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世紀末ベルリン滞在記

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かくかく鹿々
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20世紀末から21世紀初めまでをベルリンで過ごした男性の滞在記。著者の体験や出会った人々との交流に基づいた社会論であり、マイノリティとしてベルリンで生きた著者の魂の叫びである。日本も労働力を移民に頼らざるを得なくなりつつあるが、ドイツは30年以上前にそのような段階を通過している。移民を受け入れるということはどういうことなのか、差別する・されるとは? 我々は、ある時は差別し、またあるときは差別される存在となる。我々は差別構造の中に閉じ込まれていることを意識し、他者に対して寛容でなければ。 良書です。
0255文字
午睡
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ベルリンで10年以上暮らした日本人男性の生活と意見。ベルリン工科大学文学部に留学していたときの体験をつづったものが多いようだが、ガストアルバイターとして働いていた時期の記録もある。海外で暮らすと誰でもが感じる差別や反発、内省、きのこのように突如生えてくる小さなナショナリズムなどが率直につづられている。著者と同時代にベルリンで暮していた9.11テロリストのモハメド・アタに語りかけるように書かれた第6章は重苦しいが、考えさせられた。怒りをはらんだ文体はどこかポール・ニザンの「アデンアラビア」を思わせる。
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羽
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20世紀末にベルリンの大学に進学し、移民の多い地区で暮らした著者は、そこで“マイノリティたる移民側からみえる風景”をいくつも見ることになった。自分の人生に不満や不安を抱える移民たちを見ると「あれはもう一人の自分だ」と思ったという。人間は、ありとあらゆるものに優劣をつけたがる。けれどもそれは、絶対的なものではない。国や立場が変われば簡単に変わる。国籍の異なる人々を「あれはもう一人の自分だ」と思えたり、誰もがマイノリティの視点で世界を捉えられるようになれば、あらゆる差別は少しずつ減っていくのかもしれない。
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