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魚服記(Kindle版)

感想・レビュー
52

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めりっく
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滝のほとりの炭焼き小屋に住む余所者の父娘の貧しい暮らしぶり。やがて娘が少女から大人になり親子関係に兆す変化。以前に父から聞いた、大蛇に化け分たれた兄弟の悲しい伝説に己を重ねた娘は滝壺に身を投じ…。今ある不幸が別の不幸を引き寄せる負の連鎖から抜け出せない者たちのいたたまれない物語。著者の「『魚服記』に就て」によると、上田秋成「雨月物語」の中の「夢応の鯉魚」の影響があるようだけれど、私にはあまり共通点は見出せなかった。
0255文字
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
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【岩波文庫で読了】東北の山の中で暮らす父娘を主人公とする、昔話風の短編小説。中国の物語を太宰がアレンジしたものだという。親子関係に物悲しさを感じた。娘が父親に「アホウ」と言ったりして、父のことを嫌っている様子が見てとれた。他の方のレビューの中に「近親相姦」というキーワードがあったけど、そうなんすか!?
0255文字
Minamihama
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「魚服記について」を先に読み、その後、上田秋成「雨月物語」そして最後にこの「魚服記」を読んでしまったので、別段感動もなく、太宰に書かせるとこうなるのか、という事で終わってしまった。 結局、原文の僧が魚になって人間界を眺め、戻って来るのとは趣を異にした物語になってしまっている。
0255文字
alpha_ralpha
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ネタバレ鬼滅の刃でできた、炭焼小屋に対する好感が修復不可能なくらい吹っ飛んだ
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貴
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過去をふりかえってみれば、さまざまな不幸があったことに人は気づき、幸せを願いながらも何か悪いことが起きるのではないかと恐れる。でも人は、いくら願っても、いずれはみんな死をむかえる。
0255文字
荒野の狼
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「魚服記」の原作は、唐の時代の李復言(775-833)の編集した伝奇小説の中の「魚服記」。太宰は、その翻案である上田秋成「雨月物語」の「夢応の鯉魚」をもとに本作を書いたと「魚服記に就いて」で太宰は書いている。佐々木隆の論考「太宰治と芥川龍之介」(津軽学5号 2009年)では、太宰は芥川に憧れ、芥川の作品から学んだとしており、芥川の「杜子春」の原作が李復言の伝奇小説「杜子春伝」であることから、「芥川と太宰は、文学への志向の共通性がある」としている。
荒野の狼

なお、太宰は「魚服記に就いて」において、本作は、“上田秋成「雨月物語」の「夢応の鯉魚」をもとにして書かれ、自分は魚になって日頃私を虐げている人たちを笑ってやろうとしたが失敗した”としている。「魚服記」で魚になる企ては失敗したかもしれないが、太宰は短編「竹青(ちくせい)」では、人がカラスになり幸福を味わっており、本作の企ては「竹青」で成功したと言える。

03/03 19:04
荒野の狼

なお、物語の舞台は青森県五所川原市の馬禿山で実在し、この近くを流れる金木川は山の下流で分岐し「鹿の子滝」と「七つ滝」の二つにつながる。現在、舞台の滝とされるのは「小田川」上流にある五所川原市金木町の「藤の滝」が作品のイメージに合うとされている(p20、「六月十九日」太宰記念館編集)。

