形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:徳間書店
やはり、他の患者とのエピソードが読後に心に残る。食堂でレポート書きに勤しむ著者にずけずけと話しかけてきた"オッチャン"に対し、ちょっと困ったところはあるけど憎めない人という感じで書いている。大学生くらいの視点だとそうなるだろうけど、オッチャンの年に近づいた私はわかる。あえて真剣にレポートを書く空気を壊すためにそうして話しかけたのだと。体に無理をかけてがんになったのだから、この期に及んでまだ体に鞭打つのかと、その言葉をそのまま言うと角が立つので、あえてピエロを演じながら、やんわりと伝えてくれたのだ。
今日、とあるyoutube動画で「8万円もする輸血パックを、治る見込みのない患者やふざけた態度の患者に湯水のごとく使いたくない。医療資源は限られている」という言葉を見て、本著のとあるエピソードを思い出した。けだるそうに山口雄也さんの輸血パックを扱う京大医生に叱責するシーンだ。けだるそうだった理由は、前記のようなことをこの医大生も考えていたからではないのかと思うと、一方的な善悪の話ではなく、立場の違いからくるアンビバレントな問題が浮かび上がってくるのだ。
彼の戦いと言葉の記録が気になり、検索しました。そして、彼の日々とご家族、支援されていた方々の言葉にふれました。母の闘病のあの時間を思い出しながら、時間が有限だと知った幼い自分のことも思いました。この青年の言葉に出会えてよかった。
病は人を選ばないし、何度も試練をあたえるし、恐ろしい存在です。 私に何かできることといえば、雄也さんがされていた活動をここでお知らせすることかなと思って書かせていただきました。
ぜんこうさんも色々と大変でしたよね。山口さん…残念でなりません。生きた証を少しでも残したいと読書メーターなどへのレビューが増えることを望んでいらっしゃったので、読んでいる方は多いと思いますが、もっとレビューが増えると良いですよね。本当に素晴らしい本をのこしてくれて感謝です。ご冥福をお祈りいたします。
この本だけ読んでたら、著者は今はどんな生き方をしるのだろ、と思うけど、現実は悲しいもんですね(T_T) 本当に本書は多くの人に読んでほしいですね。
そうそう、まさに戦友の女子寮みたいでした。看護士さんが疲れて顔色悪い時、みんなで出来ることは、やったり、他の患者さんのお世話しあったり。でも、だんだん私を置いていってしまうんですよね。優しい人に限って早い。私は優しくない?
みひなさん、そんな事ないよ(*´-`) みんな一人一人自分の人生を全うした結果ですから。時間の長さで人の命は測れないですし。遺される方も辛いし、先逝く方も辛いし…本当に辛いよね(;_;)
後日談。献血は以前から行っていたけど、これを機に骨髄バンクの登録もしました。自分のカラダで作られたものが誰かの助けになれるのなら…という思いです。
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やはり、他の患者とのエピソードが読後に心に残る。食堂でレポート書きに勤しむ著者にずけずけと話しかけてきた"オッチャン"に対し、ちょっと困ったところはあるけど憎めない人という感じで書いている。大学生くらいの視点だとそうなるだろうけど、オッチャンの年に近づいた私はわかる。あえて真剣にレポートを書く空気を壊すためにそうして話しかけたのだと。体に無理をかけてがんになったのだから、この期に及んでまだ体に鞭打つのかと、その言葉をそのまま言うと角が立つので、あえてピエロを演じながら、やんわりと伝えてくれたのだ。
今日、とあるyoutube動画で「8万円もする輸血パックを、治る見込みのない患者やふざけた態度の患者に湯水のごとく使いたくない。医療資源は限られている」という言葉を見て、本著のとあるエピソードを思い出した。けだるそうに山口雄也さんの輸血パックを扱う京大医生に叱責するシーンだ。けだるそうだった理由は、前記のようなことをこの医大生も考えていたからではないのかと思うと、一方的な善悪の話ではなく、立場の違いからくるアンビバレントな問題が浮かび上がってくるのだ。