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現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル (中公新書 2562)

感想・レビュー
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Y.Yokota
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若い著者による1冊で、現代美術の歴史と作品を知るのに分かりやすく、良い1冊でした。タイトル通りですが、欧米・日本の現代美術史のほか、「トランスナショナル」として、ブラック・アート、植民地、戦争を軸とした現代美術とその背景を丁寧に説明しています。最近自分の中で現代アートが盛り上がっていて、またいろいろと触れたい作品が増えました。
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candy
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今まで読んだ美術書の中で一番自分には良かった。良かった点は、今の時代から美術史を読み解き、社会で起きていることと照らし合わせて解説されている点。体系的に書かれているので、作品が生まれた時代背景とその作品の意義がわかり、主観的に語られがちな価値とは違った視点から作品を理解することができた。 今生きている自分に制作される作品はある程度自分で考えることもできるが、過去作品が当時の社会現象と共に、アーティストがどのような表現を選んだか興味深く読み、時代の橋渡しをしてくれるような本だった。
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あきこ
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現代美術の歴史を著者の視点で総覧できる。ただ初心者にはちょっと頭に入りづらいかな。人物名などの索引があれば、作品に出合うたびに何度も読み返せるのにと思う。
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Bois
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John
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モダニズムで表現手法の研究はされ尽くし、伝える内容の部分が重要視され始めたのが現代美術。コミュニケーションツールとしてのアートの意味が究極になり、意味合いばかりが注目されている。モダニズム批判は必要なものだったが、もう一度表現手法の洗練の重要性への意識を高めるべきではないだろうか。美術館の中で芸術マニアの人々が積極的にキャプションを読み、意味を読み取ろうとしなくては分からないのでは社会性を持たせたいのであれば特に効果的でない。美しいものは純粋に人を高揚させる力がある事を忘れてはいけない。
John

というのは元から思っていたことだけど、改めてSEA、リレーショナルアート、コミュニティアートなどの強さや重要性は認識できたのが良かった。やはりコンセプチュアルアートでも客体への意識、伝え方は重要だと思うし、良いと思う作品はそれが出来ていると思う。

06/12 09:42
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たよち
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現代アートは小難しく、美しくもなく、価値がよく分からない。現代アートに関して全く無知だったため読んでみたが、非常に勉強になった。 まず、現代アートでは芸術の定義を拡張する実践が行われており、分かりやすい美しさを敢えて忌避してきた側面がある。個人的には、終章の芸術の政治利用の歴史は特に思うことが多かった。分かりやすく美しい、我々大衆が求めがちなアートは大衆の心を如何様にも操れる。その歴史を知ると、分かりやすくもない、美しくもないアートが存在する意義を多少なりとも実感できる。
たよち

本書で現代アートの価値を理解できた一方で、それを初見の観衆が理解するのはハードルが高く感じる。 現代アートを楽しむには前提知識を学んでおきたいと感じた一方、その機会なく現代アートに出会い、つまらないと感じてしまう人も多いのでは。(丁度、某芸術祭は政治的な主張ばかりでアートではない、という主張が拡散されていた。なぜ現代アートは政治的主張と関わるものが多いのかも本書を読めばその理由の一端が分かるはずだ。)広く現代アートの価値を伝えるためには、作品制作のみならず前提知識の共有の術も今後の作家にとって重要だろう。

06/05 17:46
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abcdisco
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現代美術を社会との関わりから解説する本。アーツ・アンド・クラフツを始め、未来派や戦争画、震災などセンシティブな内容まで紹介される。マヴォの雑誌に、癇癪玉を貼り付けて発売当初に発禁された話は面白かった。
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CzrTOF6YBAmqPhS
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大まかな近代におけるアートシーンの変容をなぞった本書。 コンテンポラリーアートにおける日本と欧米の接続点やどういうふうに影響を与え合っていたのか分かる。
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tosh
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20世紀以降の現代美術を日本、西洋、トランスナショナルの視点で分かりやすく切って説明してくれる作品。 今までの現代アートに関する視点も広がり、勉強になりました。
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ねじ
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良かった。日本の美術の動きについてはあまり知らなかった部分もあったので知れてよかった。また、芸術の可能性について示しながらも、芸術が時に成す過ちについても触れられているのが良かった。芸術が社会あるいは政治と切り離せないものであることも。日本の戦争の加害について取り組んだ作家がいたことに驚く。そういった作家から、戦後にどう向き合ったか、戦争とどう向き合うのかを学びたいと思った。
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たろーたん
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現代美術までの歴史を欧米や日本などと分けて説明される。欧米の場合は、それ以前の「アーツ・アンドクラフツ(職人の手仕事)」や「ダダ(強烈さと無意味の結合による破壊と否定の提案、常識を徹底的に疑って転覆する試み、反芸術)」を引き継ぎ、1960年~80年代にかけて、芸術概念の拡張が行われた。芸術の自立性や一部の人間だけの美術の占有に抗して、脱美術館化のランド・アートや公共空間における芸術としてのパブリック・アート。また、芸術の脱物質化を求め、作品の形式・見た目を重視するモダニズムへの懐疑から、(続)
たろーたん

