読書メーター KADOKAWA Group

社会的共通資本 (岩波新書 新赤版 696)

感想・レビュー
181

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
たつみ
新着
“医療を経済に合わせるのではなく、経済を医療に合わせるのが、社会的共通資本としての医療を考えるときの基本的視点である。”p170
0255文字
カロライナタカハシ
新着
概念的でインフラ問題を取り上げている。経済理論部分などしばらくたってもう一度再読したい。
0255文字
nimo71
新着
工業部門では、労働力は商品化され、労働者の人格と緊張関係が生じ、自己疎外が生じてしまう。この自己疎外の概念を知れたことが一番の収穫でした。あと「輝ける都市」という概念も面白かったです。岩波新書は他の新書と違って内容がちゃんとあるからとても面白いと最近になってようやく気づきました。
0255文字
かしわもち
新着
ネタバレポスト資本主義的な思想が繰り広げられている。 現状の資本主義への分析は鮮やかだが、対策としての社会的共通資本には性善説が強過ぎて、システムが悪用される気配を感じた。 全く知らない分野の勉強は、頭の体操としては非常に楽しかった。
0255文字
YASU
新着
もう20年以上前の著作だが。本書で指摘されている現代資本主義の矛盾は何も解決されていない、どころかますます悪化している。その意味で今もって新しい。“なにが”解決されるべきかはくどいほどいい尽くされているのに、“どうやって”解決するのかとなるととたんに議論はしりすぼみになる。この現実がなんとももどかしいが、そんな自分も無力な一人にすぎないのだな。
0255文字
KAT
新着
半世紀も前から、こんな先進的な概念を提唱していた日本人がいたとは知りませんでした。 人間が市場経済に組み込まれることで生じる不幸が、あまりにも多すぎる。 これまでの経済学では、取り扱われてこなかった人間性を取り戻すべく、資本主義でも社会主義でもない新しい経済のあり方。 自分なりに解釈すると、大切なものはお金に換えて考えてはいけないよということ。なんと人間に優しい考え方か。 ちょっと難しかったけれど、とても良い本でした。
KAT

そうなんですね。勉強になります。

07/30 09:18
くらちゃん

井出英策先生の「ベーシックサービス」論は。近年の社会問題解決のキーワードだと思います

07/31 11:44
3件のコメントを全て見る
0255文字
ぴーすピース
新着
ネタバレ経済学者の世界的権威である宇沢弘文氏が、「人間がゆたかな経済活動を営み、優れた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する」ことを可能にする社会的装置として、「社会的共通資本」の概念を提唱。自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本の3つの側面から、その意義を唱える。着想そのものには共感できるため、手に取ってみたが、経済学者特有の抽象的な言葉づかいが頻出するため、拾い読みに。各論では様々な問題を批判するにとどまり、具体的な解決策や事例が示されていない。
0255文字
かぺら
新着
読了 総論としては、市場原理にそぐわないものの社会にとって大事な領域が存在し(社会共通資本)、市場原理に負けずに各々の目的を達成できるように丁寧に制度を考えていきましょうねという主張でかなり同意。 紙面の都合もあるだろうけど、各論での分析や提案はかなり甘いので論点を重視しつつ読んだ。
0255文字
merci
新着
ネタバレ冒頭で社会的共通資本を解説し、農業、都市、学校教育、医療、金融制度、地球環境という切り口から、経緯と現状、今後を見据えた構成になっている。なんとなく感じられてくる異和感が明確な言葉で示されているせいか、具体的にイメージしやすい。切り口についても、幅広く網羅され、執筆されてから四半世紀経つが、今日的な問題そのものに感じられた。著者の見識に脱帽。
0255文字
マウンテンゴリラ
新着
本書によれば、社会的共通資本とは、自然環境、社会的インフラストラクチャー、資本制度に大きく分類される。このように明確な定義が成されると、経済というものがより身近に、そして、国家や人類といったより大きな視点からも、重要なファクターとして浮かび上がる、ということが感じられた。このような基本的前提から、現代の日本の経済状況の問題点が、より明確に浮かび上がるという点でも、著者の経済学者としての懐の深さ、スケールの大きさというようなものが感じられた。さて、この社会的共通資本の三つの要素、環境、インフラ、→(2)
マウンテンゴリラ

(2)制度資本のバランスの上に健全な経済が成り立つという観点で見れば、現在の日本の、あるいは世界の状況は、相当にこのバランスが崩れた状態にあり、それが社会の閉塞感にかなりの影響を及ぼしているのではないか、ということも感じられた。環境と制度資本である教育,医療の危機に対する対する手当を二の次に、相変わらず道路、鉄道、電力といった企業利益誘導型のインフラ開発にひた走ってきたことが、日本経済、日本的資本主義の特徴であり、その付けが現在の社会状況に反映しているとも言えるのではないだろうか。→(3)

