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マーティン・イーデン (エクス・リブリス・クラシックス)

感想・レビュー
41

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takeakisky
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率直さ。美しいものへの欲求は痛みを覚える。挫折は数あれど、溢れる熱情が、挫折とも感じさせずそれらを征服する。驚異的体力。書きたいという希求と書くための知識技能獲得への血を絞るような努力。透徹した個人主義もルースとの絆が和らげ、社交面での如才なさも身につける。しかし、停滞は否めない。彼の本当のジャンプのきっかけとも助けともなったプリセンデン、別れ。蜻蛉。降って湧いた成功。それがもたらす深い悲しみ、虚しさ。表に出さない静かで、大きな怒り。過ちに極めて厳しいロンドンがここにもいる。そして、倦怠。スウィンバーン。
takeakisky

いろいろ完璧さと程遠いところがこの小説の力。ルモンド20世紀の100。

09/14 21:30
0255文字
まふ
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オークランドを舞台にした自伝的物語。労働者階級の家に生まれた船員上がりの主人公マーティンが、とあるきっかけでブルジョアの一家と知りあい、その娘ルースと恋仲になりついには婚約にまで至る。中学卒のマーティンはルースの手ほどきで英語を学び、本を読み、知識を蓄え、「大学出のインテリ」を凌駕する知的な青年となり、小説をどんどん書き上げ、出版社に送るもすべて断られ、貧窮の時期が続く。我慢できないルースから婚約破棄の手紙を受け取った矢先に出版社から出版受諾の小切手が送られてくる。⇒
秀玉

この作家さん、1冊だけ読みました。荒野(野生)の呼び声です。狼の話なんかと思っていたのですが、名作と言われ読みました。感動した記憶があります。もう40年前です。

08/04 16:28
まふ

秀玉さん 私は「野生の呼び声」「白い牙」を読みました。どちらも魅力たっぷりの話で、今回もまた面白さにシビレました。読ませる力を持つ素晴らしい能力の作家ですよね。落ち着いたらもっと読みたいです。

