形式:ライトノベル
出版社:KADOKAWA
形式:Kindle版ライトノベル
(承前)「これは作中作も含めて、完全なイロモノ小説だよな~」と思ったら、琥珀が「何故、零に小説を書かせようとするのか?」や琥珀の正体、目的などが明かされるにつれ、小説の様相がガラリと変わっていくのには、これまた驚かされた。零が「7歳から勃起不全に悩んでいる」という設定(小学校2年生から悩むかな~?)や、「琥珀の書いたプロットが、まともな文章の態をなしていないのは何故なのか?」とか、「零が15歳と19歳の実姉妹と入浴するのは、どうなの?(そういう生活を続けてきたから、刺激になれちゃって(続)
(承前)勃起しないのでは?)」とか、「零と琥珀以外の人物が、割と背景になってる」とか、疑問やツッコミどころもある。だが、それでもギャグやサービスシーンを交えつつ創作に打ち込む零と琥珀の「共犯関係」は、大変に読み応えがあった。本書を読み終わった後、改めて書籍タイトルを見ると、秀逸だなと感心。綺麗に終わっているので、恐らく本書の続刊はないとは思うが(もし出たら出たで、読みますが)、筆者の他の作品も読んでみたくなった。まぁ既に、本書と同時刊行の『リコリス・リコイル』の小説版は購入済みなんですが……(藁)(終)
こんにゃくと蜂蜜でぬめりまで再現した疑似触手でヒロインの気持ちを味合わせるなどの、完全アウトな展開をギリギリR17ぐらいに収めていたりと、作家人生で培った表現力を無駄に発揮した描写の数々が光っていた。また、ヒロインが隠していた事情が明らかになる中盤を境に、物語の構図が反転し、タイトルの本当の意味が明らかになるというギミックは素晴らしいの一言。ただ、欠点はカロリー高めの文章なので、気合を入れて取り掛からないと胃もたれしそうなところだろうか。氏の作品のほとんどに言えることではあるが。
入稿締切日の零時近くまで作業してる同人誌みたいなライブ感にあふれるあとがきが良すぎて好き。近年はとんとこういうの見なくなったんであとがきに一番沸いてしまった。どういう状況であとがきを書いているのかみんな書いてくれ…!
コメディタッチなのですが、表現が豊かすぎてパワフルな叡智描写が熱い! 作家ものである本作ですが、登場人物達の創作にかける想いや熱量が各々違った視点から語られる。中盤辺りの怒涛の掛け合いが滅茶苦茶面白く、爆発力は無いのですが先を読ませる展開の面白さと設定の奇抜さ、そして作者の癖が存分に詰まった作品でした。
あとがきについてなんですが、むしろサブタイトルがなかったからこそ内容が想像できなくて衝撃がつよかったと思うので、ついてなかった方がいいタイトルなんじゃないかと思ったりしました。掛け値なしに面白かったです!
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