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昭和史研究の最前線 大衆・軍部・マスコミ、戦争への道 (朝日新書)

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学者が執筆していることもあり硬派でアカデミックな印象がありますが、学術的視点でしか知り得ない情報もありますので貴重な一冊だと思いました。 この書籍では主に太平洋戦争開戦前に於ける日本と諸外国との関係性について紹介されている印象を受けます。 満州事変や国際連盟の脱退や日米開戦に於ける経緯など詳細に記されていました。 この書籍の想定読者は近現代史の基礎知識を把握していることを前提に記述されているので、少々難解な印象も持たれやすいと思いますが戦前のことについて情報を得たい場合参考になると思われます。
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じろう
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民主主義さえ機能していればなんだかんだ言っても大衆は最終的に正しい道を選択すると確信していたが最近は自信がない。満州事変、日中戦争、三国同盟、大政翼賛、戦争突入、すべて軍人が主犯だけれどマスコミと大衆の責任も大きい。最初はそんなに反英論が主流ではなかったけど、不人気の報知新聞が先駆けて反英の展開をしたとかラジオに押されて新聞も打開策が必要だったとか結局大衆人気に追随して行くとか、現代で言えばマスコミはおとなしいのにネットメディアがより過激に注目をひいいて再生数稼ぎの論調を貼るのと変わらない気がする。
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kenitirokikuti
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図書館にて。同じ編者による、似たようなタイトルのちくま新書「昭和史講義」シリーズとともに借りた。本書の刊行年が2022年で、ちくまの方は2015年からである▲昭和史の見直しといえば、特に平成半ばの以降ともなれば、「新しい日本史教科書を作る会」的なテイストが連想されがちなのだが、戦後の昭和史が講座派マルクス主義と丸山眞男的近代主義に傾き過ぎてて…というか、例えば二・二六事件の裁判記録が閲覧可能になったの2016年だったりと、実証的な歴史学研究は進みきってはいない状態▲むつかしい分野なので理解が通らず。
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鯖
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朝ドラで帝人事件をモデルとした裁判が取り上げられてたので、この本に章立てであったよなと手に取った本。筒井先生が編者ということもあり、全体的にポピュリズムに触れたものが多い。大衆世論マスコミの圧によって日本は戦争に突入していったというのはそりゃそうなんだろうけども、一方で言論弾圧や憲兵等が最も強かった時代な訳でその辺りの齟齬はどうなんだろな。安倍首相暗殺に絡めたいけど絡めないギリギリの論が多いなという印象。しかし515事件で死刑が出ないのってすごいな…。軍法会議の裁判官もつらそう。
鯖

しかしポピュリズムという耳慣れないカタカナでごまかしてるけども、それこそこの本で書かれた戦前の外交官や政治家はバカな大衆のせいって見下し責任転嫁してる場合なのかって思うし、この本を書かれた今に生きる専門家の方々も同じように戦前の、そして今の大衆を見下してるのが伝わってくるのがつらい。今はネトウヨだパヨクだって互いを更に大衆が互いを見下しあってるわけで、どうにかならんかな。とりあえず選挙いこう。

