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エ-ゲ: 永遠回帰の海

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TARO
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ギリシャとトルコの遺跡を立花隆と写真家の須田慎太郎が巡った記憶が記述されている。その地域に数多く点在する遺跡について述べた文章と写真がほぼ交互に展開される。ギリシャ神話やキリスト教や哲学などと絡めて、争いなどによって破壊され朽ち果てた遺跡と共に、遥か彼方となってしまった過去の栄華が語られる。遺跡群を見下すように、終末思想のなか、粛々と祈りを捧げる聖山アトスの修道士たち。俗世の我々は、いずれは収束するなか、同じことを繰り返し続ける。螺旋状の渦の中に吸い込まれるように永遠回帰の海に漂い飲み込まれていく。
TARO

たまゆらさん、コメントありがとうございます。チュニジアの沿岸でそのようことがあったのですね。教えてくださりありがとうございます。

08/01 17:43
たまゆら

TAROさん、教えるだなんてとんでもない。そういう出来事が続いていてほとんどの人々が知らされずにいるか、見て見ぬふりを決め込んでいるだけ。怒りの発端よりも悲惨なのはその結果だ、と本日職場の日めくりのローマ皇帝マルクス・アウレリウスのことばが目に飛び込んできました。人間の性というものでしょうか?身近なものをせめても愛したいものだと思うこの頃です。

08/01 20:53
3件のコメントを全て見る
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kthyk
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誰の本であったかメモはないが、量子力学は古典力学が示した直感的世界を瓦礫化したというところは納得だ。なるほど、時代はいつもブリュンヒルデによりもたらされた神々の黄昏にあるのだろう。ピラネージはローマの廃墟を描いたがバロックローマはグランド•ツアーの巡礼都市として復活する。ニュートンと同時代、ペストと大火後のロンドンはクリストファー•レンのセント•ポール大聖堂で再建される。この書は後に宇宙根源神として崇拝された牧神パンがキリスト教の世界支配によって「偉大なるパンは死せり」と歌われたエーゲのニッチな文と写真。
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光太郎
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まあまあ
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なおこっか
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エーゲの熱い風を思い出すような一冊。立花隆の筆致も熱いが、数々の写真が更に素晴らしい。遺跡を巡りながら、生と死が円環となって巡る観念について語られる。アポロンとディオニュソスが補完関係であり、ディオニュソスの半不死性について触れるあたりが面白い。また生と性は造形物の中で一体となって発露し、エフェソスのアルテミス像に凝縮されている。ランボーと同じ永遠を見ることができるかどうかはともかく、歴史が重層的なエーゲの遺跡を体感する良さには大いに同意。ロードス島から眺めただけのトルコにはいつか行ってみたいのだが。
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Hiro
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憧れのエーゲ海の旅で見たギリシア、小アジアの古代遺跡や今に続く修道院をテーマにしたエッセイに同行写真家の印象的な写真が豊富に付いた贅沢な一冊。ギリシア正教のこと、キリスト教以前のギリシア土着宗教や神話のこと、原始キリスト教の布教の様子、特にヨハネ黙示録のことなど、様々なことを知った。また著者が若い頃の旅でシチリアの古代遺跡に圧倒され今回の再訪になったことを綴るくだりが興味深い。歴史書に書かれた事が歴史ではない、土地の石や壁から伝わる人々の何千年もの生活の堆積を感じる事が歴史だ、という感慨には強く打たれる。
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Hiroki  Nishizumi
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ギリシアは遠いから、いずれ必ず行くとしても、とりあえず近場の遺跡へ行ってみたい
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ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
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圧倒的な序文。「ほんものの遺跡と自分自身で出会ったことがない人に、その理由を説明するのは、ほとんど不可能に近い」という記述に胸を突かれた。著者がエフェソスで見てしまったアルテミス像は、写真で見ても衝撃的だ。
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マーク
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36 行ってみたい。トルコギリシャ。立花隆の原点かな。1982年の旅を2005年に書籍化 ◎トルコ、エフェソス。現存最大の古代都市←ローマ、アテネは現代都市の下に埋もれている。アルテミス像! ●ネクロポリス 死者の都市 サルコファガス石棺 黙示録、世界の終焉を語る20ページ、ヨハネが流刑地パトモス島で書いた。 ●アトスの修行僧は他人に興味なし。自分と神、のみ 東方教会の典礼は大変神秘的、美しい。 ●ミレトス遺跡。紀元前6世紀 万物は水、のターレスは、天文学者、科学者。黄道、地軸の傾き、365日。タレス
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ukitama
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立花隆の原点、と思われる本だった。たぶん、ここから、彼の「知りたい」が始まったのだろう。最終章の「こねくりまわす哲学」に対する姿勢は、彼の一貫した考え方を示すものだ。輪廻の中、人は、何を求めて生きていくのか、素朴で、しかし、根源的な問いかけをしてくれる本でした。
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ポテンヒット
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紀行文というよりは思索本。エーゲ海周辺の数々の遺跡に赴き、千年単位で時を感じ、語られなかった歴史に思いを馳せる。宗教や神話の神々は優勢であったものが生き残り、劣勢のものは迫害され破壊される。けれど、完全に消滅するのではなく新しい宗教の中に入り込み生き延びる。反面、死を避けられない人間は無に帰す。しかし、万物は永遠に回帰し我々もそれと共に回帰する。ニーチェから古代ギリシア人まで、先人の英知や歴史を通して人間とは何かを問うた傑作。本の半分を占める写真も美しく、文章の添え物ではなくコラボレーションである。
ポテンヒット

