読書メーター KADOKAWA Group

日本医家伝 (中公文庫 よ 13-17)

感想・レビュー
14

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
blue-brass
新着
学期末、通信簿と一緒に渡されるのが「健康カード」。開けば決まって青い判で「扁桃腺肥大」とあって、それを裏付けるように高熱を出しては内科の病院に連れて行かれてた。一見外国人のような顔立ちの女医先生は、喉の奥を覗き込みながら日本語でない文字をさらさらと書いていたが、あるとき母が患者が読めないようにドイツ語で書いているんだと言っていた。そうだとしても医者とは何と頭のよい人達なのだろうと思ったものだった。カルテを独語で書く訳を医家相良知安の話で知った。今のかかりつけの先生はPCに向かって入力している。
0255文字
Doctor J
新着
3日で読破山脇東洋日本初の解剖前野良沢は語学の方杉田玄白と仲悪い高円寺に墓?土生玄碩眼科医で葵の紋服をシーボルトにわたす。楠本いねに子がいたとは種痘は福井の笠原良策と思っていたらロシアの中川五郎治
0255文字
mcbook
新着
☆3 江戸末期から明治初期の日本近代医学の先駆者たち12人の短編集。こんな人たちがいたのか、とシンプルに面白い。短編なので少しざっくりした感じもありますが、吉村昭氏のするどい文章の片りんを感じることもできます。
0255文字
yukision
新着
江戸時代から明治にかけて活躍した12人の日本人医師の伝記的短編集。現代の医学の源流には,江戸末期当時禁じられていた人体解剖や種痘を行う道を切り開き,困難の中,漢方医学から西洋医学へと大きな転換を図った医師達の存在があったことを痛切に感じた。「解体新書」といえば杉田玄白と覚えていたが,実はほぼ前野良沢が訳していたこと,痘苗を運ぶのに種痘した小児を連れていったなど,興味深い内容が多かった。
0255文字
ソババッケ
新着
ネタバレ昭和43年頃から3年間製薬会社のPR季刊雑誌に連載されたもの。山脇東洋、前野良沢、伊東玄朴、土生玄碩、楠本いね、中川五郎治、笠原良策、松本良順、相良知安、荻野ぎん、高木兼寛、秦佐八郎の江戸時代中期から明治初期にかけて活躍した12人の医家の生涯を描く短編集。これが元になり後に「冬の鷹」「ふぉん・しーほるとの娘」「北天の星」「雪の花」「暁の旅人」「白い航跡」などの傑作がうまれた。相良知安や荻野ぎんの不遇な晩年を描くとともに、シーボルト事件に連座して死んだ土生玄碩の不運、伊東玄朴の金銭欲にも触れている。★3.5
0255文字
こり
新着
日本医学の基礎を築いた12人の胸が痛くなる感動の短編集。腑分を日本で初実見したのに後妻にさげすまれた「山脇東洋」。実力は上なのに『解体新書』の功績を杉田玄白に独り占めされた「前野良沢」。瞳孔を開く薬と引き換えに渡した将軍家拝領の紋服からシーボルト事件に巻き込まれた「土生玄碩」。シーボルトとお滝の娘「楠本いね」。「中川五郎治」の種痘を苦難の末に結実させた福井の「笠原良策」。ドイツ医学を定着させたのに晩年は街頭易者「相良知安」ほか。日本初の女医「荻野ぎん」がベストでした※医学系季刊誌連載を1971年単行本化。
0255文字
たつや
新着
十二人の医学に関係する偉人達の短編集。ほぼ、知らない人ばかりでしたが、唯一、松本良順だけ、吉村昭作品で、読んで知っていた。そう、吉村昭作品を読まなければ、知れなかった、そう思うと、自分にとって吉村昭は偉大だ。
0255文字
Masaki  Maruyama
新着
ネタバレ木更津市立図書館の新着本コーナーで見つけて借りた。吉村昭氏が無名の頃に世話になった編集者に頼まれ、医学雑誌に連載した短編をまとめたのだそう。当時の吉村氏は未知の世界を描くのに苦心したものの、収録した12本の短編から「ふぉん・しいほるとの娘」など4作の長編が育ち、「思わぬ開花をみた」と述懐していたとのこと。大作家の背後にいた名伯楽の存在を知り、人育てを促すとはどういうことなのかを考えさせられた。
たつや

