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月下の犯罪 一九四五年三月、レヒニッツで起きたユダヤ人虐殺、そして或るハンガリー貴族の秘史 (講談社選書メチエ 707)

感想・レビュー
42

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Toska
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著者はスイスで生まれ育ったハンガリー人ジャーナリスト。大戦末期に大伯母が関わったユダヤ人虐殺事件をいとぐちとして、過去の出来事の究明に没頭していく。ただ本書は正統なドキュメンタリーには程遠く、おそらくは故意に物語的な叙述スタイルを採用した部分もあり、ちょっと不思議な読み味。また、ホロコーストという大きなテーマよりは、寧ろ著者の個人的な問題に沈潜している。ハンガリー、ナチス、第二次世界大戦、ユダヤ人、共産主義と亡命…21世紀の今なお著者の精神を束縛する大いなる歴史。
Toska

改めて、現代の西ヨーロッパで東欧出身者として生きることのしんどさを感じる。特段の差別を受けているわけでは決してない。それでも自らの歴史的ルーツに引っ張られ、どこか落ち着かない。亡命ハンガリー人二世で、スイス生まれの著者ですらそうなのだ。本筋とは無関係な、スイスまで出稼ぎに来たハンガリー人娼婦の描写も印象的。物語の後景に見え隠れするのは、ヒトラーやスターリンではなくオルバーンの影であったのか。

01/17 12:12
Toska

亡命貴族のメンタリティが赤裸々に語られている。こいつらみんなボリシェヴィキに捕まればよかったのに、と不謹慎なことを考えてしまう程度には屑だった。でも、絶対に反省などしないのだろうし、それこそが貴族の貴族たる所以なのだと思う。

01/17 12:12
0255文字
takao
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第2次世界大戦中のユダヤ虐殺にかかわる一族の歴史を明らかに
0255文字
駄目男
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ネタバレ敗戦間際の1945年3月24日の晩、ハンガリー国境沿いにあるオーストリアの村レヒニッツで、約180人のユダヤ人が虐殺された。主犯とされているのは、当時レヒニッツにあった城でパーティーを行っていたナチスの将校や軍属たち。戦後になって、彼らが埋められた場所が捜索されたが、今に至るまで死体はおろか、何の証拠も見つかっていない。本書は、この「レヒニッツの虐殺」と呼ばれる事件の真相を追っていくノンフィクション。主犯格の将校たちが集っていた城はバッチャーニ家の持ちもので、当主イヴァンの妻マルギットが問題の
駄目男

パーティーを主催したと言われている。イヴァンは著者サーシャの祖父の兄。つまり、マルギットは著者の大伯母にあたる。新聞記者を務める著者サーシャは、祖母マリタが残した日記、レヒニッツで食料品店を経営していたユダヤ系の娘アグネスの日記などを手がかりに、レヒニッツはもちろん、関係者に会うために各地を訪れながら、謎に迫っていく。然し、一読後の感想では真相がはっきり分からなかった。

10/22 16:24
0255文字
ピンガペンギン
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1945年3月にハンガリーのレヒニッツで起こったユダヤ人虐殺事件に作者の大伯母(大富豪の貴族)が関わっていたと知り7年に渡り調査したノンフィクション本かなと思って読んだが、中身はかなり違う。著者自身の不安定な心の原因を家族の過去に求めているが、本当のところは、両親の離婚やらスイスにいても心底に居場所がないような気がするとか、夫婦関係とか、複雑な本人にもよくわからない不安感が切々とつづられている。当時虐殺に関わった人が何人か暗殺されている、というのは怖い。祖父のソ連収容所での描写が一番興味深かった。
ピンガペンギン

P139ペトロフはメモリアルという組織の代表で共産党独裁体制について調べていた。「ロシア人はスターリンについて何も知らないし学校でも教えない」彼は言った。「それどころかスターリン復権運動すらあり、地方の頭のおかしい人たちはスターリンを記念するオベリスクを建てようとしています。」「プーチン政権下で前よりひどくなりました」「我々はドイツ人のようにできません。過去を分析し過ちを認め罪を認識することができていないのです。」

