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八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ (角川新書)

感想・レビュー
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KAT
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関係者のインタビューで浮き上がらせる天安門事件の真相とその後の人生。大学生たちのお祭り騒ぎに始まり、最後は国軍を動員して人民を殺すにまで至った。デモ側は、ここまでの事態になるとは誰も予想できていなかったことが窺われる。事件後、闘い続ける者は少数派。中心だった大学生の多くは、経済が発展するのであれば、独裁的な政治体制をも甘受し、安定した生活を選んだ。失敗のショックが大きく、変革への熱量が上がらない社会になってしまった。様々な立場の意見が並ぶ構成なので、読み終えた今でも、私の中で、事件がハッキリと像を結ばない
0255文字
Katsuto  Yoshinaga
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八九六四は、亡き近藤等則氏が”China Demonstration”と歌ったことで強く記憶に残っている…つもりだった。当該事件により先進各国は対中投資を引き揚げたが、92年からの外資誘致と事実上の市場経済実現により、「イデオロギーは嘘をつくが、カネは嘘をつかない」現代中国社会が生まれる。天安門と同列で、香港と台湾のデモが取り上げられ、かつての日本の学生運動との対比についても言及されている。中国(=中共、≠中華民国・香港行政府)においては、大多数が記憶に残っているつもりが大半のようである。(コメに続く)
Katsuto  Yoshinaga

この動乱は、”ピュアな若者”vs”汚い大人”という構図で始まり終始したデモは、「具体的に何を目指すかという共通認識に欠け、国民全体から見ればごく狭い範囲のエリートたちの内輪の盛り上がりにとどまり、ノンポリの一般庶民に理解を求めることを想定していなかった」。さらにしたたかな交渉戦略を否定し、落とし所が準備できていなかったと分析されている。これは香港そしてかつての日本のデモが成就できなかったことの理由と近似しているのではないか。台湾デモの成功例が書かれてえいることと併せて、政治状況を考えさせてくれた好著。

03/26 17:56
0255文字
Lilas
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新書なのでサクッと読めると思ったけれど読み応えがあった。特定の結論を導く内容ではないので感想は書きづらいのだけれど、個人的に中国面白レポの印象の強かった著者のイメージが変わりました。
0255文字
ぞろElwood
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★★★
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sakadonohito
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先日読んだ天安門事件の書籍と9割同じ。前作?執筆後の香港の変化を追加しただけのもの。そうとは知らず随分前に買ってしまっていたのだ。香港の雨傘運動その後の中共の締め付け強化と中心人物達のその後を天安門事件と重ねたのでしょう。香港返還後に生まれ育った若い人達の方が香港人アイデンティティが強い傾向にあるようで驚いた。奪われたが故に自覚的になったのだろうか?
0255文字
サケ太
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ちょっとびっくりした読書体験。天安門事件についてはどういったものか、どういう細かい意図があるかも知らなかった。「なんとなく」「ふんわり」と知っているだけだったので、インタビュー形式でその実像、本人たちの中での消化、現在への影響について知る事が出来たのは大きい。
KF

初めまして。 私のアカウントの画像が天安門事件の際のニュース動画です。 今の習近平一派の時代と比較して「まだかなりマシだった」時代なのですが、 北京の広場に民衆が集い、排除しようと「人民軍」を投入したのが中国共産党でした。戦車で人民を追っ払おうとしたわけですが、立ちはだかったのがこの画像の人民でした。丸腰で片手に荷物を持っています。それでも立ちはだかりました。今ならこの画像、動画は封印かもしれません。今の大陸の人民はこれを見ても「何それ?」ととぼけます。「八九六四」の数字についても反応しないはずです。

09/14 23:04
0255文字
河イルカ
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天安門事件に関わった様々な人々のインタビュー。 無名の参加者から学生運動のリーダー、取り締まる側の警察学校の生徒、はては偶然乗り合わせたタクシー運転手にまで取材するなど、著者のバイタリティに感服する。 天安門事件はただの学生運動位の認識だったが、義和団事件や日中戦争、文革と並ぶ壊滅的な動乱だと知ってとても驚いた。 時代も下り、習近平以降の監視が厳しくなった中国では、今後このような本は出せないだろう。貴重な本だと思う。
0255文字
つんたお
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1989年の天安門事件の当事者に対するインタビューをまとめたもの。ウアルカイシのような著名人から名もなき市井の人まで様々な人の声が拾われている。「天安門事件」は現代中国を語る上でのターニングポイントとなる事件だと思うが、中国国内の情報統制のため、今の若い世代の中国人の中にはこの事件のことを知らない人も多い。著者もあとがきで書いているように、言論に対する監視が厳しくなっている中国では、今後このような取材を行うのは不可能に近いだろう。そういう意味でも、読めてよかったと思う貴重な一冊。
つんたお