欧米と日本の現代美術史を概観して、私の感想となるが、90年代以降から現代美術はつまらなくなっている気がする。ダダイズムのように何かに強くアンチする力強さはもう感じられないし、そもそも文学と同じで人間の機微や言葉にできない感覚を芸術として表していたはずなのに、「他者」「関係性」「民主主義」のような理念の下、非常に分かりやすい芸術を安易に作ってしまっている気がする。そこには思わず考えさせられたり、引き込まれたりする作者の変態性や情熱はなく、素晴らしい理念の下でそれっぽいものをそれっぽく作ったように見える。

06/02 20:28
たろーたん

「再現不可能の一回限り」「芸術の民主化」「参加型アート」「他者との関係性」など理念としてはご立派なものがまずあり、それに沿うような形で芸術が作られている。そのため、「すごい!何これ?」よりも「はぁ、そう来ましたか、なるほど」と言った簡単に腑に落ちるものになっていて、噛み応えがない。さらに言えば、参加型アートやリレーションアートで会う他者なんて全然他者じゃないし、全然理解できる存在ですよ。また芸術による政治批判も同様に分かりやす過ぎる。

06/02 20:28
5件のコメントを全て見る
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サトゥルヌスを喰らう吾輩
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筧菜々子『いとをかしき20世紀美術』(おすすめ)、スージー・ホッジ『世界をゆるがしたアート クールベからバンクシーまで、タブーを打ち破った挑戦者たち』(おすすめ)などで現代アートに興味を持っていたところ新書があったので読んでみました。なんか1000階建てのデパートのこちらは1階:案内ロビーでございます、みたいな本。どこまででも深堀りできる世界を前に少しくらっとしましたが、冨山妙子、島田美子という名前だけはなんとかメモ。思想・政治・哲学・人権の運動史を含む近現代史をもう少し勉強せねばと思いました。
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阿部
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リレーショナルアート、コミュニティアート、SEAあたりの用語がどういう関係性にあるのか分からずにいたが、新書のボリュームとはいえそのあたりを書いている本を読めてよかった。筆者の視点とはいえ通史として書かれていることで初めて見えてくる視座がある。特に資本主義社会や制度への抵抗という大きなテーマが見えたことは収穫だった。
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おがわ
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コンセプチュアルアート、内容重視、モダニズムへの反発、社会的な題材、フェミニズムなど。90年代〜リレーショナルアート、観る/観られる関係性の脱構築、アートを通じてヒト関係性を創出←指導者としてのアーティスト、導かれる参加者の優劣関係の存在。→コラボレーティブ・アートに、芸術の社会的実践、しかし作家性は? /具体派。1969〜万博破壊共闘派、加藤好弘、科学主義へのアンチテーゼ。ハイレッドセンター、高松次郎、万博への批判/集団から共同性に。もの派、1970年前後、物質を素材としてではなく主役として表す、
おがわ

人間の創造作用を手放すことへの関心、関根伸夫、《位相ー大地》1968。当時の美術界への主知主義への抵抗。 美術家共闘会議、1969年、美術館など表現の中央集権を批判、もの派の神秘主義的傾向を懐疑、政治主義からの逃避だと批判、 /ナチス、リーフェンシュタール、映画、政治の美学化・ファシズム。

04/08 11:55
おがわ

あとやっぱり私は現代美術、特にソーシャリー・エンゲージドアートみたいなやつが好きじゃない。社会への批評精神だけが全面に出て美的価値は欠如しているものをアートですよ、とお膳に出されても手を出したくない。