03/05 12:03
3件のコメントを全て見る
0255文字
りつか
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「不良少年とキリスト」の中で挙げられていたので
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☡@火星人でござる
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いきなり義経が出てきて、鎌倉時代に引き戻されたわけだがw スワは15の時に目撃した絶壁から滝壺に落ちた学生を思い出して、 または魚を食べ過ぎて大蛇になってしまった八郎を音も出して、 滝壺に行ったのかなー 変わりたかったら、思いきって真っ直ぐ進むのがいいのかなー そこが滝壺だろうと、なんだろうと
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hoiminsakura
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夜中に目が覚めて青空朗読で聴いていた。不穏な空気になってきたな~😮と思っていたら結末で「え」となり読んでみたらやっぱり「うわ」だった。解釈は種々あるそうだが私はこれはマズい方の話だと思う。
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yumani
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《初雪だ! と夢心地ながらうきうきした。  (空白の一行)   疼痛。》→めためた みるみる むしむし ずんずん 『白竜魚服』大蛇になった八郎、鮒にしかなれなかったスワ。→ぴらぴら くるくる。 あっという間に別世界へと引き込むこの筆致力!圧倒的な自然描写、高まる奇妙な緊張感。「おど!」…切なさを感じながらも、漂う諦観と覚悟に空を見上げたくなる。
0255文字
zakuro
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近親相姦の話だと聞いてから読んだので印象がそっちにばかり引っ張られてしまった。客に声をかけながら茶屋の店番をする少女が悲しかったが、そんな生活もしてみたいような妙な気持ちになった。
0255文字
NORI
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不思議な世界観でした。スワが鮒になってから急に何もかもが明るくなった生き生きとした感じがしました。(°∀°ミэ)Э
0255文字
がらくたどん
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ご感想に惹かれて。太宰の死後に坂口安吾が褒めていた初期の一遍。中国説話の「人間が魚になる話(魚服記)」群に材をとり八郎伝説も織り込みながら滝を臨む山中で炭焼きの父と貧しく暮らす少女の姿を描く。詩情豊かに描かれる幼い少女は「一人前のおんなになった」頃から暮らしや父に苛立ち厭い、冬を迎えて始終酔って帰る父を待ちうたた寝する描写に唐突に挿入される「疼痛。からだがしびれるほど重かった。ついであのくさい呼吸を聞いた」の3文。浄瑠璃の山場のような緊迫。少女は滝に飛び込み鮒になる。魚の衣を纏った後の解放と諦念が心地よい
がらくたどん

滝に飛び込んだ直後、少女は「大蛇になった。もう家にかえれないから、嬉しい」と喜ぶのだが何のことはない小さな鮒だったという、哀しいような可愛らしい描写がある。もの悲しいのにクスリと笑ってしまう好きな場面だ。書簡集に、少女の無残な死体が漂着したみたいな1文で締めようと思ったが止めたという趣旨の記録がある。ホント、思いとどまってくれて良かったと思う。

05/25 22:37
がらくたどん

「疼痛」からの3文は、「近親相姦」の衝撃と解されることが一般的で自分もその解釈に寄る者ですが、滝に飛び込む瞬間の「おど!」の低い呟きは全面的な憎悪より厭いながらも親しんだ過去への決別の挨拶のようにも感じます。太宰にしては感傷的な逡巡のないシーンで気に入っています。

05/26 10:07
0255文字
tamako
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坂口安吾が「不良少年とキリスト」の中で絶賛してたので。単行本デビューの「晩年」に収録とのこと。なんてことない田舎の話かと思いきや、すごい結末。そこに、特に経過も理由も描かれていないところが、「描写されない何か」が残って消せないところが凄味。https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card1563.html
がらくたどん

「疼痛。」からの僅か3文に血が引きますね。思い出しちゃった・・。おっしゃる通りです。すごい結末。

05/25 21:50
0255文字
ゆづき
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不思議な作品ですが、面白かったです。
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かふ
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元は中国の民話を泉鏡花が幻想文学に仕立てたものであるが、太宰はそれを己の神話としたような感じである。スワの犠牲の上で汲み尽くすことのない水が湧いてくるのだ。それは作品のアイデアかもしれない。心中事件が太宰の中にあったのは確かなような気がする。太宰文学の源のような作品。
0255文字
村上春巻
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ネタバレ【A】おそらく中学生の頃に読んでいたら、?という印象で終わっただろう。娘がつい徒らに髪を結ったことが疼痛を惹き寄せたのか、あるいは炭や蕈(きのこ)がなまじ売れて父親の気が大きくなってしまい、いつもより酒がすすんでしまった所為なのか、あるいはその両方のためか、私の読解力では、正直よくわからない。同じ貧しさでも、北国と南国ではその自然の異なる厳しさ―極寒と酷暑―が、まるっきり違ったベクトルとして、人々の心に作用するのだろう。
0255文字
Kazunori  Nishimura
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改めて読み返して意味がわかった
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にらばやし(呼)ねぎ
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あら、いつもより悪意の分量が全然少ない。まぁこの結末が悪意か。この話に限らず、ご都合主義な終わり方は自分の生存本能が拒否するけれど、本作はご都合主義がちょうど心地よく感じられるように雰囲気が作ってあって、何か甘美な夢のような、耽美的・詩的なニュアンスさえ滝の水音とともに聴かれる。やはり人を知った気になるのは間抜けだな。特に作家の類を知ったと思い上がるのは。
0255文字
ay
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[青空文庫]これは摩訶不思議な世界。好み。変な私小説よりこっちの方がずっとずっといい。何度も読み返したくなる。ビジュアルを思い描いてみる。スワの生活は、私の中では、モチモチの木(滝平二郎)風なんだけど、スワが鮒になってからの世界は、突然色彩豊かになる。総天然色。でも終わりは物悲しい。私の想像した結末とは違ったが、この終わりの方がよい。それがプロたるところ。
ay

