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彼岸花が咲く島

感想・レビュー
731

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ならむしん
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面白かった。こういう外界が不明な、閉ざされた空間の物語が好物なので楽しく読めた。色々と曖昧だったりぼかされているのに骨組み自体は整然としていて伏線が回収されてゆく感じが気持ち良かった。真相が明かされるところは、もうちょっと堀が深くても良かった気もするし、逆にこのくらいの浅さで良かった気もする。そんな2つの心がある。
0255文字
げん
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独特の文化、生活を持つ島のお話し。中国語と日本語が混ざったような言語が使われていて、沖縄の離島の設定なのだろうか。新鮮で面白かった。
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かんな
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ある島に流れ着いた少女が、島で暮らして行く条件として歴史や言葉を学んで行く。なぜ島では女が主導権を握るのか、という謎は最後の方で明かされるが、今の世界情勢を思うとその理由になるほどと思う。女が虐げられて来た歴史や男と女が交わす契り等、今も根底は大して変わっていないのかもしれない。全体的に引き込まれる文章で一気に読み終えた。面白かった。
0255文字
昔々…が好き
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島に流れついた少女。記憶を無くしている。助けてくれた少女と一緒に暮らし、心も体も癒えていく。島を守る神職の女達。ニライカナイ…。島の言葉が、余計理解しにくくさせる。そして島の歴史が明かされるのだが。今の世界のいろいろな問題が、込められた小説だと思った。何が正しいのかわからない。でも、先のことを考えずに、生きる方がいいかもと、思った。
0255文字
HH
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全体的にファンタジー要素が強いものの、後半になるにつれ物語が現代や歴史と結びつきながら展開していく。これといって新しさや斬新さを感じるともはないけれど、独特の空気を含んだ文体が俊逸。芥川賞らしくもあり、らしくはない、絶妙な手触りを持った小説だと感じた。
0255文字
neimu
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流し読み。SF小説なのだろうか。小中の頃に読んだジュブナイル小説の雰囲気に近いので、言葉の問題や歴史的な側面よりも、一見穏やかに見えるデストピアを下敷きに感じてしまった。システムは攻撃に使われるのか、防御に使われるのか。守るもののために知らせない、秘技、秘密、通過儀礼にするというのはよくあることだ。この作品が受賞する意味はともかく、隣国だけでなく、世界中がきな臭い今、女の平和がどれだけ有効手段になるのだろう? 余計なものに蓋をして、いつまで生き延びられるのだろう? そんなことを考えた。
0255文字
はちゑ
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島の壮大な自然や風習をコンパクトにまとめた作品。設定の細かさはもちろんのこと、日本語とも中国語とも明確に表せない曖昧な言語を作り上げたことが興味深かったです。中国語を少し齧った身として、このニホン語はこんな意味かな?と主人公と共に解いていくのが楽しく、この言語の起源まで知れてすっきりしました。
0255文字
ヴェネツィア
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第165回芥川賞受賞作。物語の舞台は御嶽とノロの存在から、明らかに沖縄(琉球)が強く意識されている。巻末の参考文献からすると与那国が直接のモデルのようだが、もちろんそこにフィクションが加えられていることは言うまでもない。その最大のものは、歴史伝承と祭祀に携わるのが女に限定されていることである。それは、男たちの戦い史観からの脱却を図ったが故であったが、やや図式的に過ぎるかと思われる。一方、象徴的な働きを担うのが彼岸花であるが、こちらはそれなりに有効に機能しているようである。⇒
ヴェネツィア

⇒作者の李琴峰は台湾出身で現在は日本在住のようだが、母語は中国語である。本作はもちろん日本語で書かれているのだが、彼女にとっての外国語で小説を書き、しかもそれが高い水準にあるのはすごいことだと思う。中国出身の芥川賞作家では楊逸(ヤンイー。彼女も母語は中国語)の先例もあるが、日本語、日本文学がグローバルになることもまた喜ばしい。ただ、そうではあるのだが、本作が芥川賞に相応しいかと言えば、私はその点に関してはあまり賛同できない。

