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楊花の歌

感想・レビュー
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森田
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図書館 表紙に惹かれて。はからずとも台湾漫遊鉄道と同じ時代、同じ主題。Sのお話。ヤンファのおばさん、バンジン、イヌコロ、オマエイクラ、ビジン。意味も分からず、聞いたことのある言葉を必死で並べ立てる女の子。そんなの聞いたら、辛くなってしまうよね。
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も
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史実と創作のバランスがうまい。文章も抜群にうまい。読ませる。世界観に浸れた。次回作もよみたい。専門家が知識と想像力を総動員して紡ぐ物語っていいね。
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及川まゆみ
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ネタバレ小説すばる新人賞受賞作品と聞いて読む。いやはや、驚いた。ヤンファはあの霧社事件の生き残りではないかと思われる。巻末の参考文献を見てもそのようだ。あの事件を取り上げるとはすごい目の付け所だと思う。それに女性史研究者であると言う。著者ならではの知識が総動員で綴られる物語はとても読ませるものだったし、最後の2人の再会も驚いた。まさかこういう結末になるとは。これで新人なのだから恐れ入った。描写がとても良く、現地に連れて行ってくれる文章に感じ入った。次回作も読もうと思う。これから楽しみな作家の1人だ。
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M
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ネタバレ長編。単行本。1940年代の中国でスパイをしてる女の話。幼なじみ百合
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猫田
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女スパイが何人も出てくる割に、あんまり緊迫感もなく、ふーんって感じで読んでたら、第三部(ここだけ三人称)で急に面白くなった。全部三人称で書いてある方が良かったかも?あと、大好きだった人なら再会した時に「あれ?似てるな」くらいは思わないのかな、という疑問は残った。
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茉莉花
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ネタバレ結末が平穏すぎる。 戦時下の中国が舞台で、物語序盤は密告や暗殺が日常茶飯事だったのに追手もなくリリーが逃げおおせるのが違和感。血なまぐさい展開を予想させていたのに、中盤の長い回想で失速した印象。 回想以外の文章も過去形で淡々としていて臨場感に欠ける。冒頭が筆力を感じさせる語り口だっただけに勿体無い。ナツカとヤンファが旧知の仲であったことが物語の肝かと思うが、リリー自身が後半ダラダラしてるので肝心の思い出した瞬間も感情移入しづらい。 リリーが悲しみや痛みを感じる描写がもっとあれば全体的に印象が変わっていた。
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DEE
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予備知識もほとんどないまま読み始める。時代と戦争に翻弄された二人の女性の物語。登場人物の過去がいつの間にか繋がり、不穏な始まりとはうってかわって優しいエンディング。
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たすく
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ネタバレ小説すばる新人文学賞の作品はどれも文章能力が高いように思う。作者は博士号を取っているとのことだが、歴史的な事実を入れ込みすぎることなく、2人の女性の物語として描かれていてよかった。
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びわ
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ネタバレ戦時下の中国、いつのまにか諜報活動をする羽目になった女。今の心の支えは任務で出会った赤い唇、琥珀の瞳を持つ女。でも、もしこの女が任務に失敗したら、殺さなくてはいけない…なんて、どんな悲劇になるのだろう!?と思ったが!2人とも逞しく、ラストはなかなか爽やかで、良かった!もちろん時代背景とか辛い現実はいっぱいだったけど、そんな中でも、2人なりに旅が終えられたみたいだし。やっぱり私は南国が舞台のお話が好きだなあ。
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spike
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台湾、上海、廈門を舞台にしたスリリングだが不思議な世界観。そんなに長編なわけでもないのに、じっとりとした読後感。ヤンファの生い立ちが語られる第三部はとりわけ圧巻。
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ロキ
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めちゃくちゃ良かった。名前も帰る場所もわからなくなったような女2人の来し方が描かれる。1941年のある大きな出来事を中心に、その数年前なども章ごとに示され、途中から謎解きではないけど色々と繋がっていくさまが心地よかった。何より文章が好き。そして出てくる食べ物がみな美味しそう。最後まで読んでまた読み返したくなった。
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Fumoh
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太平洋戦争のすこし前、厦門に二人の女性がいた。二人はスパイでとある任務を負っていた。しかし物語はサスペンスを主眼にしているとは言えない。これは根こぎにされ、他者の都合によって動かされていく存在となった二人の女性が、さまざまなことに翻弄されながら、どうにかこうにか生きていく友情(と恋)の話である。あの頃の中国と日本の歴史を知っておくとまた変わった味となるだろう。大筋は分かりにくい。それは一人称を用いていて、作者は主人公の視点から見た景色と、主人公が思う「背景や経緯」の説明を、うまく混合させられなかったせい
Fumoh