完全版には香港の民主化運動への記載もある。日本語が堪能な民主化運動のリーダー周庭は収監され、最終的にカナダへと居を移すことになった。香港の若い人の胸の内、そして香港の将来を思うと、とても辛い気持ちになる。

08/10 16:10
0255文字
モルデハイ・ヴァヌヌ
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中華圏のすべての民主活動家に連帯を示したい。 いつか中共と戦果を交えることになっても日本人として彼らの存在を忘れてしまわないように心がけたい。 そのような日が来ませんように。
0255文字
Kano Ts
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「三体」を読んで文化大革命を知りたくて調べて手に取った。どこで調べ間違えたか「天安門事件」の本だったが面白い。30代の自分にとって既に歴史としてしか見られないこの事件だが、より事件に近い中国や台湾、香港で生きる人たちにとっても歴史になり始めているのだと感じた。著者の目線こそしっかり入っているが、様々な人の天安門事件への歴史になる前の過去の話をしっかりと聞くことが出来たのは面白かった。歴史って何か明確な意図があって作られた様に書かれるけど、自然発生的・偶発的なことも多いよね。
0255文字
KF
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この所、外国史に関する本を数冊読んだ。 今回は1989年の中共。この時代だと最早最近の部類。 東独も同様。 越南戦争となると「親世代に聞けば知ってるかもね」で、満洲となると「祖父母でわかるかなぁ」で、渤海となると「専門の先生に聞かんと」ですね。 2018年初版のこの本でも全体に「忘れ去られているか、共産党に消し去られているんだろうな」と思うし、著者もそう書く。 最近の香港の報道でもこの五年で八九六四に関わる集会や演説もまばらと。 初版から時間も経ち反中共の空気も強くなった。 でも変わらんよ、と読み終えた。
KF

初版が18年5月、感想の投稿は21年からで40件。構えて読むと拍子抜けする感じかな、と思ったが、それが書き方による物ではなく、事実と時間の経過なんだろうと思った。私は中共を全くもって支持しておらず、著者が所々で「廣東語も英語も避けよう」「臺灣は訛りがきつい、北京話は美しい」と印象に残る記載は断固否定したかったし、書く必要があるのか?と思った。ついでですが、そして今はどうか分かりませんが、私が臺灣で購入した「中華民國全図」には北京という都市は無く北平が存在します。京は存在しない建前です。

06/17 23:54
KF

更に追記。本を開くと最初にカラー写真が数頁。89年の天安門に関わる光景ですが、今見ると「この範囲まで自由があったんだなぁ」と感じます。昨年、習近平が前例の無い三期目に就くことになった際の中共の方々の動きとしては白紙の紙を掲げるという世界ではなかなか見られない行動でした。30年の時間を経て更に庶民と共産党の距離は開いたのでしょう。今は更に開き、遠からず今の北朝鮮人のような暮らしに進むのでしょうかね。

