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未完の敗戦 (集英社新書)

感想・レビュー
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ウエオロ涼
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戦後、丸山眞男らが求めた民主主義は全くもって実現されていない。盲従徹底、唯々諾々、官尊民卑な人ばかりが旧来の学校教育制度では養成されるのではないか。楠木正成や「新教育指針」、外国人技能実習生問題など、知ろうとしなければ知られないことは、やはり多い。著者の関連書籍も読んでいこうと思う。正直、ちょっとしたきっかけがあればいつ暴発してもおかしくないくらいに、日本人の我慢の限界は来ている。戦後100年はもうすぐそこまで来ている。総決算しなければ、前には進めない
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林克也
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今日も会社で同期(定年過ぎの再雇用組)の同僚と、「なんで最近の若い者は、そのルールが何を言っているのか、何のためなのか、ということに思いが至らないんだろう???」 「それは、小学校中学校高校と、先生の言うことに疑問持つのは悪い子」、「みんな揃っておとなしくしてれば怒られない」という環境で育てばそうなるわ、などとジジイのたわごとを言っていました。
0255文字
数太郎
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日本人の限界が見えて、なんだか悲しい…
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takao
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ふむ
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HIRO
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ネタバレここまではっきりと大量の戦死者を出した軍部体制への怒りを綴ったものは無かったと思います。もやっとした霧が晴れた感じです。先の大戦でお国のため亡くなられた兵隊さん達には、平和な日本で暮らす我々としては、感謝の気持ちしかありません。しかし、1945年大量の戦死者を出し敗戦した。現代も続く、全体主義の人命軽視の考え方への反省が全くなされていない点に気が付かされた。又、兵隊さんに取っての靖国神社と600年前の楠木正成の七生滅賊教育が、軍部の失策責任を無きものとし、更なる惨劇へと繋がった点にも気づかされた。
HIRO

今の憲法改正/軍事費拡大の路線への傾斜は、国体重視/全体主義/人権無視体制への動き。戦争当時の体制に戻すべく動いているかの様にすらみえる。『 戻してはならないと。』 組織や大義のため自己犠牲を美徳とする情緒的に訴え掛けて来る心地よいプロバカンダには十分に気を付けねばと思います。 作者の他の本も当たってみたいと思います。

04/09 01:06
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とよぽん
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山崎雅弘さんの著書を初めて読んだ。あの敗戦を現在の日本社会はまだ完結していないということがよくわかった。「本物の民主主義」にはほど遠い現代日本社会。この10年でますます遠ざかってしまった。著者の警鐘を一人でも多くの人が理解し、決して子や孫の世代に大日本帝国型の精神文化を残してはいけないと思った。日本人の最大の弱点「物事の情緒的な見方、自己犠牲の美化」という国民性を政治家が利用し、マスコミが片棒を担いで、再び大日本帝国型の時代に回帰していくことは、何としても止めなければ!
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tecchan
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大日本帝国型の精神文化がまだ我が国には残っている。むしろ近年勢いを増しているのでは。コロナ対策、東京五輪強行、軍備増強、労働環境等々。なぜ,我が国では、人がこんなにも粗末に扱われるのか。戦後の反省がまだ未完。
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ののまる
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視界がクリアになる!来年は戦後80年になるが「大日本帝国型の精神文化」に帰ろうとする動きを封じるために、できることをしなければ。
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sekkey
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この国はどうして素直に謙虚になれないのだろう。情緒的な美辞麗句に弱く批判的思考(クリティカルシンキング)ができない。「聖火」と呼び表現する国は日本だけで、オリンピックが選手間の競争であり、国家間の競争でないことが東京五輪では全く無視されたこともそのわかりやすい例。靖国神社は戦争責任者を「英霊」として祀り、その「英霊」に対して”不戦の誓い”や”恒久平和”を誓っているというおかしさはもっと指摘されてもっと多くの人に気づいてもらいたいポイント。戦後すぐに出された「新教育方針」が冷戦で吹き飛んでしまったのが惜しい
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syaori
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先の敗戦が日本では「完結」していないと作者はいう。それは日本社会が大日本帝国型の精神文化と「訣別」できていないということで、本書ではその精神文化構造についてや敗戦の「完結」が冷戦で疎外されたこと、反共重視の米国の方針と絡み旧体制派が「保守派」となった顛末などが語られます。これが問題なのは、あの戦争はアジアの植民地を解放した等の大日本帝国の名誉を守ろうとする彼らの言動が現在の日本国の名誉を傷つける効果も生むからで、日本が民主主義の国であり続けてほしいなら敗戦を「完結」させなければという言葉が重く残りました。
燃えつきた棒

