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ヘーゼルの密書

感想・レビュー
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アタル
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日中和平工作の推進派と反対派、中国の諸勢力にアメリカの思惑も絡む複雑な力関係のなか、結局、和平はならずに日本は太平洋戦争へと向かうこととなってしまった。国家間の交渉が武器を使用しない戦争であることを、史実を踏まえて示した物語。当時の日中関係の歴史に明るくないため、読了までに時間を要した。
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みゃお
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史実に基づいた 物語。 もし この和平が、成っていたら…この世界は どんな色合いになっていたんだろう。 きっと この瞬間にも 必死になって和平を結ぼうとしている人たちがいるのでしょう。 どうか きれいな花が咲くことを願わずにいられない。
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ささ丸
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ネタバレ面白かった。勢力関係がややこしい。何度も頭の整理が必要で『破滅の王』より読むのに時間がかかった。今回も上海自然科学研究所の学者が協力者で、前作の登場人物が出ないかなと期待したけど残念。「榛ルート」が上手くいかないだろうことは最初からわかっているので、スミたちに感情移入して読み進めるほど続きが気になるのに読むのが怖いという複雑な心境に。彼らのその後が気になる。スミの夢が不穏で心配だけど、毅は無事に帰ってきてほしい。
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Junichi  Watanabe
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#読了 。戦時上海3部作その2。幻の日中和平工作に焦点を当てた物語。史実に基づいた構成で大変興味深い。歴史にifは無いけれど、これが実現していたらと読みながら何度も思った。
0255文字
モモサワ キヨコ
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3部作の2作目。読み始めてまず、主人公が女性だったことにびっくり。この手の話は男性が主人公が多い気がするから。『破滅の王』よりもやや平坦で読むのに時間がかかってしまった。
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めーてる
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日中和平工作をめぐる物語。様々な人物の思惑が交錯して、駆け引きや策謀があって、とにかく目が離せない。
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冬薔薇
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太平洋戦争開戦前、上海において今井大佐の桐工作、和平工作を支援する榛ルートの活動の物語。多くの機関がもっても四年、敗戦を予測する中、日本は開戦へと突っ走る。大使館一等書記官の黒月、森塚研究員、料理人周治、通訳のスミら民間人をメンバーに榛の極秘の工作が始まる。ヘーゼルの花言葉は和解と平和。キャラクターが良かったので面白く一気読みだった。
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かっぱ
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思ったより時間がかかった。決して読みにくくは無いのだけど、なんというか疲れるのね。悪意ではなく、基本的には善意なのに、悲劇ばかりが生まれる。
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そうたそ
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★★☆☆☆ 戦時の中国を描いた三部作の二作目にあたる作品。前作「破滅の王」は細菌兵器をテーマにしていたが、本作は当日日中の対立関係が激化する中、戦争を回避すべく、日中の和平工作に動いた人たちをテーマとしている。毎度の事ながら、こんな歴史事実があったとはという驚きに加え、史実に巧みにフィクションを交えるストーリーが素晴らしい。だが、非常に誠実に紡がれたストーリーだとは思うが、面白かったとは言い難い。近刊「上海灯蛾」の傑作ぶりに比べると、ストーリー展開としては幾分物足りないかな、と思う。
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まんだよつお
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戦時期上海三部作の第二弾。実際に行われていた日中和平工作を下敷きにしている。「外交」を扱っているため、地味な展開になってしまうのは仕方ないか? 「和平交渉とは、銃弾を対話に替えた戦いだ。直接目の前で人が死なないだけで、普通の戦争と何も変わらない」。気骨ある日本人外交官が人知れず活躍していたのは、戦後まもなくまでだったのだろう。
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ちょろ
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戦争を回避しつつ日本が成熟する道はなかったんだろうかと考えるのは止められない。わかっていても和平が成らないことが悔しくなる読了。改めて今も戦前も日本は交渉が下手だなあ…。というか上手な人が上に立てない国なのかな。相手の内情を理解しないで自分の目的を通すことは出来ないけど、結局相手を想像するにあたり、それぞれの主観で希望的観測が入ってしまうのが人間。やっぱり内政と外交のバランスを両方取って人道にも背かない政治なんて人類が滅びる頃になっても実現しないんだろうな。そろそろ上田さんのSF新作が読みたい。
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みゆう
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太平洋戦争を前に中国との和平交渉に奔走する話に圧倒される。フィクションとあるけど現実にあったような書き方にのめり込んでいく。そして日本と中国の人間模様も文化が違うゆえにすれ違う場面や筆者の考えを押し付けずうやむやに終わるのもリアルな世界のような。この時代は全然詳しくないし興味ももてなかったけど日中関係について語れるようになりたいと思えた一冊。
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おこめ
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叶わなかったことを知っている。けれど和平のために、両国とも身を投じた人たちがいたことを史実以上に知らされる。いつも、表舞台に出ることはなくとも、女たちの気高く美しいことよ。
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RIN
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SF出身の上田さんの近代歴史小説。何となくよく知らない日中事変後の和平工作がテーマ。現代に生きる我々は、太平洋戦争で戦争回避ができなかったのか?とか一刻も早く終戦に持ち込むことはできなかったとか簡単に言ってしまうが、紛争の処理とは当事国二国間の合意があってもうまく行かず、各々の国内情勢は勿論のこと、仲介と国益を御旗に介入してくる列強各国の思惑が強く反映してすんなりとはいかないものだと痛感。二段組300頁超で内容も濃い大作。結局、どちらに非があったとしても他国の領土に踏み入った方が社会的敗北というのが戦争。
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マムみかん(*ほぼ一言感想*)
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ネタバレ『破滅の王』に続く「戦時上海・3部作」の2作目。 今作にも実在した上海自然科学研究所の学者が登場するだけで、ストーリー的な繋がりはなし。 日中戦争回避のために、和平工作の手助けに奔走した民間人たちの物語。 フィクション仕立てで状況が理解しやすく、面白く読みました。 改変歴史小説ではないので、読者は工作が失敗することを知っています。 そこが読んでいて辛いところ。 でも、何度でも種をまき花を育て続け、実がなるのを信じることを止めてはいけませんね☆
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やぶやぶ
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★4 とても良かったです。上田さん、SF作品も素晴らしいですが、戦中の中国を舞台とした作品も素晴らしいです。
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雪乃
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【図書館本】とても面白かった。
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紫の煙
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太平洋戦争前の中国で、民間人ながら日中和平工作に命懸けで従事した人たちがいたのに、最悪の結果になったのが、歴史の事実。史実に沿いながらも、架空の人物でストーリーを膨らませ、とても面白かった。二段組で、なかなか手強かった。
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Mits
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この人はこの辺りの時代を書くのが一番いいなぁ 「破滅の王」も素晴らしかったし、これも名作。またSFの短編を書いてほしいとも思うけれどw
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びっぐすとん
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図書館本。盧溝橋事件から始まる日中、太平洋戦争への歴史は教科書ならわずか数ページだが、戦争へと傾く中でも必死に和平の道を模索した人達がいる。軍人、外交官だけでなく大陸で中国人と共に生きる民間人も国益や商売のためだけでなく、よき隣人であり続けようと奔走していたことに胸が熱くなる。しかし結果として日本は最悪の選択をした。これは今後も深く反省し続けるべきであり、二度とあってはならない過ちである。多数決は公平なようで誤った意見が主流となれば救いようのない最悪の手段だ。皆が生き残り、戦後活躍してくれたと祈りたい。
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sunao
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ネタバレ歴史もの。満州事変前後の歴史をどう動かすか、といった国家と人民の思惑が交錯する。かなり細かいできごとまで描写されていますけど、実際の事件に準じているんだろうな。知らないこと多い。読むのは結構大変だったので、他の本と並行読みしてた。で、やっぱりSFが読みたいなぁ。
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ハッピー
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【図書館】ダ・ヴィンチの新刊情報で気になった上田早夕里さん.盧溝橋事件とよび桐工作における日中和平工作の成果と過程に関与した今井武夫本人による著作と出会ったことによって生まれた1冊.昭和史だとすぐに流される中国との関係を深く掘り下げていて良かったです.二段組で疲れました笑
ハッピー