06/18 01:43
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chang-3
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1989年天安門事件に関与した人々による貴重な歴史的証言。共産中国より何となく西側諸国の方が良さそうだぐらいの学生の軽いノリと若者の有り余ったやり場のないエネルギーがあの悲劇を招いた。その後の経済発展は人民に富をもたらし、国家に反発するエネルギーは雲散霧消してしまった。そこには市民がその手で国家を運営していこうとする民主主義の基本的発想はなかった。国家体制は異なるが、経済的繁栄と市民の政治的無関心がコインの裏表のように併存する現代中国の実像に、日本との相似性を垣間見る思い。
0255文字
韓信
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無名の学生から王丹まで、六四天安門事件に関わり、人生が激変してしまった人々にフォーカスした大宅・城山賞W受賞の傑作ルポ。中国の民主化の限界、若者の天安門離れ、香港・台湾への影響など、立場や世代の異なる人々への取材から事件を多角的に描き出す一方、転向者から過去を引きずり続ける者まで、群像劇としても読み応えがある(無責任な感想だが)。個人的にはジャームッシュの映画か魯迅の小説のようなマー運転手の物語が印象深かった。運動参加者の士庶の別意識など、いつもの著者らしく中国史の素養に裏打ちされた内容はハイクオリティ。
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のりたま
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kindleunlimited 社会を良い方向に変えるべく運動に身を投じる士大夫意識と、運動から脱落していく大きな理由である孝弟の道徳、その狭間で惑うのが非常に中国的だ。徐尚文のエピソードですれ違う通行人が「今晩鎮圧」と書いた紙切れを鞄やポケットに入れてくるという話が映画の一場面のよう。5月15日の北京大学のデモに90歳を超えた五四運動の生き残りがいたという。自分の頭で考えるといった意味の「有思想」という言葉がある。柴玲氏のインタビューも読みたかった。石平氏はXでしか知らなかったので驚き、興味が湧いた。
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日・月
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六四天安門事件は2019年の香港デモにどう影響したのか。六四事件に携わった者、傍観した者、生まれてから知った者が、現在この事件をどう見るのか、中国・香港・台湾・日本在住の数十名を取材したルポ。民主化と個人の明日の生活が別問題に考えられるのか、香港でも六四事件は、総じて若者の興味関心の対象から外れていく傾向のようだ。六四事件かつての指導者王丹への取材からも、「過去の牢獄」から語り続ける彼の使命感は感じるものの展望が見えないと筆者は感じている。それでも、これからも生きる人々に、筆者と同様エールを送りたい。
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jntdsn13
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第二次天安門事件に関与した人々に対する2012年頃のインタビュー集で、当時の体験談と「いま」からみた中国の民主化と当時への振りかえりを問う。若さと熱意だけで悲劇的結末に至った「あの」事件を幸運にも乗り切ってしまったという事実が、一生彼らにとりつき続ける一方で、中国経済が無類の発展をし、多くの経験者には子供もできる中に実に様々な距離感とスタンスがあることを示す傑作と思う。ただ、無責任な民主化言説への著者の否定的過剰は首肯できるものの、自由という価値をバーターに出来るかにはなお慎重でありたいとも思う。
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ちゅんさん
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天安門事件について何も知らなかったので勉強になった。「中国の民主化などファンタジーだ」、「中国は4000年の歴史を経ても何も変わりはしなかった。〜アヘン戦争、日清戦争、国共内戦、文化大革命を経ても変わらなかった。中国に民主主義が根付くなんていう意見はジョークとしか思えない。」私もそう思う。
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大泉
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天安門事件とかかわりのあった活動家や市井の人々に聞き取りを行い、事件がいかにその人生に影響を与えたか、そして中国社会にとってどのような意味を持つ出来事であったかを探る。当時、主導的な立場にあった学生の聞き取りなど、かなり資料的価値が高いのではないか。果たせなかった世直しの夢は、香港の運動でも夢まぼろしと終わり、中国の体制変革の兆しは遠い…と感じずにはいられません。
0255文字
sa10b52
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日本にいれば天安門事件の評価なんて大体決まっているものだけど、それに中から携わった人たちからすると違う地平が見える。そんな当たり前だけど意外と気づかけないことに気づく本。意外と軽いノリの学生もいたりと当時の雰囲気も教科書からだけではわからないもの。
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バーニング
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アンリミテッド期間に乗り遅れたので紙で買って読んだがなかなか面白い一冊。25年以上経った後の8964をレビューしながら、30年後の香港取材で落とす構成は非常に現代的で、25年〜30年という時間の経過を否応なく認識させられる。多くはネガティブな意味で。
0255文字
ねっそ
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キンドルアンリミテッド。 天安門事件関係者のインタビュー、最近の香港のデモ関係者のインタビュー。 天安門について何も知らなかったが、背景やどういう人が活動してたか知れた。 中国の特殊性や時代は繰り返す(天安門と香港)ことを再認識できた。 天安門のときに活動していた人にも共産党側に付いてエリートで裕福になる人間がいれば今も信念を持っているが迫害されて仕事にすらつけない人間もいる。 理想を掲げるのも大事だけど声を上げているだけでは実現できない。戦略が大事なのかなと思った。会社変えたいなら自分が偉くなるとか。
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ボンタンパンチ