幾度となく反芻していた。するとまた違う感想が湧いてきた。スワの最期、自分の行く末を暗示していたのか、とか。スワは父親と交わったのか、とか。だとすると、それは、父親に自分を投影していたのか、とか。なぜそう思うのか。それは、彼は結局のところいつも、おんなは自分を救済する、させるための存在としか見ていない、と感じるからである。

06/14 10:41
0255文字
GCけぴ
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普通に考えてすごくないですか?めちゃヤバくないですか?(語彙貧乏)
GCけぴ

さまざまな解釈がある。そうだろう。私も仮説を立てて読んでみた。でもわからない。ただ、太宰はやっぱりすごいのは理解した。

06/11 07:51
0255文字
翼
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ネタバレ鬼子は、親に似ていない子供→血がつながってないのかな?で、後の二人の間の悲劇 「滝は水でない、雲なのだ→からだをくねらせながらまっすぐに滝壺へむかって行った」天国へ上っていったんだろうね。 余談 「のどが乾いて乾いてたまらなくなった。井戸の水をすっかりのんで了って、村はずれの川端へ走って行って、又水をのんだ。のんでるうちに、体中へぶつぶつと鱗うろこが吹き出た。三郎があとからかけつけた時には、八郎はおそろしい大蛇だいじゃになって川を泳いでいた」予測:秋田の八郎潟の主の事かも。田沢湖の辰子姫の伝説と似ている。
翼

メモ(Wikipedia):民間信仰 歯の生えた鬼子は良くないもの、縁起の悪いものとして生まれた後に殺害したり、捨てて他の誰かに拾ってもらうなどの事例が見られる。(略)鬼子を放置すると親子のうちの一方が死ぬと言われ(略)知らなかった・・・

03/11 17:17
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しらたま
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ネタバレ再読。スワが一人の女性として成長しようとする場面はとても丁寧に描かれていると思うが、「おめえ、なにしに生きでるば」「疼痛」の場面は少し急展開に感じた。今後も論文や参考文献(津軽民話、『雨月物語』『山の人生』)と併せて勉強したい/もう一つ疑問点として、スワは何故「おど!」と言って飛び込んだのだろうか。父が近くまでいたのか、はたまた今までの父との思い出が言葉として溢れたのか…
0255文字
成瀬雯悟
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ネタバレ初読のときはどう楽しむべき作品なのかよくわからなかったけれど、ある解説サイトに「大人へと変化する少女の心」と書かれているのを見て納得した。世界の見方に変化を来たし、生きる意味を考え、身だしなみを気にするようになる。わずか13ページの中に、青春のエッセンスが詰まっていた。
0255文字
individual
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『斜陽』でも感じましたが、著者は物語の運び方がうまいです。景観描写・歴史描写・昔話描写と心理描写を上手に結びつけています。「円環もの」の匂いを感じました。「疼痛。……」より以下のこの物語は、シュールで「変身もの」の展開になりますが、物語がこの運びになったのは、おそらくこの場面以前に、スワと父親との間でおこったことが原因です。そして、この物語ではそれを行間で表現しています(著者の作品では、それはほとんど表現されないので、省略したと書いたほうが適当でしょうか)。
individual

スワは“呪い”をかけられたのでしょう。血縁が近い人物と交わったため、主人公が呪いをかけられ、物語が非現実的になる型があると思います(たとえば『オイディプス王』や『海辺のカフカ』)。

02/04 16:47
0255文字
オスカー
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コレはどう解釈するべきなのか……難しい話だなぁ。父親が娘に…と考えるのは安易な気がするし。
0255文字
ケイ
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太宰が木山捷平宛に書いた昭和八年三月一日付の手紙で、この作品に触れていた。太宰はまず、木山捷平の書いた作品について、作者がまとめ過ぎていると評していて、その後に自分の仕事について語る。~『魚服記』は結びの一句「三日のうちにスワの無惨な死体が村の桟橋に漂着した」を考えて作ったのに、最後に削ってしまった、ずるかった、たとえ批評家から糞味噌に言われたようと、作者の意図は声が枯れても力尽きても言い張らねばならなかった~ 確かにこの一句があれば、話にうねりがおこり、凄みが腰を据えただろう。(コメントに続く)
ケイ

