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線量計と奥の細道

感想・レビュー
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鉄之助
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東日本大震災から1年半後の、2012年8月から始めたドリアン助川の「奥の細道」紀行。松尾芭蕉が約300年前にたどった道をほぼなぞる、放射線の線量計との「同行二人」。行く先々で放射線量を測りながら、折り畳み自転車を自ら走らせる旅だった。年間換算にしたら1ミリシーベルトを大幅に超えるホットスポットもあり、被害の実態がリアルに伝わった。「私は旅人、作家、朗読者、歌い手」というドリアン。今後の活動から目が離せない、と思った。
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アカショウビン
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日本エッセイスト・クラブ賞受賞。筆者にとって古文入門は「奥の細道」らしい。私も「これは!」と古文に初めてピンときたのは「卯の花をかざしに関の晴れ着かな」だ。因みに白河は0.19マイクロシーベルト。いかにも品がない気もするが、氏の激しい葛藤が現代の芸術に近づけているように思った。遊行柳、安達太良山、富山内川は実際を見てみたいと思った。糸魚川の「谷村美術館」や、象潟駅の案山子、石巻の焼け焦げた小学校のグラウンドで野球をする子供たちも忘れ難い。新潟辺りの海岸線を雨にうたれながらひた走る姿は、ほとんど芭蕉だ。
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DataLame
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紀行文、今までほとんど読んだことがなかったけれど、良かった! 原発事故が変えたことについてはもちろん、文学、地理、色々なことに目を向けさせてくれた。
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non
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 21-137:915。奥の細道を折りたたみ自転車でたどりながら、原発事故後1年半の線量を測る旅。戸惑いと葛藤。距離ではなく地形やポイント。やっぱり!と海も!離れずに暮らし続ける人々。自己判断でダブルチェックで守られている守りたい子ども達。「地面の底だって生きてるんだ・ずっと言われるんだよねーーもらしたこと以外で知ってもらうしかない。そっちで人気者になるしかない・神は天に宿る」書下ろし2018刊。ドリアンさんの精力的な活動。
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ろくたろう
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とても良かった。自転車の速度で、誠実に、「世界」に向き合おうとする作者。そこには生身の人間ひとりひとりの暮らしがある。葛藤を抱えつつも、記録を残すのは、そこに、書く、ということの本質があるからだと思う。松尾芭蕉の時代と、3・11後の今、時間軸と、空間軸を交差しながら、感じたこと、思ったこと、考えたことを、記録する作者。起こったことを無かったことにはできない、とい思いがあるからこそ、この様な挑戦をすることにもなったのだろうし、同時代を生きる人間として、書いてくれて本当に有難い、感謝です。
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礼
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折畳める自転車でよくあれだけの距離を走り切ったなー 風雨の中を走ったり危険なトンネルを通ったりして肝が据わったのかラストはパンクを敢えて修理せず押しながら完走 芭蕉の旅を偲びながら原発事故に対する現地の方たちへの想いも新たにすることができた 良い読後感
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あにも
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線量計の値を、芭蕉の歩いた土地土地を辿る設定で、過去と現代を行き来する紀行文。「数え切れない被災者が、デモに訴えるわけでもなく、テロに走るわけでもなく、ただおのれの手をみながら立ち上がり、生活の再建に向けて汗を流している。」本当にそう思った。
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ちえ
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震災から1年半後、奥の細道の行程を線量計で放射能を測定しながら旅をする。いく先々で出会う人々は生活、被爆の不安を抱えつつ、そこでの生活再建をしようと日々を暮らしている。その中で残留放射能を測る自分の行動に悩み、意味を自身に問い返しながら旅を続ける作者の姿。その正直な姿に私自身も自分を振り返る。本として出版されたのは2018年。その時書かれた後書きには旅で出会った人たちのその後が書かれ、7年(多分10年でも)経っても解決しない原発事故、学ばない政治への怒り、人が繋がっていくことの暖かさが伝わる。
ベル@bell-zou

線量を測ってだからなんだ、と言われればたしかにそうかもしれないけれど、そうすることで考えることに繋がるし迷いながら旅をした姿がとても好ましかったな。旅をしたくならなかった?自転車はムリだけどね。(^_^;)

