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坑夫 (岩波文庫)

感想・レビュー
60

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天気雨
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103 自分で自分を馬鹿に教育して嬉しがる 132 練羊羹 生小豆
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きい
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6時間26分 上流階級による拭えない差別意識を感じさせつつ底辺の異色の世界を見る主人公。帰る場所があってよかったね。鉱山労働の話かと思ったのに想定とは違ったけどこれはこれで良かったです笑 何事も初日って長く印象的に感じるよね
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mikio
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ネタバレ小説の様に拵えたものじゃないから、小説の様に面白くはない。その代り小説よりも神秘的である。凡て運命が脚色した自然の事実は、人間の構想で作り上げた小説よりも無法則である。だから神秘である。(P124)そして日の照らない坑の底で、安さんに出会えた奇跡により小説となる。提供された元ネタから漱石がどのように脚色したかに興味が湧く。閉所恐怖症の身としては震えを覚えるほどの迫真性、安さんに出会わなかったらやばかったかも(笑)でもどこか惹かれる作品でした。村上春樹の分析からすると"ある種の人間"ということになる。私も。
0255文字
stray sheep
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一度こうと決めたはずが次の瞬間はまた別の情念に襲われて云々といった部分は漱石の後期作品にも通ずる部分が多いけれど、時々出てくる笑いの要素を見つけると『吾輩は猫である』の次の作品であることも実感させられる
0255文字
海燕
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読了までに時間を要した。というのも物語の変化に乏しく、平行して読む他の本を優先してしまったから。学生時代に漱石の主だった作品は読んでおり、久々の漱石だった。朝日新聞に連載された作品で、岩波文庫では当時の挿画も添えられているのは面白い。ある若者が漱石のところに持ち込んだ題材をもとに書かれたものだとか。主人公がポン引きに連れられて鉱山にたどりつき、飯場での坑夫との交流などが描かれ、その都度主人公の思いや社会への批評が延々展開されるが、どうにも冗漫。こう感じるのも、現代の作品にかぶれているせいだろう。
0255文字
タカヒロ
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漱石の作品を考える上で重要な要素が沢山入った小説だと思う。死を望みながら鉱山に連れられ、最後は東京に帰り結局自殺することもなくおそらくそれなりの地位にある語り手が過去を語る。その中で人間の矛盾、無性格性、「運命」について分析する。「抉る」ような叙述がやっとこの小説で出てくる。自分を起点に、赤毛布、小僧=自分の相対化、安さんと金さんは、坑夫としての生と死(=未来)の象徴を担う。その自分は他者からの眼差し、言葉によって形成される。主体的選択の機会はありながらそれをしない自分=「運命」?「偶然」という問題。
0255文字
yama
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ネタバレ100年以上前の明治の青年の自分探し・居場所探しの話にして、読者のゲシュタルトを崩壊させる小説。あるいは読者の価値観・世界観の根拠を崩壊させる小説。何不自由なく育った19歳の青年が東京の親元を出奔し、斡旋屋に出会い鉱山へ向かうのだが…。見るもの聞くものほとんど初めてで、同じ日本語を話していても話が通じないというか「異世界に来た」感を、主人公が苛つきながら言語化していく物語として読んだ。夏目漱石作品としては取っ付きにくい(というかあまり面白味が感じられない)。→
yama

主人公の異常な自意識過剰に辟易させられて、読み進めるのがかなり苦痛であった。読後は何だか著者から突き放されたような感覚になる…。と同時に当時の漱石の差別問題への意識の低さ、古さへの残念感も強く残る。小説としてもどうなの?というモヤモヤした残念感も。解説を読んでもなんだかモヤモヤ…。(未読の人はあまり期待しないで読んだ方がよいと思います。私は正直言って期待外れでした…。村上春樹『海辺のカフカ』の主人公や司書の大島さんは本書を面白く読んだらしいけど…。)

09/28 13:52
zero1

こんにちは。本書は春樹自身が絶賛してます。ただ、ある作品が全ての読者に賞賛されるわけでもありません。イチローが10割打者になれないように。逆に、読者全てが賞賛する作品があったら恐ろしいです。春樹はデビュー作「風の歌を聴け」の冒頭、こう書いてます。【完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね】🌼求めても行き着かないからこそ小説は面白いんです。