04/11 17:59
0255文字
ゆずこまめ
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ユダヤ人虐殺も関係者の親族として知るのと第三者として知るのでは全然違うだろうとは思う。村上春樹の小説にでも出てきそうな、極めて個人的な苦悩。
0255文字
ののまる
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資料から再構成していく学術書かと(講談社メチエなので)思っていたら、著者自身の自分への問いと答えを探すという、考察の書だった。確かに何を残し、隠し、後生に繋げるのか。SNSに書き込むことだって、確かにゲッとか、人でなし!と他人に思われることは人は残さない。
0255文字
OZAC
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1945年にレヒニッツで起きたユダヤ人180人の虐殺事件と 副題に入っていながら、その実、内容は著者の家族に関することばかりで正直肩透かしを食らったような気がする。著者が家族の過去についてじめじめと悩んでいる感じだ。それが悪いというわけではないのだが、結局何が言いたいの?と問い詰めたくなった。原題(『で?それが僕に何の関係があるんだ?』)のままのほうが読者に誤解を与えないのではないだろうかと思う。
0255文字
シマトリ
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一族の物語なので、家系図ぐらい欲しかったな。
0255文字
HANA
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一九四五年三月、ナチスドイツの敗北が迫る中オーストリアの一寒村レヒニッツで180人のユダヤ人が殺された。果たして自分の叔母はそれに関与していたのか。という謎にジャーナリストである著者が挑むのだが、構成が兎に角読みにくいのである。事実を明らかにするというより著者と家族の関わり合いが主になっているし、著者の内面独白が多くしかもそれがやたらウェットで泣き言に近く、肝心の謎についてはぼやかされた表現になっているし。事実を明らかにするノンフィクションと思って読んでいたら、その実家族小説でありました。なんだかなあ。
0255文字
デコ
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地域で一緒に暮らしていたユダヤ人が助けを求めてきた時自分ならどうするだろう? 「月下の犯罪」という邦題より「で、それが私と何の関係があるかって?‐1945年3月の犯罪、私の家族の歴史」の方がしっくりくる
0255文字
Sosseki
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虐殺されたユダヤ人、殺した側の人びと。その子、孫世代にまで深刻な暗い影を落とし続けていることに驚く。またソ連による抑留は日本人だけでなく、ソ連国内、他の多くのヨーロッパ諸国にも、永年及んでいたことも知らなかった。ユダヤ人虐殺に比べて抑留に対する意識や非難が薄いのは確かではなかろうか。著者が壁をひとつ乗り越えたことを祈る。
0255文字
amiura
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戦闘が終わっても、戦争は終わらない。 第二次世界大戦が残したものを孫の世代から書いた本。冷戦で東側諸国は共産主義支配下に入ったことで大戦による傷が冷凍保存されたような状態になり、その後の民主化で解凍が延期され、今になって改めて向き合わざるを得なくなっているように見える。 著者はハンガリーからスイスに移住した一家の子孫で、欠落と根無し草のような感覚を抱いている。これは現在ヨーロッパに多く来ている移民たちの子供、孫世代が抱えるはずの問題の予兆でもあり、その観点からもタイムリーな書として読まれるのかもしれない。