05/20 22:32
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かんがく
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類書を読み過ぎてあまり新発見はない。副題の「大衆・軍部・マスコミ」にあるような、国民の軍隊観や英米観の変化が史料とともに紹介されている点は良かった。
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バルジ
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読了。 編者も同じ類書が複数あるが、それらよりより専門的な内容のように思える。どの論稿も第一線の研究者の執筆であるが、個人的には①奈良岡聰智②樋口真魚③玉井清、各氏の論稿が興味深い。①の奈良岡論稿は政党政治に関するものであるが、当時の公職選挙法が他国と比較して厳しいものであったにも係わらず政治腐敗が収まらなかったことを指摘する。②の樋口論稿は松岡洋右の連盟脱退反対論と先行研究を用いた「協調外交としての連盟脱退」を論ずる。③の玉井論稿はメディアでの反英論と親米論の相克を指摘。どの論稿も重厚である。
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ポレポレ
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非常に面白い。ただし、初心者向けの本ではないかもしれない。戦前昭和史について断片的な知識、ニッチな事前知識があるけれども、全体像を掴めていない時に読むことをおすすめしたい。
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Shinya Fukuda
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教科書では平板に記述されている事実も実際には紆余曲折があったことが分かった。戦前と戦後が断絶しているような理解があるが全然違っていたことがわかった。実は戦前も戦後も変わっていなかった。政党のやっていることは同じだった。ただ戦前は西園寺公望というキングメーカーがいて政党人以外に斉藤実や岡田啓介らに大命を降下させた。今は政党人以外が総理になることは難しい。クーデターの影響も大きい。今では発生し得ない。マスコミが大衆を煽動したのがいけなかった。上層部はわかっていたのだから大衆を説得する義務があった。
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ryotarocheak
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ネタバレ勃発するテロ。「複雑怪奇な」国際情勢。昭和の歴史と令和の今日は非常に似通って見える。 テロ事件の被疑者に対する同情や検察の「世直し」に期待する風潮は今日的な問題でもあるからだ。 二度と戦争を起こさないためにはどうするべきか。ファシズムへの移行をいかにして食い止めるか。 今こそ歴史から学ばなくてはならない。
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辻井凌|つじー
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昭和戦前に関する論点を専門家たちが「大衆と世論」にも焦点を置いた形で解説した本。自分が知らなかった切り口で書かれている箇所もありおもしろい。僕は「追い込まれたときの決断」と「振り子のように極端な世論の構造」に大きく関心を持った。
辻井凌|つじー

「振り子のように極端な世論の構造」は、軍縮期の軍人蔑視が満州事変によって熱狂的な親軍感情に世論が様変わりした話が強烈である。実は軍人蔑視と親軍感情の精神構造の根っこは一緒なのではという指摘もするどい。現代においても信者とアンチは対極であるようで近似かつ表裏なのかもしれない。

05/27 21:49
辻井凌|つじー

来日したヒトラーユーゲントが全国でアイドル的な人気を誇り、世論が一気に親独感情に傾いた話も興味深い。なんとなく自分にはヨン様期の韓流ブームを思わせる事例だ。ナチスは独自の美学で「魅せる」ことに長けており、うまく己をブランディングできていたのかもしれない。

05/27 21:49
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skunk_c
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筑摩新書でやっていたことを朝日選書に移してきたようで、例によって編者の「はじめに」でひとくさりあるが、それが誰をさすのかは分からない。面白い論考もあったが、「最前線」というよりは、副題の大衆とマスコミの動きに焦点を当てた内容と捉えた方がいい。例えば大正期に軍人が苦境にあったたことが今まであまり論じられていないという(第1章)が、永田鉄山の評伝などにはしばしば論及されているのだが。また「15年戦争」という連続より1933~37年の断絶を重視する向きがある(第8章)が、連続の意味を取り違えていないか。
skunk_c

他方確かに大衆の意識と行動が政治に影響を与えていたのは事実であり、特に政党内閣時代は多数を得るために相手等の足を引っ張ることしばしで、これが新聞にセンセーショナルに書かれて選挙に影響を及ぼすパターンとなっていた。でも一方言論は自由ではなく、特に軍にとって都合の悪いことは殆ど言えない状況だったはず。その点治安維持法や天皇機関説問題を取り上げた論考がないのはとても残念。毎度思うのだが「最前線」というあたかも他の研究者や読者に対する「上から目線」を表題にせず、内容で勝負して欲しいものだ。