僕も木更津市の市立図書館のヘビーユーザーです。会ってるかもしれませんねw木更津市と見て、反応してしまいました。失礼しました。

12/16 20:30
0255文字
おおきなかぶ
新着
医史学という分野があるのであれば、原点とも言うべき作品でした。
0255文字
k sato
新着
江戸末期の日本に蘭学を取り込み西洋医学の開花を促した12名の歴史。解体新書の翻訳を牽引したのは前野良沢であり、杉田玄白は自分の名声のために出版を独り占めしていた。禁じられていた腑分(解剖)を藩に認めさせ、日本初の解剖を行ったのは山脇東洋だった。天然痘の種痘を始めて日本に導入したのは長崎とされているが、その25年前に中川五郎治が蝦夷で行っていた。荻野ぎんは日本初の女医。どの人物も蘭学への情熱が溢れており、強靭な精神力が感じられた。一方で、暮らしは粗末で性格が頑固といった人間臭い一面もあり個性が光る。
0255文字
スプリント
新着
知っている人物もいれば初めて目にする人物もいた。 医学の黎明期であり苦難や苦境に立たされる人物もいた。 知識や才能はあっても性狷介で恵まれぬ人生を送った人物もいた。先人たちの功績の上に現代医学が成り立っていることも実感できた。
0255文字
ケンイチミズバ
新着
一触即発、もし火蓋が開かれていたなら日本艦隊は全滅していてもおかしくない。戦闘どころか艦を維持することも危ぶまれるほど多くの水兵が脚気に罹患していたのです。身分の違いを明確にするため水兵には粗末な食事しか配膳されない。戦闘でなく栄養価の低さとビタミン不足で死亡するなんて。バカげた身分差別と米飯主流が理由で歴史が変わっていたかも知れないのに予算は通らず改革は容易ではない。武家の流れをくむ軍人の考え方を変えるのはひとかたならぬものでした。時代の違いとは言え、医学の発展を阻害する大きな壁がなんとももどかしい。
こり

身分や性差別の酷さに愕然としましたね。脚気も軍隊の機能が麻痺するほど、医学生まで命の危機に遭うほどの状況だったとは!貴重な一冊でした。

12/26 12:41
ケンイチミズバ

現代でも医学部の受験で女子学生に対する差別がありましたね。男性優位、男性中心の社会構造の一端なのでしょう。今もサステナビリティとかダイバーシティとか口先だけだなのかも知れません。

12/26 13:00
3件のコメントを全て見る
0255文字
オールド・ボリシェビク
新着
単行本刊行は1971年。著者のキャリア初期のころだ。医学雑誌に連載した、江戸期から明治にかけての医学者たち12人の伝記である。「解体新書」にかかわった前野良沢やシーボルトの娘、楠本いね、荻野ぎんなど名前の知られた人から、埋もれがちな人までを紹介しているが、どの人も吉村昭の筆を借りれば「時代の厳しい制約の中で、自己に忠実に生きようとした姿が、私には美しいものとして感じられる」。本書で取り上げた医家の中から幾人かをさらに調べ上げ、吉村は後にいくつもの長編に結実させている。彼にとっては記念すべき一冊なのだろう。
0255文字
アメヲトコ
新着
単行本1971年、2023年8月文庫復刊。もとは製薬会社のPR誌に連載された、江戸~明治期の12人の医家の列伝です。前野良沢や楠本いねなど、これをきっかけに後に長編小説へと展開した人物も多く、その意味でも記念碑的な一冊です。伊東玄朴とか土生玄碩、荻野ぎんなど癖のある人物も魅力的で、彼ら彼女らの長編も読んでみたかったなと思います。
0255文字
全14件中 1-14 件を表示
日本医家伝 (中公文庫 よ 13-17)評価93感想・レビュー14