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アメリカ音楽の新しい地図 (単行本)

感想・レビュー
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大泉宗一郎
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トランプ政権、コロナ禍、BLM運動等で揺れ動いたアメリカで、アーティストたちが(テイラー・スウィフト、ケンドリック・ラマー、BTS等)分断の裂け目でどのような音楽とメッセージを発信し、それらがどのように形成されたのかを、名著『アメリカ音楽』の著者が解きほぐす。現象としてのアーティスト活動を、個々人の背景と歴史・政治のきめ細かな文脈の中で相対化することで、新たな解釈と価値が付与されてゆく過程は非常に面白い。膨大な文献と、留保付きの解釈による確かで優れたバランス感覚で、適格な地図の役割を果たしてくれる一冊。
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キムキム
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普段から聴くのは洋楽オンリーなのですが、曲のメロディーや楽器の鳴り方、リズム、リリックなど気にするだけで、あまり曲のバックグラウンドまで気が回りませんでした。その曲のアーティストを取り巻く環境、政治的、社会的動向など知った上で聴くと少し世界が視えてくるのかなと思った。ケンドリック・ラマー聴き直そう!(解説本片手に)。
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Hideo Tsubaki
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最初はかなり政治色の強い本だなーなんてぼんやりと考えていたのだけど、世界では肌の色でジャンルやテーマが縛られてしまう現状があってのこの内容なのだ、と分かると、急に面白い本に思えてきた。白人が黒人の、黒人が白人の、アジア人がアメリカ人の領域に足を踏み入れ、さらに現実からバーチャルリアリティに音楽が進出してゆく様子を知ると、これからもっとシーンが面白くなる、とワクワクした。一読推奨。
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Masato Ata
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2021年頃の最新のアメリカ音楽をアカデミックな切り口と膨大なリサーチを元に、数々の示唆に富んだ分析を展開する大和田先生の論説の切れ味と深さはさすが。この後現在の、BTS以外にも一気にブレイクが拡大したKポップの状況、Nワードを放ちながら30年ぶりのカントリー音楽消費拡大の主因となったモーガン・ウォレンへの評価、トラップの退潮とヒップホップアーティストとファン消費行動の分断化、さらにはナイジェリアやリージョナル・メキシカンにまで広がったアメリカの多民族的音楽消費行動なども是非続編で分析してもらいたい。
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takao
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ふむ
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水紗枝荒葉
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音楽批評というよりもイデオロギー批評・アメリカ現代社会批評。「これ別に〇〇のアーティスト・アルバムじゃなくても論じられる話題じゃない?」と問われたら「別に〇〇じゃなくてもいいよ」と答えるしかない。それを踏まえたうえで、抜群に面白い。
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ツン
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面白かった!ヒップホップとポップスとKPOP好きの私には最高の内容でした。普段アメリカ音楽はリズムやメロディーメインで、時々歌詞を考えるぐらいでしか曲を聴いていないので、それぞれの政治性とかルーツとか考えとかをこうやって本で読めたのは大きかった。この本に出てきた好きなアーティストを、大体2割増ぐらいでより好きになった!
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じらぞう
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恩師の新刊をようやく読んだ。いわゆるロック的な音楽の聞き方をする自分にとっては、音楽と社会、政治の考えをつなげ、アメリカ音楽をより場として楽しむことに対して、ためになった10編であった。特にカーディBは普段アメリカの音楽シーンを追いきれていない自分からはイロモノに見えそうなところ、そのキャラクターと体現する政治性を通じて見方が変わった。 次の本やコラムも楽しみにしたい。
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ひるお
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ブルーノ・マーズ、ケンドリック・ラマー、カーディ・B、BTSーー近年のアメリカ音楽シーンを牽引するアーティストたちとその楽曲は、どのような背景をもち、現代においていかなる意味を有しているのか? 歴史や政治経済、メディア状況などを踏まえながら、現代アメリカを音楽という視点から切り取った評論集。邦楽よりも洋楽を聴いて育ち、今も専ら洋楽を聴いている私には特に刺激的な書だった。各章の最後に関連楽曲や映画などの紹介ページがあるのもうれしい。
ひるお

ヴィジェイ・プラシャドによる「ポリカルチュラリズム」の概念は興味深い。それは、「多文化主義そのまのが本質主義に根ざしているとして、ひとりの人間に複数の文化的アイデンティティーを措定する」(:37)。

02/01 20:51
ひるお

ブルーノ・マーズの〈パーマ〉の“元ネタ”はジェームズ・ブラウン、という記述を読んで早速聴いた。確かにそのまんまだ!