12/17 14:31
0255文字
さむをか
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ネタバレ離島に流れ着いた記憶喪失の少女。「島に残るなら島民らしく振舞え」と長老に言われた少女は、島の言語や生活を学んでいく。■芥川賞らしくない児童文学のような作品。フェミニズム的な問題提起が評価されたのかな?■オチも予想とほぼ違わず拍子抜け。小学生の情操教育にはよい作品だと思う(言葉通りの意味です)。
0255文字
ももや
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うーん、最後の大ノロの歴史語りによる種明かし、必要か?種明かしがなければファンタジーだったのに、なんだか巧妙に仕掛けられた罠に落ちた気分。ああ、まともな感想が出てこない。すごすご退散だ。すごすごすごすご
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まっさん
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ネタバレ「島」の映像が目に浮かぶような巧みな描写。平和だけどなにか謎が隠されている島の背景が気になってしまう。仮に作者の理想がこの極端なしきたりの「島」なのだとしたらかなりの現代社会批判的な作品である。 男性中心の歴史と権力。ナショナリズム。民族主義。己の主義を強制するための暴力の使用。血縁に基づく権力闘争や既得権益争い。地位はあるのに責任を果たさない指導者。そもそも資本主義への批判? 上記に当てはまる価値観を強く持つ人は読むのがツラくなるかもしれないね…
まっさん

固定観念的なジェンダーを批判したいんだろうなと思いつつ男性の暴力性の過度な強調。作者のバックグラウンドを考えると「なるほど」と思いつつもそこまでやるか?って気もする。

11/25 20:56
0255文字
OMO
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面白さ:△   興味:○   読みやすさ:○   新鮮さ:○   文学的云々:△
0255文字
ミヤ
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少女が独特の文化が営まれる島で生きていくお話。就中個性的なのは言語で島の言葉とは別に女性だけが使える言語があり、島の歴史が段々と明かされていくわくわく感を常に感じながらページを繰りました。主人公の宇実は記憶喪失であり島の文化が新鮮に映るので読者も彼女の視線で楽しめるのは今作の妙である。 そして明かされる島の過去。著者の思想が出ているのは否めないが、それでも面白い。そこが思想にまみれた凡百の説教くさい小説とは一線を画す。単純に男憎しに終始せず、男女共存の道を探ろうという落とし所があり、読後感も良かったです。
0255文字
Mark.jr
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SFに分類できそうな異文化の描写に、女性と男性の立場を反転させたフェミニズム思想。そして、それにも負けないくらい濃い百合描写。基本保守的な芥川賞ではかなり珍しい毛色の作品と言えますが。短編作品というより、続きの書かれていない長編の第一章みたいな感じは、やっぱり芥川賞っぽいです。
0255文字
モリータ
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ネタバレ◆初出2021年3月号『文學界』、単行本(本書)は同年6月文藝春秋刊。◆近未来の言語(日本語)小説としてはおもしろいと思った。漢語を排除して(でも英語系外来語はOKで)でっち上げた「ひのもとことば」や、文中会話文の日中クレオール「ニホン語」は、いろいろちゃんと考えられていると思う。一方、ディストピア/ユートピアの政治・経済・テクノロジー面の描写が、リアルでないか簡略的なので、そこは乗っていけない。
0255文字
星菫
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ファンタジー風味だけど現代日本への鋭い視線を感じるわ。
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ウミウサギ。
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ネタバレ最初は現代ファンタジーかなと思ったけれども、読んでいくにつれ「もしかしたら日本のコロナ禍のパラレルワールドかもしれない、数百年後にこの島は実際にあるのかもしれない」という妙なリアリティを感じた。女が歴史や政治を担い、男はそれらができないという現代とは全く真逆の方法でのジェンダー論を描いていた。最後は、未来に希望があるような終わり方でとてもよかった。この作者の他の作品も読んでみたい。
0255文字
温室
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ネタバレ★★★★☆最後二人の選択はよかったと思う。もしずっとそのままだとしたら、男性たちの反感買ってしまう。
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cokiedounuts
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(れ6㉟)記憶を失って島に流れ着いた少女が、その島で生活していきながら、自分の過去と、人の歴史に向き合うファンタジー。歴史とは、戦い、競争、殺し合い、の中で男が作ってきた。そのため、この島では女が「歴史」を秘密化し、女だけが学ぶことのできる「女語」という言葉だけで「継承するもの」にし、男を歴史から排除した。いまも歴史に名が残るのは、確かに男ばかりだ。人間同士の戦いは、正義のための戦いなど「生きるため」以外殺し合いをしてきたのは事実だ。
cokiedounuts

