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色ざんげ (新潮文庫 う 1-1)

感想・レビュー
27

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prism
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ヨーロッパ帰りの新進画家・湯浅譲二の前に、西条つゆ子が現れる。湯浅には妻子がいるが、つゆ子にどんどんのめり込んでいく。 そんな関係をつゆ子の家の者が認めるわけもなく、しばらくすると彼女は家の者の手でどこかに隠されてしまうのだった。 それからの湯浅が大変だ。それこそ狂ったように、つゆ子を探しはじめる。つゆ子の家の前に部屋を借りて四六時中彼女の家を見張る。こうなると正真正銘のストーカーだが‥‥
0255文字
ホウ
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ネタバレ改行が少ないので最初ページを開いた時面食らったが、読んでみると不思議なくらいあっさり読める。主な登場人物にはひとりも性格良いなと思える人がいないものの、みんな思い思いの幸せを手に入れるため動き器用でもないので当然藻搔くはめになる。そして、そういうところをずっと見ていたら情が湧いてくる。心中(未遂)シーンの妙なリアリティはこの小説のモデルと作者がどんな人物かを考えれば納得。
0255文字
shimachip
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ネタバレ宇野千代さんの珍しい長編です。洋行帰りの画家と四人の女の織りなす恋愛模様を描いています。実際に起きた情死未遂事件に基づいているらしいですが、登場人物や事件そのものよりも、色恋を巡るできごとと心理を一筆書きにしたような、現代的でなめらかな文章がすばらしいです。八十年以上前の文章なのに!この熱にうかされたまま走る感じは、性愛の描写がないだけで一種のポルノグラフィだと思います。
shimachip

存在感の強さという点では、まつ代>高尾>とも子>つや子、ですね。肝心のつや子さんの人柄があまり描かれていないような気がするのは、ほかの三人が濃すぎるからでしょう。濃すぎるというか、人格破綻者ですね。主人公がろくでもないので集まる虫もゲテモノということでしょうか。一方つゆ子さんは主人公の恋愛の対象としてばかり存在しているので、人となりは読者に分かるようには説明されないんでしょうね。いやになった女ほど客観視できるから悪口のついでの描写もできると。

07/15 17:51
0255文字
うちこ
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「おはん」があまりにもおもしろかったので、この「色ざんげ」も読んでみました。 この小説が出た当時(昭和10年)は、実在の男女の事件が題材になっていたため暴露本のような側面もあって売れたそうですが、そのいきさつを知らずに読んでも引き込まれる文章です。今となっては異常にも見える恋愛スタイルが改行なくスピード感とともに進み、そのやや狂った心境を強烈に手に取るように感じさせるフレーズが、すっと差し挟まれる。男性が読んでも「おまえは俺か」と思いそうなこの感じは「永い言い訳」の西川美和さんの書く男性心理の描写のよう。
0255文字
こそあど
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海外で絵画の修行後帰国した湯浅。彼には妻子がいたが1階と2階別々に暮らす程の仲だった。ある日小牧高尾という見ず知らずの女からラブレターをもらうようになり… 後日調べたら東郷青児の話とか。昔特有のというか、上流階級と画家達の交流(?)や、女性特有の愛に盲目な様がありありと伝わってくる。映画にしたら面白そう。★★★
0255文字
うさぎの
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ジョージ
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asako
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ネタバレ実在の画家がモデル。妻子がいながら二重婚し、そして別のひとと心中をはかるも救出される。そしてその話を取材にきた宇野千代さんと画家は意気投合し、5年間同棲生活を送るーー。 事実は小説より奇なり、とはいうけれど、まさにそんな感覚。どうしてそんなことがありうるのだろう、と事実関係だけ羅列すると思えるけれど、心情をこうつらつらと書かれてしまうと、妙な説得力がある。取材にきた宇野千代さんも、この話に説得されたから、5年間も一緒に暮らすことになったのだろうなと思う。
0255文字
せん
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この時代の人たちの話を読むと、どうやってこの暮らしができたのかとても不思議でならない。(これが高等遊民か…)登場する女性がみな個性豊かなのが印象的。実在の人物(東郷青児)がモデルの話で、宇野千代さんもその愛人だったとか。私の中で、宇野さんは可愛らしい桜のデザインの人、というイメージだったので、ちょっとびっくり。
0255文字
紅はこべ
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フランス帰りの主人公画家が結婚、離婚、不倫を繰り返しながら最後は心中を図るという宇野千代さんの『色ざんげ』(1933年)は長編恋愛小説。心中の場面はなかなかの見せ場です。古典(時代)ものだった『おはん』と比べて現代ものの『色ざんげ』はリアリズム的。それと同時に「芸術家の悲哀」を描いた作品ではないでしょうか。芸術家には変人で貧しくてデカダン(退廃的)のイメージがあって『ジャン・クリストフ』(ロマン・ロラン)や『月と6ペンス』(サマセット・モーム)などの文芸小説を思い出しますね。。
紅はこべ

フランスの巴里(パリ)で10年近く修行して帰国した画家の湯浅譲二は妻子との離婚問題を抱えていた。あるとき湯浅は若く美しい令嬢の西条つゆ子と出会う。二人は一緒に駆け落ちを考えるのだがつゆ子の両親は許さずつゆ子はアメリカへと旅立った。そして離婚問題がさらに進展するなか湯浅はとも子と出会う。とも子の両親に「娘は病弱だが貰ってくれないか」と言われた湯浅は離婚を成立させとも子と結婚式を挙げる。ところが、そんなある日アメリカに行ったはずのつゆ子が湯浅の前に現れて。。