〈著者一周忌の頃の番組より〉著者は遺言で葬式・戒名・墓はいらない。私物は全て処分してほしい。骨もゴミとして捨てたらよいとご家族に伝えたそうだ。猫ビルにあった膨大な書物は古本屋に引き取られ、骨は樹木葬にされた。この本は、著者の思想を垣間見る事のできる一冊だった。

06/01 19:54
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読書の鬼-ヤンマ
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2005年11月1日第1刷、図書館本。立花隆氏、21年4月30日没(80歳)。今年4月30日、NHK追悼番組、二本。①22時:NHKスペシャル「見えた 何が 永遠が~立花隆 最後の旅」。②5時40分:映像ファイル「あの人に会いたい立花隆」。P155:知識としての歴史は、フェイク。教科書、歴史書、歴史家の説、記録や資料の中に遺された歴史、すべてフェイク。最も正当な歴史とは、記録されざる歴史、語られざる歴史、人が知らない歴史、旅先での目の前に存在している遺跡、その存在を抹消してしまった歴史が正しい現実、だ。
読書の鬼-ヤンマ

P172:デルフィのアポロン神殿の神託的格言「汝自身を知れ」。「自分は無知だという知」=「無知の知」=「人間すべて無知だという知」を獲得、すべてのものが違って見えてくる。「無知の知」こそ、人間が、なかなか到達出来ない最大の真理であるとアポロン神は言う。ソクラテスは、「無知の知」の上に、すべてを築く哲学を始めた。 P176:ディオニュソス神話:キリスト教神話に繋がる。神の子であるが故に、一種の不死性を獲得し、それが復活能力に。イエスは神の子である故に、神と人を繋ぐ偉大な仲介者(Mediator)となった。

05/11 14:49
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eulogist2001
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★4.5 立花隆氏の世界観が凝縮されている。千年単位の時間軸で捉えれば、まさにひとりの一生は瞬間。そして廃墟を眺めれば連環しているような歴史観にならざるをえない。同じ地平をぐるぐると回るのではなく、少しでも上昇して進化しているなら幸いだ。
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海千山千
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ギリシャに行きたい…昔行ったギリシャ旅行が忘れられず、いつかまた絶対行きたいと思っている自分。タイトルと、本書内の遺跡写真に惹かれて購入しました。 ギリシャの壮大な歴史を感じる写真と、著者の知識の深さ。立花隆氏の名前は知っていたけれど、著書は初めて読んだ。他の本も読んでみたい。
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E
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ネタバレ知人からの借り物。なぜ本を借りることになったのかわからないが本に罪は無し。タイトルの「永遠の回帰」はニーチェの言葉から。著者はジャーナリスト・評論家とあるので遺跡や歴史の本かと思いきやギリシャ神話やキリスト教がメイン。東大で哲学を学んでいたそうで納得。ギリシアの修道院共和国アトスの話は未知で興味深かったけどギリシャ神話やキリスト教の話には人間って勝手なもんやなあと思った。権力争いのためにローマ神話をギリシャ神話に取り込むとか。元になるストーリーがありそれを都合よく解釈を加えていくのが現代の憲法みたい。
E