だと思う。こういう複雑な経緯のあるお話に一人称は向かないと思う。状況を説明しなければいけないが、説明を多くすると説明口調が目立ってテンポが悪くなるし、また不自然になるのでそれを作者の方でも控えてしまい、結果的に大筋がどこにあるのか分からなくなる。背景がかなり複雑だし、登場人物もやや多め。芯がしっかり通っているわけではなく、ふらふらしている(過去と未来に話が飛ぶのも軽率で、結局腰が据わっていない状態で、華やかな立体性を持たせようとするから、余計分かりにくくなる)。一人称にするならお話のスケールを一気に下げて

04/15 15:53
Fumoh

ただひたすら目に見える景色に起こる物語を書いていく方がいい。宣伝されている「筆力」なんていうのは、分からなかったし、どちらかというと構造や傾向の方が問題である。ただ多分、あの頃の時代考証と風景描写が細かかったから、それで「筆力」と言われたのかな。それは十分すごいけれど、物語の本質とは関係ない。ガイドブックを読んでいるわけではないのだから。ある時は状況描写や文化の説明がくどすぎてテンポが悪いと感じた。短文でパッと現在地点を説明して、あとは物語の方向性を提示したうえで、それを追いながら細部に触れていけばいい。

04/15 16:01
0255文字
楓実
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ネタバレ第二次世界大戦前の日本帝国主義時代、家が没落し親に売られ、知らぬ間に諜報員になってしまった日本人の女性と、故郷を失った台湾人の女性が、大陸で出会い、運命に翻弄されながらもお互いの生を掴み取る物語。二人の絆が、はっきりと性的・恋愛的なものとして描かれているのが良かった。歴史的背景にもっと詳しければ読む楽しみが増したと思う。戦争や略奪や植民地化の場には必ず女性もいたこと、彼女らが名前を奪われ続けてきたことが心に残った。
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yurara
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女性史研究者の小説。遊郭でスパイとして生きる女性主人公という設定が自分には新しく、厦門や上海など異国情緒たっぷりの描写を味わいつつ読んだ。戦争中の日本が朝鮮や台湾の原住民などにどうふるまっていたのかなども垣間見れた。
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左京ゆり
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戦時下の中国・廈門--カフェの女給として働くリリーの正体は、抗日活動家・楊の諜報員である。ヤンファという女性の補佐をしながらも、その実、ヤンファが任務に失敗した場合の暗殺を命じられていた--と、この物語は一見、各人の思惑が入り交じるスパイ小説である。しかし読み進めるうちに、物語には異なる色が織り交ぜられていることに気づく。リリーは台湾、大阪、上海と各地を転々とし、名前も経歴も変え、己の拠り所さえ不確かだ。ヤンファもまた同様に。これは二人の女性が、奪われた自らのアイデンティティを取り戻していく物語でもある。
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ひらく
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大日本帝国時代、日本の残酷な植民地主義に踏み躙られて傷つく東アジア各国の女性たち。日本人女性の主人公もそのせいで辛酸を舐める被害者でもあるけど、そこここで巡り会う中国、台湾、朝鮮の女たちとささやかな絆を結んでは自らの加害性も痛烈に意識させられる。女性スパイものであり女性の連帯ものであり、何より運命的に出会いながらも国と戦争に翻弄される女2人のロマンス小説。これがデビュー作ということで、今後の作品も楽しみです。
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NuHiLook
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半分過ぎたくらいから、登場人物の過去が繋がり出して面白かった。これが新人、?すごすぎる
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LNGMN
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1941年、日本統治下の廈門を舞台にしたサスペンスが主軸ながら、上海・台湾での過去を行き来しながら描かれる女性2人のロードムービーでもある。伏線回収はちょっと出来すぎたな、と思うところもあるが、魅力あるストーリーテリングで、満足感のある素敵な物語だった。
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おけた
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89
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雪紫
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1941年の台湾。ふたりの女スパイと現在、過去、そして未来の物語。重苦しく、でも情景が脳裏に思い浮かべられるほど上手い(しかし、台湾の食べ物描写だけで、どうして情景が綺麗に思い浮かぶのか)。また、ふたりの過去と、それを踏まえての結末に、辛いことがあった分安らぐ自分がいる。
雪紫