01/23 20:21
0255文字
スエ
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「恋は凡ての罪悪を孕む」とは夏目漱石の言葉だが、まさにそんな感じの物語。振り回されるほうはたまったもんじゃないが、その中でこそ得られるものもあるから芸術家というのは罪深い(著者も含めて)。
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Minno
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予備知識全くなしで一気に読了!宇野千代さんの作品も初めてでした。 最初は、なんだかメロドラマちっくな通俗的な展開かも…って思ったんだけど、とも子の両親が出てきたあたりから宇野千代さんの人間観がもっと深いものなんだって気づかされて、最後もとも子のお母さんで終わってるあたりに作者の深い意図を受け取りました。 読み終わってから東郷青児の話なんだって知って、それから宇野千代さん自身もその愛人だったことも知って、なんて、なんて宇野千代さんてカッコイイんだろう!っていうまた新たなる感動。
0255文字
モヨコ
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これを読んだ後に、著者80代の時に書いた、『悪徳もまた』所収の『それは刃物が導いたー「色ざんげ」追記ー』をあわせて読むと、後日談もわかるし、感慨深いものがあります。
Minno

超気になります! 読んでみます。

09/01 03:55
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mochizo
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東郷青児という実在の画家の私生活を題材にしている本ですね。いや、本当に登場人物がまともでないことがある意味すごいです。東郷青児自身も妾を自殺に追い込むほどの遊び人と聞いています。で、こんな人があの様な絵を描くのですから、芸術家ってわからないものですね。あと、宇野千代さんって、東郷青児の嫁だったんですよね。
0255文字
サラ
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生涯の中で費やせる愛の分量には個人差がある気がする。この主人公は愛の分量が何やら多いですね。多情というか。決して移り気ではないのに、定まらない男です。でも、私が共感できなかったのはむしろ彼をとりまく女達のほうだったりして。つべこべ言ったけれど、一気に読んでしまうくらい面白かったです。
0255文字
うつぼ
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主に登場する人間が誰一人まともではない、インモラル小説。突然人の家に押しかけてストーカーめいたことをしてみたり思いつきで駆け落ちしてみたりそのために死者がでたりと周りの人間を不幸にする恋しかない、大正から平成まで生き抜いた女性の描く恐るべきストーリーである。作中にでてくる迷惑な文化人男は実在する人物がモデルらしい。この情痴小説からは、いつの時代も人間というのは不道徳であったということが読み取れる。あまりの常軌を逸する考えに平成のモラリストは置いてけぼりを食らうことだろう。
0255文字
駄目男
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東郷青児の作品と下半身事情とはどうも合致しない。 艶福家らしいが絵が清楚なイメージなだけに同列に見ることができない。 しかし芸術家はこのぐらいで丁度バランスが取れているのだろうか。 石礫が飛んでくる具合じゃないと作品も活きてこないのか一般人ではなかなかこうはいかない。
0255文字
Kento Isikumada
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その場その場で激しい恋をして堕ちていく主人公。妻がいるから云々全く気にも留めず衝動的に。『女の恋愛は上書き保存、男の恋愛は名前をつけて保存』って言葉を思い出した。
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そら
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なんだかずっと心が休まることがない小説だったように思う。 読後の、この胸に何かつっかえた感じななんだろうか。 とにかく、最後の最後まで主人公の男に共感することができなかった。なんでやねん!と何度も1人でツッコミ、あぁ、とため息をつき、何度も本を閉じた。 なんだか疲れた。 まだまだ私はお子ちゃまなんだなぁ。。。
0255文字
sofia
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東郷青児の絵を見ながら、前回読んだ『心淋しき巨人東郷青児』を思い出しながら、この本を読むと非常におもしろかった。
0255文字
パチーノ
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ハードカバーで読了。三人の女性を巡る一人の男性のある期間を描いた物語。
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kaoriction@感想は気まぐれに
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久しぶりに「濃い」恋愛小説を読んだ。疲れた。重い。なんだ、この虚脱感は。東郷青児をモデルに彼の心中未遂事件と、三人の女性との恋愛を描いた、恋愛小説の古典とも言われる名作。携帯もネットもない時代、真っ向からぶつかり合い、破滅してゆく男と女。高尾の奔放さ、つゆ子の一途さと脆さ怖さ、とも子のしたたかさ。三人三様の女達に翻弄され、破滅、凋落してゆく湯浅の心が緻密に描かれていて面白い。女の業も、深く、強く、オソロシイ。オソロシイのに、怖いもの見たさで読んでしまう。湯浅の行く手に未来はあるのか、「生」はあるのか、と。
0255文字
桧山
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読みやすい文章だったけれど、集中力が死んでいたので時間がかかってしまった。主人公の男は、現代だと相当嫌な男ではないか?(笑)
0255文字
ミミナリ
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女房も子供もある洋画家と彼をめぐる女性たちとの恋愛小説。話はものすごくドロドロなのに、何故か清々しく読めてしまった。後半からの展開の面白さに一気読み。好きだと思っていてもある瞬間でふっと気持ちが離れたり、急に燃え上がったり。人の気持ちって本当に確実な所がない。恋愛は特にそうだなあ。心の微妙な機微までが伝わって面白かった〜 たくさん読みたいのに寡作なんですね。
0255文字
深川路
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真剣に生きるのは大変だし、真剣に死ぬのもやっぱり同じくらい大変なんだなあと思いました。私は、最初に登場する小牧高尾が蠱惑的で一番好きです。
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おりぃ
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女性が描いたプレイボーイから見た魅力的なヒロイン達、という構造から源氏物語を想起させられた。美しい日本語も相まってするすると読まされる。
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片桐
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内容はわりと生々しいはずなのに全く感じさせない。描写がなんというかで情景が浮かびやすい
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