0255文字
こばまり
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一族の忌まわしい過去を辿る自分探しの旅。虚実織り交ぜた筆致はメランコリック。苦しみ悲しみをも伝播する大陸ヨーロッパに想いを馳せる。タイトル通りの期待を寄せ、レヒニッツの虐殺の真相にも迫ってほしいと気が逸ったのは私が歴史の傍観者だからか。
0255文字
micamidica
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ハンガリー貴族の末裔で、スイスでジャーナリストをしている著者が、伯母がユダヤ人虐殺事件にかかわっていたことを知らされ、真相を確かめようとしたところ、祖母の手記の存在を知り、そこに書かれていた曽祖父の「罪」を追う。伯母の事件が取っ掛かりではあるけれど、物語の核心はそこではなかった。過去を知る作業のなかで著者がいかに自分に向き合ったかが綴られている。いまはブエノスアイレスにいる祖母とかかわりをもった女性に「真実」をもたらそうとした自分が、何をしようとしていたか、著者が気づくときの描写に震えました。
0255文字
ももんが福
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ネタバレ重い話。ナチス時代、自分の親族が犯した罪(ユダヤ人を殺すのに加担?黙認?)をめぐって、犠牲者の家族に会ったり事件の場所を訪れる話。真実と想像が混在し、時間を超えた旅のようだ。祖父はシベリアで捕虜として10年過ごし、被害者と加害者も交差する。今インターネットで何かに抗議したり、支援したりする自分は、リアルな現場でユダヤ人を匿ったり、殺戮に抗議したりできるだろうか?この問いに作者は「否」と答える。重い重い問いだ。ありふれた自分にそれができたら、もっと世の中は良いものだろう、と諦めの気持ちで私も「否」と答える。
0255文字
めえめえ
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きっかけは現オーストリアのレヒニッツでハンガリー貴族の大伯母がユダヤ人の大量虐殺に関わっていたのでは?という疑問。その後調査していくうちに、著者の祖母と当時近所にい住んでいたユダヤ人女性の手記に出会い、ハンガリー国内で起こったユダヤ人の出来事や従軍してシベリアに抑留された祖父の形跡を辿るうちに著者本人のアイデンティティーを認識することになる。途中著者の想像した物語も入っています。ハンナ・アーレントの「悪の凡庸さ」を改めて感じる作品でした。
0255文字
さとまる
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ネタバレ著者の大叔母が関与した「レヒニッツの虐殺」について、その子孫がバッチャーニ家の関与について調査を進めていく内容かと思ったら、その義妹である祖母の手記を辿る内容だったのでタイトルとの落差に少し拍子抜け。それでもアイヒマンの「悪の凡庸さ」を引き合いにして、助けられるはずのユダヤ人夫婦を助けられなかった祖母の悔恨と苦悩を辿る軌跡はスリリングであった。それにしても作者の想像(幻想?)部分が多いのには閉口。
0255文字
キムチ
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筆者はハンガリーの有力貴族の末裔。WWⅡの末期のユダヤ人大量虐殺を明かしていく。ボリューム的に中レベルとはいうものの、20世紀の黒歴史の背後に有る欧州貴族の考え方も含む生き方が見えてくる。犯罪の中心人物マルギットは著者の大伯母、更に祖母 祖父 父親等々多彩な出自職業を持つ人物が登場。祖母から父へそして筆者に手渡された手記からもつれた糸が手繰られて行く。オーストリア ハンガリー ウラル山脈周辺の村や炭鉱 更に南米へ。祖母らの手記と筆者の現在情景が交互に織りなす語りは得も言えぬ重さ。時折、挟まれる場面に微視的
キムチ

