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田舎の紳士服店のモデルの妻 (文春文庫 み 43-1)

感想・レビュー
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ランボ
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辻村深月さんの解説を先に読んで。タイトルは「妻」だが、妻であり母であり娘であり女である梨々子の10年の物語。ちょっと特別視されたいとか、家族といるのに孤独とか、心情を丁寧に取り出して観察して納得する梨々子に好感を持つ。移住やピアノなど後の宮下さんを示唆するアイテムも印象的。
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こん
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よかった!読む人を選ぶかもしれないけれど、今のわたしにはしっくりくる主婦。自分、仕事、地域、友人、子育て、夫…取り巻くものの描写どれもに思い当たる節が。うんうん。
こん

社宅でなければ到底住めないような街に住んで、住んでいるだけで何かに選ばているような気分になれて、評判のいい幼稚園に子供を通わせている。それがそのまましあわせだと思えるほど単純ではないつもりだけど、それがしあわせでないのなら何をしあわせと呼べばいいのだろうろ24

04/16 21:02
0255文字
dzuka
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田舎に引っ越しをした女性の物語。 どこにでもあるような話とは思うが、そのどこにでもあるということにフォーカスした作品。 そう、普通という言葉は、よく使われる言葉ではあるが、それがなんなのかイマイチわからない。普通の生活とはなんなのか、普通の生活をしていると幸せ度も普通なのか、という難問を突き付けてくる。 普通でないことに心配する人達、非難する人達、普通であることに不安なる人などいろいろな人が現れ、普通についてとても考えさせられる。前半は少しマンネリだが、終盤が特に読みごたえがある。
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とらとら
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ネタバレ夫の鬱病で田舎暮らしと共に、小さな子供達の子育てに追われる主人公。普通という相対的な基準で生きていることを考えさせられる。そもそも目的地がなかった。どこへ行けばいいのかわかっていなかった。今もまだわからない。でも、滑って転んで道を踏み外したつもりでも、こんな程度だ。回り道の一歩一歩が私の人生だ。」自分のこれまでを振り返っても、なかなかそんな割り切れない。普通に縛られ、少しでも良く見られたい。そんな邪念との戦いの日々の主人公に共感。
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もりの
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今の私に刺さる本だった。妻になり、母になり、これから私はどうなりたいんだろう、と悩んでいた。けど、何者にもならなくていい、目立とうと思っても結局は大多数のうちのひとりなんだよ、それなら自分のことを想ってくれる家族と向き合おう、と思えた。恋愛脳だから、結婚したら恋愛できないの悲しいなと思っていたけど、夫と恋愛のような関係でいればいいんじゃん?!と今更思った。夫にばかり期待してしまうけど、私こそ自分を磨いて、魅力ある人間になって、かわいいと思ってもらえるように頑張りたいな、と今日は思った(明日は知らない)
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さー
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ネタバレ刺さった。そこかしこの文章が刺さった。梨々子みたいに強気に自分が特別だと思ったことはないけれど、それでも誰でもが抱えるささやかな優越感、劣等感。揺さぶられる。特別な存在の自分は笑顔を向けられて当たり前。そう意識するでもなく生きていた梨々子に塩原さんの痛烈な一言「主役やりたい人は家にいたらつらいやろ」自分の物語の主人公は自分だけど、相手も自分が主人公の物語を生きている。ずっと自分が何者かになれるような気がしているだけ「私は何者でもなかったし、今でも何者でもない。何者かにならなくちゃいけないなんて、嘘だ」★5
hon

これ女性の方が刺さると思います。自分の人生の主人公は自分。他人の人生の主人公は他人。当たり前のことではあるんだけどね。なかなか気付かないよねー。特に今みたいに自尊感情がどうこうっていう時代だと気付きにくいだろうな。

02/20 20:03
さー

当たり前なのにどっかで棚にあげちゃってるんですよね。でも、いくら地方都市といえどずっと専業主婦でいられるなんて、今の時代幸せなことですよね。梨々子の自尊心はそこでは満たされないのかー

