは世代を超えて家族を蝕み、次女の死をきっかけに祖母と田舎町で暮らすことになった双子の人生にも影響していく。静かで一見凪いでいる暮らしに潜む、虚無の気配。皆生きているのに、三途の川の両岸で向かい合い、途方に暮れている家族の様子が痛ましい。美しく静かで、哀しい小説。
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ミカママ
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【原書】文章はリズミックなのに読了までに時間がかかったのは、作者の表現が詩的すぎるからか。舞台となる湖(広大・深淵=戦時中は海軍が潜水艦の実験に使っていた)を知っていたのは、利点であった。鉄橋の上を歩くふたりを思い浮かべて、脚が震えたほど。設定は四季に渡っているのに、冬の肌を突き刺すような寒さと暗さだけがひしひしと伝わってくる。物語中「家」は安定、「湖」は喪失、「鉄道」は逃亡を表すメタファーなのだろう。受賞作も(難しそうだが)読んでみることにする。
たま

ミカママさん、初めまして。舞台となる湖、実際にご存じなんですね!私が覗いた高校用の地図では、アイダホに湖がなかったので、それ以上調べなかったのですが、深くて広いと聞き、またまたイメージが膨らみました。

11/22 10:58
ミカママ

たまさん、はじめまして。アイダホでは、Lake Coeur d'Aleneやこの舞台になっているLake Pend Oreilleあたりが有名どころですが、他にも大小さまざまな湖ありますよ。彼女の作品もまた読まねば。思い出させてくださってありがとうございます。

11/22 11:05
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ケイ
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読書会に再読。登場人物たちより、私自身が湖と夜の鉄橋の怖さに打ち勝てず。それらを前に足がすくむ。自分の寛容力が実はとても低いのだということも思い知らされた。
ケイ

多分そう。落ちたら冷たい湖だから、這って進むイメージ。

07/01 08:25
ミカママ

ぎゃー\(^o^)/

07/01 08:28
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ミサ
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湖と雪のイメージが強くて、美しく静かな物語やった。記憶というものを「夜中に明るい窓の中がちらっと見えるようなもの」と表現する所も素敵やった。静謐な物語好きやわ。個人的には小川洋子さんを読んでるような感じやった。読書会の課題本、読了!
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kotoriko
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ネタバレ夢と現実の境界線を曖昧に感じる物語でした。私にはいまひとつ肝が掴みにくかった。でも、それが実際に機能しているか、子供である当人達に実質どういうことかはともかく「子供には保護者が必要」「子供には教育が必要」「もし該当親族がその任に相応しくなければ周囲が代替案を与えることが必要(出来るだけ穏便に)」と当たり前に考える社会の話なんだと思えるところはいいなと思いました。私はルシールより(彼女はかえってキッパリ割切ってその先は自分だけのことを考えていけるんじゃ)後日の保安官の気持ちを思う方が切なかったです。
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ami
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★★★★
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wassermusik
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人間は自然の中で日々を支えるために、家族・小集団・社会を作り上げ歴史を刻んできた。文明が進展を見た時に訪れた個人への回帰が或る家族の解体と共に語られる物語に、反発と共感、そして郷愁に似た感慨を抱いた。叔母と主人公ルースが辿り進む道は、現実的ではないように思えるが、米国の広い大地をさ迷う渡り労働暮らしの人々の存在が、彼女らの生き方が特別ではないこと、その精神は現代にも存在し続けることを教える。主人公視点と外側からの視点で、自然・人物・社会状況を描いた詩的な文体が新鮮で混乱させるが、米文学の伝統を強く感じた。
wassermusik

1980年作。人は結局、個へ帰るのだということを受容する厳しさ。米文学はその面積・人種の広大さに似て多種多様。この本のようなタイプも好きだ。スコットランド荒野で叔母と二人暮らしする少女とアザラシを描いた『ローラ』、カナダ原野を三匹が行く『信じられない旅』、アニー・ティラート『アメリカン・チャイルドフッド』『石に話すことを教える』、ウィリアム・リースト・ヒート・ムーン『ブルー・ハイウェイ』等との類縁を感じる。都市文学に疲れた時、これらの自然と人からの呼びかけを描いた作品に耳を傾けたくなる。