三善武吉。著作「巴里にきた名探偵馬村」松尾芭蕉のやしゃごがパリで探偵をしながら、詩吟やとんちでルパンと対決する。

11/08 21:54
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けえこ
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初読の作家さん。 第二次世界大戦の台湾を舞台にしたスパイ物語。 百合要素は無くてもいいかな。
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ちゑ
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ネタバレ1941年中国福建省廈門。生家の没落により廓暮らしを余儀なくされた日本人リリー。彼女が心を開くのはヤンファ(楊花)だけ。2人は抗日の同じ共産主義組織に属するスパイで、ヤンファはぞんざいな態度を取りながらもリリーとベッドを共にしている。曝け出せない過去を持ち、それぞれの憤りや羞恥から真実を話せぬまま広がっていく2人の距離がせつなくて、やるせない。要人の暗殺が絡むスパイ小説としてハラハラするのもいいが、転々とする地と時間を追いながら彼女たちの熱に当てられるのもよし。そして、植民地支配の歴史をも考えてみる。
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ドロンジョ935
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ネタバレ第二次世界大戦下の中国から台湾で、カフェで働くリリーと共に諜報活動を行うヤンファ。引かれ合う二人と急転していく世情。互いに過去を抱え嘘を混ぜながら生き抜いて、抜けていった先にお互いの記憶の交点が。二人が森の中から見た景色は多くの合いに支えられていて、さわやか。
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慧の本箱
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青波杏氏お初です。日本の占領下にある中国、台湾を舞台に行間から、むせ返るような匂いを漂よわせながらも、その実清廉さも感じさせられるリリーとヤンファの物語でした。
0255文字
鬼山とんぼ
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何とうつくしい小説だろうか。どうしても平仮名にしたかった。題材が題材だけに、重苦しく、苦いものがあってページを繰るのに時間を要したが、映画のフラッシュバックのように転換する場面、当時のそれぞれの街の様子をイメージさせる、余裕のある表現力と語彙。桜木紫乃とはまた違った女の修羅場の描き方。並大抵の筆力ではない。と感心していたら、あれあれ、驚いたことに著者は男性だったんですね、読みかけてから集英社の北方謙三との対談録を見て気が付いた。私は馬鹿ですね。でも偶然アモイの街と遭遇しただけでここまで持ってくるのは凄い。
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ganesha
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ふたりの女スパイ、日中戦争、廈門と台湾と大阪と神戸、最後に辿り着く場所は。「本名もほんとうの素性も知らない、ただ暗殺という任務のためだけに引き合わされた、それなのにここまで深くかかわってしまったひと」の点と点が線になる瞬間が心に残った。亜熱帯の熱気に包まれたような気分で読了。
0255文字
n
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ネタバレ戦争の混沌とした世界の中でしたたかに生きる姿に魅了される。悲しみや憎悪、虚無感といったものを抱えながらもなんとか生きていく。理不尽に何かを奪われながらも、心の中で大事なものを守っていく。奪われても、追われても、失っても。世の中に強烈な力で巻き込まれているのに、芯を持っているのがかっこよくて、生き様が美しい。
0255文字
姐さん
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第二次大戦下の中国廈門が舞台。台湾、上海、廈門、諜報活動。ちょっと面白そうな言葉が散らばっている。廈門で初めて出会った2人。実は少女だった頃に出会っていたという落とし所に鼻の奥がツンとした。たくさんの名前を使い分ける生活から生まれた時の名前で生きていける幸せが続く様に願う読後でした。
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HH2020
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◎ 新聞書評が「これは読むしかない!」と締めくくられていたのでこれは読むしかないと思い図書館にリクエストして待つこと3か月、やっと手にした。たしかに読むに十分値する一冊だった。内容を一言でいうなら戦時下のアモイを舞台にした諜報活動となるが、本書の主題はそこではない。リリーとヤンファのふたりの主人公の生い立ちがあまりにも痛ましくて、途中頭がくらくらするが、最後にすべてが解き明かされて感動にむせぶ。同じ月をあたしも見ているのよ―「山川異域風月同天」がさりげなく隠されているのも好印象。次の本屋大賞に推薦したい。
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湯こ里
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1941年のスパイ活動。日本の統治下の上海・厦門・台湾。第一部、第二部の人間関係がスリリングで面白かった。
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うさ
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1941年の日本占領下の福建省廈門で暗躍するスパイの話なんやけど、そのスパイが女性なんよな~ 面白いんやけど軽いタッチで思ってたのと雰囲気ちょっと違ったわ~もっとドロドロで重かったらもっと面白かったけど、まあこんな内容の方が一般受けはするやろけどな~(笑) マニア向けに書いてるわけやないやろし(笑)
ゆう