04/06 10:57
マウンテンゴリラ

(3)制度主義という言葉は、本書によってはじめて知ったが、このような現在の状況、さらには社会主義,資本主義の行き詰まりを克服する可能性のあるものとして期待し、注目してゆきたい。

04/06 11:01
0255文字
レフラー
新着
基本的にそりゃそうだよなあの連続ではあるが、その思考の背景として経済学のざっくりとした流れを学ぶことができた。 新古典派だったりケインズだったり、そこでフリードマンやらハイエクがどう出てくるのか。 名前とふんわりとした情報は知っていた人々を時間軸上にマッピングすることができた。 と同時にそりゃそうだよなあをこれだけコンパクトに体系的にまとめてくれるだけでとてもありがたい。 特に教育の項目。 人に対する信頼と理想が高い、とは思うものの。 あと北欧礼賛のベースってこの辺からなのかもしれない。
0255文字
saga
新着
第1章は社会的共通資本の総論。経済学の講義のようでとても難解。第2章以降は、農業・都市・教育・医療・金融・地球環境と、個別具体的な各論で、こちらは判りやすかった。農業基本法が、個別農家と一工業事業所とを同列に位置づけていることへの問題提起をしているが、まったくそのとおり。「輝ける都市」の人間を無視した都市構想の問題も然り。地球環境での炭素税の考え方を発展させて、国連単位で炭素量に応じた基金への拠出+森林面積に応じた基金からの交付金という制度があれば、発展途上国の森林保護の動機づけにならないだろうか?
0255文字
ひい
新着
社会主義経済は終焉、資本主義経済も崩壊しつつあるが、世界を救う次なる経済はなかなか登場しない。宇沢氏の20年前の憂いからほぼ何も進んでいないことに呆然とする。
0255文字
thefumin765burn
新着
斎藤幸平『人新世の「資本論」』からこの本へ。資本主義と社会主義を超えた経済制度としてヴェブリンの制度主義に着目し、自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本で構成される社会的共通資本をその制度的前提条件として提起する。その重要性には首肯するし、巻末に地球温暖化を配した先見性には感銘を受けた。しかし、「社会的共通資本の各部門は、職業的専門家によって、専門的知見によって、職業的規範にしたがって管理・維持されなければならない」という主張は空想的な印象を受け、管理・維持の主体をどうするかが課題だと感じた。
0255文字
うえぽん
新着
経済学の泰斗が、ヴェブレンの制度主義を基に、自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本から成る社会的共通資本の重要性を訴えた本。農業農村、都市、教育、医療、金融、地球環境を取り上げ、いずれも役所や市場の論理でその価値が毀損されているとする。新古典派的な言説が強い近時の政府寄り経済学者の姿勢との差異は多大。社会的共通資本の重要性は賛同するが、古い論文が多いため、その後の展開を踏まえると、やや論証が甘い点も見受けられる。教育や医療を神聖化している点なども少し違和感はあるが、幹の部分は傾聴に値する。
0255文字
道楽モン
新着
出版された23年前の時点で、新自由主義の行き着く先を予見していた著者。その要因は本書内で詳細に語られているのだが、経済学教授となったシカゴ大学でのミルトン・フリードマンとの確執(シカゴ学派との決別)や、ジョセフ・E・スティグリッツが教え子であったという周辺事情を得た上で読むと、歴史の流れの中に生きている我々にとって、ひときわ感慨深いものがある。必然的に人間の欲望に対する絶望も抱くのだが。多岐にわたる著者の警鐘や懸念は、時代による僅かなズレはありつつも、本質において揺らぐものではない。岩波新書での超重要書。
0255文字
chang-3
新着
