読書メーター KADOKAWA Group

失われたいくつかの物の目録

感想・レビュー
63

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
本の虫
新着
『ユリイカ』のハン・ガンのインタビューで「今読んでいる本」として挙げられていたもの。章ごとに差しこまれる黒い表紙には、光の加減でその章のテーマとなる「失われた物」のビジュアルが浮かび上がる。「失われた物」と続く物語の関連性が自分には上手く見出せずしたがい物語に入っていけず、眠くなることもしばしば。しかし「グライフスヴァルト港」の章は…… 良かった…… あの章だけ何度も読み返したいくらい。植物や野鳥に精通した目があれば、「自然豊か」のひと言で片付けられそうな光景も、あれほど精緻で優しい描きかたができるのだ。
0255文字
文化
新着
装丁が良い。内容は自分には合わなかった。緒言を読んだ時はゼーバルトのような雰囲気を感じたが、通して読んでみると単なる知識の羅列であって、そこに思考がなく期待外れだった。結局、自分は感性よりも知性で書かれたものを読みたいのだと思う。
0255文字
おかだん
新着
ネタバレ栄え、滅びていくものへのレクイエム。怒りも悲しみもない枯れた文体。いつかすべてのものは塵に帰すのだとしても、人は貪り、燃やし尽くそうとするのをやめない。月のくにに旅立ち、失われる事柄を保存する使命に至った人も、それがいかに虚しい行為か悟ってしまう最終話。これがこの書の全てを凝縮した一編だろう。
おかだん

華美な装丁ではないのに、ため息をつかせる程に美しい。黒い表からまるで生きているかの様な吐息を感じる。

06/21 15:39
0255文字
もと坊
新着
本当に何も知らず本の雰囲気のみで購入。なんとまぁ様式美の詰まった本、作品だと。 緻密かつ多様。ゆっくりゆっくり時間かかりました(笑) 失ったものと今を繋ぐのは想像力で有り創造力なんだと。かなり濃密な読書体験でございました。
0255文字
はじめ
新着
今はないものがなくなる前にどんな時間がそこにあり、どんな人がどんなふうに関わったのか、周りではどんな時間が流れていたのか。そこに想像力を働かせる人がいる限りそのものが完全に失われることはないと思うし、そうしたバトンの中にできるだけ多くの営みが保存されてほしいと思う。
はじめ

“Someone will remember us / I say / even in another time.” Sappho, Fragment 147

02/05 20:53
0255文字
きゅー
新着
失われたものの恢復こそが、本書の中心的な力となっている。著者はリルケやゼーバルトの系譜に連なる者であり、彼女は過去を観想し、過去を愛しみ、過去を生きる人々の一人である。ここで言うところの「過去を生きる」とは決して否定的な意味ではない。それは、過去が自身の裡で蘇ることを意味し、現在のなかに過去が流れ込んでくるイメージでもある。収められている対象はツアナキ島(消失)、カスピトラ(絶滅)、サケッティ邸(崩壊)、サッフォーの恋愛歌(散逸)など、すでに消え去ったモノに関するエッセイであり、報告書であり、小説である。
きゅー

「書くことで取り戻せるものはなにもないが、すべてを体験可能にする」ために、明確な根拠をもち、雑草の一本一本を明示するがごとくに言葉を書き記す。いかにもドイツ的な真面目さであり、気の遠くなる作業であったことが想像される。しかし、そこから生まれたこれらの物語はなんと彩り鮮やかだろうか。黒を基調とした造本と、物語の美しさが異なる次元で対比される。ひとたび失われたものが眼前に甦るという驚異をゆっくりと堪能した。

