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フランシス・ベイコン・インタヴュー (ちくま学芸文庫)

感想・レビュー
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BlurMatsuo
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ベイコンというと、ドゥルーズ『感覚の論理学』において論じられたアーティストで、本書が単行本で刊行された時のタイトルもそこで論じられた「肉への慈悲」という言葉が冠せられていた。小林等による文庫版訳者あとがきを読むと、自分はどうもとんでもない勘違いをしていたらしい。ベイコンは自身の作品についてしっかりと論じられる言葉を有していたことが分かる。2013年に国立近代美術館で観た彼の作品群から受けた不気味な印象も、それに気味悪さを感じながらどこか惹きつけられる魅力も彼が現実そのものを描き切ろうとしたからだと分かる。
0255文字
Erika
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彼の作品の写真が多く掲載されており見ていて楽しかった。彼の制作についての考えのみならず、人生観や社会に対する考えについても知ることが出来た。芸術が身近なものになったことで人々は芸術漬けになり今や飽和点に達している。人間は創造を欲するのであっていつまでも過去を再生産したいとは思わない為、模倣の芸術に私たちは耐えられない。人々はリアリティーを生み出す新しいイメージや方法を求めていて、それは写実的なリアリズムでは無く、作為的であって、芸術家が再構築したものだ。それらは生き生きとしてより強烈な印象を与える。
0255文字
やいっち
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通算三度目。単行本で読んだ際、インタビューアーとベーコンとの間に会話が成り立っていないと当時、感じたんだった。インタビューアーは、真っ当な理屈で問う。ベーコンは、直感というか感性というか、論理の筋が見えない……我輩のような凡俗には皆目。が、訴えたい何かは感じる。ベーコンは作品が全てなのだ。根っからの表現者。ベーコンはジャクソン・ポロックが大嫌い。我輩は好き。というかどちらの作品にもとんがったセンスを感じる。実際、ベーコンの手法にポロック臭を感じてならない。
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やいっち
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通算三度目。単行本で読んだ際、インタビューアーとベーコンとの間に会話が成り立っていないと当時、感じたんだった。インタビューアーは、真っ当な理屈で問う。ベーコンは、直感というか感性というか、論理の筋が見えない……我輩のような凡俗には皆目。が、訴えたい何かは感じる。ベーコンは作品が全てなのだ。根っからの表現者。ベーコンはジャクソン・ポロックが大嫌い。我輩は好き。というかどちらの作品にもとんがったセンスを感じる。実際、ベーコンの手法にポロック臭を感じてならない。
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AttilaTaro
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読めば読むほど画家になるために生まれてきた人物だと思う
0255文字
mimitaro
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デヴィッド・ボウイの人生を変えた100冊に入っていたのと、ベーコン好きなので購入。こんなに理路整然と自分の作品について話すことができるのだなあと感心した。また偶然を利用して制作を進めたり、物語?意図?を作品に取り入れないなど、結構意外だなあと思うところが多く面白かった。姿かたちという単語が繰り返し使われていて印象的だった。英語だと何になるのだろう?教皇インノケンティウスの肖像はベラスケスのもベーコンのも一度は見てみたい。メモ:ドーリア・パンフィーリ美術館、デモイン・アートセンター
0255文字
はじめ
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「私が自分で制作したいのは、例えば、肖像画でありながら、いわゆる写実という観点からすればモデルとはなんの関係もないフォルムから生まれた絵です。つまり、デフォルメされているにもかかわらず姿かたちを表現している絵です。私にとって現代絵画が直面している謎とは、姿かたちをどのように描けるかということです。(…)
はじめ

姿かたちの描かれる過程が不可思議であることは確かです。知っての通り、偶然一筆加えたために、突如として、常識的な書き方では表現できないような生き生きとした姿かたちになることがあるからです。私はいつも偶然を利用して、デフォルメし再構成した姿かたちを描く方法を見つけようとしています。(…)かりにも絵が上手くいったとしたら、それはモデルとは異なる、誰も知らない姿かたちを描くことによって、ある種の神秘が生じたからです」(p154~p156)

02/12 12:08
はじめ

「私は画家というより、偶然が生じるための媒体だとつねづね思っています。(…)自分に才能があるとは思えないのです。感受性が強いだけです。」(p201~202)

