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太平洋戦争秘史 周辺国・植民地から見た「日本の戦争」 (朝日新書)

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広瀬研究会
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太平洋戦争の開戦と同時に日本は東南アジアに進出したが、一口に東南アジアといっても事情はさまざまだということを知った。米領のフィリピン。英領のマレーシアとビルマ。ベトナム、カンボジア、ラオスの宗主国フランスは前年にドイツに降伏していた。蘭領インドネシアには重要な油田があった。タイは唯一の独立国。東亜の解放という大義を掲げた日本軍だが、実体はどうだったのか。本書は統治された側の視点で書かれていて、手厳しい評価をしている。
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バツ丸
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★★★★。当時の帝国主義国家ではなく、これらに支配侵略されていた国家の視点観点で太平洋戦争を振り返るという意欲的な戦史書。とにかく大作だ。ことモンゴルや南米国家などの動向は全く知らなかっただけに興味深く読めた。それ以上に今でも自称保守らの人物らが喧伝する、かの戦争で日本はアジアを開放しただの正義の戦争だのと言う論理が、極めて限定的な部分での端的な事実でしかなく、実際に行った日本の行為や、侵略された国家側の意識とは程遠いことが良くわかる。日本視点でしか考えない人にこそ読むべき力作。
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akiakki
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周辺諸国から見たアジア太平洋戦争。欧米の植民地であったことは事実だが各国が独立戦争を経て自治を達成するのはむしろ戦後であり、アジア太平洋戦争中はただただ日本軍の戦争に巻き込まれていた。大東亜共栄圏は所詮お題目に過ぎず、日本軍はこんな占領地支配でどうやって戦争に勝つつもりだったのだろう?というエピソードがてんこ盛り。悪手悪手アンド悪手みたいな事例ばかりでかえって学びが少なかった。
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もならのペンギン
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全記述を通して人が数や戦力として見られている。それが戦争であり、それがために桁違いの人が亡くなり、飢餓などで苦しんだ。 大東亜共栄圏の思想の下で侵攻した一連の国々として認識していたが、当たり前にそれぞれの国で背景・事情が異なる。正直一つ一つを記憶することはできないが、これからもそれぞれの背景に思いを馳せながらニュースに接したい。 侵攻した先はタイなどの例外を除いて欧米の植民地であった。何があっても許される問題ではないが、そもそも欧米の植民地政策やブロック経済がなければ…とは考えてしまう。
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雲をみるひと
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東南アジアやANZなど周辺国から見た太平洋戦争史。総論的な本で、個人の資質で地域に貢献した例外もあるが全体的に日本が当該地域に対するリスペクトを大きく欠いていたことが書かれている。今まで日本ではあまり取り上げられていない視点ではあるが、カバーしている範囲が広すぎるため各地域の深掘りはあまりされていない。
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あじぽん
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戦争に巻き込まれた地域から見た太平洋戦争史。資源確保、中国支援ルート遮断、敵拠点制覇を目的として地域から欧米諸国を追い出した日本軍。アジア解放を謳いながらも現地にとっては欧米以上に過酷な統治だった。すぐ暴力を振るい、民族分断を煽り、食糧徴発で餓死者を生み、ゲリラを疑って虐殺し、市街戦にも巻き込む。ただその統治にも濃淡があり、インドネシアは緩やかだったよう。その後の独立を支援した義勇兵もいる。だからといって聖戦だったとはとても呼べない。日本のために全て捧げろ。この精神が今も流れているような気がしてならない。
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skunk_c
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アジア太平洋戦争の周辺地域から戦争を概観したもの。地域別に章立てされ、冒頭にざっくりとした地図が入っているのが理解を助ける。日本が「大東亜共栄圏」といいながらアジア諸国の本質的な独立を支援していたわけではないことが示されるが、軍人の中にも独立を支援しようという人々がいて(特にインドネシアやビルマ)、義勇兵になった者もあったとか。またイギリス連邦国の関わり方が概説されているものは少なく、さらにラテンアメリカについては殆ど知らなかった。フィリピンでメキシコ空軍が日本軍と交戦してたとか。厚さはあるが読みやすい。
McLean

