そして美とは永遠ではない。手に入れられず、刹那になるからこそ、美の本質を強烈に発現する。「青海」は『砂の女』やカフカ作品、『去年、マリエンバードで』を連想してしまう作品だった。永遠に抜け出せない回廊、会えない国王、そして回廊にいる衛兵や引き留める女への語り手の身勝手さ。女の正体は予想していた通りだが、運命を拒みながらも流されてきた男は真の自由を得る。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます