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彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠 (文春e-book)(Kindle版)

感想・レビュー
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takao
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ふむ
0255文字
口先男爵
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ひとりひとりが自分の声を出して、多くの声の交響こそ、僕たちが希っていた状態だ。党派的思考の特徴であるレッテルはりを僕たちが嫌ったのも、他人を具体的にその苦しみにまで降り立って理解しようとしない怠惰な姿勢であるからだ。他人を具体的に〈発見〉し、そのことで自分自身を〈発見〉していく、充実した人間関係を網の目のように張り巡らしていくことが、僕たちの進めてきた運動である。
0255文字
越部社長
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早稲田大学で1972年に革マル派が引き起こした川口大三郎君殺害事件。当時大学1年生だった筆者は仲間たちと、革マル派の責任を追及し、非暴力による闘いで大学キャンパスの自由を取り戻そうとし、挫折した。それから半世紀の時を経て、事件の真相と当事者たちのその後を追った本書は、一人称だからこそ語り得る当事者の苦悩が詳細に描かれていて、学生運動を知らない世代の私にも、当時の熱い思いや息吹がリアルに感じられた。不寛容に対し、どう寛容で闘い得るかという筆者の問いは、断絶の世界を生きる我々に突き付けられた問いかけである。
0255文字
ネルシュン
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50年まえの学生運動の壮絶な記録、書くのに50年かかったのか、50年経たなければ、書けなかったのか。
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火曜日
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「革マルが〈強い〉のも(…)勇気を潰すには頭を割ればよいことが(…)分かっているからだ」。著者の意に反し革マルに惹かれるが、私が惹かれていい問題ではなかろう。著者の言う「武装するなら絶対に勝たねばならず、無理なら武装すべきではない」がおそらく暴力のリアルなのだと思うし私は暴力のリアルを知らないからだ。最後、元革マル活動家が、暴力も脱党も「理屈で説明できない」と言う。「理屈で説明できない」と言うことは人間にとって恐怖ではないかと思う。私はまだまだこれを言えない、言わない、言いたくない。
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すいか
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東大闘争関係の本を読むと革マルは悪く言われていることが多いけどもいまいち理由が分からないかった。 この本でようやくわかった。
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大竹 啓五
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ネタバレ物語の舞台が自分が通ったときとほとんど変わってない文学部キャンパス。教室番号などそのまんま。リアルすぎる読書感を味わいました。昔話が急に身近な話になりました。 最終章、加害者の革マルの幹部であった辻信一さんと著者が事件について対談します。 辻さんにとっての事件は、著者の樋田さんが思い続けてきたような大きな出来事ではなかったと語ります。著者はそれは本当ですか?と掘り下げようとしますが会話はまっすぐにすすまない。 殺人事件も当事者たちにもまったく異なる歴史として認識されている。味わい深い最終章でした。
0255文字
まんだよつお
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1972年11月8日、早稲田大学第一文学部2年生の川口大三郎が革マル派によって虐殺された。川口の一学年下、一文1年生で、事件前後をリアルタイムで体験した筆者による50年ぶりのドキュメント。一文を暴力で牛耳る革マル派と、彼らを利用する大学当局の癒着。一般学生による抗議と新自治会設立を求める改革運動、革マル派による襲撃と妨害、そして挫折。ちなみにぼくは73年と74年に一文を受験しているが、憧れのキャンパスがかくも血塗られた地であったことは恥ずかしながら知らなかった(新聞とか読んでいなかったのかしら?)。
0255文字
江戸川区役所
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90
0255文字
Kay
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凄惨な暴力に鉄パイプ、角材。私が生まれる前の出来事だが映画のよう。今の感覚では理解できないことが多く頭をかしげながら読んだ。日を追って当時のキャンパスの事件が書かれているので内容は濃いが、時代背景も社会構造も大学当局の立ち位置も私には不可解で小説を読んでいるようだった。最後の大岩氏との対談で背景が少し詳しく分かった。ほんの25年前までの早稲田大学で革マル派が横行していたとは。大学時代に暴力との対峙に費やさざるを得なかった彼らの不幸に同情する。
0255文字
kou1sbt
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筆者の理想とかはさておき、ファクトらしきものが記載されているのがとてもよかった。自分の学生時代でも若干の残滓は感じられはしたが、信じられないくらいの暴力が許容されていた空間があったことにおどろく。筆者も言及はしていたが、法治が必要だったと思う。即警察呼べ、と。呼べない空気があったとは言うけれども。
0255文字
ASYURA
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1972年11月8日、早稲田大学構内で一人の学生が虐殺された。 その事件をきっかけに蜂起した一般の大学生たちの「自由」獲得への戦い。 不条理な暴力に徒手空拳で立ち向かい、怯え慄き、傷つけられ……。 だが、最後まで非暴力による闘いを貫いた。 今も、暴力は様々な形で社会に蔓延し、 ある日突然巻き込まれる人は増え続けている。 不穏な時代に翻弄され、立ち竦むすべての人に捧げる渾身のルポ。
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ばんだねいっぺい
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若干は、伝え聞いてはいたが「当時の学内での内ゲバの恐ろしさ」を臨場感たっぷりに知り驚愕したと同時にうんざりした気分になった。最後の対談には、「ある種の隔たりと歩み寄り」が同時に存在しており、読み応えがありました。
Tomoichi

