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完本 チャンバラ時代劇講座 1 (河出文庫)

感想・レビュー
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急性人間病
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通俗たる小説が、通俗たる映画が、通俗たる所以は、その模倣の試みに顕れる。子供が真似する作品はバカにされる。しかしそれは、大人こそが、面白いものを面白がって、その真似をして生きる存在であることに対する屈折した態度に他ならない。ガキどものは“くだらない”ごっこ遊びだが、俺たちのは違う、切実で本質的で、格調高い行為なんだ、という具合に。だがそこから、格調への憬れもまた通俗の通俗たる所以と示され、メビウスの輪を一巡りするような境地のなかで其処に、これまで“くだらない”ほど分りやすかったはずの「世界」が見えてくる。
急性人間病

「単純な頭で事を起こすのと、単純なる本来性を貫くのとは違うのだということを御記憶願いたいと思います。」(338P)このことについて、わざわざ“記憶”するようにと橋本が促さなければならないことについて、よく考えてみなくてはいけない。そんなことわかってるよ、見ればわかるもんね……とのたまう前に。

09/29 21:20
0255文字
恋愛爆弾
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この本は、きっと世界を変えた。
0255文字
amanon
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日本の近代娯楽史(≒サブカルチャー)研究の嚆矢であり、ある意味その金字塔というべき作品ではないか。最早、死語となり、忘れ去られつつある感があるチャンバラ。しかし、その歴史を詳細に紐解いて検証してみると、思わぬ発見が目白押し…とりわけサイレント時代のチャンバラ映画と歌舞伎界との関係など、昨今においては殆ど省みられることがないもの。この辺りを踏まえた上で、改めて日本映画史を捉えなおすという試みもありなわけで、そういう意味でも本書は貴重なのでは。ただ、オリジナルにあったという誤りの訂正は著者にして欲しかった。
0255文字
yasubei
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ネタバレ「通俗を語るのに"子供騙し"という言葉を使うのは、ある意味で逃げです。何から逃げているのかというと、それは勿論、大人の持つ"いい加減さ"からの、大人はいい加減であらねばならない、いい加減であれてこそ初めて人間は大人であるという大人といい加減さに関しての積極的な肯定からの逃げです。そういうことをしているから世の中はつまんなくなってしまうのです(p87) 」
yasubei

「本当の腹芸というのは、そんなもんじゃないんです。腹芸というのは「他人というものは分からない」という前提があって、それでもなおかつその他人との関係を設定しなければならないという矛盾(あるいは"勇気")の上に成立するものなんです。(中略)腹芸というのは"これ以上言葉に出来ない"というギリギリのところまでを言葉にした上で「後は信じるか信じないかの信頼の問題である」というつきつけ方をするコミュニケーションなんです。"信頼"というものを前提におくからこそ、"断絶"という絶対の不通も登場するんです。(p361)」

02/25 00:10
yasubei

『東下り』の大石内蔵助は「見逃してくれ俺は大石内蔵助だ」と黙って頼み、あるいは命令し、立花左近はそれを受けて見逃したんですが、富樫と弁慶は違います。弁慶は富樫を騙し、富樫は弁慶に騙され、そして富樫は悟ったんです(p369~370)」

