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主人公の異常な自意識過剰に辟易させられて、読み進めるのがかなり苦痛であった。読後は何だか著者から突き放されたような感覚になる…。と同時に当時の漱石の差別問題への意識の低さ、古さへの残念感も強く残る。小説としてもどうなの?というモヤモヤした残念感も。解説を読んでもなんだかモヤモヤ…。(未読の人はあまり期待しないで読んだ方がよいと思います。私は正直言って期待外れでした…。村上春樹『海辺のカフカ』の主人公や司書の大島さんは本書を面白く読んだらしいけど…。)
こんにちは。本書は春樹自身が絶賛してます。ただ、ある作品が全ての読者に賞賛されるわけでもありません。イチローが10割打者になれないように。逆に、読者全てが賞賛する作品があったら恐ろしいです。春樹はデビュー作「風の歌を聴け」の冒頭、こう書いてます。【完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね】🌼求めても行き着かないからこそ小説は面白いんです。
→というような、若者特有の無意識の自己陶酔だ。二人の女性に対してきちんと向き合わず「自分だけをふいと煙にして仕舞おう」「度々自殺をしかけた」「自殺が急に出来なければ自滅するのがよかろう」という自分勝手さ。その癖、坑夫の飯は、不味さに食べられず、坑夫達の自分への嘲笑は、耐えられない。それでいて、何故か自分は帰らないと固く心に決めている。この本の読み方はいろいろできそうだが、私は、お坊ちゃんが「僕、こんなことだってできるんだから」という自己アピールに思えた。彼が坑夫としての経験を成長に活かせることはない。
病気の伏線は要らなかった。気管支炎とか今だとただの風邪だけど当時は恐ろしかったのかな。取って付けたような伏線だったので無い方がいい。女性関係も予定より描写が少なくなったんだと思うがもっとシンプルな設定で良かったと思う
でも非常に面白かった。虞美人草の100倍良かった笑
効果を生み、過酷な環境に浮遊感と救いをつくっています。年を取って「あの時は危なかった」とはじめて気づく危うさって誰にでも覚えがあるでしょう。長蔵さんは地獄に引き入れる鬼だったのか、それとも地獄に突き落とされるところを際どく救った守り神なのか、両面性があるのが本作の魅力です。『三四郎』をはじめ仕事をしないことに対する漱石のこだわりは強いですが、儲かる仕事である疚しさと、危険で下層の仕事である侮蔑とがある中にあえて身を投じてみせるということは、仕事をするということがいかに気になっていたかを物語っています。
この頃の人たちはタバコを吸います。 芋を食べます。 私たちか知っているコメは銀米と言います。 人数が増えて、山道を登っていきます。 「自分」はこの鉱山で働くことになります。 ここには1万人が働いています。 モデルは足尾銅山のようです。 南京米は美味しくないですが、食べます。 南京虫に苦しめられます。
穴に入るときに、「地獄の入り口」という言い方がされます。 地の底ではカンテラを使います。 鑿と槌で作業をします。 ダイナマイトも使います。 ダイナマイトはこの頃すでにあったのだと思いました。 地底での作業は閉所恐怖のわたしには耐えられそうもありません。 読んでいて怖いです。 背筋が凍るほど怖いです。
いえいえ、スッキリ♪
最後の文、末尾に笑いました~。私も誰かさんに言ってみたい捨て台詞♪
「駆落が自滅の第一なら、この境界の自滅の--第何着かしらないが、とにかく終局地を去る事遠からざる停車場である」。そして青年は鉱山の穴に入って酸欠になったのか、意識が遠のく(臨死状態)、「死ぬぞ」の他者の声で目覚める。「神は大嫌いだ」。恋人だったら嬉しいが。鉱山で働く同じ境遇に堕ちた先輩坑夫の言葉。「日本人なら、鉱山から出ろ」という。学問のある者が坑夫になるのは日本の損失。1万人の坑夫は畜生という認識。
結局青年は健康診断を受けて、気管支炎になって、娑婆に返されるのかと思ったら、帳付けになった。それまで馬鹿にされていた坑夫にも帳付になった途端に態度が変わった。青年の堕落の始まり。なんじゃこりゃ。
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