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6月4日に起きた天安門事件によって終わらされた1989年の中国民主化運動。その渦中にいた人々、あるいはいなかった人々数十名に取材を行い、事件がどのように受け止められているのかを描く。読む前から十分予想してはいたが、やはり重苦しい気分にならざるを得ない。参加者の大半はさっさと足を洗い、今なお民主化を諦めていない一部の人々も有効な手段は見出だせない。香港デモも取り上げられているが、これも結果的には失敗に終わった運動である。紹介される人々の姿は生き生きとしており興味深く読めるが、閉塞感も強く感じる書物だ。
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デューク
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八九六四、すなわち1989年6月4日に起こった、天安門事件の真の姿を追ったルポルタージュ。 現代中国の最大のタブーである、天安門事件。中国国内では「六四」と検索できないとも、LINE乗っ取り犯に「天安門事件」と送ると黙るとも言われ、様々な憶測や陰謀論までもが飛び交っている。この事件を巡り、筆者は有名無名、老若男女、居住地を問わず、60名以上への取材を行った。そこから朧げに見えてきた、天安門事件とは。群盲象を撫でるの言葉通り、多くの証言から天安門事件の輪郭を浮かび上がらせる名著。おすすめ
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せい
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再読(再読したのは昨年)+新章追加分読了。めちゃ好きな本。じ、人生〜〜〜!となる。学生時代に関わったことを後悔する現代中国エリートのおっさんから大人になってから天安門事件を知って共感し、無邪気にネットに政府批判を書き込んでピンチに陥る現代田舎のおっさん、元リーダーそれぞれのおっさんなど、様々なおっさん(一部おばさん)が登場。それに加えて台湾のひまわり学連やこの前の香港の抗議運動など、昨今の運動に天安門の失敗がどう受け継がれているかの話もあり、一筋縄ではいかない中国・台湾・香港の人々の顔を知ることができる。
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かなり悪いオヤジ
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元デモ参加者で知識階級に属する人たちからは、「振り返ればひたすら戦争と独裁を繰り返してきた中国5千年の歴史においてむしろ習近平独裁政権体制の方があっているのではないか」なんて超日和見な意見まで飛び出す始末。おそらく筆者が好意をよせる、純粋な気持ちでデモに参加した連中は、似非運動家の口車にのせられ人生を棒にふっただけなのである。革命のカリスマことチェ・ゲバラは大衆の無知に嫌気がしてキューバを去ったと伝えられているが、高尚な思想など貧乏人にとっては所詮どうでもいいことなのだ。
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すいどん
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天安門事件に参加していた人たちのインタビューによって当時の状況、そして今何を思っているかを紐解く。 驚きは当事者のほとんどは参加したことを後悔しているなど、マイナスに捉えている人が多かったこと。ネットでは伝説のようになっている印象があったので、興味深かった。 放棄ることをしなければ奇妙な形で報われることもある、と文中にあるが、そのための辛さという代償は大きいと感じた。 また最近の香港デモのレポートやインタビュー、天安門事件を通した筆者なりのデモの所見は今香港に住んでいる自分にとっては面白い内容だった。
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kinkin
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「天安門事件」から30年が過ぎた・仕事先で会社の方と雑談をしているときこのニュースが流れた・「自国民に銃を向ける国なんて・・」という言葉が洩れた。しかし読んでゆくうちにあの事件のことはもう遥か彼方という当時活動していた人々からうかがえた。日本の学生運動もあれから50年以上経てばもう活動していた方も高齢だ。それが話題になることはほとんどなくなった。結局大きな歴史の流れに飲み込まれる歴史の1ページなんだな。習政権の思うがまま、人民共和国の名をそろそろ返上したらよいのに。図書館本
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タイガーとらじろう
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この国の歴史は「繰り返す」ということがよくわかる。
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ガンジス川沐浴子
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力作。天安門事件について色んな人にインタビュー。プラス香港を加筆。 戦車に轢かれた人が肉味噌のようになったり、キャタピラーから救出された青年の片足切断とか、たまにグロかった。インターネット掲示板で得意になって伸び伸びと国の悪口を書いていたら公安に目つけられて仕事を無くし国を追われ無理矢理帰国させられな話が衝撃的だった。
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ryo
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6月4日、天安門事件の犠牲者の凄まじい写真を見て、すぐに「事件」について知りたいと思い購入。事件というよりも関係者のその後がわかる本書なので、些か不完全燃焼感は否めない。しかし、改めて中国、というか他国の事情はこうも違うのかと思える。「民主化」とは本当に正しいのか、全ての国家に妥当するのか、自由民主主義の国で生まれた私にとって、根幹から捻じ曲げられるような言説。暴動、戦乱、革命...様々な災禍が押し寄せてくるこの国家にとって、民主化という理想が妥当するのか、悩ましい。
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Francis
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33年目の6月4日に読了。六四天安門事件を主導した学生たちとほぼ同じ年齢の自分にとってこの事件は忘れられない事件であり、アムネスティ・インターナショナルに参加するきっかけになった事件でもある。当時の指導者王丹、ウアルカイシ両氏を含む多くの関係者へのインタビューを通して天安門事件の性格がようやく理解できた。どうして中国民主化運動は上手く行かなったかも良く理解できた。王丹さんには2012年の初来日時にお会いしたが、王さんが台湾のひまわり学連運動に多少なりとも影響を与える事が出来た事は素直に喜びたい。
Francis