02/21 10:03
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練りようかん
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夫のうつ病をきっかけに幼い二人の子供と共に移住。東京で生まれ育った主人公にとって北陸とは。泣くに泣けない状況を繊細に且つどろっとした心の塊を思わせる端正な文章で綴っていてさすが、と思っていたら一年後の日記には予想外のパワーワードが!“どっこい、生きてる”のどっこいから反骨心としぶとさが伝わり、しかし二年四年六年経つとコップから水が溢れそう。特別じゃない自分、誰も頼れず家族さえ強い繋がりを感じれず、辿り着いた境地が寂しいと強いの礫だった。思った通りじゃない自分を受け入れるまでの十年にとっても引き込まれた。
0255文字
lily
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「希望というなら希望。絶望というならまた絶望とも呼べる夫婦のこれからを、心して生きよう。」達郎のうつが原因で東京から「都落ち」した竜胆梨々子が、潤と歩人を子育てしながら田舎でたくましく暮らしていく。かつて憧れた夫の機微の読めない言行や、子供の成長の遅さ?にヤキモキしながらも粛々と主婦を続けていく姿に共感する人も多いんじゃないかと思う。自分は性別も立場も違うので完全に共感することはできないが、梨々子の強さに学ぶことはできる…はず。「北陸で一番目立たない県」って…T山?
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katsu
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最初はつまらないと感じたが、徐々に面白くなる。人との関わりの中で、ちょっとしたことで嬉しくなったりイラっとしたり落ち込んだり。そんな日常がリアルに描かれていて実に面白い。どうこうならずに終わる感じもとても良い。
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ラブミーテンダー
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私の家族構成が同じ。母親も同じようなこと思ってたのかな。
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ロビン
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ネタバレ母として、妻として、そして田舎の一員として、何者でもない自分がそこに生きていくことを10年かけてもきちんとやってるね、梨々子は。「生きるのに意味などない。竜胆梨々子が生きるのは、ほんの何人かの、梨々子がいなくなったら悲しむ人のためだけだ。」(p252)これ、難しいよ。なかなかできない。「平凡に生きられればいいなんて、そんなの今だからこそ言える大人の理屈だ。だって、自分たちが小さかったころ、(中略)平凡なんかじゃなく、すごく幸せに暮らしたいって願ってなかった?」(P244)たしかにー。
ロビン

でもさ、梨々子はそこにたどり着くまでに、マヒナと出会っちゃったっもんなあ。なんかずるいなあ。そういう「宝物」を心の中にもって、生きていけるもんなあ。ちょっとずるいよなあ。