亡くなった母がよく作話をしていました。過去の嫌な出来事なども、美談に作り変えて話していました。 日本人にとって、第二次世界大戦は加害/被害の両面のある出来事だったはずなのに、老人の作話のように、いつもまにか加害の部分は忘れられていき、原爆などの被害の部分のみが拡大されて来てしまっているようです。 もちろん、ありがちなことなのでしょうが、だからこそ意識して記憶を研ぎ澄ませておかないと、いつのまにかいつかきた道へ走り出してしまっているといったことにもなりかねないような気がします。

11/03 12:11
syaori

燃えつきた棒さん、こんにちは。日本ではどうしても原爆などの被害の部分の比重がとても大きいですよね、学校教育などでも。でもおっしゃるとおり日本には加害/被害両面があるので、加害の部分にも向き合っていかないと日本の第二次大戦はいつまでも終わらないのだろうなと思いました。

11/03 20:07
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好古
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書いてあることはごもっともだし戦前の日本的精神が現代にも流れていることや特攻や戦没者に対するスタンスも自分とほぼ同じ意見だった。ただいかんせん著者の怒りというか恨みみたいなものが文章の表層から滲み出ててこれでは本当にこの主題を伝えたい人たちに届かないのではないかと思いながら読んだ。ネットなどで"右派論客"と呼ばれているような人たちの本などは自分も読んだことはないが、そういった右と左の囲いの中で双方のフォロワーがそれぞれのオピニオンリーダーの言うこと書くことを追認し合ってるのが現状なのではないかと思った。
好古

先の大戦でこの国を守ってくれた英霊たちのおかげで今の日本があるという論調をよく目にするが、そもそも戦争を起こさなければ彼らは死なずに済んだのでありその後の日本で技術や文化や芸術を発展させることに貢献し得た人々なのである。また彼らを「英霊」として美化、称賛することは「国家のために死ぬことは良いことである」という価値観の追認に外ならず、それが集団心理として働いたときどんな災禍が降りかかるか、それこそ我々が先の大戦で経験したことであるはずなのに戦後80年を迎えようとしてもなお我々はその病理を克服できないでいる。

09/27 19:16
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2003_ashi
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ネタバレ終戦直後の文部省の「新教育指針」で指摘された問題点は現在の日本でも解決されていない。批判的精神に欠け、権力に盲従しやすい国民というのは今でも当てはまる。反共のため、大日本帝国の中枢にいた勢力が地位を回復したため、十分な反省が得られなかった。敗戦を経験した世代がいなくなるにつれ、それらの勢力を抑制できなくなっている世の中になっている気がする。靖国神社の参拝の意義は今までよくわからなかったが、存命の旧日本軍人に対する政府首脳の面会、平和への誓いなどは確かに見たことはない。
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Hiroaki  Taira
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敗色濃厚となった大戦末期に、戦争指導部は日本の劣勢(その根本原因である戦争遂行計画の失敗)を隠蔽し、恰も敗戦を先送りするかのように生命の尊厳を顧みない特攻作戦を敢行し、またインパール作戦に代表される戦略としての有効性を無視した情緒的判断による無謀な作戦を繰り返し多くの日本人将兵を死に至らしめた。この根底にある「大日本帝国型の精神文化」はGHQによる民主化政策においても結局確りと総括されておらず、国威発揚の為にコロナ禍における安全性を無視した東京五輪の開催に見て取れるように今も日本の為政者の間に蔓延している
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YUTAKA Hino
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国民主権、平和主義、基本的人権の尊重。大日本帝国を礼賛する勢力が改憲でつぶそうとしている現行日本国憲法に書かれているこれらの原理原則が危機にあるということがよく理解できた。現行憲法は国民自身が守られるものであるのに対し、大日本帝国憲法では現人神である天皇を、国民が守るもの。それぞれが相容れない考え方。選ぶのは国民だが。
本読むおっさん(Lester_the_Nightfly)

☆ ナイスありがとうございます。横レスになりますが,自称「保守言論」諸氏が月刊誌上で勇ましいことを主張されているのですが,この人達が大いに批判する近隣の大国が現在行っていることと,この本で指摘されている20世紀前半に大日本帝国が行ってきたこと(行為の進展,進捗含め)にどれだけの「合理的かつ有意な差」があるのか,凡庸なぼくには分からないのであります。駄文失礼。

08/11 18:52
0255文字
本読むおっさん(Lester_the_Nightfly)
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☆ serial number 240(240/345)ぼく達は戦後民主主義という言葉を何気なく使っているが,どうしてdemocracy(民主制)ではなくdemocratism(民主主義)だったのか。たぶん対置すべきものが国体(despotism=専制主義)であり,autocracy(専制主義=独裁制)ではなかったからだろう。この本は日本の「保守勢力」と呼ばれる人々が,実は大日本帝国の精神文化への回帰を志向する「反動勢力」であることを丁寧に示したものである。(続く)
本読むおっさん(Lester_the_Nightfly)

(承前)☆ 「保守主義」をどう捉えるかはこの言葉の持つ広がりが大きいため(例:Wikipedia「保守」の項参照),人によりまちまちになる。ぼく自身が実感しているのは「戦後民主主義」を維持しようとする勢力が現在の保守(派)であり,戦前日本への回帰を志向する勢力は反動だと考える。=以下場合により続く=

08/11 11:27
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横浜中華街2025
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著者の本は初めて読んだが面白かった。副題をつけるならば「現代日本に生きる大日本帝国の思想」とも言える内容。現在の「保守」政治家や言論人たちの多くは、戦後日本の民主的な思想ではなく、戦前の大日本帝国の思想や社会を敬愛しているという指摘はまさにその通りであり、靖国神社参拝など様々な問題を引き起こしている元凶と言える。 「日本の社会に根強く残る「大日本帝国型の精神文化」は、二つの意味において日本人にとって危険な麻薬だと思います。一つは、人々の弱った心の隙間に静かに入り込んでくること。(続く)
横浜中華街2025

もう一つは、服用すると一時的に高揚感や優越感、陶酔感が味わえますが、健全な思考力が蝕まれ、自ら破滅へと導く道を「理想郷の道」だと錯覚してしまうこと。」(あとがきより)

