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人喰い (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズIII)

感想・レビュー
86

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ラウ寝ない
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ネタバレ著者はマイケル・ロックフェラーの最期を知っている部族からなまの証言を引きだそうと共同生活を試みるが、どんなに友好関係を築いてもその点については恐るべき頑なさで拒絶され、帰国の途についた。 その後翻訳された記録動画には、仲間に何かを繰り返し口止めする男の姿があった。 語られていたのかも知れない。 明らかに知りたがっている者の眼前で、聞こえるように堂々と。 寝食をともにしながら日常の中で。 それは植民政策に一方的にたたきのめされた者達の、精一杯の皮肉をこめた復讐だったのか。 ぞくりとするラストだった。
0255文字
樽
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大富豪の御曹司という肩書きの、圧倒的無力感。作家自身も、食べられこそしなかったが、排他的な文化の前で、結局は敗北したようにも思える。
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あたびー
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'61年ロックフェラー家の息子マイケルは、プリミティブ・アートの傑作を求めて西ニューギニアに入っていた。船が転覆し岸へと泳ぎ去った後姿を消した彼の真実を求めて、2012年に現地で調査をしたドキュメンタリー。現地人アスマットの口は硬く、とうとう最後まではっきりとしたことを聞くことは出来ないが、1ヶ月彼らの中で暮らし彼らの生活を体験した作者の筆は熱く感動的だ。矢鱈にフォン某ファン某と似た名前のオランダ人の神父が出てくるのでそこは困惑したが、訳文はとても読みやすい。
あたびー

ニューギニアの東側は日本軍が侵攻した激戦地で、水木しげる御大の作品にも登場するが、この西南側はそれとは全く印象が違う。世界第2の大きさを誇るニューギニア島は、流石に大きい。

04/04 12:29
0255文字
sasha
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世界の大富豪であるロックフェラー家の御曹司、マイケル・ロックフェラーの行方不明事件の真相に迫った作品。考えさせられるよね、「未開の部族」なんて呼び方自体が文明世界の驕りなんじゃないかと思っちゃう。現地の人々に最大限の敬意を払っていれば、マイケルの運命は違ったのかもな。
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Sensyuraku
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結論からいうと筆者はロックフェラーが喰われたと考えてる。行政文書や宣教師たちの手紙を集めていくルポであると同時に、終盤では実際にアスマット族の村で生活してその世界観に直に触れるというフィールドワークの本でもある。オススメ。
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4fdo4
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1961年、富豪ロックフェラーの御曹司がニューギニアで行方不明になった。そこは人食いの文化の残る首狩り族が住む島。いくら探しても見つからない。何も見つからない。人々は口をつぐみ何かを隠している。異文化を理解することは難しいが、軽く考えると取り返しのつかない事になる。著者の捜索は証拠すら掴めないが、真実の近くまで迫っていると思う。
0255文字
かおり
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アスマットの人々の外見や生活、彼らが作るものは魅力に溢れているけれど、それは外部の者が決して入り込めない、全く異質な世界に存在していた。それがはっきり明示される終わり方が恐ろしかった。現地で家族が何もできなかったのは仕方ないのでは。
0255文字
MICKE
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このビス柱は見てみたい。
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春日太郎
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ネタバレマイケル・ロックフェラーが「いかに」殺されたかだけでなく「なぜ」殺されたかを追ったノンフィクション。読後感が今ひとつすっきりしないのは、マイケルのみならず筆者自身のロマンチシズム、オリエンタリズムもまた拭い難く随所に現れるからだろう。 とはいえ最後に「殺人の動機は現地人の論理で理解されなければならない」という結論に達し、事件に関わった人々の立ち位置や人間関係に基づき説得力のある結論を得たのは流石だ。これは、現地の言葉を学び、一ヶ月間現地の人々と生活を共にした筆者にしかできないことだろうと思う。
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まる
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文化人類学的な真面目なノンフィクション。長いし難しい…
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carl
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面白かった。報告書の様に結論が最初に書かれていて 後はずーっと説明なのでちょっと飽きたけど面白かった。 彼は喰われちゃったんだろうなぁ
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深窓
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地上で最も裕福な一族の一員であるマイケル・ロックフェラーがなぜニューギニア島で殺されることになったのかを50年後に丹念に追ったノンフィクション。事件の事実自体は当時駐在していたオランダ人宣教師の未公表となった報告書で描かれているのであっけないが、ただ単に偶然事件が起こったのではなく、過去に遠因となる出来事があり結果として事件が起きたということを解明している。事件に関わった現地の人々と1か月生活を共にして事実を追った筆者の行動力に敬意を表したい。
0255文字
takao
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ふむ
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爪先
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★★★☆☆ 他者とのコミュニケーション。未開の土地、というときに私たちは彼らを勝手に神聖化してみたり畏怖してみたり見下したりしてみる。しかし彼らは彼らのルールで自立した存在であり、それを見失ったものは「境界」に囚われてしまう。なぜマイケル・ロックフェラーは食われてしまったのか(または死んだのか)という問いの答えを知るための旅は、異なる背景を持つ者たちとのコミュニケーションの断絶にぶつかるということだった。作者の遺族批判ともとれる部分がどうしても納得できず評価を下げた。
0255文字
浅西マサ
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1961年にセレブの御曹司が食人族により狩られてしまったのは何故なのかを追った軌跡の一冊。意外にも最初の方でいかに御曹司が狩られてしまったかを、まるで目撃したかのように詳細に描かれているので、この本の一番のクライマックスは終章で著者が現地で直接当時の真相を知る人々の係累と共同生活を営み、苦痛でもあった生活からいつしか圧倒され、伝承を聞き出すところだろう。事件から50年経て著者が~明快な謎の解明に至る方法~言語を身につけ、その場に行き、個人的に犯罪現場を調べるとの、実行に移す矜持の表明は読む者も震いたたせる
A.T

