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現代哲学のキーコンセプト 真理

感想・レビュー
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愛楊
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数や自動車といった指示対象は存在しないことが因果説の難点として挙られているが、現在の機械論的解釈可能性における研究を鑑みれば個体や性質等は線形表象であるのであって、そもそもここで哲学は問題を履き違えている。また、未だに命題的信念という神経科学ではありえない概念に頼って議論にしているので試みが成功するはずがない。加えて、最終章でリンチへの反論として「意味は真理条件に先行する」と述べているが、ここでは真理条件的意味論を前提していないことを明記すべきではないだろうか。真理条件的意味論では意味=真理条件なので。
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あ
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客観性と価値を主な観点として、相対主義を棄却しつつ真理論を実在論と反実在論に二分し、対応説と認識説、デフレ主義、多元論について解説。反実在論のスケッチが荒いので、他書でより精緻な議論を補うといいかも。著者はデフレ主義にコミットするが、訳者解説にあるように真理の2値原理を前提とした議論になっているので、多値論理や曖昧性の問題などは閑却している。また、真理論の評価基準としてタルスキのT文を重視するが、これ自体が実在論と親和的なので、もう少し説明が欲しいところ。個人的にはデフレ主義と因果対応説が気になる。
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ミッツデラックス
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ネタバレあらためて勉強になった。
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わんぱら
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真理論の本。解説にもあるように、分析哲学における真理論の概説書は日本語では存在しなかったのでとても貴重。文章は明晰で分かりやすく面白い。真理とは何かを知りたくなったらとりあえずこれを読む本。
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ニッポニテスは中州へ泳ぐ
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☆=3.5/5 ごくまれに意味不明すぎる訳文が混ざるが、全体としてはそれほど引っかからずに読めた。 テーマとしては知識論(認識論)が扱う問題圏と重なる部分が多い。主に「何が述べられたことを真理にするのか」についてを扱っているが、真理の持つ価値的側面などにもページを割いており、包括的。 著者の真理論が取りこぼしている「語用」「曖昧論理」の観点を補う解説の仕事も素晴らしい。 『現実性の問題』を真理の哲学として読めば入不二基義はウルトラデフレ主義かもしれない(現実性にはたぶん論理機能すら必要ないから)。
ニッポニテスは中州へ泳ぐ

真理が持つ価値についての話が特に面白かった。日常的な行動、例えば待ち合わせにおいて私たちが協同する際に真理(真なる信念を持つ事)は欠かせない価値を持つ。ハチ公像がスリランカに存在すると信じてる人とは待ち合わせしても合流できない。 真理を求める啓蒙思想と民主主義がセットで語られる理由の一つかな

12/03 19:35
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田蛙澄
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ダメットやデイヴィドソンやローティを読んでいて反実在論と実在論の真理についての問題の見取り図が欲しくて読んだけど、実在論と反実在論以外に引用解除論があるのは知ってたけど、デフレ主義という言う呼び方は知らなかったし、真理の多元主義について初めて接したのでとても有益だった。 ただ反実在論の説明がダメットの緻密な議論から見ると大雑把に扱われてるように見えるし、最後のデフレ主義の擁護も密かにインフレしてるのではという疑念があるけど、そのあたりはもっとちゃんとした論文を読まないと判断がつかなそう。いい本だった。
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ぴよ@サテライト
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日常的な使われ方や価値観と比較しながら哲学における「真理」というタームがどういった語なのか、というところを説明するところから始まり、現代の主要な真理論まで概説している本。最初から最後まで分かりやすい言葉を使われ、専門用語は必ず最初に解説が入る。終始論理的でとても読みやすく、内容の濃さもすごい入門書だった。加えて文末の解説もすっきりと本の内容の全体をまとめたものなので、時間のない人は解説だけ読むのもアリだと思った。しいて言えば、筆者の主義主張が結構反映されている点は注意した方がいいのかな?
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ミッツデラックス
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ネタバレ真理論の概論。まず世界の実在論、反実在論、相対主義について考え、同値性原理との相性を確かめる。そしてそれらが、整合説、プラグマティズム、対応説(古典的対応、因果的対応、真理メイカー)と適合するか確かめる。その後に筆者が同調するデフレ主義(余剰説、引用符解除主義、最小主義)の説得力を見る。最後に多元主義を見る。また真理の価値という観点からもそれぞれの立場を捉えようとしていた。デフレ主義以降の議論は、あまり馴染みがなかったがなんとなく把握出来た。しかし、直感としては実質的な真理の性質がありそうな気がした。
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ami
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論理学の予備知識なしで読める真理初心者向けの入門書。「真理」というトピックでどういう議論がなされているかが分かる。簡単ではないです。
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すずき
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ぶっちゃけ難しかったがインフレ説として対応説、認識説(さらにその内部で整合説、プラグマティズム説)、デフレ説、多元主義の検討をしていて、概説書としていいのかなと思う。ただ、結局デフレ説をとると、今まで真理論の枠組みでやっていたことを主張が保障されるかとか、いつそれが正当化されるかとか別の概念でやるってだけの話な気がしていて真理以外の何かとの関係がよくわからないまま進んで行って迷子になった。あと整合説の処理も雑だし、ホーリズムとか規則のパラドックスとか色々関係しそうなものがどう関係するかもわからず難しい‼️
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