形式:文庫
出版社:草思社
前著とは違う翻訳者。「トゥーソンのアリゾナシティ(p.230)→アリゾナ州トゥーソン市」や「カリフォルニア・ライオン(p.233)→バーバリライオン」と立て続けて気になったが、他にも結構ありそうな。英語原文が気になる。
グリーンランドヴァイキングたちは辺境故の本国ノルウェー過剰な自意識とカトリックヨーロッパ文明への帰属意識からスクレーリング(愚劣な民)とイヌイットにスクレーリング(愚劣な民)と呼ぶ蔑視感情を乗り越えることができなかった。通婚もなくイヌイットの極寒に生きる術を学ぶこともせず消滅していった。 読みながら現在的な怖さも感じた。上巻で、サガが紹介されていた。それはグリーンランドに司教が初めて派遣された話しだった。
お詫び スクレーリング(愚劣な民)とイヌイットにスクレーリング(愚劣な民)と 何度もヴァイキングは繰り返し罵倒しただろうが、最初のスクレーリング(愚劣な民)と は削除。スマホ入力は大変(^_^;)
考古学の力ってすごい。1000年前の孤島で住んでいた人の食事や家や戦争や道具がどんなものだったか、かなりの部分を正確に解明することができている。考古学なしには、本書のような論文は成り立たない。考古学の手法も興味深い。花粉、樹木の年輪、貝塚、ネズミの巣など、意外な証拠をもとに、どの年代になにがあったかを突き止める。
・「銃・病原菌・鉄」は、各大陸ごとの発展の速さの違いが生まれた原因をテーマにしていた。本書は、発展ではなく崩壊に焦点をあてている。 ・「今日のわたしたちが鬱蒼たる樹林に覆われたマヤ文明の諸都市の古跡を眺めるように、いつか後世の旅人が、ニューヨークの摩天楼の朽ちゆく巨姿に見とれる日が来るのだろうか?」 ・本書で分析される文明の崩壊は、案外、もっとミクロなコミュニティの崩壊にも適用できるのでは、と感じた。現代日本の限界集落とか。
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