食人が行われた事実を、事前に察知しての取材だったのでしょうか。そうでなかったら、驚愕の事実への対面だったわけで、、、 そうと知らずに殺される方が怖くないのかも。

03/12 19:57
浅西マサ

そうです。既に当時の記録や文献でロックフェラーの御曹司は食人族に殺されたというのは、大体わかっていたみたいです。当時のニューギニアに宣教師等は派遣されてますから。それを踏まえての調査です。勿論50年経ったから出来る事があったんでしょうね。

03/12 22:40
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ankowakoshian11
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積み本。米の大財閥の御曹司マイケル・ロックフェラー失踪事件ルポ。首狩り族によって殺され食べられた……というセンセーショナルな部分の真偽を問う内容ではなく「何故殺され、食べられなければならなかったのか」という部分にフォーカスした内容。マイケル殺害から食人行為の描写は生々しいもので、これは筆者がフィールドワークして得た様々な情報があってこその描写な気がする。確かに首狩り族に囚われた→殺害食べられた、だけではその背景は知り得ない。その背景は政治的にもスピリチュアルにもややこしく絡んでおり、読み応えがあった。
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ふたば@睡眠の質改善に当たって、一番肝心なことから目を逸らしていてはいけない わかってるんだろ?
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自分の属する社会だけを最善とする人々が起こした悲劇。 どちらに非があるかと言うなら、自分達の価値観を異なる価値観の種族に押し付けた白人の側だろう。マイケルの幼さ、無知、傲慢が悲しい。彼は異なる価値観の種族とまじりあうことのできない人物だった。謙虚さも、慎重さも持ち合わせなかった。彼の最後は推測するしかない。しかしこの傲慢で無邪気で愚かな若者の最後はこうであったろうと考えずにはいられない。
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金平糖
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B。
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圓子
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極東の一般人でも知っているロックフェラー一族に、こんな事件があったとは。世界の怪奇事件的なTVで頻繁に取り上げられてもよさそうなものだけど、つまり、既にわたしが知っていてもよさそうなジャンルの事件なのに知らなくて俄然興味が湧いた。公式見解と遺族の意向(威光)を慮っているのかもしれないなあ。いわゆる「未開の」部族や文化に興味を持つ人達の中にもいろいろなタイプがいるのだろうけど、著者のように、未開状態=自分たちが失ってしまった根源的な人間の姿と純朴に信じることはわたしにはよくわからない。
圓子

結局、観察者と観察対象という対等でない関係なことがとても引っかかる。「未開人」が「既開人」に興味を持たないのが引っかかる。同じ人間とは言えものすごい断絶があるように思う。話がそれたけど、文化人類学もその成果も、フィールドワークもとても興味深く思っている。ところで、アスマットのいう「バランスをとる」という考え方はなかなかわかりやすく納得できるのだけどどうだろう。そして、食人は人類最大のタブーなんだろうか。疑問がある。喰えって言われても嫌だし、食わせろと言われても嫌だけど。

