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いまを生きるカント倫理学 (集英社新書)

感想・レビュー
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CRUNKY
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カント倫理学の考え方を、我々素人に分かりやすく、現代の問題に応用している本。 特に、第3章の生殖・医療倫理に対する考え方(カント倫理学に基づく筆者の意見を含む)は非常に明快で、納得出来るものだった。 本を通じて、『カント倫理学の考え方、そしてその活用方法』を述べており、これからの行動を改善できると思える1冊であった。
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榊原 香織
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カントは現代的問題にも効く。面白かった。 カントとか倫理学って真面目で面白くないと思ってたけど。 夏川草介”始まりの木”の解説書いてた人。ドイツでカントの研究してる。
penginpapa

彼の提言した定言命法は有名ですね~確かに「人格を手段としてはならない」は臓器移植が問題になる現在も有効ですね。 「繰り返し、絶え間なく熟考すればするほど、常に新たにそして高まりくる感嘆と畏敬の念をもって心を満たすものが二つある。我が上なる星の輝く空と我が内なる道徳法則とである」 実践理性批判より

02/16 23:22
榊原 香織

最後の言葉が素敵です。彼の時代にはなかった問題でも応用可能

02/17 08:49
0255文字
読書メーター
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カントの倫理学にたいして素人(ぼく)が抱くありがちの誤解を、著者は気取らず誠実な説明によって解きほぐしてくれる。よい。
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ぽかぽかキュン
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旧約聖書に出てくるアブラハムは、神から息子イサクを殺すように命じられました。彼は人殺しはよくないと考える一方で、神の命令は絶対とも考え、板挟みとなります。そんななか、彼は確信が持てないままに、息子イサクに手をかけようとするのです。結局、すんでのところで神の使いが現れて殺人を止めるのですが、カントはこの話のアブラハムの内面に悪性を見出すのです。それは彼がイサクを殺そうとしたからではありません。そうではなく、彼が自らの行為について倫理的正しさへの確信がないまま行動に移したためです。(205~206頁)
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袖崎いたる
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カントが気にかかる今日この頃。この本は倫理について教えてくれる。本場ドイツ仕込み。現代日本の問題をカント的に考えたらこうなりまっせと示してくれるし、同時にカント倫理学の限界も教えてくれる。それに加えて著者の考えも付してくれているという次第。倫理学史的にはカントの学説はお堅いというか不自由な感じがするんだけど、じっさいのところはカントも無茶振りはしていないことが知れたのは嬉しい。「義務」という語にしてもお堅く理性を使うためにも自分の幸せもある程度ケアしていくのが大事ですよと考えているらしいのだから。
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kokekko
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年単位のつんどく消化。カントの倫理学は、超ざっくり言うと「当人が『これがいいことだ!』と思ってしたことならそれは『いいこと』!」的な、物事の結果だけではなく過程を重視したものであると理解した。牧歌的である。前半の用語解説の部分が面倒でなかなか進めなかったのだが、具体的な例のパートは読みやすかった。しかし最後の「非人間的なハラスメントに遭っている人がいたら私に教えてほしい、匿名の例としてそれを広めるから」という文言は、一体どういう意味で言っているのだろう……? 利用したいということ……?
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もりそば
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カント倫理学をビジネスや教育、生殖・医療、環境、AI、差別など現代社会に結び付けて論じた新書。①自分が従うべき義務について考えること②その義務が社会全体で履行されることが望ましいものなのか思いを巡らすこと③非利己的に純粋な動機から行為すること――これがカントの説く道徳哲学の骨子であると理解した。そして行為の道徳性に着目するのではなく、行為者の動機に着目するところにカント倫理学の特徴を見出している。私はこれまで善悪についてここまで理論立てて考えたことがなかったので非常に勉強になった。
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inaryoXD11
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哲学・倫理学の古典といわれるカントの倫理学を、ビジネス、道徳教育、医療、環境、AI、差別といった現代の事例に合わせて解説していて、とてもよくわかります。そして読みやすい。「定言命法」の考え方はわかりやすく、自分の行動指針にしたいと思いました。いかに道徳的、倫理的に善なる思考や行動をするか、その判断として他者を理解すること。人間関係を考えるにあたり、抜けていた倫理についての考えだと思う。
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べろ
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一般的に善とされているものがなぜそうだと言えるのか、どうすれば道徳的な行動となるのか、ゼロから自分で説明しろと言われるとなかなか難しい。というか論理的に説明できる自信はない。そこに助けをくれる本だった。この本を読む限り大きく反対するような箇所はなかったが、自分なりの答えが今もはっきりとは出ていないものがある。「食べるために動物を殺してよいか?」である。人間中心主義的にただ食べないと生きていけないからとか、ヒエラルキーの頂点だからと結論づけず一度立ち止まって考えてみようと思った。
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ア