12/06 09:25
0255文字
石
新着
歴史と憧憬と教養と感傷 寸分の隙もないほど堅牢に積み上げられた城壁のように緻密な文体で語られる、ありえたかもしれない物語 様々な形式で書かれた十二の短編はとっつきにくいが、徹底的なものだけが持つ不思議な魅力がある
0255文字
warimachi
新着
装丁はなんというかもう、こんなの見たことないとまで言えるぐらいなんだけど、文章が全然入ってこなくて困ってしまうんだよなあこのお方のは。
0255文字
フランソワーズ
新着
魔術的想像力を駆使した、とても難解な小説。いや、小説というべきか迷う文学の迷宮。とてもわたし如きには十分理解できず、何度も挫折しそうになりました。ただ所々に示唆に富む文章が書かれており、何とか読了。(お気に入りは『カスピトラ』)
0255文字
妖湖
新着
「もっとも美しいドイツの本」に選ばれただけあってとても素敵な装丁です。持っているだけ、眺めているだけで満足、本はやはり紙でなくっちゃ。内容は…ちょっと難しかった。寝る前に少しずつ読んだんですが、なかなか優秀な睡眠導入剤でした。起きてから残りを読んだりして何とか完読。そこはかとない達成感。
0255文字
Takashi Takeuchi
新着
何よりブックデザイナーでもある著者による装丁が美しい!タイトルに合わせ墓標をイメージした表紙。12の話全てが18頁に統一され、話のはじめに黒(深紫)のタイトル頁を挟むことで均性のとれたストライプになっている。沈んだ島、壊れた建物、絶滅した動物、消滅した国など今は亡き失われた物を語る12話はあらゆる知識が盛り込まれついて行くのに苦労する場面もあり、現実と虚構との境目が分からず、靄に包まれたよう。それでいて深い充足感も得られる一冊。
0255文字
瀬希瑞 世季子
新着
序文が素晴らしい
0255文字
Toro7715
新着
タイトルと装丁がまず最高。今は存在しない島、動物、歌、宗教、国、建物…etcにまつわる短編小説集。おそらく可能な限りの資料に基づく事実をベースに妄想や想像を飛躍させたフィクション。サッフォー、F・W・ムルナウ、マニ教、東ドイツの話が特によかった。
0255文字
Ra
新着
ネタバレ失われた物、人、動物たちに想いを馳せる短編。よくわからない編もあれば、じんとくる作品、胸糞悪くなるような話も。世界はほとんどの物が失われ、現存している物はごくわずか。今を生きているだけの我々が、勝手な判断でこれ以上失わせてはならない。
0255文字
文学ラジオ空飛び猫たち
新着
文学ラジオ空飛び猫たち第39回紹介本。 「もっとも美しいドイツの本」に選ばれた本書。装丁も作家でありブックデザイナーでもある著者によるもの。まずは「はじめに」と「緒言」だけでも読んでもらえたら。本こそ完璧なメディアという筆者の考察が本に備わる可能性を大きく膨らませてくれると思います。見た目も文章も美しく本好きには魅力的な一冊。筆者が描き出すイメージに触れるのは豊かな体験になると思います。 ラジオはこちらから→https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/39-e102vcl
0255文字
うかれ
新着
ネタバレ翻訳大賞受賞ということで読みました。ふれこみに違わず、翻訳がとても素晴らしかったです。内容については、語り手や視点人物がわからないことが多くて要領を得ず、難しかった。解説で、モチーフに合わせて文章の性質もさまざまに変えていることが述べられていて納得。カスピトラは目を背けたくなるような凄惨さで読むのが苦しかった。ダントツで良かったのは「サッフォーの恋愛歌」、これに出会えただけでも読んで良かったと思います。
0255文字
ハナハナ
新着
人知れず消え去り人々の記憶からこぼれ落ちた、そんな儚くも確かに存在していた物をそっと掬い上げる著者のこの上もなく美しい本の存在に魅せられた。類いまれな想像力と豊潤な感性でつむぎだす12の小品は様々な形式に姿を変え、過ぎ去りし物に命を吹き込み、読む者の五感をも刺激する。奇蹟的に現存する「サッフォ―の恋愛歌」に感嘆し、ピラネージとユベールが登場する幻想的で映像を見ているような「サケッティ邸」の美しい描写に滅びゆく運命の哀しみを感じずにはいられない。そして何より引き込まれた「緒言」胸に刻む。
0255文字
ケロリーヌ@ベルばら同盟
新着
【海外作品読書会】「現在とは、過去の未来に他ならない」御影石のような、漆黒に白い斑紋が浮かび上がる意匠、厳密に8枚毎に、光に翳し、目を眇めて、漸く泥金で刷られた図版の存在に気付く、深い藍色の用紙で区切られる頁配分。これは、作家であり、ブックデザイナーである著者が彫拓する、失われし物たちの墓碑銘。歴史、科学、自然の該博な知識と、硬質で繊細な文章が生み出すヴンダーカンマー。絶滅と喪失、そして発見。過去と、過去になりゆく現在と、未来の貌。美しいレヴューで本書をご紹介下さったEmiさまに、心からの感謝を捧げます。
ハナハナ