な映像の手法を見る。表題が「犯罪」とあるから、末裔として否応なく、身内のダークな部分に向き合う事は多々あったと思うし、語る身内も傷に塩を塗り込まれぬ感無しとは言えなかったと思う。訳者あとがきに述べるメッセージの方が筆者のそれより、濃密に伝わって来た。ユダヤの歴史におき、「正義とは 温情とは 傍観とは」等の言葉は「通常の平和な世界のソレ」とは異なる解釈が有ったろう。筆者の見解をそのまま訳したと述べる訳者・・「20世紀のとある貴族の肖像を真摯に述べた」というプロセスを見せて貰えたことに謝意を抱けた。

01/08 08:12
0255文字
まると
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親族がかかわったとされるユダヤ人虐殺を徹底取材して真相に迫るのかと思いきや、全然そんな話ではなかった。名家の出である著者が、親族の過去の戦争犯罪と不作為の罪を省みる純文学風のエッセーといった趣でした。ナチスドイツの同盟国だったハンガリーはユダヤ人の収容所送りにも「寛容」だったのだろうし、上流階級は戦後もブルジョア嫌いの共産体制下で数奇な運命をたどったのだろうと思う。そういう家族史として読めばそれなりに面白いし、原題もそれを意図したものであるはずなのに、この邦題はちょっとひどくないかと異議を唱えたくなった。
0255文字
uniemo
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ネタバレハンガリーのレヒニッツで起きたユダヤ人の虐殺事件に自分の大伯母がどう関わっていたのか調べるところから話は始まるのですがそれに対する謎解き的な要素はあまり感じません。主題は大伯母の話より自分の祖母がかつて親しくしていたユダヤ人夫婦が目の前で殺されているのに傍観者でしかいられなく、生涯その事実をどのように向き合っていたのか、そしてその孫の自分はどこまでその責任を負うのかというテーマの探索だと思いました。ドキュメンタリーと思ったら途中で創作文が入ったりと面白い展開でした。
0255文字
yurinessa
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第二次世界大戦終戦前夜にハンガリーで起きたユダヤ人虐殺事件。著者の大伯母が事件の主催者であったことから自身のルーツを調べるうちに、知らなかった歴史や隠蔽された真実が明るみになっていくドキュメンタリーミステリー。 自分のルーツ、過去との繋がりに真摯に向き合うって物凄く苦しいこと。何年もかけてそれを調べあげ歴史の真実を告白したこの著書の存在はとても貴重だと思う。戦時を生きた人々の歴史はこんな風に語り継がれるべき。そして現代においてもそこから学べることは大きい。
0255文字
星落秋風五丈原
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想っていたほどの感動というのはなかったです。どこか筆者が第三者的な立場として俯瞰して見てられなかったからかも。まあこれはそういう作品なんですね。
0255文字
ぁー
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ネタバレマルギットさんが本当に殺したのかなんなのかは最後までわからなかった。これは自伝なんだよね。そう思って読まないと、謎解き感覚なら不完全燃焼。マルギットさんを通して自分と家族と向き合う話。
0255文字
ソングライン
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ハンガリー貴族の末裔である著者が、偶然に知った大伯女が関わったかもしれない居城でのナチスのユダヤ人虐殺事件。事件の真相を調査するうちに見つかった祖母の手記、そこには救えなかったユダヤ人夫婦の命とその死を伝えようと収容所に入れられた彼らの娘を訪ねたことが記されていました。戦前戦後の家族の軌跡を追い、たどり着いた真実とは何だったのか。作者は自分のアイデンティティにせまり、日本人である私は、二つの大国の横暴に翻弄されるハンガリーの人々の苦悩を知ることができました。
0255文字
チェアー
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戦争責任はどの世代まで負うべきなのか、というテーマをよく考える。よく「過去のことより未来の発展的な関係」と言うけど、それは相手を踏みにじった側が言うべきことではないと思う。自分の父が、祖父母が曽祖父母が相手の民族や人々を傷つけたとするならば、そこから生まれてきた自分も歴史として背負うべきだ。背負いながら、新たな関係を模索するという態度が必要なのではないか。 相手をはねた人が「補償したんだからつべこべ言うな。対等の関係なんだからもう事故のことは言うな」と言うのはおかしいんだ。
ぽこ

おっしゃるとおりだと思います。

11/14 18:54
チェアー

しかも、その事故は偶発的なものではなく意図的に引き起こした事故なんです。

11/14 21:57
0255文字
むらて
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邦題と副題にある「レヒニッツの虐殺」は本書のとっかかりのドアに過ぎない。亡命したハンガリー貴族の孫でスイスに生まれ育った著者が、大伯母の関わったとされるその虐殺を知ったことを切掛けに祖母や祖父の大戦前後を辿っていく中で、己の抱える不安定さの宿痾を過去に見出していく内面の道筋といったところだろうか。その著述はナイーブで不安定に彷徨いがち。第一次大戦で小国に落ち、その後ナチス、続いてソ連共産党に乗って翻弄されてきたハンガリーの、けれど全くの被害者とは云えない屈折した意識も垣間見える。取り敢えず題名は詐欺w
むらて

「普通の人びと」や「溺れるものと救われるもの」などからのナチス、ホロコースト繋がりで手に取ったけど、そう云うのでは無かった。恥ずかしながらハンガリーの歴史を全く知らなかったので、そちらからの視点が興味深かった。

11/08 20:01
むらて

子や孫世代の戦争犯罪への罪悪感、理性と逃避や韜晦との葛藤、という面では己にも迫ってくる問題だ。日本はハンガリーより遥かに『加害者』である。

11/08 21:28
0255文字
ソウ
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やっぱりモグラだわ。オレは「きれいごと」が好きなんですわ。でも、もしメディアを通してではなくて、リアルな匂い・音・暑さ・寒さ・痛みを感じる現実世界だったらどうだろう?同じ「きれいごと」通りにふるまえるだろうか?「オレにそんなことができたのか?ユダヤ人を匿ったりできたのか?」「否」恥ずかしい。やっぱりいつも隠れるように頭を地面にこすりつけているナイーブなモグラなんだわ。
ソウ

