形式:新書
出版社:中央公論新社
「生物と機械の本質的相違として、「情報をうけとって客観的世界を認知している」のではなく、「(生存をつづけられるように)情報を解釈して主観的世界を構成している」」、そして「機械の情報処理は人間の観察行動とは本質的に異なる」というネオ・サイバネティクスの考え方には、コンピュータは論理計算機で、人間には論理で割り切れないものがあるという、自分の考え方を補強してくれます。シャノン情報理論の拡大解釈の話もしかり。神の前では人間も無機質な情報の集まり、というのは東洋の人間には受け入れるのは難しいですね。
「心は閉鎖系であり、 他者の心に宿る道徳観とのあいだには決定的な壁があるが、それを乗り越える相互作用こそが共感」という話は、なるほどと思いつつ、発達障害な自分にはなかなか難しい。というか共感性が乏しいというところに、社会性の問題があるのでしょうが。また、AIシステムの保守維持は困難、については、そう言えば保守のことまで今まで考えなかったな、と目から鱗が落ちました。あと第2部ですが、デカルトの自動人形のエピソードが興味深かったです。
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