20年以上前の本であるにもかかわらず未だ色褪せない著者の問題提起に感銘を受けるとともに、未だその解決策を見出せていない現状に戸惑いも感じた。社会的共通資本とは、ある国又は地域に住む全ての人々が豊かな経済生活を営み、優れた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的・安定的に維持することを可能にする社会的装置をいい、自然環境、社会的インフラ、制度資本に分けて考えることができる。社会的共通資本は、官僚制や市場原理により管理されるべきではなく、職業的専門家の知見に基づき職業的規範に従って管理・維持されるべき。
0255文字
たま
新着
2000年刊行の岩波新書。読書会のため近所の書店で買ったのだが2022年31刷。読まれ続けていることに感心した。ただ、挙げられている事例を見るとこの20年でかなり状況が変化したのではないかと思うものもある。【社会的共通資本】とは自然環境、水道ガス電気通信等の社会インフラ、教育医療金融などを意味し、各分野の専門家により専門的知見と職業規律に基づき管理運営されるべきという主張。コミュニタリズムの系譜に立ち、『ドーナツ経済』などの先駆となる主張だが、どのように実現するのか、そのイメージを掴むのは難しかった。
0255文字
ししおどし
新着
平成12年刊。18年振り再読。すっかり忘れていたが、自分が今の職業を志望するようになったきっかけの1冊。効率性や定量化できる範囲での経済性に委ねることができない農林水産業、医療、金融、教育、自然環境について、歴史的に育まれてきた文化や制度を活かし、将来世代や他国の状況を勘案しつつ民主的な政治でルールを定めようという高遠な思想を披瀝。この思想が世の中に広まらず学者でも跡を継ぐ人がいないのは実現するには政治的にも知的にも相当な活力を求められるからだろう。初読時より民主政治への要求が高いことがわかったのは収穫。
0255文字
okadaisuk8
新着
名著の誉れに偽りなし。やや各論については金融はともかく、教育や環境など、それぞれその道に通じた人から見るとどうなのかというのは気になった。
0255文字
bonjin
新着
自然環境、インフラ、教育、行政サービスなど、経済的に豊かで文化性に優れた社会生活を営む上で欠かせない資本を「社会的共通資本」と呼ぶ。社会的共通資本の優れた維持管理政策には、激しい競争に由来する格差と分断をもたらす新自由主義社会を生き抜くヒントが隠されている。
0255文字
だんだん
新着
内田樹さんのブログとか本にもよく、この著者のこととか社会的共通資本的な考えが援用されていることもあり、読んでみた内容としては、なぁんとなく聞いたことある感じの内容が続いた。医療に職業的倫理感が求められるところだったり教育から自主性が損なわれることの危惧なんかはその通りだと思った。特に、医療というのは何等か医者と患者との間での信頼感というか尊敬の念みたいなのがないと怖くてかかれない気もしているので、一定の倫理というのは必要だと思ったり。
0255文字
記憶喪失した男
新着
ネタバレ自動車を利用するためには、交通体系の整備が必要である。交通体系の整備には、社会的共通資本が必要である。教育、医療も、社会的共通資本が必要である。
0255文字
Uichi
新着
「日本の医療制度の矛盾を一言でいってしまえば、それは、医療的最適性と経営的最適性の乖離ということではなかろうか。医学的な観点から最適と思われる診療行為をおこなったとき、経営的観点からは望ましくない結果を生み出す。(p.175)」 「要するに、医療を経済に合わせるのではなく、経済を医療に合わせるべきであるというのが、社会的共通資本としての医療としての考え方の基本的意識であるといってよい。(p.176)」
0255文字
Tomozuki  Kibe
新着
社会的共通資本は市場原理による管理には向かない。つまり山は個人の所有であっても川はそうはならない、という話なのだが。環境・教育・医療と話は次々と飛ぶ。いずれも市場経済には向かない資本なのはたしかなのだが、せんじ詰めれば「床屋政論」。宇沢氏は日本で一番ノーベル経済学賞に近づいた男。市場経済万能論のフリードマンの天敵。ただ、その反論が「世の中金だけでは解決できませんよ」では…。ここは数学者としても成功したであろう数理経済学の議論でもってフリードマンをぎったぎたに切ってほしかった残念。
Tomozuki  Kibe