文藝春秋の書評に出ていて気になっていました。

02/19 17:09
ばんだねいっぺい

ネタバレになるとあれですが、感想でも触れてますが、前半の説明のくだりを受けて、最後の対談パートを読むと感慨深いと思いますよ。

02/19 17:49
0255文字
豚肉
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反極左、反内ゲバの決定打。思想に殉じることがいかに恐ろしいか、分かります。そして、危険があったらまずは筋より命、逃げることですね。必読。
0255文字
tu-ta
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辻信一(大岩)さんがここで何を表現しているのか、ずっと気になっていた。複数の人からの、そこでの辻さんの対応への不満も聞いていた。この対談、ぼくは辻さんが辻さんの現状のまま、真摯に受け答えをしてるように読めた。現状でせいいっぱいの真摯さで受け答えしているのだろうが、同時に、早稲田で自分がしてしまったことにちゃんと向き合えていないとも感じた。それと向き合うことから逃げている感じは否めない。彼なりのせいいっぱいの真摯さだろうが、それしかできないのが彼の現状なのだと感じた。いつか、自分でちゃんと書いてほしい。
tu-ta

辻信一(大岩)さんによる『スロー』の提唱や、強さに頼らないあり方の記述にはとても説得力があるだけに、それを前提として、自らの過去にちゃんと向き合うことが出来れば、暴力に関するとてもすぐれた考察が描けるはずなのに、そこに向き合えていないのは残念だと思う。

02/21 03:31
0255文字
月をみるもの
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「三体」で文革の苛烈さを再実感したわけだが、じつは本邦でもセクトのみなさんが紅衛兵とまったく同じ手法で反対派の学生を追い込んでたわけですね。。最後の章で、追い込まれる一般学生代表だった筆者が、追い込む側だった革マル幹部学生(のちの明治学院教授、辻信一)と対談してるんだけど、その噛み合わなさが絶妙。辻はカナダで鶴見俊輔の転向に関する講義を受けて感銘を覚えているわけだが、なるほどその行動原理は鶴見の愛する「ヤクザ」そのものである https://bookmeter.com/reviews/104093482
0255文字
このん
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ネタバレ(2022年1月24日5113)約50年近く前に各大学で学生デモが盛んに行われていた。当時早稲田大学の2年生だった川口さんが「中核派だろう」と言われ革マル派によって殺害された。大学内には革マル派が沢山存在し自分達の思想を掲げ、自分達の意に反する者には暴力を振るう事が日常茶飯事だったらしい。大学内をビクビクしながら歩かなければならない事は絶望的だった事だろう。その後に筆者や一般学生が革マル派排除に乗り出すが結果的には上手くいかず1994年に学長の交代後にまともになったらしい。最後の学生運動は奈良女子大かな。
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ふみふむ
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ネタバレ不寛容の典型が革マル派であり、彼らの暴力によって1972年早大キャンパス内で川口君が虐殺された。当時一年生だった筆者は寛容、非暴力を掲げてこの革マル派による暴力を糾弾し新自治会を構築することによって大衆的に立ち向かっていくが、、革マル派の組織された暴力の強さ、態度が曖昧な大学当局によってやがて運動は衰退していく。 70年代は内ゲバがあり理不尽な暴力による支配がいくつかの大学で存在していた。今ではありえないが、独裁国家の国民はこのような怒りと諦めの交差する心情で日々を送っているのかと思うとやるせなくなる。
0255文字
やさぐれパンダ
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ネタバレ1972年11月9日 東大病院前に 若者の死体が放置されていた。早大第一文学部2年生川口大三郎君であった。 彼は部落解放問題などに興味関心を持つ青年であった。 その関心ゆえに中核派と接点を持つことになったのだが、それゆえに 当時早大第一文学部自治会を掌握していた革マル派に「中核派のスパイ」と疑われることになり、8時間以上のリンチの末に虐殺された。 著者は 当時入学間もない第一文学部1年生。 虐殺判明後 全学で盛り上がった 「革マル追放 新自治会建設」運動の最先頭に立ち 新自治会の委員長として
やさぐれパンダ

革マル派との激闘の最前線に立つ。 この本は その新自治会建設運動にかかわる革マル派との 激闘のドキュメンタリー。結果としては かなりの盛り上がりを見せつつも 運動は尻つぼみとなり 革マルの 早大支配は 続くことになる。 この本は その経緯を語りつつ 特筆すべきは 当時の革マル幹部でった 田中佐竹(当時の委員長と書記長)のその後を記載し、かつ 田中脱落後の 委員長となった 大岩圭之助(明治学院大学名誉教授)との 長時間のインタビューも行っている。 あの当時のことに関心を持つ人には 必読の書と考える。

11/16 22:34
やさぐれパンダ

なお 著者は卒業後 朝日新聞に入社し 赤報隊事件の 取材に尽力している。

11/16 22:35
0255文字
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彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠 (文春e-book)評価100感想・レビュー19