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ヒロシマ・ボーイ (小学館文庫 ヒ 2-3)

感想・レビュー
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小太郎
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平原直美さんは初読み。実は英語で書かれていてエドガー賞の最終候補に選ばれた「庭師マス・アライ」シリーズの7作目で最終作の作品。主人公日系二世のアライが親友の遺灰を50年ぶりに広島の姉の所へ届けるところから始まる物語です。 とても不思議な文体と言うか雰囲気を持った小説でした。これは元々日本人だった平原さんが英語で日本独特のシチュエーションを伴ったミステリーとして書いて、それを芹澤恵さんが翻訳をしているからだと思います。何よりもこの小説を通して語られる被爆地広島の見事なスケッチになっていました。★3.5
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GOTI
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☆☆☆「クラーク・アンド・ディヴィジョン」が結構面白かったので図書館から調達。「庭師マス・アライ」シリーズ第七弾、最終作です。邦訳は三作目です。86歳の庭師が探偵役として活躍する姿を描いています。米国で生まれ広島で被爆の後再度渡米した日系二世の庭師、マス・アライは親友の遺骨を姉のもとに届けるべく帰国、広島沖の小島を訪れる。島で海岸を散策しているとフェリーで見かけた少年の水死体に遭遇する。
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yokmin
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原爆投下に関する筆者の見解。p-300 今でも巨大な津波や激しい地震が人々の暮らす街を破壊することはあるが、それはあくまでも母なる自然の手で引き起こされることだ。破壊の原動力が人間にあるとき、それを自然現象と同じ文脈で語ることはできない。なぜなら、それは善なる理由と悪しき理由の双方から出発し、数字を弾き出し、計画されたものだからだ。だが、その力が放たれたとき、それは誰に及ぶのか?すべての人間である・・・さらに恐ろしいのは、その破壊の力が病気をもたらし、人間の身体を、頭脳を、そして精神をむしばみ、・・・
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タバサ
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翻訳書という事で、読みにくいかなと思ったが、全然そんな事はなく、すぐに読了。友人の遺灰を友人の姉に届けるために、50年ぶりに広島を訪れたマス。着いて早々、海で少年の遺体を発見するという偶然にしては、衝撃的な出来事に遭遇する。被害者の母親と接触したマスは、少年の死の真相を探り始める。ヒバクシャだがガイジンという立場と、50年振りの日本に降り立った老人という立場のマスの忘れ難い日本での滞在を描いている。ミステリー要素と、被爆地の悲哀がミックスされた一冊。初めて読むタイプの本だった。
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きなこチロル
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初作家さん。8月中は何となく戦争小説を読んじゃう。シリーズものだけど、この本だけでも問題ない。日系二世のマス・アライが親友ハルの遺灰を日本に住むハルの姉の元に届けるために50十年ぶりにヒロシマを踏む。そんな矢先、一人の少年が殺され、事件に巻き込まれる。謎解きしつつ、マスのアイデンティティを触れる物語。アメリカ人でも日本人でもないマスの目線で語られるヒロシマ。どこか寂しさを感じるものの、淡々と力強く生きるマス。今年も夏が終わる。
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空猫
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米国で生まれで、日本に帰郷し被爆。その後18才で単身渡米したというマス・アライ。親友の遺骨を届ける役目で70年ぶりに広島に降り立つ。そこで少年の事故死に巻き込まれ…。ミステリとしてよりも、アメリカ人でもニホン人でもない彼目線で「ヒロシマ」を語った点で斬新だった。86才にしては行動力ありすぎな処はさておき、八月に読むには最適な一冊、かな。シリーズ最終章て!?
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Kei.ma
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夏休みに本屋へ行くと自然とヘイワに手が伸びる。で、今年はこの本。物語は、ロスに住む二世のマス爺が友人ハルオの遺灰をヒロシマに届けるというもの。関西新空港に降り立ってからの四日間、マスは大活躍。出没するヨゴレのボーイ、怪しい婆に男。ガイジンと揶揄された主人公、描写も随分とガイジンらしい。ところで、作者は中心舞台のイノ島に眠る多くの御霊を守る人々を描いてくれた。故郷を去る寸前の京橋川沿いでのマスの仕種も印象的だ。だが、呉の姪が回顧した場面が大切に描かれていて、作者がこの本を書いた意味に気づいた。
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ハスゴン
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何処にも所属していない主人公を通したヒロシマが描かれていました。シリーズとは知らずに読みましたが、他の作品がどうなっているか知りたいです。
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mippo
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イカした爺さんだ。アメリカで生まれで広島で少年期を過ごした帰米二世のマス・アライ。何十年ぶりの日本への旅は少年の冒険そのものだ。日本の様変りにキョロキョロ。弾丸並みのスピードで走る新幹線に興味津々だが、清掃女性たちの手並に感心したり(笑)。頼まれ事の島で少年の遺体を発見し、勘の良さと老人と思えぬ行動力で真相に迫るが、彼を疎ましく思う人たちもいる。狭い島の人間模様や悲しい真相も興味深いが、疲れ知らずのマスのキャラが何より魅力だった。ラストは頑固爺のホロリエピソード。実はマスのシリーズものだったのには驚いた。
mippo