04/11 11:45
ちえ

うん、東北だけではなく北陸の旅とかね。火事の前の糸魚川の様子が印象的だったよ(^^)旅したいね~♪この自粛生活に疲れてるよ。

04/11 13:12
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百太
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やっと読みました。10年たってもう一度振り返ってみた。震災から1年半ごの東北の様子は、ほんとうにまだまだで、10年たった今も多分・・・まだまだです。
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たまゆら
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2017起稿、2012年の奇抜な奥の細道行。萩原井泉水についで印象に残る『奥の細道』ロードエッセイ版、それも世界に知れ渡っていながら今やニッポンで風化(?!)しつつあるフクシマや東北地方の地元の方々の生の声と風景に果敢に触れ合う自転車(!)による旅の記録。お行儀の良すぎるマスメディアと違って心に響く独特のビートニクのような文体に改めて目を、死角を開かれた。鷽替えの神事どころではない、記憶せよ記憶せよと谷のウソのこだまを我々は聞いていなければならないと思う。お仕着せの欺瞞に満ちた安心利便の生活を見直したい。
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No. renkon  No. life
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忘れかけてたあの気持ち、忘れたかったあの思い。思い出しました。 東北を廻る前半は特に感じますね。 そして、あの震災から立ち直ろうとする我々には今の状況からも立ち直る事ができると自信?勇気?根拠?とにかく、何かを感じさせてくれます。 旅の本としても、「奥の細道」本としても楽しかったです。 津波に襲われても、放射性物質が降り注いでも、大火にあっても、未知のウィルスに恐怖しても、一日一日を一生懸命に生きる。ただそれだけが復興の基盤、幸せな日常の近道なんですかね。
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西澤 隆
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本能的に「もう原発はいやだ」なひとは多い。一方で反原発はほとんど理性的に語られず疑似科学や「正しいことのためにはウソで説明してもいい」恣意的なモノ言いが溢れる世界。さらに正義の味方的に断罪断罪また断罪というひとも多い。それだけに筆者の理系的アプローチと常に「自分のこの行動はやっていいことなのか」という強い自制心はとても「フェア」に感じる。自身が大きく傷つきながらできる限りフェアにたどる奥の細道は原発事故で「汚染」されたエリアの事を語る紀行文。僕が住む糸魚川のことも多くの紙数を割いて誠実に触れてくれています
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ふくろう
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筆者がどういう方か分からず、書名に惹かれて手にしました。大震災の一年後、自転車で線量計を持って、芭蕉の「奥の細道」を辿った紀行文。面白かったと言うとちょっと語弊があるが、引き込まれて二晩で読み上げた。いい作品ですね。☆5
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みねたか@
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震災から1年半。線量計を携え奥の細道の全行程約2000キロを自転車で旅する。茨城,栃木,福島,宮城,平泉,象潟を経て山形,新潟,福井そして琵琶湖に至る旅。生活の不安、被爆の不安を抱え現地で生活し生産を担う人々。噴火による象潟の変容,糸魚川のむき出しの中央構造線は,火山地震列島の中で原発を維持する無謀さを教えてくれる。著者が被災地で自分の行動の正当性を疑い,荒れる日本海の風雨の中自身の半生を顧みる姿は,人生に惑う同世代として我がことのように感じた。紀行文としても魅力的で訪れたい場所が沢山できてしまった。
みねたか@

(本文から)周囲は美しい。朝の光が河岸のあらゆるものに宿り、燦爛たる帯を作って揺れている。美しさはある意味で目くらましにもなり得る。恣意的にきらめきだけを提示するのは1つの罠なのだ。「美しい国」などといった表現を乱発し、影で耐える無数の痛みを忘れさせようとするなら、美そのものも生命を失うだろう。あとは、強引な厚化粧と有無を言わせ政治が横暴を繰り返すことになる。