02/12 12:08
0255文字
mrk
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返却日前日に向かった図書館近くでは、ミャンマー!フリー!と繰り返し叫ぶ声が聞こえてた。 心配に反して建物の中はとても静かで、併設のカフェで一気に読んだ。 ベイコンの作品には、叫んでいる人物が描かれているものがたくさんある。彼の絵を見ていると、いつもなんだか自分が抉られるような気分になる。どちらかというと、ぞっとさせられるのに、目が離せなくなる。 ベイコンは「絶望は役に立つ」と、話す。「全然うまく描けないという全否定の気持ちに一度なることができれば、そこからはなんでもいいから描いてみようと開き直れる。」
0255文字
がんちゃん
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作品が多数掲載されているので、とても面白い。人の本当の姿とは。
0255文字
sugimi
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ネタバレ精神に響く主観的なリアリティを表現すること。ベイコンの考え方がはっきり書かれていて読みやすかった(自分にはベイコンの絵からそういうものを感じることは難しいが…)。 ベイコンの絵の暴力的な雰囲気が好きだったんだけど、それはベイコンの描写するこの現実が残酷だから、ということか。面白かったのが巻末の解説。このインタビューは「戦略」だった説、実際の制作状況、ベイコンとシルヴェスターの関係…。本人の口から語られたものでも必ずしも真実ではないっぽい。
0255文字
古田更子のデジタル脳味噌ミカンジュース工場ミキサー(時給800円要相談)@批評系YouTuber
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浅田彰の方が天才。画家は良い意味でチャランポラン。
0255文字
𓆙
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彼の絵に惹きつけられるのは死生観が似ているからだと思いました。人生に意味も目的もない。アトリエに籠もっての無意識的な描き方、絵の具を投げつけて偶然性を得る点をルーレットや家政婦のくだりから語っている部分が面白かった。
0255文字
Bluemask
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この本一番の驚きは、東京国立近代美術館主任研究員という方の解説文。解説には校正前のインタヴュー録音を文字化したものの訳文が一部分掲載されているが、この短いやりとりのみで本文とはかけ離れたベイコンと作者両者の関係性を読み取ることができ、インタヴュアーが完全にベイコンのイメージ作りに加担していることがわかる。
0255文字
冬
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ベーコンの言うリアリズムの意味が分かった気がする。「画家が画家たりうるためには、ゲームを本当に深化させられなくてはならない時代になったのですから。」 「なにかを語ろうとしているのではなくて、なにかを行おうとしているのです。」とはどういう意味だろう。 読み返すたびに新たな発見がありそう。
0255文字
Yoshi
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ネタバレデヴィットボウイの挙げる100冊の中で見つけ、その後地元の美術館で見つけ購買、通読。 ダミアン・ハーストも影響を受けた本にこの本を挙げている。 具象・抽象、偶然を批評眼を通し制御する事やリアリズム絵画の再構築の話など非常に刺激のある話で即読めてしまった。 余談だが政治的な傾向も知れてよかった。 「作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だからです。そしてもう自然主義的なリアリズムなどあり得ないのですから、まったくあらたなリアリズムを創造して、神経組織に直接伝わるようなリアリティーを見いだすべきなのです」
0255文字
tonpie
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追記:この本の何が良いか伝わりにくいと思ったので追記します。インタビュアーは美術評論家(男性)ですが、昔ベイコンと同居していた「仲間」なので、会話はリラックスした辛辣さ、とでもいう空気が漂います。恋愛関係だったかどうかは分りません。ベイコンは苦悩も孤独も人一倍感じる人なのでしょうが、その言葉と絵画は、非常に率直です。「本当のこと」しか語らず、詭弁を弄しません。この率直さに触れると、私はとても癒されるんです。この新文庫版はタイトルが変わりましたが、内容は昔の本「肉への慈悲」とほぼ同じです。
0255文字
Bevel
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「最初になにも考えずに描いて、偶然によってできたものを、あとで意志によってさらに発展させるんです。この描き方にはあらゆる可能性が含まれていると思います」「なんというか、つねづね描きたいと思っているのは、ほかの作品を描く必要がなくなるような一枚の絵なのです。つまり、一枚の絵にあらゆる要素を凝縮したいのです」。枠、ベラスケス、絵や対象との距離、ドガとX線写真、ルノアールの風景画、暴力性を帯びた現実、エリオットの話が興味深かった。インタビューする側のシルヴェスターの話を書いてる解説もよい感じ。
0255文字
TAKAMI
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300ページ弱、ずーっとインタビューの、濃密なお仕事ありがたい。ベーコンはヴァイオレンスな絵も恐怖の絵も描こうとしていたわけではなく、写真の発明以降に芸術家に求められるリアリズムの追求者だったという話。ダミアン・ハーストも16歳の頃にこの本を読んで芸術家を目指すようになったらしいが、わかる。現代の創造者に求められる姿勢が書かれているわけだからね。また、巻末の保坂健二朗による解説もとてもいい。芸術家と批評家の掛け合いに関する本の解説かくあるべきという内容。
0255文字
tamioar
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この人は政治的自由主義社というよりアナーキスト。
0255文字
やいっち
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感想めいたことは前回の記事で書いた。  理解したと言えるかどうか。ただただベイコンの作品群に驚嘆するばかり。似たような作風の作家は皆無だ。 余談だが、2021年5月、NHKで特集があった。ベーコンの特集なんて珍しい。録画して観たが、内容に新味なし。ちょっとがっかり。
0255文字
雲水峡
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若い頃からその絵に理由なく惹きつけられていた画家のインタビュー集。文庫版で復刻されたものをやっと読了。自身の芸術についてインタビュアーに鋭く突っ込まれながら言葉を尽くして語る様にもまた惹きつけられた。自身の絵画は抽象画ではくリアリズムに強く立脚していること、リアリズムを言わば更新しようとしていること、見るものの神経組織にダイレクトに伝わるものを創造しようとしている、など繰り返し詳細に語る。特異な方なのは確かだが、絵も言葉も、現代とは比べものにならない強度を持っていたことが分かる。
0255文字
なつのおすすめあにめ
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「不公正は人生の本質」、「芸術作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だから」等々、名言の宝庫なインタビュー。しかしいつか生で鑑賞したい……。
0255文字
geromichi
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帯にあるベーコンの台詞抜粋がとても良い。
0255文字
きくらげ
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ベーコンは写実主義や抽象主義をくだらないものと退ける。その作品は具象にとどまっていながら単なる写実主義より直接的に神経組織を刺激する、強烈なリアリティを生み出した。このイメージは大きく逸脱させた一筆を置く、絵の具を投げつけるなど、直観と偶然の作用を助けに非論理的なデフォルメを導き入れる。その痕跡に批評的な検討をめぐらし制作過程にまとめていくことで、逆説的に対象のらしさを獲得してしまうのだ。
きくらげ