02/25 00:13
7件のコメントを全て見る
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ネルシュン
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橋本治が時代劇を中心に、大衆芸能について論じた本、橋本ならではの考察が大変面白いです。
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unterwelt
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「チャンバラ時代劇について書いた本」なのだが「チャンバラ時代劇について語ればこういう事も語れるはずだ」と言わんばかりに日本の男、スター、腹芸というかコミュニケーションの変質、近代化といったことに話が飛ぶので、帯文の「チャンバラがわかれば、世界がわかるのです!」はその通りかもしれないけど、チャンバラ時代劇のウンチクとか歴史は分からんだろと思うのだが、これが橋本治ですと言われたらそうとしか言えない本で自分自身この本を理解しているとは全く思えないが文体の勢いで読まされてしまう、そういう本。
0255文字
Mc6ρ助
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『・・”時代劇”が・・が着物を着た”現代劇”である・・(p113)』時代小説は着物を着た現代小説なのであった。博学多識なお殿様・・を前になすすべもなく次巻へ!
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ヨーイチ
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2も有るので、例によってコメントはそちらを読了後とする。相変わらずの博覧強記と独特の論旨を堪能。好きな分野なので楽しい。忠臣蔵と勧進帳の話は歌舞伎好きな若い衆は読まない方がいいかも、歌舞伎の解説本とはかけ離れた内容で混乱必至(笑)
0255文字
AnmitsuK (うろ覚えムーミン)
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分かりにくいことを分かりやすく語るには、途方もない文字数と、歴史的な補助線が必要になるのだなと感じ入る。それにしても、時代が進むごとに 「暗黙の了解」が廃れ、「説明」が必須になってしまったとの指摘には肯くしかない。だからこそ、始終「説明」まみれで余白の無いチャンバラ漫画『鬼滅の刃』が令和の今ウケているのだ。
0255文字
jinginakineko
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市川右太衛門の映画を未見なのもあり、退屈男論は今一つわかったようでわからなかったが、忠臣蔵論は面白く読んだ。詳しい感想は2巻目を読んでからと致そうか。
0255文字
justdon'taskmewhatitwas
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(まだ半分だけどスゴい!) 1986年刊行だが『お春』('16)や『黄金夜会』('19)の解説にもなっていて、当時から全く以てブレていない(ま、それは知ってたけど…)というか、昭和末期に記されたこの国の予言書のようだ。
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い
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今時こんな酔狂な本がと思いきや1986年の著作。早乙女主水之介って名前の奥深さ、捕物帖と剣豪小説の格の違い、遠山の金さんの双肌脱ぎの覚悟、言葉のチャンバラ、歌舞伎(旧劇)の主役に対して新劇の悪役、忠臣蔵についてはもう圧巻。「その」宝船。腹芸。最後は勧進帳、飛び六法で物語の破綻をノリと勢いでカバー。◇理屈っぽいのに、ずっと読んでいられる。大正時代にはすでに「説明」が必要で、戦後には父親的威厳はなくなっていた。ぜんぜん令和の今書かれてもおかしくない感じ。2巻目も楽しみ。
0255文字
hasegawa noboru
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チャンバラ映画とはなにか?(第一講)から始まって話題は縦横無尽にあっちへいき、こっちへいきの橋本節。1986年刊行本の文庫化というから、見落としていた。どこまでも幅広いから浅いかと言うと深い。こんな才能の人今見渡していない。丹下左膳やら畑本退屈男やら(第二講これが通俗だ!)を論じて文庫本200頁弱!忠臣蔵の史実と46年後の江戸の『仮名手本忠臣蔵』と明治に入っての『実録忠臣蔵』と昭和3年の大佛次郎『赤穂浪士』とそのTVドラマ版、昭和39年『赤穂浪士』(脚三本・村上元三)との比較研究というか大忠臣蔵論。第三講
hasegawa noboru

「格調の高さの研究」で文庫本200頁弱!<”日本的腹芸”という馴れ合いコミュニケーション>つながりで歌舞伎の『勧進帳』、能の『安宅』を出してきて論じている最後のあたりは圧巻。

02/12 22:23
0255文字
to boy
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チャンバラ時代劇」についていろいろと考察しているけれど、橋本さんの文章ってくどくてしつこくて私には合わない。でも、時代劇がどうして明治になって生まれたのか、その後昭和にかけてどういう風に変遷していったのか詳しく書かれていてな~るほどと思った。子供の頃、棒を腰に刺してチャンバラごっこをやっていた世代なのでちょっと共感する部分もあった。丹下作善、鞍馬天狗、旗本退屈男などナウかしい名前が出てきました。
0255文字
garyou
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文庫本では単行本に掲載されていた写真を全て削除しているという。権利問題等があるからだろう。ゆえにこの表紙ということになるが、なぜ久我之助なのか。下巻はなぜ十三世仁左衛門の伊左衛門なのか。少なくとも上巻は歌右衛門の戸無瀬だろう、と思うのだが、今の人は橋本治の描いた歌右衛門の戸無瀬を見ても「グロテスク」としか思わないのかもしれない。この久我之助はモデルはないようだけどおそらく福助時代の梅玉だろう。上巻は前髪の若者で、下巻は年老いた役者の演じる花の二枚目ということなのかもしれない。
garyou

あの歌右衛門の戸無瀬の絵を「グロテスク」と思う世の中なんて、と、橋本治を読むと思っちゃうよね。

01/28 21:14
0255文字
若隠居
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20230527毎日
0255文字
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完本 チャンバラ時代劇講座 1 (河出文庫)評価100感想・レビュー16