04/08 12:01
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Ñori
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現代アートを一から勉強してみたいと思い読んでみたが。むしろアートと現代思想の展開の近接性に、アートの系譜と哲学-人類学-社会学の系譜を重ねて読みこむことができるという発見があった。俯瞰的に現代アートを見つめる上で良質な入門書だが、真面目に読むと半端ない情報量。これを皮切りに興味のある作家や評論家の著作を読み進めていき、美術館・ギャラリー巡りをしていきたい。
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owlsoul
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芸術の概念自体を拡張し続ける現代美術。その全体像を捉えるのは極めて難しいが、本書は「芸術と社会」というテーマを設定し、その歴史を概観する。この切り口で現代美術を眺めると、芸術が美術館を飛び出し、固定されたメディアを拒否し、コンセプト以外のすべてが融解し不定形化していく流れがよく分かる。コンセプトのみの表現はまさに「社会運動」そのものであり、そのような現代美術の姿には賛否両論ある。しかし、アートが既成概念への挑戦を目的とする以上、「大きな物語」を失った現代における芸術表現が、融解・拡散していくのは必然だろう
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多喜夢
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国立新美術館の李禹煥展に備えて、日本の現代美術の流れをつかもうと思って読み始める。いろいろな作品をググりながら読み進めたのでかなり時間がかかってしまった。欧米編と日本編は概論だが分かりやすかった。ブリティッシュ・ブラック・アートは未知の分野だったので興味深かった。
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月猫夕霧/いのうえそう
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現代美術の流れを世界の流れと日本の流れそれぞれを通しで解説しています。なるほど、世界の流れと日本の流れには違いがあるのか。道理で外国の現代美術を見ると首をひねることも多いわけだ。後ろの方には現代美術と政治の関わりを反体制以外の側面も含めて書いてあったのも良いです。良くまとまっている、これこそ新書という感じです。
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MO
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現代美術というと西欧が中心で日本は周辺との見られ方は主流なのだが、著者は日本や韓国、マイノリティーの作家も丁寧に見せていく。そうすることによって、昨今のマーケット主義ではない現代美術の持つ魔力が生きてくるように思えた。日本の現代美術の流れを知れたのはとても良かったし、驚きだった。解説は簡素だが、それだからこそ美術史の中の位置付けが理解できた。
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pinkdark_xv
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社会と芸術
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のの
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戦後のあたり弱いので、参考になった。
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UMIUMI
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やっと読めた…。具体、ハイレッドセンターあたりをもう少し深掘りして、次の本を選ぼうと思う。ちなみに最近よく展覧会で作品を拝見している中堅作家の名前もちらほらあって、読みやすかった。
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町営バス
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読了。美術館に行きたくなった。
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cocomero
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現代美術について、その前史となる近代前衛芸術から遡って、現在までの画期となった動向や人物むろん作品を事例としながら、通史的に論じられる。洋の東西また年代で区切られた各章の最初には、関連年表が付され、史的な流れが俯瞰できるよう配慮されている。本論は、芸術概念の拡張を起点に展開される。これぞ現代美術と一括りにできないほど個別に様々な複雑な展開がなされるなかで、芸術そのものに疑義が呈され、社会との繋がりが共通して模索される。中心と周辺という二項対立的図式から逃れ、視点の相対化を図る語り口は、世界美術史の試み。
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samurai
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ネタバレソーシャリー・エンゲージド・アート(リレーションアートの一種)公共空間での人々との交わりを志向する社会的芸術実践。これをメディアアートの概念と合わせて実践したら、社会的意義がありそうだ。アーツ・アンド・クラフツ(モリス モダンデザインの父)労働を通じた人間解放=民芸運動柳(真の美は日常生活の中にある)フェミニスト・アート集団(ゲリラワークス)ユークレス「タッチ・サニーテーション・パフォーマンス)パブリックアート(脱美術館)ハプニング(芸術と生活を融合する)シエラ「4人の上に彫られた60センチのタトゥー」
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ころこ
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若い著者が歴史を書くということは哲学史では出来ないでしょう。それができる状況にあるのであれば、他の著者でもう一冊、二冊読みたいと思いました。本書は社会学に寄っているはずです。意味をつくり、物語をつくらないと読者が読み取れないからです。事実、本書は読み易かった。そういう意味では戦争は「取り上げやすい」テーマだとは思います。普通の歴史でも○○戦争は分かりやすいメルクマールになるように…しかし、美術は既成の意味を解体するものでもある。これは批判というよりも、そう考えて読んでいる読者もいるんだということです。
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massda