私の父親は招集されてインドネシアで終戦を迎えましたが、義勇兵に誘われて迷ったと語っていました。内地に妻子を残していなかったら加わっていたかも知れません。

12/19 13:52
skunk_c

貴重なお話ありがとうございます。

12/20 16:15
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ジュンジュン
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東京裁判に向けて、オーストラリアが天皇の戦争責任を執拗に追求する事に、昔からなぜだろう?と思っていた。中国とかなら納得だけど。本書で、ようやく長年の疑問が解けた。従来、脇役に甘んじる国々(東南アジア、英連邦構成国、ラテンアメリカ)をメインで扱う意義ある一書。
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fyi
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前作で、このエリアの歴史も知りたくなっていたので、タイミング良かった
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lifeforone
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太平洋戦争に関わった日中米以外の植民地や第三国が戦前、戦中、戦後どのような影響があったのかコンパクトに纏まっている。なんらかの主張に巻き取れないように抑制された説明でわかりやすい。フィリピン、インドネシア、オーストラリアあたりは有名だが、ミャンマー国軍と南機関の繋がりの具体的な説明や中南米諸国など知らないことがまだまだあり興味深かった。
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onepei
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メキシコ軍と日本軍が戦っていたとは。
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CTC
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8月の朝日新書新刊。著者は『歴史群像』のレギュラー執筆者、戦史研究家だが…シミュレーションゲーム制作でも高名なようで、確かに論理的で抑制の効いた筆致である。さて本書は先の大戦(アジア・太平洋の)は、日米英中ソ以外の国や地域にとってはどのようなものだったかを見て行くもの。具体的には仏印、英領マレー・新、香港、比、蘭印、泰、緬、印、蒙、豪、NZ、中南米諸国にそれぞれ章を充てている。日頃の読書ではどうしたって大局や戦場の様子に目がいってしまう訳で、大東亜共栄圏の実態が見えてくる発見のある読書になった。
Tomoichi

30年前、ヨーロッパをバックパッカーで旅をしていた頃に、たまたま私・イタリア人・ドイツ人・ハンガリー人と話していて誰ともなく「三国同盟」揃ったねって感じで顔を見合わせていたらハンガリー人がハンガリーもお前達の仲間だったよって言って、みんなで「もっとやばいじゃん」って大笑いした事を思い出しました。結構独伊以外って忘れているんですよね。

10/01 14:40
CTC

Tomoichiさん、コメントありがとうございます!おおお、揃いも揃って…(笑)私、ハンガリーが枢軸国側だったのをちゃんと認知しておりませんでした。ちょっと調べると…なるほどナチスドイツと運命を共にしているのですね…苦労があった事でしょうね。貴重なご示唆をありがとうございました!!

10/03 19:07
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じぇろポーta
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仏印植民地当局と日本の関係。大戦中にヴィシー政権が果たした役割をもっと勉強しなければ。対日蜂起の際に日本軍南機関への恩義を忘れなかったビルマ独立派。周辺国の思惑に翻弄されるモンゴル。豪州国民に衝撃を与えた日本軍の本土空襲。終戦間際に中南米諸国が対日宣戦布告した理由。各植民地側の日本軍への反応に濃淡があるが、どれだけの被害を受けたか、日本側の統治方針がどうだったかで大きく評価が変わるのは当然か。日本の「同盟国」タイが「大戦戦勝国」の一員に加わる経緯がしたたかで舌を巻く。
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曲月斎
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2月に上梓された「第二次世界大戦秘史」の続編。南方各地を侵略した日本を現地はどう受け止めたかを綴る。大東亜共栄圏の旗印とは裏腹の植民地化。比島でのマニラ市街戦や馬来での住民弾圧など枚挙に暇ない。一方本書では余り触れていないが、軍票の流通で起きたインフレや、作物転換を強要しての飢餓など、生活を無視した施策が目立つ。終戦を前に独立を維持し抜いた泰を含め、結果として各国は独立を果たすものの、日本はこの地域でどういう振る舞いをしたのか。今を生きる人にとっても祖父母世代が味わった苦難であることを銘記する必要がある。
曲月斎

特にその後、凄惨な独立までの道を辿った仏印、今のベトナムについては岩波書店の「平和を我らに」(日本の中の世界史シリーズ、油井大三郎)に詳しい。通貨に関しては戦争ではないという立場から軍政を敷くことができない中国では軍票を余り流通させなかったのに対し、東南アジアでは軍票の流通、香港でのドル回収など経済政策の破綻が目立つのも気になる。蘭印(インドネシア)で今村均が取った融和策が目立つように、占領後の政策方針もないままの侵略というのは今もって不可解千万な理屈だ。

08/18 14:50
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