09/28 14:12
0255文字
浅香山三郎
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岩波文庫になつてゐる漱石の小説は、多分これでみな読んだことになると思ふが、最後に読むまで敬遠してゐただけあつて、不思議な小説であつた。突然始まり突然終はること、ひたすら自暴自棄であることなど、なにか心理的な葛藤を坑夫の世界に移植して描いたやうな印象を受けた。漱石の日記か何かに、この話のもとになる坑夫体験を誰かが漱石に話して聞かせたといふ記述があつたやうに思つてゐたが、(岩波文庫版『漱石日記』では)うまく探し当てられなかつた。日記ではなかつたのかも知れない。
0255文字
直次郎
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漱石らしからぬとも、漱石らしいとも言える不思議な一編。なかなか手を出しにくい本だったが面白かった。 19歳の主人公は中流家庭のお坊っちゃま。理由あって実家を逐電、自棄になっているところでポン引きに声を掛けられて銅山へ。青臭くイキがる心情は解らなくもない
0255文字
ゆか
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ネタバレ野田九浦からの派生読書。自分のイメージとは違う野田九浦の骨太の絵を見ることができ、よかった。お坊ちゃんが坑夫として働きはじめ、自分の恵まれた環境を有難く思う成長物語かと思って読み始めたが、全然違っていた。まず、働く場までたどり着くのに100ページかかっている。長蔵がこのまま、いろんな人に声をかけつづけ、鉱山にたどり着くまでの話ではあるまいか?と疑いながら読み進めてしまった。主人公が、長蔵に誘われるまま、坑夫として働きはじめようとするのは、家をとびだして、捨て鉢になっているのではなくそういう風にみられたい→
ゆか

→というような、若者特有の無意識の自己陶酔だ。二人の女性に対してきちんと向き合わず「自分だけをふいと煙にして仕舞おう」「度々自殺をしかけた」「自殺が急に出来なければ自滅するのがよかろう」という自分勝手さ。その癖、坑夫の飯は、不味さに食べられず、坑夫達の自分への嘲笑は、耐えられない。それでいて、何故か自分は帰らないと固く心に決めている。この本の読み方はいろいろできそうだが、私は、お坊ちゃんが「僕、こんなことだってできるんだから」という自己アピールに思えた。彼が坑夫としての経験を成長に活かせることはない。

06/16 10:08
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0024
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面白かった、漱石作品では3本の指に数えても良いくらい。個人的には面白かった。 内容としては半端な自殺志願の19歳家出少年が、ポン引きに連れられて足尾銅山で坑夫見習いを1日で挫折した挙げ句、気管支炎と診断され帳簿係を5ヶ月間勤めて終わる話。 ストーリーの組み立て方が明瞭なのと、心理描写、情景描写のリンクが上手く分かりやすいので、夏目漱石の入り口として推奨しても良いレベルの本だと思います。 鉱山における過酷な労働の生々しい描写が上手いなあ……。
0255文字
あなた
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小説になれないでぐずぐずだらだらしている非小説。漱石の面白い所は、小説に近づいていきながらだんだん核心に迫ってくるとそのコースを外れ小説じゃなくなってゆくとこだと思う。村上春樹の人物たちにもつながっている。核心の近くにはいるのだ。でもどうしてもアクセスできない。『坑夫』の「自分」のように坑道のいちばん深い地獄のようなとこにアクセスしながらそこからはじきだされる。でもわたしはいくつかのものごとをみて帰ってくる。だが小説にもならない。なにか、になって、なにかのまま終わる。であってわかれた安さんはまだ地獄にいる
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Risa Shimowada
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馴染みのないタイトルで期待してなかったが物凄く面白かった。いつものインテリ苦悩物とは違い、鉱山物語を漱石がどう描くのかと思ったらインテリとは違う階層との軋轢、苦しさを上手く描いており、下手な嘘臭さにも陥らず、漱石上手いなーと感心。鉱山から出られなくなる苦しさとか、水の中を進む怖さとか自分の事のように感じる。文句は言いつつもいつも良い人が近くにいて、この時代はなんだかんだ言って人間の関係性が近くて優しかったのかなと思ったり。安さんの優しさと格好良さとかすごいし、主人公もそれに普通に甘えてるのが甘ったれ感も。
Risa Shimowada

病気の伏線は要らなかった。気管支炎とか今だとただの風邪だけど当時は恐ろしかったのかな。取って付けたような伏線だったので無い方がいい。女性関係も予定より描写が少なくなったんだと思うがもっとシンプルな設定で良かったと思う