10/19 21:21
圓子

実際に食人文化があったかなかったかには関係なく、東西でそれへのタブー度が違う可能性はあるか。

10/19 21:26
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amiura
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文化人類学的アプローチが成功するかどうかを決めるのは、書き手が自分の特権をどれだけ言語化できるかにかかっている。この本が進むにつれ、著者は白人としての自分の特権についてかなり理解を深めていく。それでも、例えばアメリカ人であること、無神論者であること、男性であることには無自覚で、どの要素も持ち合わせていない私にとっては居心地が悪い読書だった。
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みみみ
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冒頭でいきなり迫力のある人喰い場面(1961年当時)が始まる.が,本書は人喰いを中心にした異文化比較論というべき内容.西洋文明と自然の対立,キリスト教優位主義の傲慢さにも言及しており,タイトルから想像されるよりもずっと硬派な作品である.
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あお
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ネタバレ超セレブのマイケルロックフェラーのニューギニアでの失踪。彼が現地人のアスマットに殺され、食べられてしまったという真偽を現地や関係者の取材を重ねながら追及していく。結局証拠や証言を当の村人から引き出すことは叶わなかったが、もしロックフェラーが殺されたのだとすれば、それは彼らの文化にとって正当なものだったという確信は持つことができた。この本の真価は文化というものを考える機会になることだと思う。文化に上も下もない。そこに生きる人が受け継いで来た神聖な領域に、軽々しく土足で立ち入るべきではないのだ。
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ミミミ
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カミキリムシの幼虫のくだりが頭から離れないよ……そんな感じなのかな
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S‐tora
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◎ ロックフェラーの御曹司がパプワニューギニアで食われたという事件を背景に、異文化理解についての文化人類学的な考察に至る本。 時間を置いてもう1回読み直したくなる。
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かずや
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仮に本書の主張が真実だとしても、その代償がどれほどになるのか、そしてそれを現実的に賄えるのかを考えると、まあ、そういう結論を作るのが国際的な落とし所なんだろうな、という感じで読み進めてしまった。あと、なんか徳川埋蔵金とか、ゾディアック事件みたいな話を思い出した。
0255文字
ハル2
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読みごたえはありますが、彼が本当に食べられたかはよくわからない。
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誰かのプリン
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行方不明になった御曹司のマイケルが、プリミティブアートについて深い意味や伝統や儀式について考えることなく、只未開民族の芸術性にとらわれていたことが今回の事件を引き起こした根本原因だと思います。 まさか20世紀も半ばまできて首狩り.食人が行われたとは、、、
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AO  ( × ×)ノ⌒○
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“人肉食という発想に魅了されるのは、われわれがそれを絶対見ることができないからだ。しかしそのことこそが、彼らとともにいる間ずっと、彼らと私とを隔てているものだった。”
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mick
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いきなり人喰いの場面から。ショッキングな題名だがメインはそこにない。今の社会、価値観が人の生き方としての基準と考えてよいものなのか。著者と一緒に揺さぶられてくる。
0255文字
leo
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単純にマイケル・ロックフェラー失踪の謎に迫るだけでなくアスマットという部族に文化人類学的にアプローチしたボリューミーな一冊だった。争い合う、殺し合うことでバランスを保っているアスマット文化に透けて見えるのは、争い合うことを人が本質的に携えているいう事実なのか。それこそがプリミティブなのか。
0255文字
雨季💘なきうさ
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読み終えるまでにこれほど時間のかかった本はかつてない。カニバリズムを題材にしたノンフィクションだと思って読みはじめたのがいけなかった。実際その通りなのだけれど、カニバリズムに関してはサラリと流して終わり。その後は延々と説明モード。アタシは説明だらけの本が好きじゃないから、386頁のはじめの80頁くらいでアウト😓
雨季💘なきうさ

GAKUさん。それが良いです。この本だけは買ったら後悔します。面白かったなんて書いてる人の気が知れません。あ、怒られそう(笑) こちらこそ、ご無沙汰してます。あちこちでお名前は拝見しているのでお元気なのは存じてました。気長にお付き合いくださいまし。

04/19 09:17
GAKU

私も雨季さんのレビュー、つぶやきは必ず拝見してますよー(^_-)