08/04 09:12
0255文字
Akim
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上位者に唯々諾々と従うのはよくないという点は共感できる。
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黒胡麻
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「日本国民は批判的精神に乏しく権威に盲従しやすい」「人間性、人格、個性を十分に尊重しない」等、戦争に至った日本人の問題点は敗戦の翌年に文部省新教育方針ですべて指摘されていた。にも関わらず、それらは改善されるどころか、現在、東京オリンピックなど様々なところで大日本帝国の精神は復活しつつある。 大日本帝国はたった77年間に過ぎず、その間、自国民や世界に災いをばら撒いた。こんな異常な時代を賛美し回帰しようとする連中はいったい何なのだろうと思う。
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門哉 彗遙
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「大日本帝国型の精神文化」の温存化がやまないどころか、復興しつつあるのではないかと思ってしまう今の日本。もう破滅するしかないのかな。
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kuly
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どうして日本には民主主義が希薄なのか、何故国粋主義に戻っていくのか、長年の疑問の根本的原因に合点がいく一冊だった。靖国信仰の本当のヤバさ、最近の共産党批判に通じる解説などなど、納得と同時に日本の置かれている状況の厳しさに哀しくなる。批判的思考や合理性を欠いた権威主義、長いモノに巻かれろの空気が苦しい。これでは子どもは産めないよねと。
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おやぶたんぐ
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読みやすい。批判的思考(感情的な反対や不平不満の吐露とは全く別物)の軽視が国の衰退に繋がることは、紛うことなき事実だろう。本書の内容も、批判的に検討(無論やみくもに反対するのは論外)しつつ今後に活かしていくべきではなかろうか。…少なくともオリンピック当時のコロナ対策は、そこに至るまでの知見を活かしたとはいい難い過剰なものになってきており、将来の禍根に繋がったのではないか。それを支えていたのが、国民間の〝情緒的共感″〝同調圧力“〝空気”ではなかったか。オリンピック開催の可否とは又別に考えるのもありと思う。
0255文字
イガラシ
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日本は第二次世界大戦で敗れましたが、なぜ道を誤ったのかを検証してこなかったことが今の時代に影響を与えてしまっているのだろうと思います。あらゆる教育に失敗したように思えますが、「新教育方針」にあるようなことが実現していれば、また違う状況になっていたのかもしれません。なぜ道を誤ったのか、今後同じ過ちを繰り返さないために何ができるのかを考えなければならないと思いました。
0255文字
貴船綏子
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戦後すぐの文部省は未来に希望を託してたんだな。この本にあるような戦中についての反省も昭和の後半はよく耳にしたから、最近の自画自賛は気持ちが悪い。明治維新〜終戦と終戦〜現在が大体同じくらいの年月なんだなあ。
0255文字
おかむら
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敗戦じゃなく終戦って言ってるしな日本…。保守の人たちの「大日本帝国好き」がじわじわと強まってる気配を、落ち着いた筆致で平易に解説。本当に読んでほしい保守側の人は途中で「けしからんっ」とか言っちゃって読むのやめちゃうかも。あのね、そういうとこですよ。冷静に諭すと怒る。あと、この本ちょっとだけ惜しいとこは第1章の東京五輪。あれから2年、ウイズコロナ日常が定着の今読むと、開催後もそこまで酷い事態にはなんなかったよな?的な、人は忘れちゃう生き物、なのであんまり効果的でないかも。
0255文字
青雲空
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4/5
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nasbi
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ネタバレ日本のメディアも、経済状況を判断する指標の一つに過ぎない大企業の株価に過剰なほど注目し、一人一人の国民の暮らしが30年間でどうなったかという足元の状況には目を向けないまま、大企業の株価が高値で安定していれば日本経済が上手く回っているかのような財界目線の報道を繰り返してきました。日本のように残業が当たり前と考えず、定時で帰宅して家族と過ごす時間を大切にする欧米の方が、残業ばかりしてまたはさせられて、人間らしい暮らしをなかなか実現できない日本よりも平均賃金が高い。そんな状況をおかしいと認識しないのはなぜなのか
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takoyama
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確かに記載のような側面はあると思う。 でも一面的と感じて、もう少し他の掘り下げ方があった方がより良かったかと。 世界の中で、かなり自由度の高い国であることは素晴らしい事だと思っています
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やん
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うすうす感じていたのはこういうことだったのか。もしかしたら著者と同年代くらいの世代に民主主義は一番根付いていたのかも、などと勝手な感想を抱く。思ったより筆致は穏やかだった。
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Hiroki  Nishizumi
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同意、激しく同意。日頃、日本と言う国の日本人の粗末な扱いに憤りを覚えることが多い。政治家は国の将来より目先の利益獲得しか考えていないと思う。敗戦は必然だった、戦前の皇族華族が威張る社会などとんでもないと思うが昔甘い汁を啜った者たちはそうでも無いらしい。真の民主国家になれるのはいつなのだろうか。
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八鬼
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敗戦後の反省・処理が中途半端だったため、戦前の大日本帝国の精神文化が生き残り復活しつつある。その影響がコロナ対策・東京五輪の強硬に表れたとの論証を行っている。考えるに、一番大きいのは考える教育が行われなかったことだろうし、BC戦犯など末端までの追及がその後行われなくなったことなど自分で考え責任を取る文化が作れなかったことだろう。
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Mc6ρ助
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大日本帝国型の精神文化ってテロを手段とした青年将校やなんかの暴走は(三島由紀夫を最後に(?))無くなったよね。昭和、平成、令和、三代の天皇に見限られた靖国神社を参拝する(し、どこかのカルトでマザームーンとか言ってるらしい)政権与党の人達が招聘しようとしている世界はオトモダチだけに都合のよい(トランプに相似の)権威主義的新自由主義に見える。近隣諸国の脅威に軍事費増強を唱える彼らはとても稚拙に見えるけれどそれを許す我々国民もまた稚拙、「民主主義の苗」を育てなければならないという著者の主張には激しく同意したい。
本読むおっさん(Lester_the_Nightfly)

