形式:単行本
出版社:東京創元社
形式:文庫
形式:Kindle版
知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人捜しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだったが――。《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10第1位『パラ・スター』の著者が贈る、〈犯罪と私たち〉を描いた壮大なミステリ。
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感想追加、読んだのよ😄 カフネが先になっちゃうけど、あとから追いかけるね
はーい、待ってるね💓
「でも彼らは、励ますことはしても、実際に手をのばして何かしてくれることはないのだ」「人間は、置かれた状況に応じてよっちゃ簡単に良心なんて手放せる」「きっと、親を一度も憎んだことのない子供も、子供を一度も疎んだことのない親も、この世にはいないと思う」「今ならわかる、あれは絶望だったと」「消えてほしくない人と、ちゃんと目を合わせていられる自分でいろ」
「その光は、普通といえる家庭に生まれ、金持ちではないにしてもそれなりの生活を今日まで送ることができ、おそらくこれからの大きく道を踏み外すことはなくそれなりに幸福な人生を歩むことができる――そういうオーラだ。彼女たちといるのは楽しいが、理緒は彼女たちのそばにいると自分がひどくがみすぼらしくて薄汚れた存在であるように思えることがある」
この表紙デザインはなんとかならなかったのだろうか?金環日食をイメージさせたかったのかもしれないが、歴史大河ドラマのオープニングみたいだ。ストーリーは現代的だし登場人物のキャラとも合っていない。歴史小説だと思って手に取らない人もいるんじゃないかな。いい本なのにもったいない😭
【人間は、たやすく心が翻り、いくつもの顔を持つ】高校生ランキングでベスト5くらいの札幌洗濯物を畳むのが凄く巧い、意固地で面倒くさく、帰宅部道を極めることを使命とする、北原家の小姑であり鬼軍曹である、手品と変装が上手なイケメン鉄仮面高校生・錬は、クールに言い放つ。<人間の顔って、ひとつじゃないですよ。家に帰ったらいい父親のヤクザもいるかもしれないし、友達思いの殺人鬼だっているかもしれない。人間って置かれた状況でいくらでも変わるんだと思います。優しくなったり、怒りっぽくなったり、ものすごく残酷になったり>と。
【大人は苦労している若者が好きだ】サブキャラとして登場する北大生・理緒は、バイト先の居酒屋で酔客の戯言を受け流しながら、考える。<父親がいない。母親が昼と夜のダブルワークで必死に働いている。それでも生活は苦しく、家族のために学校に通いながらアルバイトをしている。そんな不幸なストーリーを聞くと胸がいっぱいになったように、偉い、がんばれと声をかけてくれる。そのまなざしはとてもやさしい。でも彼らは、励ますことはしても、実際に手を伸ばして何かしてくれることはないのだ。たぶん、世の中は、そういうものなのだ>と――。
闇バイト根深いよね。去年はこれを始め、堕ちる本が印象深かったな。そういう時代になってきたんだなと怖くなります。
honさん、ほんとにそれですよ。闇落ちテーマの本がほんとに多いし、こういうの読んでると、そういう仕事を選んでしまうのもしょうがないと思ったりしちゃいますよ。つらいですね。
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