08/04 19:52
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0255文字
R C
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ネタバレ労働者として生きてきたマーティンが、知識欲に目覚め文筆業で生計を立てようと志す。生来の性質と若さゆえの体力が相まって、自己の無知を知り体系だった知識を得て世界が広がっていく様子が見事。ただ、本作の重点は成功後のわずかな章に集約されているようです。主義主張が固まるにつれ社会と折り合えないところも表れ、自身は不変なのに成功により扱われ方が大変換し、かつては憧れていた社会的成功や上流階級の人々の皮相な実情を知り幻滅と混乱に陥る主人公。作者のその後の人生を考えると、自らを予見していたように思えます。
0255文字
canabi
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20−2023
0255文字
あべた
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文学及び芸術作品の本当の価値とはなんなのだろうか。どうして私はこの小説に感動したのか。「著名な作家」であるジャック・ロンドンが書いた作品だからか? 村上春樹氏が賞賛していることを知っていたからなのか? 純粋に作品自体に感応したからなのか?
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そふぃあ
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ネタバレ権威を持つ人が評価したものを盲目的に賞賛する人々。そこに文学は存在するのか?と疑うのは少し分かる。 大衆が評価する自分の作品を信じられなくなっていく主人公の気持ちと、名声を得るにつれて冷めていく情熱がつらい。 ジャック・ロンドン自身が鬱病を経験しているのだろうと思うくらい、主人公の終盤の描写がリアルで生々しくて、読んでるこちらも気が滅入ってしまった。絶望の文学。
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DEE
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教育などに一切縁がなかった荒くれ者でもあるマーティン。そんな彼が上流階級に属する少女ルースと出会ったことで文学に目覚める。極貧に耐えながらも書き続けた執念とブレない自信。文学への強い想いが彼を突き動かした。そして作品が売れ始め一躍スターにのしあがると、周囲は手のひらを返したようちマーティンの側に集まってくる。売れなかった頃と自分は何も変わっていないのにとマーティンは不思議に思う。泥臭く、また読み易いとは言えない作品だけど、マーティンの力強さと熱がダイレクトに伝わってくるようだ。
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ぱせり
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一途に夢見、書き続けるマーティンを追いかけながら、ほんものの文学ってどんなものだろう、と思う。無責任で下劣な出版業界や、読書人たちを嫌ってくらい見せられた。文学修行時代の友人プリセンデンはいったい何者だったのだろう。読み終えた今、プリセンデンは、数年後の未来からやってきたマーティン自身のような気がしている。
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Y.Yokota
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久々に夜を徹して読む本でした。ジャック・ロンドンの自伝的作品で、言葉遣いも粗野な船乗りであった主人公が、上流階級の女性との交際で文学に目覚め、物書きを目指し奮闘する物語。とにかくロンドンの文章が冴え渡っていて、訳も素晴らしい。主人公は時に激しく上流階級を、出版業界を、一般読者を、政治を、社会を攻撃する。それは人によっては読んでいて辛いかもしれない。しかしマーティンの生きることへのエネルギーと、文学への純粋な情熱には圧倒される他ない。しかしその純粋さ故に、マーティンの理解者はいなくなってしまったのだろうか。
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ロックスターKJ
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評価:★★★★★ 5点 かなりの長編だったが、主人公の生き方がエネルギッシュで一気に読めるパワフルな作品だった。成功したにもかかわらず、ラストはああなってしまうのか。映画も観てみたい。
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OHNO Hiroshi
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船員・水夫として貧困の中、生活し、上流階級の女性ルースと交際できて、まずは話し言葉から是正され、本をたくさん読み、本を書こうと思いたつ。自伝的作品。でも、少し長いと思った。原稿料はなかなか入らず、思ったようになるのは、かなり時間がかかった。苦労はどこにでもある・・。大変。苦しい時に助けてもらった人々に恩返しができた。売れると、出版社が手のひら返し。名声を得た彼は、ルースの父親(娘との婚約を破棄した)から晩餐に招待された。出来事はよく考えないといけない。僕は少しも変わっていない。
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いちろく
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紹介していただいた本。無教養だった主人公マーティン・イーデンが一人の女性との出会いをキッカケに、独学で教養を身につけ作家としての道を歩んでいく内容。著者の自伝的小説でもあったのですね。作家への道を進む中での苦悩や過酷さ、その果てに掴んだモノに関して、どうだったか? は読者の立場では何も言えない。正直、私には読了まで時間と期間を要し、機を見て少しずつ読み進めた本という印象。ジックリ味わえたのは、訳者が紡ぐ文章との相性が良かった点もある。
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ブラックジャケット
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J・ロンドンにこれだけの自伝的小説があるとは知らなかった。貧困の中で育ち、学校も行かずに底辺で仕事をしていたマーティン、睡眠時間を削っても読書をする。40歳で自殺するのだから実際の活動時間は短かったはずだが、残され著作は意外に多い。本著も大作と言っていい分量で、執筆にかける意欲の凄まじさを感じる。ひょんなことでマーティンは上流階級の令嬢ルースと知り合う。大学で文学を専攻するルースは、マーティンの運命の扉を開く。尊敬と愛情の対象を得て、マーティンは作家修業に打ち込み成功を勝ち取る。 ラストの暗転も印象的。
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yuko_S
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ネタバレジャックロンドンの小説はどの文章にも無駄がありません。他の作品と同じ様、とにかく引き込まれます。マーティンの希望と挫折、文学への情熱が切ないほど伝わってきます。あまりにも伝わりすぎて、私もマーティンが好きになってしまうぐらい。読み終えた後しばらく余韻に浸れる作品です。映画も評判良かった様ですが、小説読んでからでないとわかりずらいかもしれないです。
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ケイトKATE
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ジャック・ロンドンが書いた非常に熱量の高い文章に引きこまれた。貧しい家庭に育ち船乗りの仕事をしていたマーティンは、上流階級の令嬢で教養が高いルースと出会う。ルースの美しさと文学への造詣の深さから、マーティンは一念発起して作家になるべく猛勉強していくが、現実は厳しく生活がままならない状況に追い詰められる。さらに、ルースが育った上流階級と、マーティン自身の労働者階級の違いにも苦しみ、ルースとの関係もこじれてしまう。ようやく苦しみの末に、マーティンは作家として成功するが、彼の心には焦燥感だけが残った。
かふ