もちろん、この一句がなくとも、太宰の若さが迸る文章には、優しさや清々しさ、自然への畏敬が感じられる。先日、太宰の子守りであったタケさんのインタビューを聴いた。なんども聴いたので、スエの語りがタケさんの声で響いてきた。あの国の言葉のイントネーションで。昨日も今日も雨。太宰が亡くなった川を想いながら。桜桃忌の前に。

06/15 08:43
0255文字
イプシロン
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ネタバレ(再読)「おめえ、なにしに生きてるでば」と問うスワ。正しい答など言える人はいない。ならば死の側から見て、生きる意味を問うてみればと、スワは滝壺に飛び込む。小鮒になって川で愉しく遊ぶ日々。スワはある日また気づく「なにしに生きてるでば?」。スワは再び滝壺へと身を翻す。根源的に生きる意味を知れない人間の悲しさを20代で炙りだした太宰はやっぱり天才だ。冒頭、物語の舞台が語られるが、そこでは人のもつ最後の逃げ場としての故郷を表現したのだろう。義経が自刃した岩手県の平泉から、太宰の故郷にある馬禿山は見えないからだ。
ガラスの文鎮(文鎮城)

ここで述べられている八郎は秋田県の八郎潟と関係があるんでしょうか。近いと言えば近いので。

03/04 20:49
イプシロン

ガラスの文鎮さん、こんばんは。多分、関係ないのではないでしょうか。なぜ三? なぜ八? と私も考えましたが、考えても太宰の真意の推測にならないと思ったのでやめました。八は普通、末広がりで縁起のいいもの。でも太宰なら八方塞がりとか、八方破れとかいう意味で選んだような気がしますね。

03/04 20:55
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0255文字
白桃
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ネタバレ「山人が覗いているのだ、と思って、じっと眠ったふりをしていた。白いもののちらちら入口の土間へ舞いこんで来るのが燃えのこりの焚火のあかりでおぼろに見えた。初雪だ!夢心地ながらうきうきした」父親から性的虐待を受けたという感想が多くあるがそれまでも山人が時々遊びに来ていたと考えられないか?「山人に犯された後、父親が戻ってきた。恥ずかしさに滝に身を投げた」可能性もあるが。坂口安吾は「不良少年とキリスト」で「魚服記」は、すばらしいじゃないか。これぞM・Cの作品です」と書いているが高評価の理由が私には分からない。
0255文字
beer98
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★★★★☆
0255文字
多読多量連投が日課だった
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カフカの変身をぬるくしたような
0255文字
にがつ
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ファンタジー的ではある。山の自然の描写や、滝へ落ちて学生が死んだとか、親子ふたりきりの生活だとかなんとなく閉塞感を感じていたものの。なんだかいまいちピンとこなかった。他の方の感想を読んでなるほど、と思った。そういう見方をするのか。父親の炭の粉だらけの指を小さな口におしこんで泣いたっていうとこがなんか卑猥。この物語をきいたのはもしかしたらそういうことがあった後なんじゃないかと想像してしまう。
0255文字
sakotu
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ネタバレ『「おめえ、なにしに生きでるば」「判らぬじゃ」』       なぜ鮒になった と思ったけど、そういうことか 疼痛、ね
0255文字
白色うさぎ
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『「お父(ど)」スワは父親のうしろから声をかけた。「おめえ、なにしに生きでるば」「判らねじゃ」「くたばった方あ、いいんだに」』――山という場所は、ある意味孤独な閉鎖空間です。本作品では、世界の端っこに取り残され、たった二人きりで暮らす父と娘の歪な関係性を描いております。太宰の隠れた名作ともいえる作品です。酒に酔った父に犯され、絶望のあまり滝へ身を投げるスワ。鮒へ変化した我が身にいったい何を思うのか……? 鮒の姿で再び滝壺を目指して泳ぎ、二度目の自殺を試みる哀れな姿は、どこか太宰治自身の生涯と重なります。
白色うさぎ