ときどき日本語を忘れる彼だが、シカタガナイをよく使う。諦めて従うということだ。ザンネンを表す英語はない、という記述も面白い。そして彼が今も昔もウンガイイ人で良かった!

07/05 09:12
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Tofu
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★★★★
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アリーマ
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LA生まれ広島育ちの日系二世マス・アライ。子供の時に被曝したが生き延びて、86歳になった彼が親友の遺灰を親族に届けに一時帰国。たまたま行きあった少年の殺人事件に巻き込まれ…という話。この爺様が実に老人離れしたフットワークの軽さだが、老人なりのトラブルも程々に。謎自体は大したことはないのだが、飄々としたマスの存在がチャーミングで、とても楽しい話だった。作者は日系人の元新聞記者でノンフィクション作家でもある由。シリーズ3作目ということなので、前の二作品も是非読みたい。他の作品も翻訳されますように。★★★★★
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ぎすけ
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アメリカより来たマス・アライ。彼は日本人二世で戦時中広島で被爆した。その時からの友人、ハルオの遺骨を彼の姉アヤコに渡すために再び来日した。アヤコのいるイノ島へ渡る船で出会った少年ソラを、マスは水死体で発見する。ハルオの遺骨が行方不明になり、ソラの母親と会ったのを機に、二つの事件?に巻き込まれる。マスが初めは早く帰りたい一心だったのが、イノ島の人たちとの関係を構築していく。話が進むに連れ、マスという主人公が魅力的になっていった。彼のシリーズがあるらしいが(品切れ?)、読んでみたいと思った。
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Panzer Leader
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親友の遺灰を親族に届けるため50年ぶりに広島の小島を訪れた帰米二世のマス・アライ。連絡船で見かけた少年の遺体を発見した彼は否応なしに事件に巻き込まれていく。しゃかりきではなく仕方ないなとぼやきながらも真相を探っていく姿はユーモラス。終わりの方でもうすっかり忘れたと思っていた日本人としてのアイデンティティーを再発見する描写は重くもあるけど郷愁を感じさせる。
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しゃお
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86歳のマス・アライ。帰米二世のマスは親友の遺灰を親族に届ける為に50年ぶりに広島を訪れるも、瀬戸内海の島で少年の遺体を発見。更に遺灰が何者かに盗まれてしまう。その中で米国でも日本でも余所者であった事を認識する様子や、戦争を体験した者、被爆した者達が抱える重さなどがずしりと訴えかけます。しかし年老いても矍鑠としたマスのどこか軽妙な様子がその辺りをやわらげて読みやすくも。マス自身が自身のルーツや被爆体験、そして家族の事などを改めて思い起こす様子などは清々しいものがあり、「ウンガイイ」事に胸が熱くなりました。
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柑橘
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ネタバレ翻訳作品の舞台になってる日本を読むのが初めてで、とても面白かった。みどりの窓口とか、カキフライとか、当たり前すぎて逆にどう説明したらいいかわからないものが説明されるたび、なるほどとなった。残念ながら最近はテレビのコメンテーターが軽々しく扱うので、被爆の経験や重さを改めて感じた。マスの大切な友人ハルオについて。「あっぱれとしか言いようのない楽観主義の持ち主だった。」「希望を捨てずに生きていくことこそ、何よりも勇気の要ることなのだ。」
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矢能千秋
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面白かった。
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M H
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日系二世で原爆を体験した老人マス・アライのシリーズ最終作。邦訳はほかに2作あるらしい。親友の遺灰を遺族に届けるため広島の離島を訪れたマスは、少年の遺体を発見する。大事なはずの遺灰を靴下に入れてきたり、めんどくさそうな時はやり過ごすとぼけたキャラが印象的。物語は、原爆がもたらした宿痾を少ないページ数で多角的に描出してやるせなく、苛烈。一部の登場人物がひどすぎると思うんだが…作者はもっと大きな視点を持っていて、それをマスに託したのだろう。後に残るのは、重さと清涼感。
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ヒヨドリスキ
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主人公のマス・アライは著者の父がモデルでアメリカ国籍の日本人で被爆者と言う複雑な生い立ち。戦後アメリカに戻った彼の数十年振りの帰郷。広島で色濃く残る戦争の原爆の記憶。テーマは重いけど頑固で淡々としながら人情味が有るマスがどこかユーモラスで読みやすい。事件よりもマスの人生の見直しが好かったな。
ヒヨドリスキ