映画は良かったです。いつか読みたいと思っています(本が高いんでなかなか買えない)。

01/24 21:34
ケイトKATE

映画の評判は良いみたいですね。機会があれば観たいです。

01/24 21:50
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 本の紙魚
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ネタバレぐいぐいと物語に引き込まれて一気に読み切った。100年以上前の作品とは思えない。あらすじだけ聞くとメロドラマのような印象だが、主人公のマーティン、いや作者ジャック・ロンドンの強烈な存在が物語を特別なものにしている。ブルジョアジーへの憧れとミューズ。そこからの猛烈な努力と文学への執念。成功者としてのマーティンにすり寄る人々への冷めた目線。名もなき作家としての彼を唯一評価していたブリッセンデンの死。海の冷たさと鰹の群れ…。映画を見逃したのでDVD化されたら観ようっと。
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M
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恵比寿シネマの上映で、何となく惹かれて視聴した「マーティン・イーデン」だったが、ついこの間読んだアンドレ・ジッドの「狭き門」のテーマであった純粋な愛と世俗愛の葛藤、ジョージ・オーウェルが理想とした人間像である労働者階級の有りの様と個人主義に基づく理想社会、ロマン・ガリの「夜明け前の約束」で描き出された、名誉を果たした後の生の空虚さが渾然となっているような作品で、この3つのテーマは自分の人生に特に深く響く内容なのだと思う。彼らの自伝や文学、批評を参考に生きる指針を見つめ直し、自分もこの系譜に連なりたい。
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北風
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ロンドンは好きな作家だ。労働者階級で教養のなかった粗野な男が、ミューズと出会い、作家を目指していく。独学で自分自身を高めていくのは、持って生まれた才能や努力が必要だ。彼の知性の高さには舌を巻く。彼は産まれた時代と場所を間違えてしまったのだ。けれど、その時代でなければ得られないものがある。彼にとっては手遅れであったかも知れないが、名声を手に入れられたのは、彼がその時その生まれだったからに他ならない。作家とは因果な職業だ。
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kazi
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再読!ジャック・ロンドンによる半自伝的小説。やっぱり彼の作品は「迫力」がありますね~。アメリカ西海岸オークランドの船乗りマーティン・イーデンが、上流階級の娘ルースと出会い、その美しさと知性に感化される。ルースを手に入れるため、労働階級の生活に別れを告げ、独学による自己向上と作家としての成功を目指す・・。「一日4時間睡眠。寝ている時間は損失」。洗濯夫としての猛烈な労働のシーン。とかとにかく文章から放たれるパワーが凄いです!この苦境を乗り越えて絶対に成り上がるんだ、という鋼鉄の意志力!
Gannet

自殺してるんですね。知らなかった〜。

09/26 15:43
kazi

そうなんです。詳しく知りたければジャックロンドンの伝記「馬に乗った水夫」がオススメです。この伝記自体大変面白く、ジャックロンドンのエネルギーを感じられるすばらしい作品になっています😊

09/26 15:58
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ぽこ
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すごいものを読んでしまった。教養は積み重ねが大事だけれど生活の「実」を知っている高い能力を秘めたマーティンが猛スピードで「知」を吸収すると学問や世間の常識や評価で生きてる人をあっという間に追い越してしまう。でもあちら側の人にはそれはわからない。理解できないものは受け入れないから。高能力ではないけどマーティンが我が身と近づいてきたり離れたりまた寄ったり。疲れるけど快感でもあった。恋の結末はそうならなきゃ変だと半分過ぎから思っていた。終盤のマーティンの気持ちにあまりに共感してしまって読後しばらく気持ちが
風に吹かれて