02/01 20:52
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梅田
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大和田先生の信頼できる仕事。現代の鏡像としてのポップミュージック。
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糸くず
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現代のアメリカ音楽が持つ複雑な政治性を理解する上でとてもよい手引きである。「薬物と大量投獄」「カラリズム」という視点から社会問題と「黒と白」の対立の激しさによって忘却されがちな黒人間の差異に目を向けるケンドリック・ラマーの「政治」を明らかにする第6章、BTSの快進撃に代表されるK-POPのアメリカでの受容の意味を1992年のロス暴動から語る第9章など刺激的な論考が目白押しだが、白眉はプレスリーの物真似からキャリアをスタートさせたブルーノ・マーズを体制の権威と秩序を脅かす「擬態人間」として解釈した第2章→
糸くず

だろう。きらびやかなポップスターに見えるブルーノ・マーズが全く別の姿を持つ存在として見えてくるにちがいない。

09/04 12:02
0255文字
しゅん
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テイラー、ケンドリック、BTSなど、アメリカで大きな成功を遂げた作家たちの表現が、どのような歴史的背景とともに成り立っているか。簡潔で淡白な書きぶりのようで、起伏と魅惑がある不思議な文章。『アメリカ音楽史』で見せた濃厚さがうまく作用しているのか。ユダヤとラテンの子、ブルーノ・マーズを米西戦争の末裔として、模倣による抑圧文化への対抗として見る論が面白い。アジア=アフロの関係の描き方に顕著だが、差別/被差別、権力者/民衆などの構造が実際には複雑に揺れ続けているというのが著者の立場。
しゅん

女性蔑視の言葉を、メイクマネーする女性賛美へと読み替えるカーディー・Bの話も面白い。金稼ぎを肯定しながら、ネオリベラリズムではなくバーニー・サンダース支持者になるカーディーの立ち位置。インスタグラムの名物アカウントからポップスターへと駆け上がった彼女の姿をフィーチャーした『シスタ・ラップ・バイブル』の書き方とは強調点が異なる。

06/24 09:49
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コミジ
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最近ケンドリック・ラマーの新作(傑作!)をほぼ毎日聴いており、彼を取り上げた章は面白く読みました。また、私の知識不足もありますが、BTSに関する歴史的な背景等新たな発見があり、非常に興味深かった。
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かみのさかな
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ネタバレWEBちくまでの連載をまとめた本で、正直もう少し分量がほしいところだが、最近の音楽(大衆文化)と政治の関係性に切り込む観点が面白い。テイラー・スウィフトからカントリーミュージックの来歴を知ることができたり、ブルーノ・マーズ(両親がアフリカ系でないと知らなかった)をホミ・バーバの理論と接続するところも刺激的だった。それと比較すると、終章のコロナ禍とスペイン風邪の比較は掘り下げが物足りない印象。一番読みたかったのはケンドリック・ラマーの章。ちなみに私は元々この著者の文章がきっかけでBTSを聴き始めたのだった。
かみのさかな

言及のあったアルバム等の作品は、各章末で簡単に紹介されているのはありがたい(これも各2ページでは足りない気もするが)。ケンドリック・ラマーは、To Pimp A Butterflyでの凝った音作りが気に入って一時期よく聴いていたのですが、本書によると「いわゆる『音楽通』の間で評価が高かったものの、ヒップホップのメインストリームとは遠ざかったサウンドとなっていた」(P.157)そうで、本書を読んでからは、それまでいまいち魅力が分からなかったDAMN.を聴くようになりました(笑)