2021/96/1/図65

07/03 09:11
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Aki
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満州事変から日華事変最中の上海租界を舞台に、日中和平工作に奔走する人々を描く。戦時中の異国で文化対立や差別もある中でも、悲壮感ではなく朗らかに凛として生きていく姿が清々しく描かれる。対日中だけでなく欧米列強の思惑にも翻弄され結局は濁流の如く戦下へなだれ込むまでの、いくつもあったであろう実を結ばなかった和平工作。ラストに仄めかされているように、数十年後に花開くと信じて今出来ること精一杯行うことの気高さが印象に残った。圧倒的な世界観のSFジャンルから、全く別の面を見せてくれる筆者、さて次作は如何に?
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ASYURA
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一九三九年、上海。激化する日中の対立関係。新たな大戦へと着実に向かう中、それでも戦争を回避すべく、日中和平工作にすべてをかけた人々がいた――! 『破滅の王』の著者が描く、幻の和平交渉に光を当てた長編歴史小説。
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めー
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二段組かつ馴染みのない難しい題材ということで読み切れるか心配したが、なんとか読了。でもやっぱり難しかった。
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はどなみ
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今を生きる我々は"桐工作"の行く末を既に知っているわけだが、それでも少なくとも今ここに榛子の実は実っている。このまま榛子が実り続けるか……花を咲かせ続けることが未来の実りにつながってほしい
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ムジカンノ
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お、二段組みか・・と思ったものの、どんどん読める。文章が巧みで面白いからだろう。フィクション性は控えめで史実を丁寧に強く描いた作品だったと思う。_すごいドキュメンタリー映像を観たような読後感だ。
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うーさん
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(図書館)どこからだったのか、途中いきなりスイッチが入ってから、ぐんぐん読み進められた。結末が分かっている分、読んでいるとなんだかやりきれない気持ちにもなりました。
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山嵐電撃吹雪拳
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ネタバレ当時の大陸の雰囲気が伝わってくる描写は良かった。大陸の人々と日本人の愛憎入り雑じったドラマは緊張感があって良いが、タイトルにもなっている蒋介石への密書の件は終盤に少し出てくるだけ。和平工作もスミ、周治、黒月、双見と登場人物のそれぞれのエピソードの並走の中に埋もれてしまった感があって、メインのテーマから逸れた感じがした。 雨龍は好きになれなかったキャラだが、中盤で双見に語った「そのような国は、中央政府に逆らう者を罰するだけでなく、周囲の民族もすべて呑み込んでしまう」は、今や冗談と笑えないセリフだなと思う。
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takeapple
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結末はわかっている。日中和平が実現することなく、泥沼の全面戦争に突入し、日独伊三国同盟、太平洋戦争、やがて敗戦となること。日中両国に多大な犠牲者が出たこと。どう理屈をつけても日本が中国を侵略したこと、そこでたくさんの酷いことをしたことは動かせない事実である。それでも当時絶望的な状況でも日中和平に向けて動いていた人々がいたことも事実なんだろう。より困難な時代に進み、スミや毅、周治、春玲はどうなったのか、森塚先生は、黒月さんは、双見はどうなったのか読んで見たい。そして今こそ日中は平和な関係を築いていかんしと。
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jamko
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面白かったー!日中戦争直前のキナ臭い上海を舞台に極秘裏の和平交渉のため命を賭して働いた人々のスリリングな物語。愛国の精神という甘い響きに絡め取られやがて暴力をも引き受けていくキャラクターと、周囲との関係性をじっくりと描いたのは現代社会への警報か。リベラルを自認していただろう主役スミが、さる中国人との電話会談において満州についての考え方が根本から異なっていることを知り愕然とするあたりも本書の白眉。平和を必死に願いながら、そもそも平和を踏みにじったのは誰かという本質的な問いまで辿り着けない。→
jamko

→ 本書にも登場する実在の今井武雄陸軍大佐による和平工作が実現に至らなかったことは現代の私たちは知っている。それでも大勢に流されず冷静に状況を見極め、戦争回避という大義のために必死に生きた人たちのドラマは胸を打つよ。実際当時いくつものルートで和平工作が進められてたらしいし。著者による短い後記でここまでは史実、この部分はフィクション、このキャラはフィクションだけどこれこれの史実をベースにしてる、など説明してくれるのよいですね。参考文献一覧のリストを見てもかなり調べてあることがよくわかる。面白かったー!

05/17 22:26
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ごま
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歴史を学んでいるから、この和平工作は実を結ばなかったのだと知っている。ヘーゼルの花は散ったのだと。そのことが頭の片隅にある中で、本作を読み進めるのは苦しかった。関係者らがいかに心を砕き、命すら賭けても、止まることなく最悪の事態に突入していく。それでも、瀬戸際まで和平を結ぶために働きかけをしていた人々が立場、国を問わず居たのだと、それを垣間見ることができた。加藤陽子氏の「それでも日本は戦争を選んだ」を思い出しながら読み進めた。
ごま

偶然、ほぼ同時期のドイツを描いた「総統の子ら」を同時に読み進めていたので、しんどさ増し増しながら、より色んな角度で読めた気がする

05/16 14:52
0255文字
chuji
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久喜市立中央図書館の本。2021年1月初版。初出「小説宝石」2019年5月号~2020年8・9月合併号。太平洋戦争直前に実際に企画され、幻の和平工作を描いたフィクション。久しぶりの二段組で読み応え充分でした。
0255文字
空飛び猫
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開戦へと傾く世論の中、和平を模索し続けた彼ら 榛の花が散った今、果実は実ったのか
0255文字
fukuokakomachi
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「破滅の王」、「リラ…」に続いての歴史もの。 巻末の参考文献を見れば上田氏が歴史的事実を踏まえて綿密に構築した物語であることが分かる。 面白いかというと微妙。日中和平工作の結末は分かっている。ただ、その過程、そして関わった人物達がどうなるのかが知りたくてページをめくった。 だましだまされあいながらの彼らの活動はスパイにも似ているが、ジョーカーゲームや007のようにスタイリッシュなものではない。現実世界の工作員も本作のように泥臭く、時に血なまぐさかったのだろう。 現代の日本人への警鐘をも感じられた作品。
0255文字
ばんぶ
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難しかった···
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mike_sugino
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図書館で借りて読了。上田さんは新刊を中心に読んでますが、日中開戦前夜を舞台とした時代小説というのは初めて。巻末の参考文献を拝見するととてつもねぇ考察を凝らしていたのがしのばれるが、あっさりと開戦前の上海が描かれていてちょっと拍子抜け。ゴテゴテした描写は望んでないもののさりげなく馬賊の描写を入れてくれるとかサービスがあっても良かったかな。日本の重慶政府をターゲットととした和平交渉チームの苦闘を描いているが、料理などの記述でふと息が戻るのは上手い。
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紀梨香
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ネタバレ蒋介石との和平交渉に奔走する榛機関の人々。結末はわかっているので重い気持ちで読み進めましたが、周治と双見の極限状況での友情やスミの潔さに救われました。
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たくろー
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第二次大戦前夜の上海が舞台、幻の日中和平交渉を巡る歴史長編。激動の時代を必死に駆け抜ける、スミさんをはじめとする登場人物がみんな魅力的だった。史実を基にしているのでもちろん戦争の方向へ舵は切られていくが、なぜかさわやかな読後感で非常におもしろかった。それと「破滅の王」との微妙なリンクがちょっとうれしい。
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たこい☆きよし
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『破滅の王』からのスピンアウト的に上海に生きた日本人の物語を描く。今回は上海自然科学研究所は主舞台ではないが、背景としてゆるやかにつながる。史実の日中和平工作を下敷きに、榛(ヘーゼル)の名のもとに和平に関わった人々を描くポリティカル・フィクション。味わいはオーシャン・クロニクルの『深紅の碑文』に近い。本作単独なら虚構要素ありの歴史小説としても読めるが、本作と『破滅の王』が同じ時間軸であってもおかしくはない、かも?
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