いよいよ映画ですね^^

09/24 08:39
ぽこ

はい、来週行ってきます。

09/24 14:06
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文箱
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映画『マーティン・エデン』を見てから積んであった原作を読む。作家を目指す若者の愛と苦闘と絶望を描いたジャック・ロンドンの自伝的作品。古典的なつくりでシンプルかつ力強く、どんどん読めた。まっすぐにメッセージが伝わってくる。1909年発表の同時代小説だが普遍的な青春小説と言える。だからこそ映画も舞台をナポリに移して20世紀イタリアの物語にできたのだろう。マーティンの困窮した生活風景、ホテルの洗濯屋での重労働、刻苦勉励を絵に描いたような苦しい文章修業のくだりが圧倒的。ロンドンってこんな作家だったのか。堪能した。
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kakashi_kamo
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ネタバレ映画『マーティン・エデン』公開にあたり、読了。 才量と努力を持ってして自らを高め 自分を信じ、文学と真理を追い求める。 ただ、直向きすぎるが故に自らを滅ぼしていった。 それまで自らを昂らせていた憧れや、活力が奪われていく様 運命と世論に翻弄されつつも 人との出会いや刺激が、生への足掻きとなっているようで。 膨大な文章そのもの全てが "マーティン・イーデン"を物語っていて 読んでいて、その力強さがひしひしと伝わってきた。 それだけに、その力強さが失われていく姿 ツライのに読まずにはいられなかった。
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駒
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長いのと私には難しい所もあったのとで時間がかかったが、物語に、そしてマーティン・イーデンというキャラクターに引き込まれた。上流階級の娘ルースとの出会いにより文学を知り、目標を見つけたマーティン。でも元々知識欲やエネルギーが備わった人だったんじゃないかと思う。中盤の絶対成功してやるというシーンは辛くも活力があったが、終盤は切な過ぎた。ラストは必然だったのかな…。本を読むだけじゃなく自分の中で生かすという事も学んだ。なかなか出来ていないかもと反省。この物語は自分の中で生かしておきたいなぁ。
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sawa
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作家志望の彼氏&堅実志向の彼女という、両想いだが相性最悪な二人のラブストーリーにやきもきしました。主人公がアルジャーノンさながらめきめき知力を鍛えゆく一方、愛が失われていく過程が切なくもしんどい…。どうしてそんなに賢いのに、恋には盲目なんだよぉ〜ッ!  苦い結末には、古川日出男さんが以前トークイベントで「作家は呪われた職業」と言ってたのを思い出しました。 訳の古さが気になったけど、映画版を観たら印象変わるかも。あちらも楽しみです。
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ちゃっぴー
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ジャック・ロンドンの自伝的小説。船乗りのマーティンがブルジョワ令嬢に恋し、彼女に近づきたいと猛勉強し、作家として成功を収めるが・・・。自分はなに一つ変わってないのに作品が売れると手の平を返したように近づいてくるブルジョアたちの虚栄。面白くて一気に読んだ。映画化もされてることを読了してから知る。ヴェネツィア映画祭で男優賞を受賞してたんだ。
ちゃっぴー

