形式:新書
出版社:朝日新聞出版
形式:Kindle版
しかしポピュリズムという耳慣れないカタカナでごまかしてるけども、それこそこの本で書かれた戦前の外交官や政治家はバカな大衆のせいって見下し責任転嫁してる場合なのかって思うし、この本を書かれた今に生きる専門家の方々も同じように戦前の、そして今の大衆を見下してるのが伝わってくるのがつらい。今はネトウヨだパヨクだって互いを更に大衆が互いを見下しあってるわけで、どうにかならんかな。とりあえず選挙いこう。
「振り子のように極端な世論の構造」は、軍縮期の軍人蔑視が満州事変によって熱狂的な親軍感情に世論が様変わりした話が強烈である。実は軍人蔑視と親軍感情の精神構造の根っこは一緒なのではという指摘もするどい。現代においても信者とアンチは対極であるようで近似かつ表裏なのかもしれない。
来日したヒトラーユーゲントが全国でアイドル的な人気を誇り、世論が一気に親独感情に傾いた話も興味深い。なんとなく自分にはヨン様期の韓流ブームを思わせる事例だ。ナチスは独自の美学で「魅せる」ことに長けており、うまく己をブランディングできていたのかもしれない。
他方確かに大衆の意識と行動が政治に影響を与えていたのは事実であり、特に政党内閣時代は多数を得るために相手等の足を引っ張ることしばしで、これが新聞にセンセーショナルに書かれて選挙に影響を及ぼすパターンとなっていた。でも一方言論は自由ではなく、特に軍にとって都合の悪いことは殆ど言えない状況だったはず。その点治安維持法や天皇機関説問題を取り上げた論考がないのはとても残念。毎度思うのだが「最前線」というあたかも他の研究者や読者に対する「上から目線」を表題にせず、内容で勝負して欲しいものだ。
あはは、ふたつ前のコメント、資格じゃなくて視角です。
結局、戦争=悪という視点を抹消した上で戦前を見ないと理解できない気がします。戦争=産業の一種と考えていた時代で、当然勝てば官軍の世界、良い悪いは別にして、昔はこういう考えだったで良いと思っちゃいます。CTCさんとレイノーさんのハイレベルの会話の後で小っ恥ずかしいですが。。。
Tomoichiさん、コメントありがとうございます!いやぁ、その通りなんですよね、その「昔」が知りたいだけなんです。。ところが別の時代の価値観の話を読まされるので辟易(苦笑)。それすら愉しめる広い心を持ちたいです!
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