「やがてからだをくねらせながらまっすぐに滝壺へむかって行った。たちまち、くるくると木の葉のように吸い込まれた。」――余計なものを限界まで削ぎ落とした タイトかつソリッドな表現力。描き過ぎないギリギリのラインで緊張感が保たれている近親相姦の描写。この巧いとしかいいようのない、完璧なラスト……流石は太宰治ですね。

08/21 02:53
0255文字
Tonex
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太宰治の故郷青森の寒村の外れにある滝が舞台。羊歯類の採集に来た学生がこの滝に落下して死亡。その事故を見た茶店の少女(15歳)が本作の主人公。少女は父親(職業炭焼き)と二人暮らし。物語は二人の貧しい日々の暮らしや、年頃になった少女と父親との微妙な関係を描きながら進むが、ある寒い夜、酒に酔った父親に性的暴行を受け、少女は滝に身投げする。▼太宰治の最初期の作品。昔読んだはずだが全然印象に残っていなかった。『胞子文学名作選』に収録されていたので再読したが、こんなに悲しい話だったとは。胸がしめつけられる。
Tonex

キノコ文学の観点からは、きのこ狩りのエピソードがある。秋の副業として、少女が山でなめこを採って、父親が村へ売りに行く。なめこは高い値段で売れるので、父親は酒を飲んで帰ってくる。少女へのお土産におしゃれグッズを買ってきたりもする。ある夜、父親の帰りを待つ少女は髪をゆって髪飾りをつける。これが悲劇の始まり。

04/15 08:59
Tonex

Amazonの内容紹介:「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の短編小説。最初期の短編小説。初出は「海豹」[1933(昭和8)年]。金木にある馬禿山で、植物採集に来た都の学生が絶壁から滝壺に落ちて死ぬという衝撃的な出来事を見た少女スワの話。自叙伝的作品の「十五年」の中で、太宰自身が「作家生活の出発」と語っている作品。

04/21 07:59
0255文字
スリーピージーン
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もともとは中国の古い短編で、それを上田秋成が雨月物語に翻案したものを、また太宰がリメイクしたのだそうだ。同じ青空文庫の「「魚服記」に就いて」に書かれている。内容はとても意味深。象徴やキイワードがあふれている。スワという女の子。少女から大人の女性に変わるときの鋭い感受性が神話のような神秘性をかもしだす。死にあこがれちゃったのかな。
to boy

「おと、なぜ行きてるだ」(だったかな)の場面が印象的ですね。大好きな作品です。

10/22 22:13
スリーピージーン

そうです。印象的ですね。短いけど私はこの話ちょっと怖かったです。

10/22 22:22
0255文字
Q
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魚服記の死の感触の軽やかさにはなんだか落ち着かなくなると同時に、子どもや少女たちのなかの死っていうのはこんな感覚なのかなあという腑に落ちる感覚もあったりする。山で育ったスワの天真爛漫さみたいなものが不気味に感じるのは自分だけなのかな。
0255文字
ミラクロン・カエサル
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山の中で父親と二人で暮らしている少女が主人公。いくつかの出来事が起こるのだけど、ドラマと呼べるほどのものではありません。それぞれの出来事が象徴している意味みたいなものを読み取らないといけないんでしょうけど、うまく読み取れませんでした。▼坂口安吾が『斜陽』とともに絶賛している作品だということで読んでみたわけですけど、どういうお話なのかな・・・と思っているうちに終わってしまったという感じです。
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Quentin Compson
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少女スワはある者の死を目の当たりにする。死の実感は、スワの精神を一度に成長させるが、同時にスワを死へと強く惹き付ける。結局、スワは死の側にある者に魅せられ、魚となり死の側へと進んでいく。私は死が恐ろしい。しかし、自分の存在の消滅とそれによる現実からの解放を想像すると、恐怖と同時に、不思議と恍惚とした感情が現れる。人とは死を避けようもない存在だ。スワは父に問うた。なぜ生きるのかと。父は答えた。分からないと。分からない生を、分かりようもない生を、考え生きるために、コメントに続く
Quentin Compson

死の存在について知ることは意味のあることだろう。だが、自身の消滅は強烈な魅力を放つ。スワのように惹かれ、戻れなくなることもある。 人は死について考える時、生の側にいる自分を確かめることが必要なのかもしれない。

06/14 21:17
0255文字
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魚服記評価100感想・レビュー52