今、正にこの本を手に取っていますが、例えようのない美しい言葉で本の存在を賛辞するけろりんさんのレビューに言葉もありません(*´ω`*)私も心して読みたいと思います(*^-^*)

12/15 16:25
ケロリーヌ@ベルばら同盟

ハナハナさん🐰💕🐸身に余るお言葉を頂き、恐縮です(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)。読トモさまのレヴューに惹かれ、手に取りましたが、この一冊を読む間、あまりにその世界に浸りすぎて、無口(?!)な読メユーザーになってしまいました💦

12/15 21:43
0255文字
EMI
新着
黒を基調とした装丁と内部に施されたビジュアルは墓碑をイメージさせます。この中に納められたのは私達が失った過去。過去にこそ未知の知識がある。思い出すことで初めて見えてくるイメージがある。呼び覚まし姿形を与えることで、消滅した物たちは復活する。絶滅した動物、伝説上の生き物、焼失した作品、沈んだ島、消滅した国等々、地球上には存在しない物たちについて綴られた12の物語。2021年日本翻訳大賞受賞作品。
ケロリーヌ@ベルばら同盟

EMIさん、荘厳さを感じるほど素晴らしいレヴュー。ぜひ読みたいと思います。ご紹介頂き、ありがとうございます✨

11/28 12:16
EMI

けろりん様、コメントありがとうございます!本書は言葉も文章も大変美しく印象的で、私の拙い筆力でこの魅力を表現するのは難しいのですが、どうぞお手に取ってみて下さいませ。

11/28 12:38
0255文字
cm
新着
物事を記憶すること、理解することは忘れること、失うことと裏表なのだ。 ダニエルローゼンヘラーのエコラリアスを思い出す。 読むことの快楽が詰まっている、美しい本だった。ずっと手元に置いて、埃を被っていっても、、
0255文字
アキ
新着
「現在とは未来の過去である」今はもう失われてしまった12の目録。東ドイツで生まれ東西ドイツ統一を経験した著者が紡ぐ詩的な物語。サッフォーの恋愛歌、マニの七経典、共和国宮殿、ゲーリケの一角獣、カスピトラなど、各章に透かしの写真のある黒い扉があり、2018年「もっとも美しいドイツの本」に選ばれた。滅亡や消失は生成のさきがけ。本による想像の博物館の中に失われたものらは保存される。いつか目の前の現実も、記憶の沼地にしか存在しなくなる。「一人一人の終わりの日は定まっている」ウェルギリウス。第七回日本翻訳大賞受賞作。
0255文字
千景
新着
ネタバレ失われた物たちの、架空の目録。かつて存在した物から着想を得て膨らませた物語は、自然も歴史も、幻想的な美しさをも凌駕する。喪失への最高の追悼ではないだろうか。 どの話も好きだけれど、絶滅種カスピトラ、青衣の少年、サッフォーの恋愛歌、マニ教の七つの聖典、キナウの月面図が特に好きだったかなぁ。
0255文字
wassermusik
新着
おや、ここにも蒐集家が!私もその貧弱な仲間。著者は心を魅する失われた(現存してた)12の物を言葉で集め、黒い紙に刻印した写真で仕切った長方形の函(本書)に収め、物語で装飾し展開する。海に没した島、絶滅した虎、一角獣と見なされた骨、倒壊した貴族邸、ムルナウ最初の映画フィルム、古代ギリシャ女性詩人の散逸詩、焼失した領主の城、マニ経典、著名画家描くハンザ都市の絵、処分されたスイスの森の百科事典、東独共和国宮殿、月理学者の月面図。題名だけで眩惑的でゾクゾクする。言葉を集めたがる私には堪能できた一冊。2018年刊。
wassermusik

