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映像のポエジア ――刻印された時間 (ちくま学芸文庫)

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またの名
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実際の体験を長く引き延ばすのが映画だと定義してて、長回しを乱用するお前様だからでは案件。各シーンには法則が内在しそれと関わりながらカット&結合するので、そのすでに含まれてたモノを可視化することだけが作業になり、製作が滞る中でも「ある日さらにもう一つの並び替えが可能だと発見した時、突然映画が生まれた」。ショットの中に記録された対象の生命を通して伝達される生活過程の流動性すなわち時間的に生成するリズムこそを、最重要視する著者によれば、余計な部分を削る彫刻のようにして現れた監督のリズムの流れに観客が入っていく。
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早乙女まぶた
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ネタバレタルコフスキーによる映画制作論。タルコフスキーは役者が役を演じることを求めていない。役者は映像の中で生きなければならないと考えている。彼によれば、映画は人生の複製であり、映し出されるべき映像は人生のユニークさのイメージなのだ。映画のことしか書かれていないが、タルコフスキーが深く映画に埋没しすぎたせいか、それがそのまま人生論のようになっている。求道者のような切実さを感じた。
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MO
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再読。初読後にタルこの映画を何度か見て再読する。色々な発見がある。彼の映画を通して映画の話ではなく彼のコアに触れる。聖書を読むように一行一行が重く福音のように魂に響く。「芸術家の生きている時代に精神性が欠如しているということを確認するためにも、ある精神的高みに立つことが芸術家には要求される真の芸術家は、常に不死に支えている」
MO

「人々の総合関係は、自分自身は何も要求せず、道徳的努力からも解放されようとしているくせに、自分の欲求のすべてを他の人々、人類そのものに押し付けるという形で形成された。人々は、他人には謙虚になり、自らを犠牲にし、そして、最終的には未来の建設に参加するよう求めている。しかし、このプロセスのなかに、自分自身では決して参加しようとせず、世界で起こっていることに対する個人的な責任を回避しようとしている」

10/14 13:19
MO

「木は私にとって、信仰それ自体の象徴である」「はじめに言葉ありき。ところが、お前ときたらきたら貝の様に口を閉ざしている」「ロシアでは、鳥が飛ぶために生まれたように、人間は幸せのために生まれた〜このような状況から考えると、芸術の機能は、人間の精神的可能性の絶対的自由の観念を表現することのなかにあると、私には思える。」「ヨブは、その書物の中で、よく知られているように、全く逆の理念を発表した。人間は苦しみのために生まれてくる。花火のように上に飛び散るために」

10/14 13:31
6件のコメントを全て見る
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フリウリ
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精神的に高いものをもった人間、それも他の人々などへの攻撃性が欠如した「弱さ」をもち、物質的なルーチンワークに対抗する人間、を映画で描きたいのだとタルコフスキーは述べています。タルコフスキー自身の精神的な高さ、魂といった概念は、直接的にキリスト教の神につながっているようで、あいまいな部分があると思いましたが、精神的に高いけれども攻撃的でない人間、という「磨かれた」人間像について、考えさせられました。1970年から86年にかけて書かれた著作とのことです。8
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塩崎ツトム
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4Kリマスター版の「ノスタルジア」を観に行ったらそりゃもう素晴らしかったので、この偉大な監督が一体なにを考えて映画をつくっていたのか知らねばならぬと思って読む。映画という新しい芸術作品と従来の芸術(絵画や文学)との差異、観客に対して媚びるのではなく信じること。運命について、物質社会における自由について。大いなる愛のために束縛と犠牲を選択する、本当の自由について。……。ジャンルは違うが、創作者の片隅にいる人間として、とても勉強になった。
エル・トポ