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カント倫理学の、生殖補助医療、環境問題、AI、差別などへの応用。各内容とカント倫理学のつながりが見えづらい部分もあるが、カント思想のキホンの把握、カント思想の応用の例として役立つ。
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ゼロ投資大学
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カント倫理学は一言で表現すると、「人の内面に関心を寄せ、評価する思想」と言えます。インターネットやAIの登場によって、変化が加速し、短期的な成果や結果が求められる時代に重要な考え方です。現代の我々が直面する様々な課題を、カント倫理学に基づいて考察していきます。
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ほじゅどー
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★★★カントは教育には上からの強制ではなく規範を自分で導くようにするソクラテス的方法を用いるべきと説く。日本の高校野球はその反対にあり、自分の頭で考えず監督へ絶対服従する。まるでカルトの教祖に服従する信徒のように。。その他、医療問題(出生前診断、臓器移植、安楽死)、AI、差別問題。。。
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oooともろー
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カント倫理学の紹介ではなく、現在の問題に対してカント倫理学をどのように使うか。実践の学。著者の生き方を反映している分、バイアスがかかっているが、仕方ないだろう。面白い。
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けんとまん1007
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居ずまいをただされる思い。背筋が伸びる。決して簡単ではない内容だと思うが、沁み込むように著者の想いが伝わる。それは、机上の論ではなく、ご自分の生き方に沿った語り口からだと思う。とかく、目の前の結果だけに拘り、それを喧伝する風潮の中で、息苦しさや違和感を感じている人に読んでほしい。納得できる文章が多く、頭の中が整理された。5,6年前から、自分の中の大切な言葉である「利他」を考える。
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coldsurgeon
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医療倫理を含め倫理学に関する書をいろいろ読んでいるが、自ら研究している理論・カント倫理学を、どのように自身の生き方に反映させているのかについて、かみ砕いて描き出そうとしている書は、初めてだ。日常において、四六時中、道徳性が問われる状況があるわけではない。非利己的で純粋な善意志から行為することが求められるのは、限らている。その限定的な行為の倫理性は意志の在り方によって決まる。医療倫理の章で、「生きることが必須なのではなく、生きる限り尊敬に値するように生きることが必須なのである」とカントを引用したのは印象的。
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樋口佳之
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リアルタイムな諸問題とカント倫理学が交差するお話。最初のビジネス分野の章とか管理職の肩書きついた方にはおすすめかも。/倫理学研究者が、自らが研究している理論について、それをどのように自身の生き方に反映させているか一般の人々に向けて嚙み砕いて伝え、そこに妥当性があり、実際に人々の生き方に、ひいては社会全体に影響が出てくるようになれば、世間から「倫理学不要論」など出てくるはずがない/ここはずいぶんとナイーブなお話にまとまったいる感。カント自身当時のキリスト教の教義から制約を受けていると書かれておられるのに。
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buuupuuu
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コントロール不可能なものについて、カントもストア派も、それは道徳的に善でも悪でもないとした。しかしストア派は道徳を幸福に関わるものと考えたので、両者を切り分けたカントの方がより首尾一貫しているように思った。カントによれば、感情もまたコントロール不可能なものである。感情に引きずられて為すべきことをしないことは悪だが、感情それ自体は善でも悪でもない。状況にふさわしくない感情を抱いてしまうこと、抱くべきはずの感情が生じないことは悪ではない。こういうことで自分を責めてしまうような人には慰めになると思った。
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gaku7511
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カント思想をもとに現代の倫理的問題について考えていく本。カント思想の詳しい説明というよりは、現代の問題についてカントならこう考えるのではという形で進んでいく。現代の倫理問題について色々知れる。
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UP
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現代的なテーマ設定に、カントの引用と筆者の主張が折り重なりあう構成で読みやすさは◎。「カントってこんなことも言ってたんだ」という学びに加え、カントの書き残したものの背景にも考察が及び、反論にもカウンターがあり一方通行ではない点、他の思想家にも適宜触れていたのがとてもよかった。が、初の新書かつ色々な思いが去来したのか「私見」が強く出すぎる部分があり、その好みは分かれるかなと思う。岩波や中公のようなクラシックな新書というよりは、エッセイ的な新書。
UP

カントの道徳法則って、この本でも再三主張されていたように、結局自分の理性への信頼がすべてなので、「結局自分次第じゃね」という相対主義に対しては平行線になってしまう気もするし、「相対主義」というテーマで1章書いてほしかった。とはいえ、カントの思想に魅力を感じる部分はやっぱりある。人間への信頼、崇高な理想、そういうものを見据えて生きる人間の尊厳。ハラリは「虚構」というのかもしれないし、「虚構」だからこそ、そこには人を引き付けてやまない魔力がある。

08/23 21:48
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いまを生きるカント倫理学 (集英社新書)評価58感想・レビュー19