07/17 11:41
Risa Shimowada

でも非常に面白かった。虞美人草の100倍良かった笑

07/17 11:42
3件のコメントを全て見る
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Timothy
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ネタバレ面白かった。死ぬつもりで家を飛び出した上流出身の青年が坑夫になるよう誘われ、朝起きて顔を洗い朝食をとることすら当たり前でない人がいることに驚きながら、「遣ります」「好いです」と無気力ではないが諦めっぽい聞き分けの良さで状況に身を任せる。彼の頭には常に死があるが、その距離感は作中何度も近づいたり離れたりして揺れ動く。「一貫した『性格』などない」とある種の小説を批判するが、キャラクター物の創作物に慣れた現代人の目にもこの主人公の性質がブレているようには決して見えなかった。
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ころこ
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写生文と江戸口調の名残と小説的な自意識がハイブリッドになった饒舌体は、「自分」(また珍しい一人称を使っています)の一人称による視点の安定によって上手くバランスがとれています。さらに話の単純さが心地よく、文章の長さの割に思いのほか読み易い。「地獄めぐり」のような小説ですが、道徳的でもないので、漱石が苦手な読者にもお勧めです。「自分」は19歳と若い。自殺をしようとして死にきれず、抗夫になろうとしてなり切れなかった。しかし、そのおかげで鉱山病にならずに、諦めと共に危機を何となく回避します。回想が間接話法と同様の
ころこ

効果を生み、過酷な環境に浮遊感と救いをつくっています。年を取って「あの時は危なかった」とはじめて気づく危うさって誰にでも覚えがあるでしょう。長蔵さんは地獄に引き入れる鬼だったのか、それとも地獄に突き落とされるところを際どく救った守り神なのか、両面性があるのが本作の魅力です。『三四郎』をはじめ仕事をしないことに対する漱石のこだわりは強いですが、儲かる仕事である疚しさと、危険で下層の仕事である侮蔑とがある中にあえて身を投じてみせるということは、仕事をするということがいかに気になっていたかを物語っています。

10/19 21:23
0255文字
大臣ぐサン
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漱石にしては異質な作品。元中産階級の主人公が社会の最底辺とされる坑夫へと落ちていく過程を描く。一見プロレタリア文学の臭いがするが、そっちのほうにも行かない。文章は主人公の回想の体をとり、一つ一つの事柄が丁寧に記述されるが、何か起こりそうな予感はさせるものの最期まで何も起こらない。極めつけ、主人公がこれは小説ではないと言い放って終わる。何とも変な小説だ。
0255文字
jun89
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人気が無い作品みたいだし、そこまで心に残るものでも無かった気がするけど、頭に描いた場面場面は、夏目先生の作品のなかでも一番脳裏に焼き付いている。
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◎
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「こう云うのを運命というんだろう。運命の二字は昔から知ってたが、ただ字を知ってるだけで意味は分からなかった。」
0255文字
Yamaccu
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一風変わった小説。ストーリーより文章表現に重きを置いている感じで、主人公の心理描写、鉱山の描写がかなり細かいです。 主人公の思考は矛盾だらけでロジカルとは程遠いですが、周りに影響を受けつつ必死に生きていく姿勢から、それが人間なんだという、少し勇気付けられた気がします。 あと、個人的に最後のぶったぎり感が好きです。
0255文字
tsuki2b
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ネタバレ主人公の男性が過去、坑夫になるため鉱山へ連れて行かれ、さまざまな困難に直面する体験談を、回想という形でひたすら語っていく。漱石先生、よく坑夫のことをよく知ってらっしゃると思ったら、小説自体が人から聞いたものを下敷きにしているらしい。漱石作品の中では異色らしいけれど、けっこう良かった。
0255文字
そんれい
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人は自分の立場に応じて、いかに偏見を持って世の中を見ているのかということを思い知らされたような気がします。一般社会から坑夫になるときもそうだけど、坑内を案内されている最中に華厳の滝で自殺する覚悟を決めたとたんに初さんの印象、態度が豹変する。これも、意識の潜伏者がなせる技なのか。人の性格なんて、都合のいい思い込みなのかも。また、読みたい。
0255文字
りっとう ゆき
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できごと、それに対しての主人公の、くるくる動く心理がごく自然に描かれていて、そこに人間らしさを見た気がして、すごいなあと。 人間には本当はまとまった性格なんてものはない。矛盾が多いのが人間というもの。みたいなことが書いてあって、わたしはうんうん、とうなずいた。
0255文字
にしざわ
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べらぼうにテンポのよい文章、半分くらいまで銅山にも着かずそのあと100ページ近くも坑道の探検に費やす珍妙な構造、もうこれくらいでいいでしょとばかりの唐突な幕切れ、終始ふらふらっとしたままな主人公、とってもおもしろかった。
0255文字
芭茶
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95
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Shoko  Ochi
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夏目漱石の作品でも、全く知らなかった著作です。エッセイのようで小説のようで、不安定な感情、思考をもつ主人公の揺れ動く感情。折々、「小説とは」的な著者からの注釈が入るのも、エッセイ感が強くなるからでしょうか。結局フィクションですが、銅山や当時の世界観の暗がりを覗くことができました。
0255文字
あいくん
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☆☆☆☆2年半ぶりに読み返しました。「坑夫」は「虞美人草」に続く作品です。漱石作品の中では異色の作品です。あでやかな美しい「虞美人草」に比べると荒くれた作品です。 「坑夫」は漱石の作品の中で隠れた名作とも言われます。この作品は新聞小説なのですが、章ドラマ「漱石の妻」で、漱石のところに若い男が訪ねてきて語った内容がのちに「坑夫」になったというところが描かれていました。「漱石の妻」を観た後、わたしは「坑夫」を読みました。分けがありません。260ページを一気に読ませます。
あいくん

この頃の人たちはタバコを吸います。 芋を食べます。 私たちか知っているコメは銀米と言います。 人数が増えて、山道を登っていきます。 「自分」はこの鉱山で働くことになります。 ここには1万人が働いています。 モデルは足尾銅山のようです。 南京米は美味しくないですが、食べます。 南京虫に苦しめられます。

02/05 20:34
あいくん

穴に入るときに、「地獄の入り口」という言い方がされます。 地の底ではカンテラを使います。 鑿と槌で作業をします。 ダイナマイトも使います。 ダイナマイトはこの頃すでにあったのだと思いました。 地底での作業は閉所恐怖のわたしには耐えられそうもありません。 読んでいて怖いです。 背筋が凍るほど怖いです。

02/05 20:35
0255文字
剣師匠@赤影
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たぶん岩波文庫版でなければ読み終えられなかった。2ページ半くらいで(新聞小説で1日分で)区切ってくれているから適度に小休止して読むことができた。やはり発表されたときの形式を考えるのは大事だ。これが全文くっついていたらと思うと恐ろしい。長蔵さんと鉱山に行くまでに100ページくらい。あとは鉱山と坑夫についての話。なげえんだよ!鉱山に着くまでが!実際に坑夫に会ってから揺さぶられる主人公の、人間の性格や生死に対する洞察は流石だと思う。劣悪な労働環境と、そのなかで働く人々についても読んでいて興味深かった。
0255文字
うれしの
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「…纏まりのつかない事実を事実のままに記すだけである。小説の様に拵えたものじゃないから、小説の様に面白くはない。その代り小説よりも神秘的である。…」…という風変わりな内容もさることながら、連載小説として大評判だったらしい「虞美人草」に続く第2弾に、あえてそういうのを出してきたって いう企画?に感心した。かなり思い切った選択だったのでは?新聞読者の評判はどんなだったのか知りたい。
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Manabu  Tokushima
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村上春樹「海辺のカフカ」に出てくるので読んだ。あれこれ思考はめぐるが口ごたえしない主人公の青年。
0255文字
ホームズ
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ネタバレ解説でも書かれていた『海辺のカフカ』を読んでから気になって新潮文庫、ちくま文庫と3回目の再読。特に事件が起きるわけでもなく主人公に共感できる訳でもないのに何故か読んでいける。
0255文字
シエロ
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ネタバレポン引きの長蔵と鉱山へ、安さんとの出会いそして読了に至った。評価が分かれる作品である事も納得。安さんの言葉『日本人なら、日本の為になる様な職業に就いたらよかろう(以下略)』に大いに感銘を受けた。日本人とは何か、今一度考える機会を与えてくれた良い作品でした。
0255文字
火禅
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ネタバレ海辺のカフカ で知って読んだ。文豪の作品というのは、読書好きの人間が自慢するためだけに読むようなイメージがあったが、これは現在でも通用するほど面白いというか、実験的な作品だと感じた。自然主義的小説にも、小説としての約束事はある(物事を時系列で書いたり、登場人物が唐突にいなくなつたりしない、など)が、これはそのルールからも自由である。人間の思いや人生を、小説や物語のように一貫したものとして、纏まったものとして描くことはできず、すべては唐突なのだ。さすが漱石。
0255文字
いちⅡ
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図書館。職業作家として2作目。 「人間はそんなに簡単にまとまったものとして描けない」性格をゴールとした同時代の小説は小説であって真ではないという話。ただ安心してぶれてもいいと停滞するのは駄目かと。鉱山のモデルは足尾鉱山という説。前年には劣悪な環境に馬にも劣ると文中に書かれた抗夫たちの暴動があり、当時劣悪な下等の職業とされていたのは周知の事のようです。差別用語とされていた文言が60年ぶりに復活したという話です。(エタ)