老人から見た浦島太郎的な日本の描写も面白い。

03/12 09:45
ヒヨドリスキ

マス・アライのシリーズ、どうやら何作か出ていたようだけど表紙の感じからいってもちょっと軽めの作品っぽいから読んでみるかどうか迷うな。。

03/12 09:49
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emitaku
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マス・アライ、86歳、カリフォルニア在住の日系アメリカ人、ヒバクシャ。友人の日系人の遺灰を親族に渡すために50年ぶりに広島の地を踏む。物語のバックグラウンドやよそ者に冷たい島という舞台がけっこう重苦しんだけれど、マスのキャラがね、なんかこう淡々としてるのに熱い、みたいな感じでいいんですわ。猫にやさしくしてくれるってだけでもう最高にいい人なんですけどね。庭師マスのミステリーシリーズの最終巻だそうで、ほかのも読んでみたいです。おもしろかった~。
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みの虫の読書日記
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所々にハードボイルドを感じさせるミステリ。主人公は、86歳のお爺さんでアクションはないが、広島、原爆、戦争といった様々なファクターと登場する一人ひとりが背負った人生が重なり合って、一気に読み終えた。
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キクチカ  いいわけなんぞ、ござんせん
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ずっとアメリカにいた老人が、親友の遺灰を届けに広島にきて、殺人事件に巻き込まれるミステリー。日本生まれとはいえ、日本語も殆どおぼつかなくなった老人から見た日本はどのようなものか。国を離れるきっかけとなった原爆投下の記憶が時々蘇り、マス老人は早くアメリカに帰りたいと思いながら巻き込まれた事件を捜査する。85歳にしてカプセルホテルに泊まり棒で威嚇したり、この老人はもう死んでいるという設定かもしれないと、最後まで疑いながら読んだよ。
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さか
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日常のミステリーもふまえ 戦後の心の傷、偏見読んでいて目をつぶりたい文章もありでも強く生きていく所もあり良かった。
0255文字
蝮
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日系アメリカ人1世「帰米人」の被爆者がヒロシマに帰り、事件に巻き込まれ、故郷や自分の経験と向き合う。面白かった。ただ、広島弁が不自然すぎた。広島弁監修を入れなかったのかな。
0255文字
ナミのママ
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日系アメリカ人から見た広島はどんなだろう?そんな好奇心から手にしてみた初読みの作家さん。舞台は瀬戸内海の似島がモデル。主人公は米国生まれ、広島で育ち原爆体験のある老人マス。親友の遺灰を届けるため50年ぶりに訪れた広島。フェリーの中で見かけた少年が翌日死亡し、その遺体を発見したのがマスだった…という説明だが犯人探しのミステリが主体ではない。原爆の様子はもちろん、何代にもわたり家族にのしかかる重さ。しかし淡々と書かれているため国内小説とは違う読後感だ。日本名で書かれているが翻訳作品。
0255文字
cupcakes_kumi
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戦争を経験した時代の人は、基本的な考え方がシンプルだと思う。私の祖父しかり。主人公がまさにそういった人物で、彼の視点に沿って現在のヒロシマ、原爆投下当時の広島を巡る。意図的かは分からないが、随所に登場人物それぞれが語る人物や時代、街、出来事の捉え方が異なり、多面的であり、だからこそ簡単には言い表わせない読後感が渦を巻いた。
0255文字
Washoe Takumi
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“泳いでいると、肩に何かが当たった。次いで腹にも。固くて、重さがあって、丸太みたいな感触だった。どうしてこんなにたくさんの丸太が流れてきているんだ? 思い切り腕を伸ばして、暗い水中をまさぐった。なんなんだ、これは? 指先に触れてきたものをつかんだ。手だった――ねえ、ねえ、もしもし。もしもし? ぼくは広島の子どもだよ、ヒロシマ・ボーイだよ。マスがつかんだ手には腕があったが、腕の先には何もなかった。そこで自分のまわりに浮かんでいるのは、人間の頭部や脚や腕や胴体なのだということに気づいた。”
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