01/27 00:59
skunk_c

あはは、ふたつ前のコメント、資格じゃなくて視角です。

01/27 01:02
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Satsuki
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着実な実証的研究の最新の成果をまとめた、と編者が述べるとおり、満州事変から一直線に戦争に向かったとする「十五年戦争論」や、大政翼賛会=一党独裁体制のような単純な理解は否定。また本書の大半を貫くのが大衆社会と世論、メディアという視点。大正期の軍人蔑視の反動。政党政治での疑獄。満州事変や五一五事件、日中戦争への世論の反応。独とヒトラーへの大衆世論傾斜。反英、後には反米世論の台頭。特に日中戦争と日米交渉の過程はグダグダ。当局間の相互不信や上層部と現地部隊のズレなどもあるので、メディアや世論だけの責任でもないが。
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koba
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本書は大衆・世論が発する「同調圧力」が昭和史に与えた影響を明らかにした論文集。日露戦争後の日比谷焼き討ち事件を、新聞報道等に煽られた最初の大衆運動とする著者が編者となっている。同様の視点から40代を中心とする14人の学者が、大衆世論の形成過程を踏まえながら大正末期から日米開戦までの節目の出来事を考察している。戦前日本は「ムラ社会」で価値観の多様性がなく、新聞、ラジオの論調に煽られやすかった。「マスク自由化」といっても、日本人の本質である横並び思考は、多様性社会を標榜している現代でも変わることはないだろう。
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matsuri_n
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豊富なトピックがコンパクトにはまとまっていいのだけど、「最前線」はちょっと大きく出過ぎたのでは...。研究動向をアップデートできるかと期待したけど、少しでも知識があるなら別の本に当たった方がいいかも。
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CTC
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昨年11月の朝日新書新刊。14章14著者の構成で、筒井清忠編。編者以外は70年代生まれの若い研究者を中心の執筆。「実証的研究の最新の成果」に基づき「大衆・世論の強い圧力」によって動いた昭和史を辿るというのが本書の眼目。ただ、いちばん気になったのは“十五年戦争”へのツッコミ。「今日の研究で」15年を「戦争一色で塗りつぶして理解することの危険性」の観点等から否定されている由をわざわざ2人の書き手が記しているが、わざわざ語るほどの研究成果なのかね。
Tomoichi

結局、戦争=悪という視点を抹消した上で戦前を見ないと理解できない気がします。戦争=産業の一種と考えていた時代で、当然勝てば官軍の世界、良い悪いは別にして、昔はこういう考えだったで良いと思っちゃいます。CTCさんとレイノーさんのハイレベルの会話の後で小っ恥ずかしいですが。。。

01/21 15:45
CTC

Tomoichiさん、コメントありがとうございます!いやぁ、その通りなんですよね、その「昔」が知りたいだけなんです。。ところが別の時代の価値観の話を読まされるので辟易(苦笑)。それすら愉しめる広い心を持ちたいです!

01/24 20:15
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権之助
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日中戦争から太平洋戦争に至る過程を解説。俗説と異なり新設もあり斬新でした。マスコミや世論に惑わされるのではなく、常に自分自身で考えることが必要なのを再認識しました
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Kelevra Slevin
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コロナ禍での政治主導でない空気による自粛行動、元首相の暗殺といった穏やかでない社会情勢が醸成されている中で個人的にタイムリーな本だと感じた。515事件で青年将校に同情的な声が寄せられたことは知っていたが、事件直後はむしろ暗殺された犬養首相への同情の声が大きかったが裁判が始まってからはがらっと空気が変わってテロを行ったものたちへの同情が強まっていったというのは大変恐ろしく感じた。
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あまたあるほし
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とても勉強になるが、相変わらずの編者の上から目線ぶりが気になる。ちくまの本もそうだった。どうしたら、こんなに偉そうになれるのだろう。
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onepei
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帯とは逆に、大衆の声とその大衆を止められない指導者層の姿が印象に残った
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wuhujiang
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同じ筒井氏編で同じような新書として、ちくま新書の昭和史講義シリーズがある。戦前昭和史について、専門家が最新の研究成果をわかりやすく紹介するという点では役割が被ってしまっている。ただ、本書は上記シリーズとの差異として「大衆・世論の傾向」を挙げており、ここが差別化ポイントとなっている。(ただ、大衆/世論の話があまり出てこない章もあった。そこはテーマが一貫していないのでは?と思ってしまった。)世論が誤っていることもあるのは戦前も現在も同じという点はしっかり押さえておくべきだろう。
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