子を育て親が成人したら面倒見る、とか、成人したら家を1個もらい誰と住んでも自由みたいな、この島の独特の文化面も面白かった。

09/21 12:31
0255文字
ちーちゃん
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ネタバレ☆3.5 前半、島の人が話す、言葉が難解で、中国語と昔の日本語と現代の日本語混じった会話文で、頭が爆発しそうでしたが、設定を理解し、なぜ、そういうことになったか、を物語の進行とともに明らかになっていく過程、その謎解き部分が、興味深く、「もしかしたらあり得る未来物語」かもしれない、と思うと、ぞっとした。 女性しか政治できないという特権性を、いつ男性が覆しに来るかわからないので、その過去の歴史を男に教えないで島の伝統を女だけで引き継ぐべし、という歪な思想もいつか破綻しそうだし…
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読書記録(2018/10~)
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ネタバレ台湾生まれの日中翻訳者という著者ならではの言語世界。次第に慣れてくると物語に集中できる。この架空の島(参考文献からも、与那国島がモデルか)は、ユートピアというべきかディストピアというべきか? この類の物語は、自分が筋金入りの男嫌いであることを感じさせられる。オープンエンドな物語は、中途半端な印象もあるが、希望のある終わり方でもある。島の歴史を知ることができるのは選ばれた女性ノロたちだけだが、歴史を知るというのはこんなにも重責を追うことなのか。
0255文字
湖都
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ネタバレ不思議な世界観。日本と沖縄と中国が混ざったような言語と文化を持つ小さな島へ流れ着いた、記憶を無くした少女。彼女が、女性に特権が与えられた島の歴史と秘密に触れていく物語。時代背景もよくわからなかったが、車や完全防水の雨合羽も出てくることから、そう過去ではないことがわかる。むしろディストピアものなのか。女性だから、男性だから、という差別に縛られることなく自分の生き方を選択できたら良いと思う。歴史や伝統との折り合いをどうつけていくのが正解なのだろう。近い未来に答えはある気がする。
0255文字
しのぶ
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〈ニホン語〉と〈女語〉、二つの言語が話され、白い服装のノロたちが指導者であり、歴史の担い手でもある島に漂着した少女と、島の人々との物語。おもしろかったー。ディストピア風ではあるけれど、ここからの未来を夢見たい気持ちにさせてくれる。モデルになっているらしい与那国島にも行ってみたくなりました。
0255文字
skr-shower
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他地区図書館本。昔描かれていたアマゾネスな社会は、やはり男目線なのだ…
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おもち
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ネタバレ男尊女卑や歴史について考えさせられる一冊。生活のために麻薬とも思える彼岸花を貿易として輸出する…。島の人達が平等に平和に生きるためには必要なことなのか。正解はないのかもしれない。
0255文字
Sosseki
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戦争や殺戮を繰り返す男社会の日本から、追放された人々が住む島では、女のみが歴史を知り、島民の生命線である交易を担う。そこに日本からの追放された少女が流れ着く。助けた少女と、島民達との交流や、支配層を目指す姿、島の歴史を知った二人の少女の決断を描く。実際、女が政治家だったら、戦争は今ほど起こらないと信じる。女達よ、もっと政界に…?
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はじめ
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ラストがすごくよかった 希望だ
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Fan Marlen
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フェミニズム×ユートピア×言語系SFという新しいジャンルを開拓した意欲作。それぞれのモチーフは尖っているが、舞台設定が巧みであり、自然に読ませる。謎解きもしっかり用意されており満足度が高い。最後はやや尻切れ感があり、もっと主人公や島の人々の「その後」の話を読みたかった。
0255文字
紫陽花
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ネタバレすごい本を読んだ…と、読み終わった時思わずため息をついてしまった。外国人、性別、言葉、それぞれが絡み合い話が進んでいく。女性しかノロになれない歴史を知った時、ああ、今の世界だ、と思って暗澹たる気持ちになる。かといって、女性だけが首長になる世界もまた偏っていると思うし…。希望を感じさせるところで終わるのがまた、いいなと思う。この島が、まさに「ニライカナイ」のような理想的な社会になってほしいな、と思った。