この本、ジャンルとしては「エッセイ」じゃないか?

12/09 11:31
Tomozuki  Kibe

基本的にこの人の言うことは支持してるのよ。ただ、我々にはないもの・数字で武装させてほしかったのだ。

12/11 16:28
0255文字
おっきぃ
新着
社会的共通資本という考え方に興味があって手に取ったけど、中身は著者の妄想と個人体験の一般化、他の学者が言ったことの引用、実際を知らない空理空論。得るところは何もなく流し読み。 同じ著者の自動車の社会的費用はもう少し読めたので、この違いはなんなのだか。
Tomozuki  Kibe

この本、ジャンルとしては「エッセイ」じゃないでしょうか?数理経済学には入らないように感じます。

12/09 11:35
0255文字
原玉幸子
新着
表題の用語である「社会的共通資本」は、新聞の論説等でも度々取り上げられるので、読んでおいてもいいと思いますが、『青木昌彦の経済学入門』然り、制度主義を切り口にしたアプローチは、学問的に、哲学などに比べて思考が浅い印象を受けました。第一次産業、都市と自動車社会、学校教育、金融、自然破壊に就いて、新古典派理論に基づくアプローチは良くないと(経済学自体がそういう性格の気もしますが)「後付け」で批判しているだけで、いっそのこと社会政治学として括ってしまえば事足りる気がします。(◎2022年・秋)
0255文字
ゼロ投資大学
新着
自然環境・社会的インフラストラクチャー・制度資本の3つからなる社会的共通資本が、具体的にどのような構成要素からなり、どのように管理・運営されているか、考え方と役割を学ぶことができる。
0255文字
すずき
新着
社会的共通資本という概念でものを語る意義はなんだろう。官僚的管理にも市場原理にも服さず、じゃあ何に従うかと言ったら職業倫理というのは少しがっかりする部分もある。公共財という概念で論じられないのはなぜなのか。わかりきらなかった部分も残った。
0255文字
syuu0822
新着
環境問題など流石に時代を感じる記述もありますが、社会的共通資本の思想自体は大変すばらしい。 特に心に残ったのは、農業を"営み"とする考え方。自分の仕事も"営み"と捉えて今後取り組んでいきたくなりました。
0255文字
なかむら
新着
2022年57冊目 オーディブル 公共財に関しての考え方を学ぶ。環境問題の外部不経済は、2022年現在同じ課題を抱えており。ようやく広く世の中に広まった印象。本質が語られている。
0255文字
しゅうえい
新着
途中まで
0255文字
器
新着
私の父親は著者の教えていた大学に通っていたそうです。文中に登場する「自動車の社会的費用」の話をしたところ、「宇沢さんは本当に車嫌いで、わざわざ長い距離をリュックを背負って大学まで徒歩で通うような人で……」というような話をしてくれました。 思想上の理由で車を使っていなかったのか、それとは別に車自体が嫌いだったのかは分かりませんが、仮に前者だとすれば大した人だなあ、と思いました。
樋口佳之

ナイスありがとうございます。「自動車の社会的費用」の堅持のはずです。堅い、孤高の方。見るからにそのような人だったと思います。

02/24 21:38
0255文字
Mieechan
新着
2000年の本であるが、まさに今問題意識を持つべき視点が書かれていると感じた。農業、都市、教育、医療、金融制度、地球環境といった社会的共通資本として考えられるものが、新自由主義経済によって歪められたり破壊されてきた現状がよく分かる。こと教育に関しては、宇沢氏が案じていたより状況は悪化しているし、気候変動対策においても日本は全く進歩していないように思う。
0255文字
n yamamoto
新着
「自動車の社会的費用」のとこ興味深い 自動車の費用負担が異常に安いため面積あたりの保有台数が増える一方だ 交通事故の損害計算は被害者の将来見込み所得なんて非人道的な方法ではなく、交通事故被害を出さない道路構造にするのにかかる費用を計算すべき
0255文字
tharaud
新着
社会がこうであってほしいと思うような、大切なことが書かれている。しかし、どうして経済学は人々の暮らしや自然環境を軽視するようになったのだろうか。宇沢の評伝も読みたくなった。
0255文字
Kooya
新着
人間の尊厳を守り、市民的権利を享受できる社会の構築を制度面から論じた本。農業や教育をはじめとした様々な分野について提言を行っている。経団連の十倉会長が社会的共通資本について肯定的に言及していたので読んでみた。教育の章で述べられた「大学には利潤論理を適用せず、学問の自由を保証した上で最高水準の研究や教育を行えるよう予算を与えるべきだ」という考えは全面的に賛成だと感じた。何故なら研究は短期間で成果が出るものではないし、予算が少なければより良い待遇を求めて優秀な研究者が外国へ移るからだ。(コメント欄へ続く)
Kooya

一方で著者は「社会的共通資本は官僚的な統治や市場的条件から独立し、職業的専門家によって管理・運営されなければならない」と論じている。私もこの考えは賛成だが、実行は容易ではない。そのため、個人的にはオランダの経済政策分析局等を参考に政治との兼ね合いといったバランスを考慮して枠組みを構築するのが良いのではないかと思った。

07/30 20:01
0255文字
あのした
新着
社会的共通資本という、自然環境や上下水道、電力ガスといった社会インフラ、そして医療や教育、金融といった社会的資本がこれまでの資本主義でどういった位置付けなのか?今後の持続的な経済発展を可能にするために、どのような制度にしないといけないのか?ということを説いている。 今のSDGsの流れにおいて、読んでおくべき一冊
0255文字
全181件中 1-40 件を表示
社会的共通資本 (岩波新書 新赤版 696)評価51感想・レビュー181