ゼウスの色情魔ぶりの理由は以前別の本でも読んだ。キリストの復活もマリアの被昇天も3日後というのが興味深い。ヨハネがパトモス島に流罪になった時の改宗のエピソードとかは多様性を認めない感じでちょっと怖いなあ。アトスでの月日の数え方、『アラビアの夜の種族』と同じだ。黙示録に出てくる奇妙な生き物気になる。最後は哲学の始祖ミレトスのターレスの話。

10/17 20:43
E

写真が90年代っぽいなあと思ったら80年代のものだった。胸の前で腕をばってんにして眠ることには何か神秘的または宗教的な意味があるのだろうか。『アダムスファミリー』のウェンズデー然りエジプトの遺跡然り。

10/17 20:43
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湯島湯
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トルコ、ギリシャに残る遺跡群を前に正統な歴史を見る。侵略者に蹂躙された僅かに残る荒涼たる風景は、教科書や歴史書に残っていない歴史である。そういった資料に残された歴史の方が少ないのではないだろうか。またそれは生き残った者の歴史である。
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MBs ゆーと
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知識としての歴史はフェイクである。 最も正当な歴史は、記録されざる歴史なのではあるまいか。 本文で語られるこの主張を裏付けるような写真がたくさん並ぶ。 読むと旅行に行きたくなる本であった
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nandacanaa
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古代の遺跡っていいなぁ。
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紫羊
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今年の1冊目に選んで正解だった。写真も素晴らしく、しかもかなりの部分をしめている、でも、文章の量は少なくても、十分に濃厚な立花ワールドを堪能することができた。とりわけアトスには心を鷲掴みにされてしまった。次は村上春樹の「雨天炎天」を読んでみようと思う。
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悠々人
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「偉大なるパーンは死せり されど 神々は永遠に回帰せんとす 然り 人の子もまた然ならんとす」 素晴らしい本ですね、それと写真も!
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ベルナデッタ
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写真がたくさんあって読みやすいかと思ったのですが、立花隆がそんなに簡単なわけがないか。イエスの復活、マリア様の処女懐胎など学者の立場で書かれています。かつてお勉強したことも書かれており掲載写真を見ながら巡礼の旅をしたよな気持ちに…いややっぱり本当に行きたい(^ー^)ノ
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きょ
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昨年観光したトルコを思い浮かべながらエーゲ海から眺めた都市・文化に思いを馳せた。
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はるゆう
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写真が多く、写真を見ているだけでも面白い本。3-4章でのキリスト教の性に対する話が面白かった。キリスト教が性に厳格なのは、性行為の後に生まれてくるが故に原罪を持つということを根拠つけるため、というのは、へぇ、と思ってしまった(キリスト教に詳しくないので、具体的にそうなのかわからんけど)。キリスト教がこれだけ多くの人に受け入れられて、長い歴史を持つということは、人間の心(というか本質)に触れる何かがキリスト教の中にあるのだろう。
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glaciers courtesy
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書籍情報社というメジャーではない出版社から出ているせいか、立花隆本では異例なくらい売れていないのではないか。アマゾンで購入したら2005年11月の第1版第1刷が送られてきた。4年半前のものだ。しかし、内容は素晴らしい。「ディオニュソス」「ネクロポリスとサルコファガス」「エフィスソスのアルテミス」「ミレトスのターレス」。語られる全ての話は恐ろしく奥が深く、面白い。立花隆の面目躍如だ。代表作の一つと言えば言い過ぎか。しかし、これが月刊プレーボーイに連載されていたのかぁ。
0255文字
たまゆら
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地中海
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