08/20 18:31
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Yuko
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「福島の人間がこれまで、広島や長崎の原爆後遺症の人のことを、これっぽっちでも考えたことがあるかっていうと、おそらくねえんだ!人間って、そういうところがあるんだよ。自分の身に起きねえと、考えやしねえんだ。だからな、原発なんてもんをつくって、その捨てようがない廃棄物をよ、地面の下に埋めようなんてバカが出てくるのよ。そんなものはまたいつか表に出てくるだろうが!未来の人間のことを考えてやってねえんだ!アホばっかだ!」 通りがかりのヤクザさんの台詞が、いちばん胸に刺さった。
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soran
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線量計という言葉にちょっと重い気持ちになって読み始めたのだけれど、さすがドリアン助川さん、暮らしを立て直そうと懸命の努力をしている方たちに寄り添いながら現実を見つめ、どうしたもんだろうと悩みや苦しみを共有する、ちょっと泣きたくなっちゃうようなとても優しい紀行文だった。あらためて、いろんなことを考えさせられます。あと、いつものことだけれど、味の描写がすばらしい!
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玻璃
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著者は一体何がしたかったのだろう。アスファルト上より高く放射線量が検出されやすい植え込みや土の上を狙って線量計をかざし、0.09μSv出た!こっちは0.3、高い!と騒ぎ、「自分は何をしているのか」「ここの人たちは汚染されていることを知っているのか」と逡巡する。なのに旅を終えて5年も経ってからこのような本を書き出版した。ほんの数年前にはこんなに汚染されていたのだと知らせて、何を達成したいのだろう。本筋ではないが、北陸新幹線disがしつこくて辟易した。原発に対する考えといい、都会人のエゴ丸出しである。
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入道雲
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ネタバレ独特な感性で奥の細道を自転車で旅する著者。各地で放射線量を測り、原発事故や自然や人を想い、時に複雑な心境を吐露したかと思えば、赤ちょうちんで旨いものや酒に浸る。いつか行ってみたい奥の細道に連れて行って貰った気がするが、原発事故は重く大きな災いだと言うことがビシビシ伝わってくる。
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gontoshi
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ドリアンさんが自転車での奥の細道を旅行した時の 紀行記です。 被災地の耐え忍ぶの状況が伝わって来ますね。 放射線は目で見えませんが、広い範囲で拡散 している事を改めて気づかされました。
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ベル@bell-zou
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原発事故から一年半後。奥の細道を主に自転車で辿りつつ各地の放射線量を記録する旅。仙台の冷たさをお隣多賀城の男子高校生に救われホッとし、山寺はいずれ登ろう…と密かに決意し、糸魚川「谷村美術館」はぜひ冬に訪れよう、などと読みながらワクワクしたり線量にドキリとしたり。無茶をせず人の好意に礼儀正しく甘える柔軟さや、線量を記録する意味を自問自答し迷う姿が好ましい。本文は概ね柔らかで淡々とした語り口なのに対し、2018年発刊に寄せたあとがきが旅で出会った人達の後日談と共に厳しい警鐘で結ばれているのがとても印象的。↓
ゆめにこ

ベルさん、3・11を明日に迎え、東北の街並みを毎日のようにテレビなどで拝見しています。ドリアンさんのアクションとメッセージ、大切なの言葉がたくさんありましたね。『あん』も良かったし、『バカボンのパパと読む老子』も面白かったですよ😉それにしてもドリアンさん、多才だなぁ。

03/10 18:21
ベル@bell-zou

ゆめさん(^^♪私の中では黄色い髪でシャウトしてたイメージしかなかったドリアンさんだけど、それ改めたうえにファンになってしまったかも(^^)『バカボン~』もチェックしてみるね。ラジオ番組もやってたんなら、聞いてみたかったです。

03/10 20:47
8件のコメントを全て見る
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ゆめにこ
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被災地と重なる奥の細道を辿る紀行文。お供は線量計。被災地に足跡を残し、まだ消えない見えないものを見せてくれた。そこでの健康は守られるのか?という懸念と、また、同じことが繰り返されはしないのか?という警鐘が淡々と綴られていて、再稼働している大きなものに、体を張って挑んだような、ロックで詩人なメッセージになっている。森羅万象を愛おしむ芭蕉の句と、線量計が示すデジタル数値の対比で、美しい地に潜むシーベルトの恐怖がより感じられた。この記録で、ひとつの番組が作れるんじゃないかな。
ベル@bell-zou