「生きるとは喪失を経験すること」「本はその身体の完結性ゆえに、他のいかなるメディアもなし得ないように世界に秩序を与え、時には世界の代わりにさえなるもの」「エロス…青天の霹靂の様に人を襲い、不可解な症状を引き起こす病、突如身に降りかかる大いなる自然の力、海を波立たせ、楢の木ですら根こそぎにする嵐、不意に襲いかかって御しがたい欲望を煽り、恐ろしい苦悩を引き起こす不屈の獣―甘く苦い身を焼き尽くす情熱」「二人の若き女流詩人ナタリー・バーネイとルネ・ヴィヴィアンが1904年の晩夏、長年の夢だったレスボス島を訪れた」

10/04 18:39
0255文字
kazi
新着
図書館本。第七回日本翻訳大賞受賞作という事で興味を持ちました。内容も外装も素晴らしく美しい。久々に所有欲を刺激されたが、お値段が高めなので迷い中です(^^; 短編小説集のようなものを想像していたのだが全然違った。細井直子さんは訳者のあとがきで“ヴンダーカンマー”と例えていましたね。その例えは凄くしっくりきました。それは世界中のあらゆる珍奇な品々を本という空間に集めた宝の部屋。存在しない仮想のモノ達の目録集。非常に衒学的で難解。しかし美しい。特に緒言の美しさは白眉なので、ここだけでも読んでみる価値ありです。
0255文字
8123
新着
失われたからこそ美しく、欠損こそが完璧さの条件であるかのよう。再三にわたるエネルギー保存の法則への言及は、すべては現われにすぎないと言いたいのか。循環へのこだわりも同じ思いの反映だろう。この人が変態っぽいのは、再生もしくは転生への希望に慰めを得るのではなくて、喪失に陶酔している点にある。それは哀惜や寂寥を歌い上げるというよりも、事物の中間的な位相にただ淫しているように映る。印象に残ったのはマニのとサッフォーの。ガルボのは難解っていうか、僕には読解する為の前知識が足りて無さそう
0255文字
かげろふ
新着
目録であるという書き手のコンセプトがよく伝わる芸術品のような作品でした。消失したそれぞれをモチーフにした物語は、読み手に想像力を求めますが、そこに文芸ならではの魅力が感じられて良かったです。あとがきで知ったソーシャル・トランスレーティングの試みはナイスアイデアですね。原作者と翻訳者の共作アートとも言えそうです。
0255文字
GIOco
新着
日本翻訳大賞受賞し、興味を持ったので。造本の美しさ。各お話の前にある箔押しのページ!図書館本なので、美しさの一部しか味わえなかったのは少し残念。教養のなさから内容はなかなかついていけなかったが、「カスピトラ」がお気に入り。ソーシャルトランスレーションという翻訳方法は面白い。原著者にとってもよい取り組みかなあ。
0255文字
遠藤 悪
新着
架空の滅びたものを記録した風の本として、イタロ・カルヴィーノの「見えない都市」という名作がある。どの文章も美しく色気があって、マルコポーロの時代なのに空港についての話があるなど機智にも富んでいる。 この本も「見えない都市」を少しは意識しているとは思うが、どうもツンと澄ました素っ気なさで面白く読むことは出来なかった。 私の読解力不足だし、好みもあると思うが、この本がトーンを徹底し過ぎていて、訳の文学性もやや足りないということもあると思う。後日改めて読み返したい…
遠藤 悪

今日、読み返したが、この本は上記の指摘を踏まえた上の素晴らしいアートで、訳文は完璧だということを理解した。

06/30 19:45
Acha

ふふふ.ちょっとわかります!