ベーコンが行った提示情報の操作や、著者による長大なインタビューの編集の存在を知ると、戦略的に書かれたテクストであると気付かされる。しかし二人の共同作業からは逆行的に当時の現代美術の布置とベーコンの位置付けを彼らの視点で探ることができるだろう。

01/04 14:22
0255文字
またの名
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汚いアトリエで描くので落ちてるホコリを絵の具に混ぜて造ったが説明しなかったなんて、知らぬが仏エピソード。ベーコンが隠したのは高尚扱いされてる作品の素材ばかりでなく、いわば自分を芸術家として演出するためインタビューでも様々な事実を偽ったことが死後判明したとの解説で、印象が大きく変わる。堂々と制作工程について実際とは異なる証言を語り、描く絵に対しては物語を読み込んで欲しくないと(反)注釈を付けて心理学的解釈を戒めるのに、まるで物語や意味や主観を排したゼロ度キャラの逆説的なアウラという物語に身を包むかのよう。
0255文字
ナカユ〜、
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絵描きは理性をもって自分に正直で、人にふざけてると思われても本人は真剣で、ただ見たいものを表現している、人の事を、見る人を感動させようなんて大きなお世話で、そういう下心はいくつもの絵画鑑賞に精通しているものには誤魔化せない、そしてあの造形をして、リアルを求めたという精神には物凄く共感の一言しかない、ベイコン嫌いの人もちょっと我慢して読んでみてもいいかもよ、画家とは何か?、の一端は見えてくるかも、
0255文字
kushuka
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超面白かった。異論もあるが独学の画家というだけでシンパシー。偶然性についての考察がとても興味深い。
0255文字
Ex libris 毒餃子
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写真を見て描いている、というのが意外でした。絵画が多数、例示で挙がっているので、具体的なイメージが出来て良かった。
0255文字
ミスター
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イラストレイションと絵画の差異についての話が面白い。あと抽象画に対する批判
0255文字
Bo-he-mian
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異形の画家フランシス・ベイコンを、友人で美術評論家のデイヴィッド・シルヴェスターが、'62~'84年に10回に亘って行ったインタビューをまとめた本。今まで、ほとんど印象的な見方しかできなかったベイコンの絵が、彼の考え方を知る事で、具体的に理解できるような気がしてきた(笑)。その一方で、絵の話しかしていなくて単調な印象もあり、読み進めるのに時間がかかった・・・のだが、巻末の保坂健ニ朗(ベイコン研究者)の解説を読んで、本書は確信犯的な目的を持ったインタビューだった可能性を知り、ナルホドと合点が行った(続く)。
Bo-he-mian

ベイコン本人はホドロフスキーには言及してませんが、今回の文庫版の解説の保坂健ニ朗氏が、パフォーマンスアートなどの話をしていたので、おそらくホドロフスキーらが展開していたものではないかと、いう解釈です(笑)。

07/14 11:22
allite510@Lamb & Wool

なるほど、ベーコンの絵は身体論語りたくなるところがありますよね。ご返答ありがとうございました。

07/14 11:42
4件のコメントを全て見る
0255文字
kentaro mori
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苦手意識のあったベイコンだったが、これで一気に好きになった。この歪んだ顔は、ポストインターネット(もうこのタームも古臭く感じてしまうが)じゃないか。●「私の望みは、対象をとほうもなく歪めて描くことです。ただし、歪めることで、かえってリアルな姿かたちの記録へと回帰するのです」●「十七のときです。はっきり覚えています。舗装道路に犬の糞があって、それを見ているうちに突然思ったのです。これだ、人生とはこういうものだ、と」
0255文字
TOMYTOMY
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非常に分かりやすいですし、読みやすい。 ベラスケスやドガの言及が中々興味深いのと、彼の考える芸術におけるリアリズムとは抽象とは? 肉を深淵を描きたいという欲求
0255文字
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フランシス・ベイコン・インタヴュー (ちくま学芸文庫)評価67感想・レビュー33