形式:単行本
出版社:河出書房新社
形式:文庫
形式:Kindle版
「寄生」彼女にプロポーズするため予約したレストランに急いでいた「僕」に、見知らぬ老女が引き裂かれた子どもにやっと巡り会えたと宿り木のようにしがみついてきて困り果てる話。結末の予測はすぐつくが、ブラックユーモアが好き。「黒子羊はどこへ」は座礁した舟から漂着した二頭の羊を引き取ったら黒い子羊が生れ、『子羊の園』という託児所を始めた女性。話があっちこっちへ飛ぶ浮遊感が面白い。「巨人の接待」特殊な地域言語を話す超大物作家が来日し、記者会見や接待の通訳を担当した「私」、この巨人が「ことりの小父さん」に似ているかな?
国籍不明なストーリーで、でもあまりそこは深く辻褄合わせを求めるべきではないのだろう。このふわっとして、もやっとして、ゆったりした世界観。「巨人」が通訳に適当に訳しておいてと頼むようなそういうまるっとした感触のストーリーを楽しむ短編集だと感じた。ダイアナ妃のドレスの手作りのレプリカを着てショッピングモールのエスカレーターに乗っている高齢の女性をもしも見かけたらかなり引くとは思うが。ダイアナ妃のドレスを検索して写真を見たが、20~30代のドレスだからよっぽど無理があるとは思う。でもその心意気はグッジョブ!
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