08/08 12:16
0255文字
ムチコ
新着
お気に入りは「サケッティ邸」「青衣の少年」「サッフォーの恋愛歌」「グライフスヴァルト港」「森の百科事典」など。
0255文字
りょんりょん
新着
今はもう存在しないもののぽっかりと空いた居場所を言葉で満たして、たしかに在ったということを伝えてくれる。文字で作られたレプリカはとても雄弁で、知ることも無く失われた物たちのヴィジョンを鮮明に浮かび上がらせてくれました。 それを収める装丁も見事。 ただ、自分の理解力と知識が追いつかず楽しみきれていないということだけが心残りなので、これから先何度も読み返していきたいと思います。
0255文字
Acha
新着
「存在しない物たちの仮想の目録」存在と不在の間。硬質な文体は反復しながら熟読しないとそれこそすぐにこぼれ落ちてしまう。漆黒の扉をめくると鈍い金の透かし絵、この装丁がとても美しいのだがさりげなすぎて最初の数編、気づかなかった。それほどに日頃の読書が消費に近いことを思い知る。冷たい夜気やむせ返る草いきれ、文字の織りなす深みを味わう。読後、ふと諸言を再読すると、今度はするりと腑に落ちた。「生きるとは、喪失を経験するということ」全てを忘れるより、何も忘れない方がさらに悪い。沁み通る。
0255文字
Yoko Kakutani 角谷洋子/K
新着
著者の博覧強記ぶりと多彩な語りが繰り広げられ、美しい万華鏡を覗いているような心地になる本である。訳者の方の労苦も偲ばれるので日本翻訳大賞受賞も納得の選考だ。ユベール・ロベールとピラネージの邂逅が語られる「サケッティ邸」セシル・ビートンに興味がある身としてはガルボ視点で語られる「青衣の少年」あたりが特にお気に入りである。
0255文字
anco
新着
美しい本
0255文字
みほ
新着
面白い!!
0255文字
ケイトKATE
新着
島、動物、建築物、書物など、現在は存在しないものについての散文作品。各章の初めに黒い紙でうっすらと写真が載っているのと、全ての章が16ページに収められていることから、著者は文章だけでなく本の装丁もこだわって作品にしている。また、小説、歴史書、エッセイなど様々な文体で書かれて、ゼーバルトの作品に似ている所がある。この世に生まれるということは、いつか消える定めが約束されている。著者が書いた12の物は失われたが、完全に消えるには惜しまれるからこそ、本として残したかったのであろう。
0255文字
Bun-ichi Kawamoto
新着
私には依然として本こそあらゆるメディアの中でもっとも完璧なメディアのように思われる。
0255文字
ゆめにこ
新着
《日本翻訳大賞受賞作》カバーデザインだけでなく、本の天、小口、地までもが調和のとれた美しさで、章の等間隔が綺麗な模様になっているところが凄い。歴史的資料としてのノンフィクションの短い記述のあとに、内面のつぶやきが続き、周縁的なアプローチを経て失われた物たちがただの目録から美しい文学へと姿を変えていった。過ぎ去りしものをつなぎ止め、忘却をくい止めるための方法はじつに多様だ。忘れるのは悪いことだ。でもさらに悪いのは何も忘れないことだ。知ることは忘れることで生み出される・・諸言のパラドックス展開が白眉。
ベル@bell-zou

早速読んだのね!装幀も素敵なようだしなんなら欲しいなと思いつつ。…つつ。笑。いつか続きます(*^^*)

05/22 17:48
ゆめにこ

ベルさん、最も美しいドイツの本だもんね!欲しくなると思いますよ。いつかを楽しみにしてますね(^^)

05/22 22:15
0255文字
おだまん
新着
まず装丁に目を見張る。章を繋ぐ黒地に描かれた絵の美しさ。そしてページをめくるとそこは博物館の展覧会に足を踏み入れたような不思議な錯覚。喪失の前と後に心を馳せながら展示してあるひとつひとつを堪能しました。これは体験といってもよいかもしれない。
0255文字
葉々
新着
著者の驚異の部屋、ヴンダーカンマー。喪失を巡る12の物語を読み終えるのに案外、時間を要した。それは「サッフォーの恋愛歌」で村上春樹著「スプートニクの恋人」に思いを馳せ「青衣の少年」ではウォーカー著「GARBO」を本棚から抜き出すなどしたからなのだった。しかもタイミング的に「倒錯した性的嗜好は(略)大部分はその人が初めて快楽の絶頂にどうやって達したかによって形成される」って箇所にギョっとして硬直。「黒い空に浮かび上がる」ような仕切り紙をはじめ終始、抵抗しがたい衝動、死の気配を放ちつつも不思議に後味は快い。
0255文字
19番ホール
新着
良かった。後半はあまりピンとこなかったけど、前半の短編とくに序文が素晴らしい。喪失にまつわる様々のレイヤーとエモーショナルな文体が記憶に残る。著者の熱量が異常にヤバい本。
0255文字
全63件中 1-40 件を表示
失われたいくつかの物の目録評価88感想・レビュー63