11/20 20:09
0255文字
kintel
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昔よりも何者かになりたい人が多いであろう今を生きる多くの人に突き刺さる小説だと思う。都会で暮らしていると何でもあるし、次から次へと新しいものに触れられるし、いろんな人や刺激があるから誰でも誰かになれる気がするけれど、ほとんどの人は何者にもなれない。この物語の主人公は半ば強制的に何もない田舎へ転居することで自分自身を見つめ直す契機となった。綴られる内省的な文章が丁寧で紆余曲折を経る実際の思考そのもののようで真に迫っている。ひとつひとつに本質的な答えが導かれる描写にハッとさせられる。珠玉の一冊。
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麺
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タイトルから一体どんな物語なのか想像出来ないまま読んだが、リアリティが濃く深い小説だった。 何か特別な存在でなければ自分を認められない、人から認めらなければという価値観から離れて、自分は自分であることが普通であり、ひとりであることはそれを突き詰めれば自由に繋がる、という方向へ転換していく様に、説得力がある。 これは都会だから、田舎だからという単純な話ではなく、結局のところ自分の問題だ。 とは言え自分だけでは気がつくことが出来ないことはあまりに多く、人と人の繋がりの大事さについても思わされた。
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haha haha
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夫が鬱になら、夫の実家のある田舎で暮らす事になった妻と2人の子供。10年かけて自然体で小さな幸せを見つけることができる暮らしを手に入れた梨々子。共感するというか、ほっとした読後でした。
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りっちゅん
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おもしろかったです。辻村さんの解説もよかった。
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oooともろー
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夫の鬱のために夫の地元で暮らすことになった妻・梨々子の十年。無口な息子2人。このまま地方で埋もれてしまうことへの苛立ち。平凡・普通への反発。日常生活の中にある幸せ。この後の十年も読んでみたい。
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pirokichi
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ネタバレ夫のうつ病により不本意にも夫の故郷の地方都市に転居する事になった30歳の梨々子。東京を去る前にママ友から餞別にもらった10年日記。本書はその10年日記と共にあった梨々子の10年間の心の葛藤を2年刻みで描く。自分の心と深く向き合った梨々子。「それよりも、めでたいと意識してさえいないときのめでたさを愛でたい」。「今ここにしかいない私。かけがえのない、何物でもない私」に出会った梨々子は、もう大丈夫だ。10年日記は昔チャレンジしたけど続かなかった。また始めようかな。そそるタイトルが秀逸。解説は辻村深月さん。
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Ayumi Shimojoh
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電車移動の長い日があって、1日で読み終えた。予期せぬ希望しない暮し、方向は自分の場合と正反対(梨々子は東京から地方)だけど、目が離せないというか。気づけよ梨々子!と言いたくなったりする。やはり出身地で、方言含めてニュアンスが伝わりやすい感じは、暮し易いと思う。後半になると、梨々子の気づく、何もなかったんだ、そもそも。それは最近読んだ東洋哲学「空」とつながるな、と手を打った。「神さまの庭」を先に読んでいて、どこまで実話なのかなと思ってしまう。
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くりん
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★★★☆☆(3.8)なんか良かった。見た目も好みの東京勤務のエリートサラリーマンと結婚した幸せは続かず、夫はうつ病になり勝手に退職し、夫の故郷に戻ることに。別れ際マウントを取りたがるママ友がくれたのは10年日記。2年ごとの定点観測で10年の時が流れる。男の子二人の子育ても大変だったろう。最後の数年は病院のボランティアまで引き受けた。色々あったけど梨々子は立派だったよ。宮下さんは二作目だったけどこの本はタイプだった。辻村さんの解説もGood!ちなみに私も2冊目の10年日記をつけています。
石橋陽子

10年前なんて読み返すと面白いでしょうね。すっごい量ですよw日記はいいですね。言語化するっていうのがいいです👍🏻私は日記早朝に書くんですよ。まだ1日始まってない時に。ワクワクする日記になります。

07/21 23:23
くりん

陽子さん✨10年は色々ありますよね。忘れている事も多いので備忘録としても役に立っています。早朝に日記を書かれるのですね。それで10年日記の1日分とはすごいです。ワクワクする日記素敵です。