どんなマニアですか(笑) ドロドロしたのも確かに面白いけど(笑)

07/10 19:39
うさ

そりゃ色んなマニアやん(笑)

07/10 20:58
0255文字
榊原 香織
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面白かった 第2次大戦直前の厦門、上海、台湾 女スパイの活躍。 女性史研究者ならではのしっかりした歴史観
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Sato19601027
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ネタバレ1941年日中戦争最中、日本が支配する植民地下における諜報員リリーとヤンファの友情物語(いや愛情物語か)。 序盤の朝日倶楽部での事件、中盤の少女の住む村での出来事と蛇のおばさんとの出会いと別れ、そして結末の二人の再会と序盤~中盤までの伏線回収。 物語の展開に魅せられる。感涙と感動!
0255文字
yayoi
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ネタバレ図書館本。第35回小説すばる新人賞受賞作、そして1941年頃の厦門で諜報活動に関わる女性の話、というあらすじを見て気になっていた本。読む前にはこれが本筋なのかなと思っていた要人暗殺の件は比較的あっさりとしていて、どちらかというと、この時代のアジア地域で日本がしていたことを改めて突き付けてくる方が主題だったのかなと思う。
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Y.Terminator
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素晴らしい作品だったと思います。これがデビュー作?とは思えないクオリティ。まず世界観が面白くて、戦時中の中国・台湾の日本人街の、多言語・多人種、亜熱帯の暑苦しい感じが伝わってきます。凄い描写力。 スパイ作品なのでしょうが、ただただ時代に翻弄され生きていくだけの女性の心情、というのが物語の中核であるところが新鮮です。 てますが、読むためのカロリー消費が高く、隙間時間では一気になかなか読めず。後半の熱量についていけず、ラストの感動に浸り損ねました笑。 再読したいです。 アドルフに告ぐのB面?と思わせる作品
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仮釈放
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太平洋戦争の開戦直前くらいのアモイを舞台にした話です。 あらすじからスパイ小説かと思ってたがスパイ要素は薄めです。とはいえミステリーだったりスパイだったりもありますが、メインは女性2人の絆です。しんどい時代にしんどい境遇でもしたたかに生きる女性達の話
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タカギ
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スパイ小説かな?と思って読んでいたら、恋愛小説だった。小説すばる新人賞受賞作。著者が女性史研究者ということで、遊郭の描写などもありがたがって読む。学歴、肩書きに弱い私。戦時下の中国、植民地支配する日本の様子も興味深い。最初の数ページでわかるから書いてしまうけど、百合です。恋愛小説が苦手でも大丈夫でした。彼女たちの情熱が伝わってきました。
0255文字
川
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ネタバレ満足感でいっぱい……読んでよかった。昭和の廈門、諜報員の女性の暗躍ってあらすじだけでワクワクしてたけど、特に人物の描写が好きだった。みんな、敵対した人にもその時を必死に生きた切実さがあって刺さる。翻弄されるまま生きて、本当の名前で呼んでくれる人もいなくなっていた2人。その2人が好きな人と、自分たちが選んだように生きていくの好きな終わり方だった。あと読み終えた後に見るタイトルの余韻……賞のHPを見たら、改題してこのタイトルになったみたいで、小説を出すプロの仕事ってすごいな〜と思った。
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パトラッシュ
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女性史研究者による小説らしく、男たちがやりたい放題に暴れる戦時下の中国で懸命に生き抜く女の苦しみが主題。生家の没落で遊廓を経て厦門まで流れた女給のリリーは、様々な勢力が入り乱れる地で騙し騙されの諜報戦に巻き込まれる。男たちの身勝手な欲望に翻弄されながら自らの同性愛を自覚し、植民地台湾の原住民出身のヤンファと惹かれ合う。重い過去を背負わされ、巨大な政治や戦争に人生を狂わされた女の生涯など、誰にも知られず消えていく。まだ二十代のリリーが長い旅路を終えたような終局は、今日では想像できない歴史の奔流を痛感させる。
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すみれ
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遊郭事情に詳しい著者だけあって、リリーや陽花のストーリーにリアル感を与えているかも。80年ぐらい前の厦門で日本政府高官を暗殺する組織の末端に使われる女給たち。映画になりそうな小説。
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