1PHさんのレビューを見てジャック・ロンドンにこの作品があることを知りました。1PHさんに感謝です。ほんといい作品ですね。

08/04 08:40
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かめ け
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めちゃめちゃに良かった。真っ直ぐ突き刺さる。
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mi2
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後半にかけて面白さが加速していく優れた小説です。マーティンの友達も自ら命を絶ってしまい、結果、突き詰めていけばいくほど真実には届かないということなのか?でもマーティンのストイックさがたまらなくカッコいいと思いました
0255文字
80000木
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ジャックロンドン最高。『火を熾す』を読んでめちゃくちゃおもしろかったから気になってたけどキタコレ。好きな作家が増えた。ビシビシ刺さってくる。グイグイくいこんでくる。
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neko
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分厚いのにすいすい読める。どこを読んでも面白い。労働階級の船乗りが、ブルジョワ階級の食卓に招かれ、その家の娘に恋をする。彼女にふさわしいようにと、一気に勉強をし、元の頭の良さもあり、ブルジョワ階級の上っ面も知り、有名作家に。
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アルニカ
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ネタバレ船乗りであるマーティンがブルジョアの女性ルースに出会い惹かれ、それをきっかけに文学への関心を強め作家を目指す。食べることもままならない貧困状態でも、ルースの強い勧めでも就職することを拒みひたすら書くことを選ぶ。どんな状況でもマーティンは力強くて揺るぎがないし、周りにも決して染まらない。多くの挫折を味わいながらやっと掴んだ成功、そして…。百年ぐらい前の本でこの本の存在を知らなかったけど、今読むことができてとても良かった。おもしろかった。
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春ドーナツ
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評伝によるとおんぼろ船(誇張抜きのマジな話です)で南洋航海している間に毎朝千文字せっせと原稿を書いていたそうだ。読みながら、深く考えたことは、小説家に対する認識の変化について。職業としなくても、実際に小説を綴り始めた時点で、その人は小説家なのだ、というとてもシンプルなことだ。世間に認められなくても、文筆せずにはいられないのだ。実際に一文字も記さなかったとしても、私たちには物語が必要なのだということ。後半にポッと出てくる(そして速やかに退場する)詩人(と一応説明しておこう)が痛烈な皮肉でもって教えてくれる。
0255文字
yszk
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ネタバレ1909年作品。船員マーティンはお坊ちゃんを喧嘩から助けたことで食事に招待され、そこの娘ルースに一目惚れ。孵化したてのヒヨコのように彼女に相応しい人間になろうと決意。無学で無頼者のリーダーから、図書館の書籍を片端から読み知識を手に入れ、文筆業を夢見る。重労働+勉学の日々を過ごして自己研鑽に励むが、思いに応えてくれた婚約者ルースも就職して安定収入、と彼に繰返す。 社会主義者の集会で反対に優生学的な演説をしたのに、その姿を「社会主義者のリーダー」と新聞に書かれて世間から爪弾き、婚約も破棄されどん底に。
yszk

しかし突然運が向き、死蔵されていた原稿もどんどん売れ始め、ルースもよりを戻そうとやってくる。しかしマーティンは全てが虚しくなっていた。家主と昔の仕事仲間に財産贈与を行い、彼は客船で海へと乗り出すが… 必死に上の階級を目指し、実際に成功するが結局はどこにもなじめなくなってしまった主人公が悲しい。でももう少し女性をありのまま見ようよ……あと主人公ちょっともてすぎ^^;

04/07 14:43
yszk

以前は『自伝的物語』の邦題で出版されていたとのこと。それはやりすぎにしろ、この本の7年後、すっかり富裕層となったジャック自身が病を得て自死することを考えると予言的かもなぁ。 そんで、自己研鑽に熱中する人の話を読む1%でも、自分で勉強しろよと反省。

04/07 14:44
0255文字
kazi
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大満足した。ジャックロンドンの自伝的小説。労働階級の青年がブルジョワのお嬢様に懸想したのを機に、文学による成り上がりを目指す。挑戦、成功、そして自滅。ありがちな話だがジャックロンドンのソリッドな文体にガツンとやられた。
0255文字
にゃーご松崎
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ネタバレ111年前の作品。生きるに必死の人びとと働く必要のない人びと(今日的問でもある)。11の歳から自分の稼ぎで生きてきたマーティンは、ふと垣間見た中流の世界をこの世の理想と捉え、彼の美の霊泉の中心に令嬢ルースを抱き、物書きとして成功しようともがく。達成した時その2つの世界を失うという絶望。ロンドン自伝とのことだがスティーブンスンオマージュのように、スクーナー船、サンフランシスコ、温泉、南洋、ハンセン病、飢餓など登場。スティーブンスン自身の墓碑詩「船乗りは海から故郷を臨む」これが物語の最後に響応するのも妙味。
0255文字
Vincent
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今から110年前に発表された古い長篇小説で聞きなれない書名だしまったく期待していませんでしたがうれしい誤算。時代性など吹き飛ばすくらいの個性派主人公マーティン青年の波瀾万丈の活躍がふんだんに描かれていて幾度となく強い共感を覚えました。新訳でないのは残念ですが最近感動していない諸氏にはとくにお勧めの逸品です
0255文字
blue_blue
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良いな。すごく良かった。きっかけは上流階級に属する女性への思慕。彼女を得るためのストレートな道筋として、同じ位置に立つことを望み、闇雲に知を吸収していく。たくさんの挫折と絶望の末に掴んだ成功。だが、そこで目にしたものは、かつて彼が渇望していた世界がまやかしにすぎないという無情な現実。ブルジョアにもプロレタリアにも属することができない彼は船に乗りこむ。『火を熾す』を彷彿させる、耳が痛くなるほどの静寂な余韻に包まれたラスト。改訂再刊ありがとう、エクス・リブリス・クラシックス。
にゃーご松崎

