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数学する身体(新潮文庫)(Kindle版)

感想・レビュー
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Kentaro
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生き物は、ただ生きているだけで、次々と困難に出会う。まったく想定外の、想像もしない新たな課題にぶつかることもある。そんなときにも生物は、自分の手持ちの道具と身体で、何とかやりくりをしてきた。指を使って数えるのもそうである。指はもともと、モノを摑むために使われてきたのであって、数えるための器官ではない。実際、人間の長い進化の来歴の中で、「数える」必要に迫られることはごく最近までなかっただろう。だからこそ、いざその必要に迫られたときには、それまでモノを摑むために使っていた指を「転用」するほかなかったのだ。
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yavℹ︎
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これは難解。解説自体解説が必要。
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gokuri
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文学誌への掲載した文を加筆再編した本。数学史ともいうべき内容ながら、著者の数学に対する思いが色濃くでている。 ゼロの発明も重要ながら、算術記号の発明が現代数学の飛躍的発展に寄与していたことに驚かされる。経済学、コンピュータも、数式の記述なしには生まれてこなかったのでは。 チューリング、岡潔の評伝もとても魅力的だった。
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∃.狂茶党
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数式を使わず、ちょっとやばい領域に片足突っ込むくらい、数学の根源的な部分につれってくれる。 今まで読んだ数学関係の本で、一番面白いかも。 ただ、ちょっとスピ的な、論理を超えていく、あるいは、一般的な論理とは別の視点には、ちょっとばかし抵抗があり、騙されないぞと警戒してしまう。 数学に息吹を取り戻す、魔術的本。 そういや、作者の名前は、真生である。 これは自然としての、あるいは、心身を含む環境としての数学の本かもしれない。
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マフクン
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2015年に、本書で小林秀雄賞を最年少で受賞した森田真生氏の作品。 あてのない世界の中で偶々生まれた瞬時から死に向かう身体が、精緻な推論を重ね数学世界を構築してゆく。成る程、数学を哲学で解釈する 過程は面白かった。 特にチューリングの項は秀逸である。
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くろうさぎ
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同僚からの借り本。今まで数学と聞くと、それだけで身構えてしまうくらい苦手意識が強かったのに、この本を読んでから数学のイメージが大きく変わりました。だから数学が好きな人が読んだら、どんな風に感じるのだろう?って気になります。でも難問を突き詰めていくのは並大抵の努力ではないわけで、自分の人生を賭けて日々研究されている人々の真摯な姿に頭が下がります。好きだからできることなのか、そこに問題があるから挑みたくなるのか…。いずれにせよ、一生懸命な姿勢は、読んでいて爽やかで、とても気持ちよかったです。
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tomo
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読後感が爽やかだった。岡潔の「情緒」をめぐる見方が深く印象に残った。
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カトウ
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著者の新聞記事を読んで「この人好きだ。著書を読んでみたい。」と思ったのがこの本を手に取ったきっかけ。読んでみたら予想をいい意味で裏切られた。情の緒(いとぐち)を大切にしたい。生きることについて、数学の歴史から迫った著者の知識・編集力・感性、やっぱり好きです!読んで良かった!
カトウ

数式は一切でてきませんし、文系から理系に転身された方が書いた物なので、読みやすいですよ!

02/12 08:27
momo

ありがとうございます(*^^*)

02/12 10:02
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リアル本屋さんを増やそう
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かつて狩や調理など実用のためだった道具たちがみて感じる対象になったとき美術の歴史が始まったとすれば,数字や図形がそれ自身みて,感じる対象になってこそ,数学もいよいよ文化になったと言えるかもしれない.p.31 そもそも学ぶとは,どういうことか,学ぶには,はじめから知っていることことについて知ろうとするという意味が潜在している.なぜなら,この世の事物に数量や大きさがあることは,誰もが学ばずとも,はじめから知っていることだからである.
リアル本屋さんを増やそう

ラマチャンドランのミラーニューロンの実験.他人の手を刺激してそれをみた人間はミラーニューロンで同じ箇所が刺激されたように感じる.しかし,自分の手の皮膚がこの刺激が無効であることの信号を出す.片腕を失ったハンフリー氏はこの無効化信号が出せないので,失った手の感覚を感じた.あなたの意識と別の誰かの意識を隔てているものは,あなたの皮膚かもしれない.

01/17 17:24
リアル本屋さんを増やそう

生きる喜びも本当は,周囲や自然や環境から与えられるものであって,自力で作り出せるものではない.p.176 零からの構築よりも零に到るまでの根本的な不思議の究明(岡潔の日本のこころ)p.177 岡潔の日本のこころを買った.

01/17 17:27
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さの
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うまく説明ができないが、数学とは何か、数学をするとはどういうことかを丁寧に解説した本。今後、何度も読み返すと思う。そのたびに新たな発見のある本という予感というか確信がある。今年読んだ本の中で一番心に響いた。
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kiltcool
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人間の指が10本だから10進法が生まれたというのはよく聞く話だが、そんな表面的な話にとどまらず、話は哲学や心理学、脳科学に広がってゆく。
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Sugar
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2021/06/30 新潮文庫の8/100冊。途中で中断してほっておいた期間が長かった。映画「イミテーションゲーム」を観ていたせいか、チューリングの話が面白かった。岡潔さんの数学への向き合い方は、もう次元が違う感じで、正直よくわからない。
Sugar