04/19 10:24
4件のコメントを全て見る
0255文字
あーびん
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1961年美術品蒐集の為にニューギニアを訪れた若者が消息を絶った。冒頭の首狩りとカニバリズムの描写に息をのむ。彼はロックフェラー財閥の御曹司だったが、アスマットの人びとにはその権力は何の意味もなさず、ただの白人の男にすぎなかった。彼は何故殺されなければならなかったのか。いや~映画『グリーン・インフェルノ』そのまんまというか、いやこっちの方が実話だし元ネタなのか...異文化理解のために人喰い族の中に潜入生活する文化人類学者の熱量も凄まじいものがある。
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多分、器用です
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ミステリー調の文化人類学。ロックフェラーがどうして喰われたのかという事件の真相を解いていくスタイル。面白かった。
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塩崎ツトム
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1962年のマイケル・ロックフェラー失踪事件を半世紀後に追った渾身のドキュメント。西洋文明と石器時代人の邂逅は両者の「コスモス」観の違いにより(少なくとも西洋社会では)最悪の結末となり、ロックフェラー家は忘却と、そして首狩り族の人々は沈黙によって秩序の回復を計った。両者の悲劇的な対処法は21世紀になった現在でも続いている。
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niwww
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御曹司ロックフェラーの本当の死因がなんだったのかよりも、なぜ食べられてしまったか、また文明・文化の違いに、より焦点が当てられていると感じた。以前ジャレド・ダイヤモンドの「昨日までの世界」を読んでいたので、アスマットと我々の価値観や復讐など社会ルールの違いについてすんなり入ることができた。我々の世界と昨日までの世界との価値観の違いが引き起こした象徴的な悲劇だと思う。
0255文字
mesi75
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文化の衝突とはこういう事なのだと思う。どちらも正しい…と言いたいところだがキリスト教をベースにした西洋と白人の価値観は傲慢が過ぎる。アスマットには存在しなかった金属加工品や煙草を持ち込んだ白人は文化を破壊した自覚があるのだろうか。インドネシア政府は独立する際に彼らを異物として扱っていたのではないだろうか。宣教師たちは彼らの文化を尊重した上で布教していたのだろうか。 多様性やら対話が叫ばれる時代だが本当に他者を尊重するなら距離と境界線が必要だと思う。一つの民でない我々がバベルの塔を建てるのは危険だ。
0255文字
さんま
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ネタバレロックフェラー家の人がニューギニアで行方不明になっていたということを初めて知った。そして、それが事故死ではなく現地の人々によって殺され、食べられたという可能性が高いことを筆者は現在と過去の様々な話をもとに徐々に明らかにしていく。最終的に確たる証拠は得られないものの、現地の人々と約1ヶ月共に暮らすことで筆者は現地人の生と死のバランスの取り方や暮らしを理解していく。人喰いの話が今からたった50年ほど前ということに驚いた。
0255文字
藤尾
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うーん、本当に食われたのかなあ。までもズカズカと集落に入ってそこのルールとかも乱してただろうから、自業自得かな。金持ちの一員にしては、不運だったという。
0255文字
wassermusik
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動物ならば共食いはあり得るだろう。人間同士であっても極限状態におかれれば、殺すかどうかはさておいて、自分が生き延びる為にはこれまで起こっていたことと思う。ニューギニア先住民におけるカニバリズムはそれとは異なる。「我々にはある点では残酷と見える(人肉嗜食のような)社会も、観点を変えれば、人間的に情に厚い社会なのだ』(レヴィ=ストロース:本多勝一『ニューギニア高地人』から引用)本書は大富豪ロックフェラーの23歳の息子マイケルが1961年にニューギニアで失踪した謎を51年後に追った記録。当時の世界的な政治状況→
wassermusik

→(オランダ、インドネシア、米国)やマイケルが交流した現地の人々の暮らし(文化、慣習、宗教等)を、多くの資料や、2012年現地に赴き得た体験から詳述する。当時と現代を交錯させて多角的に描き興味深い。西欧諸国の人々は何故、未開人と言われる人々の生活や芸術や宗教に魅せられるのか。怖いもの見たさ?科学技術が発展した社会に息苦しさを感じて?先進国民と言われる人々が失いつつある人間性を取り戻すために、若者は旅立ち、この本で述べられるような悲劇に見舞われたのだろうか。著者の謙虚で公平な見方に敬意を抱く。2014年刊。

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