「それが君にどう関係しているのかね?」きっかけは、大伯母が第二次大戦末期のハンガリー・レヒニッツで起きたユダヤ人虐殺事件に関与していた可能性があるという新聞記事。事件を調べ始めると父から破棄されるはずだった祖母の手記を渡される。そこから始まった7年に及ぶ、己の内面を巡る陰々滅々な旅と回想の記録。同じ時代、同じ国に居ながら、ある者はアウシュビッツに送られ、ある者は後ろめたさに深く苛まれ、ある者はホロコーストの真横で優雅なパーティーをしていた。「それは正直さの欠如の問題なのだ」誠実さの問題なのだよ。

11/01 17:45
ソウ

邦題・副題が決定的に失敗していると思います。これは、筆者の内面を巡る物語。事実調査やレポといったノンフィクションではない。事件の詳細やどのような結末があったのかを期待して読み始める人が多いのでは?筆者や父親、祖母、アグネス家族の複雑でドロドロな内面が描かれている(もちろんホロコーストの悲惨さや時代の不条理さも)良書なだけにもったいない。

11/01 17:45
0255文字
ふたば@腸活にはプレバイオティクスが重要👍
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ひょんなことから、自分の親族がユダヤ人虐殺の犯人の一人ではないかとの疑惑を抱き調査を開始する。その過程で自らの心の問題、父との関係についての問題などを合わせて解決しようと試みた著者の記録。結局ユダヤ人虐殺に関与したかどうかも、心の問題にも、父との関係性についても、結論らしい結論は出なかったように感じた。調査記録というより、著者本人の想い、感じたことをつらつら書き連ねたもののようで、ちょっと期待した内容とは異なっていた。答えを見つけたというより、「こう思うことにした。」という決意を表しているようだ。
ふたば@腸活にはプレバイオティクスが重要👍

ナチスのやりようの残虐さ、それ以上と言える共産主義の残虐さ加減をこれでもかと突き付けてくる一冊。ユダヤ人にとって、収容所からの解放を実現してくれた救世主のイメージがあったが、それ誰ではない、共産主義思想の恐ろしさを見せつけられた。重いものが残る一冊だった。。。

10/27 19:34
0255文字
よぽ
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ネタバレ1945年3月にハンガリーのレヒニッツで起きたユダヤ人180人の虐殺事件。大伯母は事件に関わっていたのか、ジャーナリストである著者が一族の歴史を遡り…というノンフィクションを読んでいたはずが、いつの間にか祖母の秘密と著者の内省が主題となっていき。内省的な物語は好みなのですが、レヒニッツの虐殺はどこへ行ったの?感が消化不良を起こしています。途中に挟まれるフィクション(妄想?)にも違和感を感じてしまい、すっきりしない読後感となりました。
0255文字
shigetton
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第二次世界大戦中、百八十人のユダヤ人が殺害された戦争犯罪。この犯罪に自分の家族が関わっていたのではないかという憶測。途中に、著者の祖母マリタと同じ村で育った女性アグネスの回想を綴った手記が挿入され、リアルに自身の過去と内面に向き合う話。白日の下では、語られない犯罪。
0255文字
mikechatoran
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大伯母が「レヒニッツの虐殺」と言われる事件に関わっているのではないかということから始まるが、帯や裏表紙の惹句は少し強調しすぎと思う。実際にはそこに主眼があるわけではない。被害者であれ加害者であれ、それを家族に持つということ、家族の歴史に持つと言うことが、それを直接には知らない子孫たちのアイデンティティにどのような影響を与えるか、与えないのかということが、自分の問題でもあるだけに、著者の大きな関心だと思う。黙るのか、告発するのか、告発するとしてそれは誰のためにか。そのことは家族関係にも影を落とす。と同時に、
mikechatoran

もちろん直接に関わった者たちはその後の人生でどうしたのか。思い出したのか、思い出さなかったのか、忘れたいと思ったのか、後悔したのか、何も思わなかったのか.. できごとは終わったからといって過ぎ去りはしない。直接の当事者か間接かは問わず。だが何とかして折り合いをつけていかなければきっと人は生きていけないだろう。大叔母は外見上は気にもしていないようだった。祖母は手記を書いた。著者は調査し、分析医にかかり、そしてやはり書いた。著者にとってはこれで終わりではあるまい。その後の心情の変化が読めたらと思う。

