形式:新書
出版社:集英社
形式:Kindle版
アベ周りの有象無象の名前も出てきます。……元より最初のアベ政権時にもバックラッシュの類は多々あったのは上野さんが指摘しているとおりでしょうし、反知性主義という未満の、いわば無知性主義みたいなものですとどまっていては何一つまともにならないのがこの間の政権でしたので……自由が幸せとは限らないが、自由のないところに幸せはない、とある通りでしょう。苫野一徳・高橋哲哉といった哲学者の論考等も参考になります。通常の新書の倍くらいのページ数ですので、気に入ったところの拾い読みでも良いかも知れません。
しかし、これは政治利用にはならないのだろうか。そして、出演者たちはそれに自覚的なのか。ギャラとチャンスがあれば何でもやるということなら、ポップカルチャーも権力のしもべになったということだ。なぜメディアは、これを問題にしないのか、不思議である。ちなみに、新時代のCMを見てみたが、明らかに浮きまくってる安倍晋三の違和感と「壁なんかいらない」が「安倍なんかいらない」に聞こえて、失笑してしまった。
著者は最後に、声を上げることの重要性を挙げていた。オンラインアクティビズムに参加するハードルは低くなっている。「保育園堕ちた日本死ね!」のブログで待機児童問題が政治問題化したこと、検察庁法改正案が一人の女性が始めたSNSの投稿が反響を呼んで押し戻されたこと、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長が辞任に追い込まれたこと、これらが成功体験となって、若い世代の経験値が蓄積されている。
「どうもメディアは私のような個人に、本来自分たちが言うべきことを代弁させているようなところがあるように思います。つまり、メディアは自分たちが中立の立場を装って、私のようにものを言う人間をあたかも人身御供のように差し出しているのではないか。あるいは両論併記といって、対立する立場の人間を戦わせて、自分たちはそれを外から眺めている。」
非常に共感します。※私が桐野夏生氏のファンであることは置いといても
memo;国際交流基金、アジアを舞台とした文化交流企画について「企画はとてもいいと思うんですが、いまのうちではできません。ここ数年、韓国や中国がらみの企画はほぼ全て却下されるようになってしまったんです」
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