これ、来月読もうと思ってます。

02/10 18:18
ゆめにこ

ベルさん、土地勘があるから、楽しみですね!魂がこもってました。

02/10 20:05
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必殺!パート仕事人
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そんなに厚い本ではないのに読むのに時間がかかった。内容的に重いからか、文章が多いからか。白河と角田が出てきて、「オオ」という感じ。
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Book Lover Mr.Garakuta
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図書館本:読了。東北大震災(3.11)後の東北を巡る紀行文。背景に松尾芭蕉が控えているのだ、等身大で見つめてきた著者が観たものは・・・
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くり坊
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ドリアン助川の2012年晩夏から晩秋にかけての自転車&列車、たまに車便乗の旅。3.11から1年半、線量計を持って測って歩くことについての助川さんの逡巡が等身大の描かれている。
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Tsuyoshi
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作者が線量計を持って自転車による「奥の細道」を旅した紀行文。特に福島〜宮城における被害の大きさや現地に生きる人々の裏側に隠された我慢強い人柄など現地で目の当たりにしないと分からない事実が緻密に描かれていて改めて被害の大きさや風化させてはならない気持ちにさせられた。
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±
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フクシマ読書。これもただ近著(2018.7刊)だからというチョイスだったが、筆者が線量計手に芭蕉旅をしたのは2012年と少々外されつつ(今だってモニタリングポストで出るところは出ている)。それでも「書ける芸人」の人?と思ったら「叫ぶ詩人」の方だったせいもあってか、片言隻句のキレと余韻の刺さり具合は期待以上。まぁ各地で線量測りつつ旅する時点で重いのは自明ながら。自転車行は真似できないが、宮城から岩手に入ると道が優しいとか、鶴岡の500円の破壊力、糸魚川の谷村美術館などの誘惑。旅は不思議。
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100名山
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ドリアン助川氏が2012年8月から11月にかけて奥の細道を折り畳み自転車で巡り、人との出会いを中心に線量計を片手の紀行文です。 気取りのない文章で読みやすいです。 私も石巻若宮丸漂流民の会の関係で2011年9月に石巻を訪れた時、地元の方に「テレビで見るのではなく、とにかく来て見てくれ」といわれ、その後毎年伺うようになりました。 墓石が倒れ骨壺が散乱する石巻。 巨人が手で丸めたような車が散乱する南三陸町。 翌年はただの野原 翌々年は道が変わり盛土だらけ。 目に見えない放射線はどうなっているのでしょうか。
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onasu
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東日本の震災、中でも福島の原発事故は、いつ、どう描いたらいいものか。ここでも著者が奥の細道(深川~大垣)を主に自転車で辿ったのは、2012年の夏~秋(月一で延べ4回)。それが何故2018年の出版になったのかは、逡巡も含めた諸々があったのでしょう。  空間線量を測りながらの旅では、先々でそれを説明することを躊躇う場面も数々。よそ者が、余計なことをと思われるのも致し方ない。  その辺の事情を除くと、行く先々での出会いが、自転車移動ならではの思わぬ発見(失敗)が楽しい一冊で、行ってみたいところが増えました。
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yuki
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「私たちは万能ではない。」奥の細道のコースを自転車でたどります。そしてそこは原発事故の被災地。高い放射線量に驚かされます。それぞれの土地で謙虚に生きる人々が素敵です。
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くみん
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2012年8月から11月、放射線量計を携えた奥の細道全二千キロ旅の記録。言葉眼差しすべてが優しくて一気にドリアン助川のファンに!旅をして著作を残してくれたドリアン助川よありがとう!みんながこういう気持ちで暮らしていたら福島の復興も進むのに。「権力による恣意的な忘却に巻きこまれてはいけない」「焼け焦げた校舎の前で野球をする石巻の子どもたち」「メグ号」「継がれていく記憶なくして本当の復興はない」彼の思いにいちいち頷く。線量計の数字は驚き。奥の細道最北端の地は我が故郷である。裏表紙が象潟駅のかかしの写真だった。
ハッカ飴

私もです。ドリアンさんのファンになりました。国土を愛し、同胞を愛する、愛とやさしさに満ちた紀行文でしたね。権力者のうそばかりつきつけられている毎日にあって、まっとうさ、正義を抱えて生きている人に久しぶりに会った気持にさせられました。

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