06/04 21:40
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Decoy
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自分はアメリカのポピュラー音楽のリスナーではないが、だからこそ、とても勉強になる(今、ラナ・デル・レイを集中的に聴いている)。どの章も興味深いが、アメリカにおけるBTS人気の理由を解き明かした第9章は、必読であった。
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Masaaki Kawai
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曲それ自体だけじゃなく、本人のルーツや信条、シーンや社会の背景があることで、曲の厚みや強度が増す。それを知ることができる、こんな本、大和田さんありがたい。何でも政治性があればいいってわけじゃないけど、日本の曲でここまで厚みをもって語れるものがどれだけあるかなぁ…もちろんアメリカでも語るに足るものは少ないやろうけど、やっぱり世界をマーケット対象にしてるから強度もついてくるよね。羨ましい。ビルボードの歴史や100年前のスペイン風邪パンデミック、BTSがブレイクした背景が特におもしろかった。
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leohu01
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2010年代におけるアメリカの音楽業界の潮流を歴史・文化的視点から読み解いた本。各章で世代を代表するアーティストを1つずつ紹介する構成だが、彼らの音楽を詳しく聴いていない自分でも気軽に読み進められたことは良かった。日本人(外国人)だからこそ客観的な視点で評価できるのだろうが、アメリカで生まれ育ったわけでない筆者がローカルな部分の文化や価値観を詳細に述べていることに感心した。
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ますりん
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名著「アメリカ音楽史」の著者の新刊。最近というかここ10年の音楽にひどく疎く、帯に書かれたアーティスト名見てもBTSくらいしかわからないけど、大和田さんの本はそれでも読まねばなるまい。 やはりアメリカの音楽シーンと、トランプの台頭は(肯定にしろ否定にしろ)切っても切り離せないのがよくわかる。特にケンドリック・ラマ―とかが気になる。なにより音楽のランキングシステムの項と、アメリカにおけるBTSをはじめとするエイジャン・インヴェイジョンの項は、非常にためになるので必読。
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遠藤 悪
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音楽を通じた社会学の話っぽいが、ディスクガイドもついてたりして、やっぱり音楽大好きなのね…と。ためになって面白い。アカデミー賞絡みの話もいい。
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K.C.
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billboardチャートに長年親しんだ自身(今は中村真理さんの番組が視られないので少し遠ざかっている)として、興味深かった。普段は聴いているだけだが、こういう分析は日本の音楽ではあまりなされない。もっとプロテストソングがあってもいい気がする。
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Ai
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一人のアーティストを語るために歴史を遡り、紐解いて、結びつけていく構成が非常に面白く、また理解が深まった。 個人的にはカントリーミュージック自体とリスナー層の変遷に紐づけたTaylor Swiftの隆盛、黒人差別だけでなく黒人内差別にも言及するKendrick Lamarの意識、自らの出自と紐付けながら政治や社会問題に対して意見表明するCardi B、アメリカ国内におけるアジア系イメージの変化とそれにアジャストするBTSの項が特に面白かった。
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シエリ
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軽い読み物かなと思って読み始めたらさにあらずだった。学術用語も使い先行文献を引きながら、アメリカ社会の歴史と文化の中で、音楽アーティストと音楽シーンをどう位置付けることができるのか、という考察が行われている。 例えばBTSの章では、アジア系のイメージがナード→ダンスうまくてかっこいい、に変化してしてきたが、その「ダンスが上手い」という新しいステレオタイプは、1970年代にブルース・リーが象徴したカンフーの達人イメージの変奏である、など。
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ガジュマル
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音楽を通してアメリカの社会情勢が分かるような内容。インディ系ばかり聴いて、ドメジャーアーティストはほぼスルーしてきたので物凄く勉強になった。
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河村祐介
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ポストトランプ、ポストコロナへといたるアメリカの最新ポップミュージック×社会の話。簡潔で面白い。
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ちり
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“しかも、ここで称揚される「稼ぐ女性」的主体は決してネオリベラリズムに傾くことなく、あくまでも階級闘争とインターセクショナリティに自覚的なバーニー・サンダース支持という政治性に結実する”
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Go Extreme
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テイラー・スウィフトとカントリーポップの政治学: ナッシュビル・サウンド ブルーノ・マーズとポストコロニアル・ノスタルジア: 植民地のエルヴィス・ブレスリー ヒップホップにおけるアフロ=アジア: ブラック・イエローフェイス 音楽メディアとランキング・システム ラナ・デル・レイとフェイクの美学 チャンス・ザ・ラッパーとシカゴの政治/文化 ケンドリック・ラマーと黒のグラデーション カーディ・Bとリズム・オブ・ジ・アメリカス BTSと「エイジアン・インヴェイジョン」 パンデミックとアメリカ音楽
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shrzr
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ある曲がヒットチャートに上ってくるとき、そこには文脈がある。ポップスを聴くとき、そんな文脈も一緒に聴きたいのに、文脈に触れさせてくれる本はなかなかなく、この本は貴重。もっとこうした仕事が増えたらいいのに。
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