2012年王丹さんに会いましたが、これはアムネスティ・インターナショナルによる集会での出来事で会話も交わさず、握手しただけです。しかし私にとっても意義ある出会いでした。

06/04 12:16
0255文字
さな
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大宅賞受賞作が新書になり、しかも直近の香港デモの章が加筆され、かなりのお買い得感。読後も印象は変わらない。天安門事件に関わった人のその後から考えると、香港デモ関係者の未来も明るくはなく、胸が痛む。 中国当局は影響力のある活動家には暴力を振るわないが、庶民には何でもするという話が、一種のライフハックとして心に残った。ロシアもそんな感じなのかな。とにかく姜野飛が気の毒だ。
0255文字
glaciers courtesy
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大宅壮一賞、城山三郎賞をダブル受賞ということで、ヒリヒリするような迫真のドキュメントかと想像していたが、どちらかと言えば、火事現場の現場検証というか、恐竜の化石の再構築作業を思わせる、隔靴掻痒の感のあるレポートではある。しかし、これが天安門事件のリアルであり、現在地なのだろう。我々が当たり前のように享受している民主主義はそれほど普遍的なものではないし、しかも歴史のごく浅い政治体制なのだということを痛感するのだ。中国の成長を考えると、民主主義は国家の経済成長、即ち最大多数の最大幸福には必須ではないのだろう。
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バズリクソンズ
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天安門事件を知る上では、不十分なテキストであると思ったのが率直な感想。著者自身が当時の事件のデモ参加者の重要参考人に直接取材してまとめた本であるが、取材当時で25年の月日が経過しており、また当事者達の当時の熱量自体が真剣に民主化を訴えての活動とは言えない様な内容であり(中には少数、今でも民主化活動家は紹介されているが)事実を記載している事には疑う余地はなかったが、著書として販売目的でまとめあげるのであれば、もう少し著者自身が盛り上げる様な内容で書き上げれなかったのか?と思う内容で、非常に勿体ない印象でした
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Hatann
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1989年の天安門事件に関与又は目撃した様々な人々に、当時と現在についてのインタビューを取り纏め、天安門事件の意味を探り、完全版では30年後に生じた香港デモとの連関を考察する。天安門事件は、民主化という看板を掲げつつも、庶民と隔絶した知識人の知識人による知識人のための運動としての面を有する。当時の若者は、中国の経済発展を横目に、過去を忌避するもの、思いを持ち続けるものに分かれた。台湾のひまわり運動が個別具体的な目標を掲げて見事に撤収したのに対し、香港デモは徹底した社会の分断をもたらす結果となったと評価。
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カモメ
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とても読み応えがあり、様々な角度や時間軸を通して天安門事件を考えることができた。鎮圧前の5月中旬まではお祭りムードを漂わせており、当事は学生運動はタブーではなく好ましい風潮があった。民主化というより知識人の自由の為の運動だったとも言われる。鎮圧前、コンテナ冷蔵庫を置き、臨時の死体置き場を手配していたというのはゾッとした。鎮圧後、若者の間に無力感が広がり自分の生き残りだけを考える風潮が高まっていった。香港における天安門追悼運動は反中国を表している。現在はネット使用で陰謀論などもあり、運動の変化が見られる。
0255文字
Juncito
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2021年 ★3.5 天安門事件後日談という感じ。民主化、人権蹂躙でしか報じられない現代中国の裏側を描いた。
0255文字
60代でも思春期
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1989年6月4日、現代中国ではタブーとされている天安門事件が起こった。あの時から中国全土で民主化の声をあげた数百万人の若者はどこに行ったのか?中国、香港、台湾、日本で60名以上を取材し、記したルポルタージュ。習近平体制の締め付けが強まる今、もうこんな取材は不可能だという。民主化運動は完全に腰砕けとなり、なりを潜めてしまった。中国の膨張主義が周辺国に脅威を与える今、天安門事件の真相を知ることは重要だ。現代中国の暴走の起点がそこにある。
0255文字
史
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なぜそうなったのか、そうなってしまったのか。そこに到るまでの話と、その後の話。現実とフィクションの違いは、どんなことにも後があるということで、これはその後に生きてしまった人々の肉声である。それは呪いとか呪縛とかで片付けてしまいたい程に、人の内側に残り続けたままなのだろう。
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八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ (角川新書)評価93感想・レビュー52