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新訳更級日記

感想・レビュー
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NORI
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菅原孝標女は、蜻蛉日記作者・藤原道綱母の姪。都への紀行記は、土佐日記風。宮仕え期は、紫式部日記風。家庭生活&寺社詣の記述は、蜻蛉日記風という、平安古典の総決算的作品。 原文は言葉少な目で、想像の余地が大きい。本書は、原文には書かれていない行間を、解説的に埋めた訳を当てているため、訳者の解釈に共感できるかどうかで、評価が分かれそう。なぜそう解釈したのか、丁寧に説明しており、勉強になった。ただ、原作者がいくら源氏物語愛に溢れた人だからと言っても、何でもかんでも源氏物語に絡めた解釈をし過ぎな気がしなくもない。
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ぐっち2525
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ネタバレ更級日記について、解説を交えながら訳した作品。初めて更級日記を読んだが、当方は源氏物語を未読のため、本作の解説に助けられた。物語に憧れ、そして物語に虚しさを覚える晩年を日記形式で描いている。いたるところに源氏物語を意識した記述があることから、「物語に対する絶望」というのはあくまでポーズとしての一面、つまり更級日記が単なる日記ではなく、一つの物語性をもつ作品としての完成度をあげるための方便でもあるように感じた。それだけ、作者の物語(特に源氏物語)に対する愛情は深い。
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myjstyle
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初読にはおすすめできません。原文にない筆者の解釈を加えた超訳だからです。そもそも、日記文学というネーミングは、現代人をミスリードしますね。特に、「更科日記」は回想録であり、虚実を混淆させ、編集を加えた創造物ではないでしょうか。例えば、“竹芝伝説“などは「伊勢物語」を踏まえながらも、東下りをヒロインの意志でさせ、しかも、ハッピーエンドにしています。新たなヒロインを生み出す、菅原孝標女の作家魂を感じるところです。
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モーリーン
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ちょっと好みじゃない新訳。たしかに頭の中ではこんな風になっちゃってるけど、文字化されると恥ずかしい。古典はもう少し考える余地を持たせた訳が好きだなぁ。
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CD
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原文+ある程度の意訳と解説本。更級日記の導入本としてはすごくいいような気がする。他に類する本を読んだことがないので、個人の感想ですが。。。さて、更級日記、前半は和歌を中心としたぼやっとした話がつづきますが、半分越えて宮仕えがはじまって結婚したあたりから、現実と物語の世界を行き来する世界観が面白い!この時代の女性が、心の中の世界を大切に、自由な人生を歩んでいたというのが、すごくうれしい。どっちかというとダークな内容だけど。日本の文化はやっぱり最高。
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sine_wave
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古文は全く不得意。訳を読んで、古文に引き返し、また、訳を確認しという読み方を行った。それでもかなり作者(菅原孝標女)の気持ちに近づけたと思う。以前源氏物語(瀬戸内寂聴訳)を読んでいたので、それも効果があったろう。
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涼
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http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/11/post-ba26fa.html こちらは、しっかり勉強になります。
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KAZOO
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この本の著者の島内先生が、私が毎週日曜の朝6時に聴いているNHK第2放送の古典講読で今年十数回にわたり放送されていたので興味を持って読みました。ラジオとこの本のコラボレーションでこの作者の人物関係や時代の背景がよくわかりました。古典もこのような本で勉強すると楽しめます。現在は和泉式部日記を放送されており本も発売になっているのでそちらお読もうと思っています。
涼

ラジオを聴いたのが、本購入のきっかけでした。 ナイス、ありがとうございました。

12/01 13:03
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アキ
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ちょうど今から1000年前の1020年から始まる日記文学を楽しめた。13歳から52歳まで「物語」に人生を魅せられ、翻弄され、人生の終盤を迎える菅原孝標娘。源氏物語はその当時の女性たちに絶大なる人気があったことが伺える。浮舟に憧れながら、当然ながらそんな人生が訪れることなく、物語にのみ自分の人生を費やしてきたことに後悔の念を記す。しかし彼女は人生全体を通じて、源氏物語の「もののあわれ」を感じることを示しているかのよう。島内景二氏による一章毎の解説は、元本である藤原定家版で定家本人への考察も含め興味深く読んだ
都わすれ

アキさん、ありがとうございます♡恐縮で汗が出ます💦私もアキさんの幅広い読書量に敬服しています。見習はなくては~!ちょうちょうさん❣とても可愛くて素敵な芸人さんでしたよね。蝶々さんのように可愛く歳を重ねたいものですね~(笑)nhkの古典講座の後半は和泉式部日記だそうなので、こちらも楽しみで、また本になって出版して欲しいですね。さて今日も蒸し暑そうです。午後の良い時間をお過ごしくださいね。

08/28 11:47
アキ

都わすれさん、失礼しました。笑っておさめて頂き助かります。さて、和泉式部日記!とっても興味があります。恋に生きた歌人としか知りませんが、是非楽しみに聞いてみたいと思います。いつも貴重な情報をありがとうございます!残暑暑すぎる近頃ですが、ご自愛下さいませ。

08/28 12:11
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竹香庵
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過去最大の本。すばらしい。私はこの本と残りの時間を過ごすのだろう。贅沢かとは思ったが書店でまっさらな本を買った。よかった。読了が惜しくなると思って、できるだけゆっくり読んだ。名前くらいあってよかろうと菅原孝子と命名して孝子の人生を共に歩みながら、理解を深められたと思う。それにしても著者の訳と評はすばらしい。現代の凡夫には、これでもかという程の掛詞や本歌取りの解説を付けねば、孝子の意図を十分に汲み取ることはできないのだ。他方、千年前の自国の言語が現代までつながる奇跡も喜びたい。和紙も墨もよくぞ残ってくれた。
竹香庵

装丁もすばらしい。表4の透かし文字風など、光にかざさねば真っ白にしか見えない。見事な印刷。見返しの凹凸感も。広告の袴すらもったいないほどの質感。拓本を思わすような古風なフォントもさらによし。無学にて存ぜぬが花鳥社刊とのこと。よくぞここまでと感謝申し上げたい。 発行所(株)花鳥社、装釘宗利淳一、組版江尻智行、印刷製本モリモト印刷、とのこと。著者島内景二の思うところあっての発注と想像するが、ここまで応えて作り上げた皆さん本当にどうもありがとうございます。大切に読ませていただきました。心意気が伝わってきました。

04/19 22:20
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