05/10 06:23
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ケイ
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夫が建てた家から離れず家を守る女は、娘達が大人しいことで問題に気付かなかった。湖の横で暮らすから常に向き合わされるのだ 「失えば、姿が消えた後でその人が驚くほど特別なものになってしまうのに」 1人は鉄道のつながらない所へ、1人は連れ去る人を見つけ、1人は置いていかれ、結局鉄道に乗り続ける。線路を歩くのは、下に何かないか目をこらすため、きっと。孫二人は、祖父も母も奪われたそばで暮らす。「家はとっておきなさい。頭の上に屋根がある限りはまず安泰なんだから」 そう、シルヴィアは知らずと呪いをかけたのだ、そう思う。
ミカママ

「頭の上に屋根」は、印象的だったね。

07/03 06:48
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ekoeko
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「家を守る=ハウスキーピング」を放棄して流浪の道に走るルースとシルヴィが理解できず、生活破綻の物語としか思えなかった。現実逃避したら生活できないし、きちんと軌道修正したルシールは正しい。
0255文字
藤月はな(灯れ松明の火)
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二人っきりで祖母の家に遺されたルースとルーシル。家を維持(ハウスキーピング)しながら家を守ってきた女達。やがて渡り者であろうシルヴィとの暮らしが始まるが・・・。薄氷の張った湖の水面のような文章で自殺、ネグレクト、不和などの心を殴りつけるような事が描かれているので余計に辛い。浮き草のように安定しない叔母との生活ははっきり、言うとマトモじゃない。そんな彼女達と自ら、分かたれたルーシルは恐らく、正しい。だが私は現実に目を背けているだけだとしても心地よい居場所があり、自由なシルヴィとルースに眩しさを覚えてしまう。
藤月はな(灯れ松明の火)

姉妹の名が似通っているのが結構、暗示的だと思う。思春期に差し掛かるに連れて身体的に女らしさが出てきたルーシルがシルヴィ達との状況に疑問を持ち、噛み付くようになってきた様子は(悪い意味で)「女」を感じました。特に「あんたら、馬鹿じゃないの!?」と言いたげな様子は共感すると同時に「そんなにつっけんどんにならんでもええやん!悪ぅないよ、この生活も。」と思ってしまうし。

04/13 00:11
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manabukimoto
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語り手はルース。妹のルシールと一緒に育つ。祖母と共に祖父が建てた家に住む。祖母が亡くなり、保護者が変わりながらも、家を守りながらhousekeeping しながら生きる。 彼女たちが家を出るまでの静かな日々の話し。 「記憶というのは喪失感だ。喪失が私たちを引っ張っていく。」p198 特に亡くなった母との記憶の生々しさが、母親への喪失感を際立たたせる。
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アヴォカド
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自分に向いてそう…と思って手にしたけれど、そしていろいろ良さげではあるんだけれど、どうもちょっと向いてなかったようである。
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りつこ
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家族の喪失が描れているが、人間の生死を超えた視点(宗教?自然?人間の営み?それがタイトルに?)から描かれているので、壮大な光景を目にした時のような感動がじわじわくる。物語の語り手の視点が独特で、これは悲劇なのか喜劇なのかはっきりしないのだが、読んでいてとても心地よく、この世界にいつまでも留まっていたいような、どんな結末が待っているのか見届けたいような、不思議な感覚。解説を読むとこの小説は様々な文学作品を踏まえて書かれているので、挙げられた作品を読んでからまた読むとまた見えてくるものがあるのかもしれない。
0255文字
くさてる
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これは素晴らしい。ほんとうにすごい小説を読んだ時はぐったりと倒れて口からぼうっとなにかが抜け出ていくような気持ちになるのだけど、読後はしばらく倒れっぱなしになった。どういう話、と説明するとたいせつな何かが抜け落ち、抽象的にj語ろうとすると、より鋭く刺さってくる読後感をごまかしているような気持ちになる。世代を超えた家族の物語が、すこしずつずれていくこと、美しい自然と家の記憶がゆっくりと違うものに姿を変えていくこと。わたしはとても怖く、寂しく、美しい話だと思いました。おすすめです。
ミカママ

やはり、くさてるさんも読んでらしたですね。美しく、寂しい作品でした。

07/03 23:19
くさてる

コメントありがとうございます。ミカママさんは原著で読まれているんですね、すごい!ほんとうに美しい作品でした。読んでよかったです。

07/04 22:39
0255文字
sora
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じっくり一行一行時間をかけて 楽しむ本かも
0255文字
桃蛙
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狂っていることが魅力的なときもあるが(フィッツジェラルド等)ダメなときもある。で、これはダメなグループ。子どもを巻き込むと哀れを通り越して自分の中で嫌悪に近くなってしまう。テーマが好みでない。
0255文字
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ハウスキーピング評価90感想・レビュー47