私もタルコフスキーは大好きです。全作観たわけではありませんが、「ストーカー」が一番好きです。この本も面白そうですね。

06/27 12:54
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Tom Sasa
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読了。 芸術とは、映画は!詩人
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Ex libris 毒餃子
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少しずつ読み進めたため時間がかかってしまった。映像芸術に対する考え方が難しい。
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うに丼
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自然そのものの美しさと、芸術家の存在意義 世界に存在するにはあまりに無力で永遠 表現できないくらい素晴らしい読書体験で、何だか泣きたくなってきた 必ずまた読む すべてを言葉にする必要などないけど
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NANA
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最初は難解に感じたが、読み進めるうちに作者の言いたいことが掴めてきた。よくある、わざと小難しいことを言っているのではなく、作者が誠意を持って自らの考えと向き合い、伝えようとしているのがわかる。映画の難解さと比べ、驚くほどわかりやすく自身の考えや表現したいことを言語化している。じっくり噛みしめるように、言葉を追っていきたい本。すごく面白かったし、芸術とどう向き合うべきなのか、参考になる内容が多かった。
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ピラックマ
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タルコフスキーの映像は、美しいが退屈なシーンも多く、寝落ちすること多々。真摯に自身の芸術論を語っているのは判るが正直かなり読みにくい。それでもラファエロよりカルパッチョか、なるほど何か腑に落ちた。
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斉の管仲
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美しい内容でした。芸術家、純粋な田舎の農夫、そしてこの本を読んでいる私たちへの贈り物。「美しい」の一言。
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pyidesu
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意識高い。
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十文字
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中盤以降から俄然おもしろくなってきた。特に『ノスタルジア』『サクリファイス』についての文章が興味深い。
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kentaro mori
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●映画は、生にたいする直接的観察から生まれる-このことこそ映画の詩の真の道だと私は思う。というのは、映画的イメージの形式は、その本質上、時間のなかを流れる現象の観察だからである。●イメージとは映画監督によって表現された、なんらかの意味ではなく、水滴のなかに写しだされる世界全体なのである。たった一つの水滴のなかに!●修行僧が、一歩一歩あゆんでバケツで山に水を運び、そして枯れた木に水を注いだ。自分の行動の必要性を疑うことも、創造者への自分の信仰が奇跡を起こすであろうという信仰を手離すこともなかった。それゆえに
kentaro mori

彼は奇跡を体験したのだ。ある朝、木の枝が蘇り、若葉で覆われていた。だが、はたしてこれは奇跡だろうか。これは真理である。

05/19 20:53
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金北山の麓で育って
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【いや~映画と一緒で難しい】ですほぼ解りません、モノローグがダラダラ続くと言ってしまえばそれで終わりかもしれないけれど。彼の映画をストーリーとかテーマで上手に括れないようにこの本も括られるのを拒否している、映画は映像でしか説明出来ずそのイメージが大事である言葉で説明できるようなものではないという事を何度も言っているのは、映画を全部観てきたので解るような気がしました。本人の書きぶりからすると「鏡」と「ルブリョフ」は相当評判が悪かった様子が解る、あと天才溝口と天才黒澤と言及されるのは悪い気はしなかったです。
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ゆづたろう
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監督作の殆どの部分を面白SFとして享受している身としては、申し訳なくなるぐらい真摯な映像論が展開されていて、しかも映画同様にかなり抽象的かつ饒舌なので何度か眠りかけたよ。これを読めばもう少し作品を理解出来るやもという目論見は見事に外れ、観たままを捉えよと観劇や読書とは違う映画であるからこその受け取りを促されて、またもや申し訳ない気持ちに。一応個別の作品に対しても語られてはいるが、それよりも包括的な映画、映像論の、それも結実した作品群から考えればその中でも傑出したものの一つとして読み応えのある一冊だった。
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踊る猫
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実に「濃い」1冊。思弁的であり、かつ愚直すぎるほど真面目に哲学的に映画を考察し、映画に欠かせないエレメントとしての時間について考え、果ては映画と観衆との関係について率直に切り込んでいく。ここまで濃厚に思考を煮詰めた果てにあるのがあの珠玉の名作群なのだな、と思うと唸ってしまう。私は東西冷戦が終わった頃くらいに物心ついたという、そんな年齢の人間なので当然タルコフスキーが生きた時代のシビアさなんてわかるわけもない。だが、そんな中でも全体主義国家の中で良心をくすぶらせ、自分を信じて映画を撮った姿が鮮やかに蘇る本だ
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geromichi
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凄い本だった。さすが単行本が古本屋で一万円するだけはある。ちょくちょくソ連の体制をさりげなく批判している気がした。
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