0255文字
ふう
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ネタバレ初読なのになぜか既視感。男たちが絶滅寸前になって初めて女主導の世界が開かれていく。鎖国状態という極めて特殊な設定は現実の情報社会の中では破綻する。種明かしでやっぱり〜となんとなくがっかりしてしまった。破綻前夜のような終局だと思った。
0255文字
優希
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ジェンダーについて考えさせられます。男女が違う言葉を学ぶことは男尊女卑のような気がしてなりませんでした。
0255文字
koyomi
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物語に没入できなかった。残念ながら。芥川賞作品。
0255文字
sau
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惹き込まれた。 半分知ってる世界で半分知らない世界。 与那国島にも久部良バリという崖があったことを思い出す。 とても平和に暮らしている島だけれども、男性にはなれない職業や、制限がある。その根底が私たちの住む今の世界と交わっていく感じがあり、すいすい読んでしまった。 2024/07/15
0255文字
タンタン
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☆☆☆☆☆★★★★第165回 芥川賞。こういう男尊女卑 批判の内容が賞を取るというのは とても価値があると思う。 納得の芥川賞。逆男尊女卑、 シスターフッド 、百合。台湾、中国、日本問題、海外から見た日本。私たちって権力者の都合の悪い情報を隠されて生活しているんだろうなと思った。いやー 児童文学書のようだがなかなか深い内容だったなぁ。
0255文字
sodium hydride
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ネタバレ本当にネタバレ注意です。→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→時間や場所が最終近くで明かされるのはSF仕立てで面白かった。ただ伝えたい内容には共感するが寓話としてはいまひとつだと思った。芥川賞の選評では平野さんと山田さんに同意。
0255文字
karma
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エキゾチックなファンタジー世界が綺麗。ひのもとぐに、がどんな風景なのかすごく気になった。ディストピアSFっぽいけど。掘り下げていったら大作になりそうな感じ。新世界より、を思い出した。
0255文字
aoi
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ネタバレニホンやタイワンから流れ着いた人たちが暮らす小さな島国での少年少女が中心となる物語。 かつて男性社会で抑圧されて生きていた女性たちは、自分たちで手にした主導権を守り、過去の歴史を繰り返すまいとする。 真の「平等」の難しさを考えた。
0255文字
renkon
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記憶を失った少女が流れ着いたのは<ニホン語>と<女語>が話される島だった。 新たな文化の中に身を置くといこと。その地の歴史を深く知るということ。これらは寄る辺のない身には苦しいことだ。そして信用がなければ寄る辺さえも作れない。 作者の出自、時期などあらゆることが重なっている作られている。芥川賞だがかなり読みやすい。 ジェンダーや歴史観など自らの価値観について考えさせられ、今新たに歴史を刻んでいるという覚悟を問われる作品。
renkon

ちょっと最後は急ぎ過ぎた感がある。もうちょっと長く丁寧に歴史を紐解いて行くか、余り多くを語らない方式にしたほうが読み応えあったかなとは思う。ただ”歴史を知る”っていう体験は、重みがあって畳み掛けてくるものだからこれはこれで良かったとも思う。芥川賞だしこれからもっと文章に深みが出てくるかもと思うと、李琴峰さんの他の作品を追いかけたくなった。

05/19 11:37
0255文字
なー
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最初読みづらくて挫折しそうだったけど後半おもしろくなった。
0255文字
じゃんケンシロウ
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ネタバレ島国にみられる独特な文化が育った島。古代日本の様な祭典が行われる一方で近代文化の車を所有していたりと、世界観が独特で面白い。前半はその世界観がたっぷりと味わえるが、外界から来た少女によって、外の世界や島の歴史がどうなっているかに焦点が移り、仄かなミステリーが漂う。後半は男尊女卑・植民地などの現実世界の歴史を踏襲したかの様な史実が判明されるが、独特の世界観が相まってただの歴史書とは一線を画す。作中の言語も面白い。良作。
0255文字
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