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様々な現代美術の取組が網羅されていて、通して読むとざっくり流れが分かる。高校の時に目黒区立美術館で「戦後文化の軌跡」展を見ており、1990年代半ばまでは実物をなんとなく見ている作品があった。以降のアップデートが1000円でできてなんてお得なんでしょう。図版が少ないけど、今は21世紀なのでググれば大抵みられます。
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yo_c1973111
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現代美術(コンテンポラリー・アート)といってもその言葉に象徴されるカテゴライズされた作品群や活動潮流があるわけではない。ニコラ・ブリオーの「関係性の美学」を一旦軸に、時代、地域別に区切って変遷をみていく。ロザリンド・クラウス、クレア・ビショップなど多くの論考を元に作家/集団や作品が紹介されるが、それだけではなく各々の時代・地域性を背景に裏付けされるからこれはこれで「史」として成立していると思う。古典美術に比して、改めて現代のアートは一般市民よるものだと思わせる。昨年発刊なので情報も比較的新しい。
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ゆでぴー
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面白かった。紹介されている個々の作品は知っていても、それが現代美術の歴史の上でどういう経緯があり意味があるのか、社会とどう関わっていたのか、そういった視点を得ることができて興味深かった。これまで美術館などで観た作品を思い出し、歴史的あるいは社会的にこういう位置づけだったのかと思いながら読んだ。
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レティクル座に希望を見出だすCES
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現代美術を様々な観点から横断的に説明している。本書籍だけでは現代美術の様相を理解するのは難しいだろうが、引用された文献や作品、キーワードについて調べることで、さらに理解を深めることが可能だろう。便覧や入門書として有用な内容となっている。ただ、良くも悪くも、大きな枠をざっとなぞった内容でしかなく、一般ピープルである私としては、「知らない派閥が別の知らない派閥を批判している」、「ややこしい人々が面倒な主張をしている」としか読み取れなかった。大変ですね、芸術家さんって。
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パン
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難しいから二周する
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hdk
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社会との関係を切り口に現代美術の歴史を概観。最近、現代美術本をいくつか読みましたが、最もフラットな書き方で、教科書的な内容。手もとに置いて置きたい本ですね。
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預かりマウス
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私は現代美術にはほとんど全く知識はなかったが、本書は読みやすく、面白く、非常に刺激的である。いくつもの新しい思索へのヒントがあった。個々の具体的な美術潮流の説明だけではなく、「芸術のアヴァンギャルドとは、芸術の消滅である」と喝破するドゥボールや、ビショップ-ケスター論争など、現代美術に対する根源的問いについての記載も多い。終章ではイタリアの未来派、ドイツのレニ・リーフェンシュタール、日本の戦争画と、戦争と美術の関係についても触れられるなど、歴史好きにとっても飽きさせない内容である。
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Bois
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デュシャン以後、所謂美しい美しさが通用しなくなってしまった現代美術界に於いて、「関係性」は非常に重要な地位を占めていると思う。自身と何か(国家やマジョリティや社会等)との関係や、関係性そのものを考慮する。関係に接近すれば、また芸術らしさから離れていく。その微妙な関係(焦ったさ)を壊してくれる芸術が、今後出てこないとは言えないだろう。 問題設定は人それぞれだが、現代の芸術家が難しい境遇に置かれていること、また、だからこそ芸術に価値の生まれることが、了解できた。
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阿部義彦
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いわゆる、正史ではなく、現代美術が社会と関わってきた、震災、差別、トランスジェンダー、貧困、戦争などの方に、スポットをあてた斬新な構成となっており、読み応えが有りました。歴史としては、60年代のハイレッドセンター、もの派、なんかが凄く惹かれるものがあり、私は今でもに赤瀬川原平さんを尊敬しています。後半の越境する芸術からは、社会と関わろうとする批評性を、もった芸術集団などに話が渡り、私も好きな Chim↑pom の活動などにもふれられ俄然面白くなってきました。プロパガンダの話題をへて最終章「美術と戦争」へ!
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龍國竣/リュウゴク
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これほどまでに多くの芸術家の作品、そして美術評論家の言説をまとめた業績は讃えられなければなりません。あとがきで大都市中心的な視座について自己批判をしていましたが、九州派を取り上げるなど地方の活動もある程度加えられています。芸術は社会と共にあること、弱者とされる人たちの側にあることを思い起こさせる本でした。それだけに、終章に書かれている未来派などファシズムと結びついた芸術について、今一度考えさせられます。国民国家に縛られないトランスナショナルという項目に、著者の思想がより濃く見て取れました。
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Sohei
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ネタバレ面白かった。知らないことも多くあって。一読した今は便覧として別で図録をつけるかあるいはそのまま使いたい。筆者が述べている通り本著は通史ではないのだろう。
0255文字
fu
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「現代美術」はSEAなど含めて資本主義的なマーケットを意識して作られている美術作品群といっても過言ではないのではないか。体系的にまとまっていて読みやすかった。
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