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宗教のきほん 「愛」の思想史

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はるたろうQQ
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あっさり読めるが極めて難しい書物。キリスト教の基本を「愛」から説明するものだが、アウグスティヌス、トマス・アクィナスの言葉を通じて、また彼らが強い影響を受けたプラトンやアリストテレスにまで遡って明らかにしていく。古典を読むことによって、現在の分断化され、悲惨で不安に満ちた世界の中で難しくなった、自己を愛することや隣人を愛することをもう一度考え直そうとする。そして世界は善に満ちていることが繰り返し強調される。その根本には、神が弱く儚く不完全な人間の存在を肯定し受け入れていること(神の愛)があるからだという。
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affistar
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キリスト教の愛について、原典の日本語訳を確認しながら進めている本です。思想史とある通り、プラトン、アリストテレス、旧約聖書・新約聖書、アウグスティヌス、トマス・アクィナスと様々なものに言及しています。様々なものに触れられますが、その分それぞれのページは少ないので簡単にしか分かりません。神から愛を与えてもらったという感覚というか認識がないからか、あまり実感としてはわかなかった。
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チャルロ
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愛の思想史か〜って思ったらキリスト教の本だった。帯にも書いてあった。それはそう。トマスアクィナス今まで全然触れてなかったけどなんか興味出た。
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Roadblue
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今年2月に読了した本を再読。これは2021年にNHK第二放送のカルチャーラジオで放送されていたものの書籍化です。当時は何気なくらじるらじるという見逃し配信で見つけて夢中で聴いていました。プラトンの「エロース」とアリストテレスの「友愛(フィリア)」といった古代ギリシャ哲学の愛がアウグスティヌスの「カリタス」に融合し、イスラム世界を経由しトマス・アクィナスの元で再解釈され精緻に組み上げられていく流れの説明が圧巻です。学生時代に読んだ山田晶先生のアウグスティヌスの「告白」が頻繁に引用されているのも嬉しいです。
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エデン
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キリスト教から見た愛を解説した本。 神から愛されてるかは自分で気付くしかない 自分を愛せるからこそ他人を愛せるというのは納得。ただそこに神は必要だろうか。 アガペーよりエロスの方が高貴に感じた! 無償の愛を受け取るより、人の本能で強い原動力を持つそして性愛を信じる。   エロスの卑しい側面ばかり見たのがキリスト教に限らず宗教の失敗だったと思う フロイトが人間関係を研究して性欲に行き着いたことを思い出した
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フクロウ
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人間がこうして生きていることの無根拠性、根源的偶有性を説明する逆転のロジックとしての神と神の愛が、トマス・アクィナスの愛の理論ということなのだろう。神の愛の措定により脱中心化が図られ、自分と他者を対等に見始め、また自身の敵も本当は善をなしうるのだが何か悪しきものに阻害されているだけにすぎないとみうるようになる。ギリシャ哲学とキリスト教理の融合はつい最近、坂口ふみ『「個」の誕生』でも見たし、passioの2つの意味は、スピノザ(国分功一郎)の言うコナトゥスと善=組み合わせの話を彷彿とさせられた。
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ずー
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キリスト教徒が全員こういう思想を常に意識しているとも思わないが、神から自分の存在が肯定されてることが前提というのは、大部分が非キリスト教徒の日本人とだいぶ世界観が違うだろうなと思った。「自分を愛せないと他者を愛せない」というのは半ばクリシェ化しているが、改めて考えるとその通りである。ひどいヘイト言説などで他者を傷つける人はまず自らを愛せていないことがしばしばあるように思う。「神の愛」を持たない文化の日本人が、愛されない自分を愛せない負のループから抜け出すにはどうすればいいんだろうか…とか思いながら読んだ。
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くみん
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西洋の古い絵を好きになればなるほどキリスト教、聖書について興味が湧くのだけれども、外側から俯瞰するばかりでなかなか馴染めない。古代ギリシャの哲学者、ソクラテス、プラトン、アリストテレスから始まってその後のアウグスティヌス、13世紀のトマスアクィナス。愛すること、愛されることについて古代から人は深く考えていて書物として残り伝えられ今がある。愛について考え、自分の在り方を捉え直し生き方を探求する、そんなふうに宗教から哲学的思考をしているとすれば信仰ってすごいな。古典から現在の問いに対する答えを導く、素敵だな。
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ひめぴょん
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世界史で登場した人物でいろいろな愛(友愛、愛徳、自己愛、隣人愛、神の愛など)に関する西洋の古代と中世を中心とした愛の思想史。、耳なじみはありますが、内容を知らないことを改めて実感し ました。西洋の考え方の基盤をこういう書物で知っておくと、西洋の人たちと接するときにスムーズだと思いました。はじめに:単に知識が増えるだけで終わってしまうのではなく、ふだん私達が感じていることや考えていることを問い直し、少し違った角度から物事を見ることができるような新たな視点の発見や機会に。人間は誰もが不完全で弱い存在。だからこ
ひめぴょん

る。三種の友愛「人格の良さに基づいた友愛」「有用性に基づいた友愛」「快楽に基づいた友愛」 聖書と愛。この世界が、そしてそこに生きる人間が、根源的に善いものとして創られている。「神は愛(アガペー)である」「自分自身を愛するように隣人を愛しなさい」。無償の愛、与える愛。愛は愛によって成長する。 アウグスティヌスと愛。この世にあるものは有限。限りあるものをいくら手に入れても心は満たされない。それに対し、無限の存在である神と深くつながってこそ、本当の満足が得られる。人類の歴史全体を動かす原動力も「愛」。 トマス

12/31 15:39
ひめぴょん

・アクィナス スコラ哲学。魅力的なものによる人間の心の変化が愛。愛するということは、魅力的なものの姿が心の中に刻印されてくるということ。愛を抱くだけで喜びが生まれる。我々が神を愛するということは、神が我々を愛していることの徴。

12/31 15:39
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buuupuuu
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アウグスティヌスの考えは古代の幸福論と繋がっており、彼は幸福を神との関係に求めた。これは神への愛を利己的な動機から説明しているとも取れる。この点をニーグレンは、アウグスティヌスがキリスト教的なアガペー(無償の愛)をエロース(欲望の愛)によって損なってしまったと批判する。それに対して著者が指摘するのは、アウグスティヌスにしてもトマスにしても、自分が神から愛されているという気付きを根底に置いているということである。自分の存在が神によって肯定されているからこそ自分を愛せるのであり、他人も愛せるのだという。
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aiko_manimani
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古代哲学に始まりキリスト教、トマスアクィナスから愛の思想をたどってきた。難しくて理解できないこともあったけど、昔から愛について考えられてきたということ、愛の解釈、新しい発見、キリスト教についても少しだけ分かったことがあって楽しかった。信仰があることはいいなって思ったり。
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