そして、やっと読み終わったのに、2021年の100冊には入っていませんでした。

07/31 16:52
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mutu-bird
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数学とは情緒あるもの。この身体から延長し、周りの環境と行き来するもの。学生の間にこの話を知っていれば私の心構えが違ったかも。良い本だ。
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totssan
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 本書で岡潔という数学者を知った。ここの章が印象に残る。数学の進化の説明?もこの短い書の中で凝縮されており、先に進む上でのガイドになる。  全体に帯びる一種の「青くささ」がある。これは初本だからだろうか。
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あまみ
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この本の著者森田真生氏の肩書は「独立研究者」となっている。初めて聞く言葉なのでネットで調べたら独立研究者第一号らしい。興味のある方は調べてみてください。△この本で知って驚いたこと。私たちが簡単に行っている筆算、定着する前は考えられないことだった。二桁の掛算はとても高度でよほど訓練を積んだ人でなければできなかった。筆算のアルゴリズムと人間の脳との見事な連携の結果として誰もが簡単に二桁以上の計算ができる。
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なつ
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「数学」をただの計算や証明の手段として捉えるのではなく、「鑑賞の対象」として向き合ったら、数学に人格が宿ったような感じがする。親近感が湧いてくる。数学の存在なしに、如何に世界は彩りを表現できたのだろう?数の概念がなかったら、私たちは何を拠り所に生きていたのだろう?数学が見せる世界はとても現実的だけど、現実をいとも簡単に超えてしまう。再読。
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DK-2084
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★★★★☆
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ザビ
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「生きることは実際、それだけで果てしない神秘である。不思議で不思議で仕方ない…この痛切な思い」こんな問いかけを数字や記号を使って探求していくことが数学の魅力…と思った。問いの中に身を置き思考の感覚を研ぎ澄まし続けることが、「数学する身体」なのかな、と。感覚的にまだまだ理解及ばずの本だったが、少なくとも学校の授業で習った"問題を計算して解く"というのは数学のほんの一部に過ぎないらしい。ちなみにコンピュータでは到底計算できない、数学者のひらめきや直感は「オラクル(神託)」と呼ばれる…印象に残る素敵な響きです。
ザビ

「目で認知できる数量は3まで。だから4(四、Ⅳ)以降は文字形が変わる」「素数は特別な数字、数学者の下駄箱は素数番から埋まっていく」「数式を変形していると虚数(√-1)が出てきてしまう。分からないのはこちらだけ、数式は平気でその存在を主張する」「チューリングが発明した計算機械(コンピュータ)は数を人間の身体から解放した」…頭では理解できないのに、数学の感覚は謎めいた魅力がありますね。不思議です。

10/20 00:14
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Eiko
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数学に対する好き嫌いとは関係なく、数学の概念は現代の人間には染みついていることを再確認させてくれた一冊。高校の化学基礎でも「科学史」はチラリと出てくるのに、そういえば「数学史」はほとんど出てこないもんね。数字の表記方法一つとっても、「LIVにLXXIXを掛けたらいくつになるか」という問題では計算しにくくてたまらん(答えはMMMMCCLXVI)。54×79=4266と書けることに感謝しなくては。雑談的な「数学科の飲み会では下駄箱は素数から埋まる」くだりがツボ。
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Памир
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久しぶりに良い本に出会った。
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回天アセロラ
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mathematicsという言葉は、ギリシア語のμάθηματα(マテーマタ)に由来し、「学ばれるべきもの」という意味。この本は言葉は理解できるけど、はっきりと「そうか!」と身体に合点が行ってない感覚がある。それはやはり、自分の読解力と数学力と哲学力その他多くの教養がないせいだろう。うーn、生涯学びは尽きない。。
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キミ兄
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芭蕉はアルゴリズムがあるわけでもないのに身体の中から精巧な俳句のリズムを絞り出す。小川は計算したわけでもないのにリズムを刻んで流れる。同じように人間の体から染み出すように数学ができるのではないか。人間が上手く種を植えてやればそれは勝手に育っていくのではないか。だから「ゼロまでが大切」という数学者岡潔の言葉が引用されている。岡潔フリーク本ともいえる。☆☆☆☆。
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はおう
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ネタバレ東大理学部数学科卒の「独立研究者」。現代の岡潔か。市井の研究者だと山本義隆がすき。
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太郎丸
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ネタバレ数学に昔から苦手意識があったが、自分の知っている世界を新しい側面から見直す為に数学をする、というのは面白そう。アラン・チューリングを描いた映画を観ようか。岡潔を取り上げ、数学を「情緒」という視点で見つめるという切り口は一見相容れないものを繋げているように思えたが、実際に読むと、確かにそういうアプローチもあるのかも、と思わせた。惜しむらくは読んでいる自分に数学の貯金が少ないこと。まったくの初心者でも読めるように書かれているが、恐らく数学を「実感」として経験してきた人が読むと、また違う風景を感じると思う。
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ゆき
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まだ形にないものを形にしていく過程の話。もうすでにあるものを学び取っているだけの私には、それが出来上がるまでの話は興味深かった。後半の岡氏の取り込みは歴史小説のようで読みごたえがあった。
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わ!
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面白い。明らかに数学の本なのだが、数式などは一切現れない。じゃあ簡単か…というと、いわゆる数学思想史のような本にもなっており、数学に興味のない人には、つまらない本になるか「数学の世界って、こんな世界なんだ!」という、新たな発見の本になるか、難しい位置付けの一冊かもしれない。例えばこの著者の感覚では、道元禅師において「禅」が真理に近づく道具であったのと同じように、「数学」も人によっては真理に近づく道具として成り立つという見解に立っている。
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若隠居
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20230603日経
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読書メーター
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なるほど
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