10/05 13:13
0255文字
tsubamihoko
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先日読んだ「サラの鍵」はフィクションだったが、これはノンフィクション。しかも、身内がユダヤ人の虐殺に関わっていたかもという話。表に出てこないだけで、第二次世界大戦中のヨーロッパには「レヒニッツの虐殺」のような出来事がたくさんあるのだろう。戦禍がひどかったポーランド等は、ホロスコートについて触れてはいけない雰囲気もあったわけで...。ヨーロッパの歴史の陰の部分をみたような気がした。
0255文字
Arte
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ネタバレハンガリー貴族を祖父母世代に持つ著者が、大金持ちの大伯母が自分の城でユダヤ人大量処刑に関わったことを調べる話、かと思いきや、「実家で働かせていた近所のユダヤ人夫婦が殺されるのを祖母が見ていた」「祖母は殺害を止められなかったことがずっと心残りで、大量の文書を残していた」「殺されたユダヤ人夫婦の娘はアウシュビッツを生き延びてアルゼンチンに移住し、最近になって自分の両親は自殺したという文書を発見していた」という話に。著者は「お前ならユダヤ人を匿えたのか。否」と自問自答する。
Arte

3年前に書かれた本で、著者は私と同世代と思うと、やたら過去に囚われている感じに違和感があるが、印象的だったのが、著者と父が心が通わない描写。そのことにハンガリー軍として従軍して10年ソ連に抑留されていた祖父や、一族との関わり薄くスイスで過ごした過去が関わっているのかどうかは分からないが、私も子供を見ていないのではないかと不安になった。あと、アスベスト市というのがエカテリンブルグの近くにあるのね。

10/05 20:23
0255文字
鴇々
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ネタバレTLで流れてきたタイトルが気になって読んでみたんだけど、うーん?ハンガリーという国は二次大戦中はドイツによってナチズムに、戦後はソ連によって共産主義にとわりと翻弄された歴史をもっているそうな。著者は同僚の記者から、二次大戦中のユダヤ人虐殺に関わっているのが自分の大伯母だと知らされる。そっちにメインが行くのかと思いきやそうではなく。著者の祖母が死ぬまで気にしていた戦時中の出来事の方がある意味でメイン。ノンフィクションではあるらしいが。ちょっととっちらかりすぎ。
0255文字
刳森伸一
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「レヒニッツの虐殺」と呼ばれる独ソ戦争下のユダヤ人虐殺事件に著者の大伯母が関わっていた可能性を知り、その事件について調査を始めるのだが…というノンフィクション。次第に大伯母の話はフェードアウトしていき、徐々に祖母とその友人であるユダヤ人女性との関係と、自分自身の持つ問題の話に移ってくる。「レヒニッツの虐殺」についてもう少し突っ込んで欲しかったが、推理小説仕立てで、ほぼ小説のように読める。
パトラッシュ

フィクションとノンフィクションの境界を故意に曖昧にしているのを認められるかどうかですよね。

09/22 12:55
刳森伸一

最近流行りのオートフィクションを意識した作りなっていて、完全なノンフィクションを期待すると、いらんことが多すぎと思われるかもしれませんね。

09/22 13:38
0255文字
パトラッシュ
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ヒトラーとスターリンという二大独裁者に蹂躙されていた大戦下のハンガリーで自分の祖母がユダヤ人虐殺に関与していたとの疑惑を知ったジャーナリストが、わずかな手がかりから真相を追求する。そこで見えてきたのは、独裁政治と戦争に支配され正義の基準も狂っていた時代の姿だ。現代の物差しで過去を批判するのは簡単だが、大量殺人や民族浄化が当然だった世の中で「命を捨てても主張を貫けるのか」問いかけられる。今この瞬間にも世界中で政治的理由から多くの人びとが収監されるか処刑されているが、見て見ぬふりをするのは実に簡単なのだから。
0255文字
UN
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ジャーナリストが書くノンフィクションという触れ込みなのだが、どのレベルのジャーナリストなのかは知らないが内省的で、理路整然と一定の結論に持っていくということが全くできていない。つまらないというか、カネ&時間返せというか。
0255文字
tei_kou
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Twitterで義憤に駆られてリツイートとかしてるけど、目の前の非道は通りすぎるよね、みたいな突きつけ方をしてくる本だった
0255文字
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