☆ ナイスありがとうございます。横レスになりますが,著者の主張の中で最も共感したのはドイツ連邦共和国における取組の紹介でした。駄文失礼。

08/11 11:29
0255文字
kawa
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大日本帝国の敗戦を国民の手で総括しなかったことが、我が国の現状の閉塞感につながっている意味で「未完の敗戦」との筆者の言には同意(今からでは手遅れだろうが…)。が、大日本帝国型精神文化の温存が、東京オリンピック強行や過労死等現代の問題等と直結するがごとき論説には論理的飛躍を感じてしまい首を傾げざるを得ない。「統帥権の独立」を盾に天皇を悪用したところに当時の軍部の狡猾さがあったのだろうし、人命軽視の風潮にしても鎌倉以来の日本人の死生観や精神文化が色濃く影響している結果ではないかと思う。
kawa

筆者の言う健全な民主主義が機能している国って、そもそも今の世界にあるのだろうか?お手本にするところがあれば教えて貰いたい。

10/25 15:46
0255文字
ミヤビとライライ
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敗戦後、戦時の過ちに向き合うことなく、東西冷戦に伴う米国の方針転換で公職追放されていた軍国主義者たちが復権し、大日本帝国の精神文化が息を吹き返してしまったと本書は指摘する。それは個より、国や企業など集団の利益が優先される社会。見渡せば、あるある。学校での無意味な校則や体罰、過労死に追い込まれるほどの長時間労働、あれほどの事故を起しても稼働し続ける原発、コロナ禍でも強行した五輪、ネットに氾濫する在日コリアンへの差別的言葉…。民主主義や人権がしっかり根付かないこの国の不幸に改めて思いをはせた。
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がんちゃん
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この国で保守と名乗る人たちは、なんのことはない、大日本帝国憲法下の日本に戻りたいんですね。でも、それはとても恐いことです。何より人々の諸権利より国が優先されてしまうわけですもんね。不思議なのは、そんな世界を快く受け入れようという人たちがいるってことです。特に権力者でもない庶民が自らの人権を放棄してまで権力者に盲従するって、昔の言葉で言えば、国士気取りってヤツですかね。そういうヤツが日本を戦争に突入させ、悲惨なことになった歴史があるっていうのに。何度もいうようですが、問われているのは私たち国民なんですよね。
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二人娘の父
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著者が挑むのは「この国の人間の扱い方」。あらゆる分野で「人間を粗末にする」社会の根源に、大日本帝国憲法時代の思想が払しょくされていない、という主張である。本書の最大の特徴は第四章にある。敗戦翌年(!)に文部省が作成した『新教育指針』と、1948年作成の教科書『民主主義』というテキストを紹介している。私は初めてその存在を知った。ここで明らかにされた「反省点」どおりの教育が行われていたら、日本社会はどうだったのだろうか。また安倍元首相が教育基本法「改正」に真っ先に取り組んだ意味を含めて考えると興味深い。
0255文字
tetu
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★★★★
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紫苑
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「人を粗末に扱う」この国の様々な事象に通底する大日本帝国型の思考に光を当て、警鐘を鳴らす。注目すべきは1946年に文部省が出した《新教育指針》で、ここに指摘された戦前の思考が現代日本に当てはまることに暗然とする。それは取りも直さず、日本が戦前の自国優越思想や戦時加害を総括せず今まで来たことを示している。特に若年層の批判的思考が育まれていないのは、教育基本法の改正からここ10年で、教育における戦前回帰が急速に進んだためと思われる。国葬が世論を二分し、憲法改悪が危惧される今、広く読まれたい本である。
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我樹丸
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この国は、なぜ人を粗末に扱うのか?本書はその答えを「大日本帝国型の精神文化」に見出す。この精神を分析し思考形態を明らかにすることで今なおそれが社会にはびこっている事を様々な事例を通して検証する。後半では戦後日本で敗戦がどのように総括され、教訓として残されようとしたのかを文部省の「新教育指針」をベースに見ていく。著者は「大日本帝国型の精神」の分析とそれを巧みに擁護するレトリックを他の本でも紹介している。様々な角度から光を当て、現代日本の民主主義の危機に警鐘を鳴らす本書は、敗戦を完結するべく読むべきである。
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