07/22 22:23
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0255文字
はる
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ネタバレ何者でもない自分を認めて梨々子が得たしあわせを私も将来感じたいと思った。専業主婦として暮らすこととか結婚して子供を育てることを幸せとすることとかが古いと思われるような時代だけれど私はそんな幸せが欲しいと思う。多様性と言いながらも個性的であることが多様性、とされて今まで普通とされていたことが否定されるような風潮を感じて窮屈さを感じる。 不倫が禁断のロマンスのように扱われるのは少し苦手だと感じた。相手が芸能人ではなく、過去に憧れてた人とかの方がよりリアルなのになと思った。
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どらネコ
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☆☆☆
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moe.
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ネタバレ結婚しても私は私?子どもを産んでも私は私??いや、住む場所で、住む環境で、周りの人達で、全てが変わる。何者でもない私。結婚したって、子どもを産んだって、1人は1人。ほんとその通りだよな~って思いながら読んでいた。最後、ちゃんと自分の今の場所を好きになれたのは良かった。私は、田舎に行って、「妻」「嫁」として生きていけるだろうか。「自分が主人公になりたいタイプ」という言葉がすごく残った。私は、自分が主人公でいたい。
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xx1
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男性が読むのはどうかな?と読み始めたのですが、なるほどね。と、思うことが多くて読んで良かったです。 ^_^
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yukari nakanishi
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2024年25冊目 宮下奈都さん/田舎の紳士服店のモデルの妻 容姿端麗な夫と2人の子どもと暮らす、主人公の梨々子。しかし夫がうつ病になり、故郷の田舎へ引っ越すことに。 慣れない土地での暮らしや子どもたちの問題と向き合いながら、進化していく梨々子がカッコいい😎解説は辻村深月さんです。 #読了
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kaikoma
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平凡で何となく過ぎたと感じても、10年という月日の中では色々な想いをするのだと改めて思います。章分けが2年ごとの誕生日で、少しずつ主人公が成長していくのが良いですね。自分が感じたのと、全く違う読み方ができる事が分かった解説もとても素敵です。
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あい
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ネタバレp252「生きるのに意味などない。さびしいわけでもむなしいわけでもなく、ぱーんとそれがわかる。竜胆梨々子が生きるのは、ほんの何人かの、梨々子がいなくなったら悲しむ人のためだけだ」くぅ、わかる。これは歳を重ねて、また読みたい本だなぁ。梨々子が偉くて立派で、尊敬する。小さい幸せや変化を見つけなければ、日々はあっという間に過ぎ去る。今日はふらふらと近くの桜を見に行き、ベンチに座っておにぎりを食べた。通りすがりのおばあさんとおじいさんと話をして帰ってきた。日記をつけるなら、ひらひら葉桜、腰は曲げちゃいかんよ。
hon

梨々子最初は鼻持ちならなかったけど、段々変わってくれてほっとしたよ。ふらふらとでも出掛けていくのがきっと大事なんだよ(笑)。

04/07 22:18
あい

たしかに鼻持ちならないところありましたね(笑)でもワンオペですごいなぁと思って読んでいました。基本外出しないので、もっと出掛けないとなぁと思います…。

04/09 17:07
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0255文字
M Y
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遅々としてしか読書が進まず。。。終盤の開けた展開になるまで中々辛かったです。
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こまつ
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定点観測で描かれたある妻、ある母、ある娘、ある女性の物語。梨々子の視点であり俯瞰の視点で描かれた文章にある金言のような一筋の言葉にはっとさせられる。きっとこのはっとする文章も、読む時の自分自身のコンディションによっても変わってきそうで、毎年自分の定点観測として読んでみたくなるような物語。よく一人の人物の感情の起伏をここまで丁寧に掘り下げ広げて表現できるなと驚かされる。ちなみに黒い背景の表紙から受ける印象と、赤いピアノと子どもたち、梨々子が描かれた表紙の印象では随分違うのでそこも面白い。
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隠者
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基本的なとこはやっぱり男も女も関係なく思うことは大差ないなぁと。その上で世の中見てると男だ女だとわざわざ分けて対立してる辺りは人間てバカだなって話になるんだろうけど。妻の梨々子が主人公だけどやっぱり達郎の方が気持ちはわかるんだけどそれはイカンでしょと言うのもわかり。何かこう、世の男というか父親の哀愁が詰まってる感じで。そら、生活かかってるからどうすんのよ!?ってなるのはわかるけどそんなじゃ疲れちゃうしもう少し気にかけてほしいよなぁともなるし。
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野良まんぼう
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田舎の紳士服店のモデルの妻…?タイトルだけでもう気になってしまった。しかも宮下奈都さん。羊と鋼の森で心に刺さりまくった作家さんじゃないか! 文体的には主人公の心の中の声や思考をひたすら展開していく感じで、正直最初の頃はちょっと読み進みにくかった。 でも「普通の人」が思うような葛藤や悩みやぼんやりした将来の不安をすごく緻密に描画していて心に沁みた。 女性じゃないし、母じゃないけど、30-40代の女性の心境をトレース出来ているようだった。 解説が辻村深月さんじゃん。。。 まさか関わりがあったとは。。。
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すぬぴ
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宮下さんのエッセイに出てくる子育ての話、家族の話が大好きで、この物語はエッセイではないと頭では分かっていてもどうしてもダブってしまう。それくらい、宮下さんらしさに溢れた作品で、すごくすごく好きになった。好きなところは、子どもへの眼差し。この子はこのままでいいと信じられる強さ。周りと同じことができない子への心配や不安や焦りがどこから生まれるのか…あぁ本当にその通りです。宮下さんに優しく諭された気分。
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さえこ
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とてもよかった!タイトルがなんで肩書?と思っていたけど、内容とのリンクが素晴らしい。
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Tetsuya  Suzuki
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辻村深月さん絶賛と帯にあり、初めて読んだ作家さんです。 東京で暮らすことは、競争社会のなかで暮らすことと思えるので、主人公の気持ちがわかる部分もあります。プライド高くなっちゃうのかな。(笑)
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y t.
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★★★★4.5
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のんびりさん
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辻村深月さんの「太陽の坐る場所」の宮下さんの解説がとても良かったからの「田舎の紳士服店のモデルの妻」。 生まれも育ちも東京の梨々子は、夫が鬱病を発症し突然夫の実家の北陸の地に移り住む。長男の幼稚園のママ友に10年日記をお餞別としてもらう。10年日記⁉︎と思うのだが、日記帳とともに梨々子も環境に慣れ、夫婦関係、子育てと色々ありながら彼女が変化していく様に共感したり、考えさせられた。梨々子の強さと真面目さと地区の運動会の夫婦二人三脚を全力でやりきる彼女はカッコいいと思った。「どっこい、生きている」は名文。
のんびりさん