0255文字
zoros
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意地っ張りで自意識過剰なぼっちゃんが、世を嘆いて死ぬつもりで家を出たのに、ひょんなことから炭鉱で働くことに。 話としてはたいして起承転結があるわけではないのに、描写が鋭いのと、なんだか話が明るいので最後まで読めた。 当時の炭鉱の様子がよくわかる。本当に大変で金にならない仕事。揺れつつも逃げないのは彼の育ちの良さなんだけど、同時に傲慢でもあるのは、温かい布団でしか寝たことがないからなんだよな。それも親の手で。それでもところどころに主人公が世を憂うつぶやきがあって、そこが夏目漱石らしい感じ。
0255文字
古本
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漱石にしてはめずらしい小説、男女関係から逃げてきた男
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三陽パパ
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海辺のカフカで登場して以来、いつかは読んでみたいと思っていました。昔の地元の描写も少しあり、興味深く読むことができました。鉱山内が描かれた部分では、世界の終りとハードボイルドワンダーランドのやみくろがいる地下を思い出しました。
0255文字
藤月はな(灯れ松明の火)
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漱石版ブラック企業職業記的小説でもあり、『海辺のカフカ』でカフカ君が読んでいた本。でも私は自意識過剰で周囲には無頓着な主人公にイライラしてしまって・・・。結局、家出したのは女性二人にいい顔してフラフラしていていた事を家族から追求される嫌さから。意志がないのに他者に上から目線。元学生の坑夫、安さんの言葉も馬の耳に念仏で「彼がカリスマになれたなら俺もなれる」と謎の自信。挙句は「俺は美女二人が取り合うほどの男だったんだぞ」って思う所は呆れ果てるしかない。働くのも、生き抜くのも大変なのに何をいけしゃあしゃあとボケ
クレナイノ

いえいえ、スッキリ♪

01/10 21:44
wassermusik

最後の文、末尾に笑いました~。私も誰かさんに言ってみたい捨て台詞♪

01/10 21:44
4件のコメントを全て見る
0255文字
かふ
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『虞美人草』が比叡(山)に登る話から始まる。次の『坑夫』が鉱山に潜る話。足尾鉱山のことを書いているのだが、鉱山に行くまでが長い。エリート意識がありながら世捨て人。厭世的な気分で坑夫に身を落とす。漱石のプロレタリア文学かブラック企業小説かと思ったが、主人公の自意識だけで進んでいく地獄の三丁目。身分の違い、人間性の問題、青年は鉱山に登って降りていく潜入記。自己の境界=モラトリアムの遊民から人間以下の労働者への転身。でも娑婆にまた戻っていく。だから小説(手記)を書いている。その滑稽さ。
かふ

「駆落が自滅の第一なら、この境界の自滅の--第何着かしらないが、とにかく終局地を去る事遠からざる停車場である」。そして青年は鉱山の穴に入って酸欠になったのか、意識が遠のく(臨死状態)、「死ぬぞ」の他者の声で目覚める。「神は大嫌いだ」。恋人だったら嬉しいが。鉱山で働く同じ境遇に堕ちた先輩坑夫の言葉。「日本人なら、鉱山から出ろ」という。学問のある者が坑夫になるのは日本の損失。1万人の坑夫は畜生という認識。

12/16 07:17
かふ

結局青年は健康診断を受けて、気管支炎になって、娑婆に返されるのかと思ったら、帳付けになった。それまで馬鹿にされていた坑夫にも帳付になった途端に態度が変わった。青年の堕落の始まり。なんじゃこりゃ。

12/16 07:19
0255文字
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
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 2014年 2月14日 改版   1刷
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