なんかとても読みたくなっちゃう書評でございまする

02/17 11:32
blue_blue

拙い感想はともかくとして、ぜひ読んでみてください〜。おすすめです!

02/17 20:29
0255文字
Kensuke
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船乗りとして世界中を放浪しながら働く生活をしていた労働者階級の二十歳の若者マーティン・イーデンがひょんなことから上流階級の娘に恋をして学問・文学に目覚め作家を目指すジャック・ロンドンの自伝的物語。上流階級や学問に対する愚直なまでの羨望やルースへの恋心など物語序盤から主人公マーティンのパッションの揺らぎがジャック・ロンドンの紡ぎだす文章を通じてビンビンに読者に伝わり圧倒される。中盤以降は上流階級への落胆や知識人たちへの疑心など悩み多き展開へ。マーティンが最後まで苦悩しながらも自分の持つ美意識を(続く)
Kensuke

守り抜く姿勢に痛々しさを感じ、「もうちょっと楽に生きていける道を探せるのでは」とも思うけれど芸術家というのはこういう人間の事だと妙に納得もしてしまう。今年は素晴らしい小説に沢山出会えたけれど、これはナンバーワンかもしれない。

12/22 12:52
0255文字
jugemu
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『野生の呼び声』を読み間違いしていたようで、ロジェ・グルニエの指摘「ある犬の物語を通じて、自伝を書き上げた唯一の作家ではないのか」(『ユリシーズの涙』)を教わったが、それでも拘りが解けないので自伝小説とされる分厚い本書を手にした。1909年に雑誌連載が終わった長編小説で、ブルジョアとプロレタリアの社会階層対立を背景とし、そのプロレタリアに属する荒くれ青年があることから触発されて作家を志望し短期間に成功を収める物語だが、もはやその時代背景は古すぎ、話も長すぎる。急激な成功後の自己破壊に耽美する歳でもない。
0255文字
もふいんこ
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面白かった…!なんだろう、このエネルギーに満ちた文体は。船乗りであったマーティンは、上流階級の女性と出会い、彼女に恋をする。彼女の尊敬と愛を勝ち得んがために、本を読み知の扉を大きく開けたマーティンは、枯れた大地に水が染み込むように色んな知識を吸う。やがて見えてきたものは、ブルジョワたちの空疎さと嘘、とはいえ、知を得た彼はもう労働者階級にも居場所を見出すことができず…。知の力と無力。体を使い生きることの力と無力。それは現在にも通じていてマーティンのまっすぐで力強い問いかけのひとつひとつが胸に響いた。
Kensuke

このグイグイ読ませる感がとても強烈で、こちらが読みたいから続きを読むというよりそういった読者の主体性は関係なしに本から放たれる強烈な読ませるオーラが読者の意思を無視して飛び越えてきて読まされちゃうような・・・。結末はアレヨアレヨという間にそういった方向になっちゃうわけですけど、実際そういう方向に呑まれる時はこういう感覚だろうしマーティンの性格からするとそうなるのかなぁと思いました。リズィーを想って最後の最後でアメリカ大陸に引き返す決断を期待していましたけど・・

12/22 22:19
もふいんこ

ジャック・ロンドン自身の、こう、体験した人でないと書けない生々しさがありますよね。力強く、感情的で、それなのになんだか清々しい。短編集の「火を熾す」も読みましたが素晴らしかったですよ。気が向いたら是非。(私も「犬物語」読まねば!)

12/22 23:15
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マーティン・イーデン (エクス・リブリス・クラシックス)評価82感想・レビュー41