解説は辻村深月さん。

01/25 14:57
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自己満足の本好き
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宮下さんだし、勝手に癒やし系の作品と思っていました。しかし読んでびっくり、人間の業や夫婦間のなんともいえない軋轢やら、こんなこと思ってはいけないんだけど思ってしまうことを言い得て妙で書いてくれる。とても考えさせられる作品でした。ラストの締めの文章が素敵すぎる。
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じい
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こういう作品も書くんだ〜といい意味で期待外れだった。 確かに帯どおり「強い」お話でした。
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ずぅ
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女であり、母であり、妻であり、はたまた時には娘でもあり。その姿を使い分けるうちに行き着つく「私はひとり」という絶対的な事実。でもそれは寂しいことではない。結婚から10年を経て少しずつ梨々子の価値観が変化していく様子が面白い。人生の予習本。
0255文字
yasko_s
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海外営業部のエースを射止め、絶好調だと思っていた梨々子に思いもよらない事が起こる。決して言葉にしない梨々子の心の呟きは全て共感できる。仕事との両立、多忙さを楯にして、頭を過ぎったこれらの不安や焦りに向き合うことなく流して来たが、十年日記で定点観測するとこんな感じなのだろう。職場やご近所だけでなく家族や友人に抱くちょっとした違和感。あえて曖昧にしているけれど、結局ひとりなのかも。他者と比べて優位に立った時の幸福感はそうそう続かない。何の前触れもなくやって来る圧倒的な多幸感を日常の中でしっかり掴んでいきたい。
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ナオ
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面白かった。表紙にもう一枚、カバーがしてあって、何かでブームになってるのかと購入。一気読み。地塗られた殺人も、おぞましい殺戮も起こらない、フツーの主婦が夫の病気がきっかけで、夫の故郷で暮らす事になった10年を描いた小説です。 餞別に貰った10年日記が鍵になってて、私も5年日記2週目なので親しみ覚えたりして。何もないような田舎であったとしても、10年は確実に何か変えて、ラストの晴れやかさよ。と思う。日記もモデルも続ける事は大事だなーと。良い小説でした。
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田舎の紳士服店のモデルの妻 (文春文庫 み 43-1)評価70感想・レビュー478