形式:文庫
出版社:筑摩書房
姿かたちの描かれる過程が不可思議であることは確かです。知っての通り、偶然一筆加えたために、突如として、常識的な書き方では表現できないような生き生きとした姿かたちになることがあるからです。私はいつも偶然を利用して、デフォルメし再構成した姿かたちを描く方法を見つけようとしています。(…)かりにも絵が上手くいったとしたら、それはモデルとは異なる、誰も知らない姿かたちを描くことによって、ある種の神秘が生じたからです」(p154~p156)
「私は画家というより、偶然が生じるための媒体だとつねづね思っています。(…)自分に才能があるとは思えないのです。感受性が強いだけです。」(p201~202)
ベーコンが行った提示情報の操作や、著者による長大なインタビューの編集の存在を知ると、戦略的に書かれたテクストであると気付かされる。しかし二人の共同作業からは逆行的に当時の現代美術の布置とベーコンの位置付けを彼らの視点で探ることができるだろう。
ベイコン本人はホドロフスキーには言及してませんが、今回の文庫版の解説の保坂健ニ朗氏が、パフォーマンスアートなどの話をしていたので、おそらくホドロフスキーらが展開していたものではないかと、いう解釈です(笑)。
なるほど、ベーコンの絵は身体論語りたくなるところがありますよね。ご返答ありがとうございました。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます